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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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461.  サイコ2 《ネタバレ》 
かなり入り組んだ複雑なシナリオだが、色々と微に入り細を穿って組み立てられており、完成度としては確実に合格点を大きく越えていると言えるだろう。少しだけ無理繰り・取って付け感が在るとしたらラストの「真の母親」の箇所かと思うが、その女をノーマンが即座に手に掛けるオーラスはもはや哀愁すらも感じさせる優れたバッド・エンドだと思う。  一方で、シナリオの当初は正気を保とうと苦悩するノーマンを主人公として描いてゆきながら、徐々にメアリーの方に主人公の役割をシフトしてゆくアイデア(=ノーマンが正気なのかどうかは逆に定かではなくなってゆく)、そしてそれを可能にするメアリーのキャラ設定と実際の展開運びまでが非常に秀逸で的確だったとも感じるのですね。加えて、実際のノーマンとメアリーの演技自体もまずまず以上に好い出来で、結論、名作である『1』の名に恥じぬ優れた続編、と言ってよいかと思われます。アマプラに出て来ていますが、これは『1』のファンなら必見かと。是非。
[DVD(字幕)] 7点(2021-08-10 00:58:24)
462.  夜歩く男 《ネタバレ》 
無駄とゆーものを限り無く削ぎ落とした、混じりっ気無しのガチンコ・ノワール。身内を殺られた警察の鬼気迫る全力捜査には、いつでもそんぐらいマジメにやれよ、と若干ながら溜息も出そうになるものの、リチャード・ベイスハート演じる犯人の意外なまでの狡猾さ・凶悪ぶりを見せつけられれば、(ちょいと詰めが甘いのがだいぶん気にはなるケドも)警察やったれ!と何やら鶏冠に昇って来るのも必然か。ラスト、ベイスハートは小柄なのもあってスルッとまた排水溝から地下に逃げてしまう、そっから先は『第三の男』で観たよーな地下の追っかけっこだが、今作の方が1年先行の作品なのですね。催涙弾からの集中砲火で哀れ凶悪犯は蜂の巣に…キレの好いラストにもまた、実に無駄が無い。良作。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-08-09 01:55:53)
463.  拷問男 《ネタバレ》 
この邦題は「罠」ですよ。この映画で真に拷問されるのは作中の浅はかな登場人物ではなく、こんなタイトルに釣られてトーチャーポルノ目当てでホイホイ群がってくる変態どもの方です。正にこの世の地獄の様な、とでも言いましょうか、とにかく全編実に居たたまれないという作品です。お気をつけアレ…  キャッチー?なタイトルに比べ、その拷問描写は(低級~中級程度というワケでは決してありませんが)そこまで突き抜けてグロ全開、というホドではありません。個人的な観たままの感覚としては『ホステル』か『ソウ(2以降)』と同程度、ないしは少し下、といった位かと。今作で拷問を手掛けるのは主人公ですが、元々はごくマトモな父親なのですから、激しい拷問とはゆーてもそこにはどこか理性が残されていて、狂気というまでのモノは感じ取れない、というコトだと思います。その分、その哀れな父親の人物像を描いてゆく部分には、前述どおり非常に高度な居たたまれなさを伴う優れた見応えが確実に存在します。たぶん「思ってたんと違う」映画になるコトも多々あるかと思いますが、それでも(チャンと観れば)おそらく観る価値はきっと見い出せるという作品、なのではないかと思いますね。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-08-07 15:55:24)
464.  星空のむこうの国(2021) 《ネタバレ》 
正直、時間が空いたので秋田汐梨ちゃん目当てで観にいっただけなのですが、個人的には中々の拾い物でした。チョコチョコまんまとホロホロさせられてしまいましたね。  いちおう、監督のセルフリメイクとゆーことでリメイクものです(前作1986年版の主演は有森也実で、今作でもヒロインの母親役を演ってくれてます)。内容は思いっ切りな「ジュブナイル」SFラブロマンスといったトコロで、SFとしてはパラレルワールドがテーマですね。全体的にだいぶしっとり目、かつベッタベタベタな手法でチョイチョイ泣かせに来る、とゆう感じで、そこら辺があまりに古風でベタ(乃至は若年層向け)なので率直に好みは割れそうな感じでもあります(演出、特にCGなんかは意図的にお子様風につくってる、とすら見え兼ねないレベルでありまして)。ですが、個人的には前述どおり結構ココロ動かされました。若い俳優さん達の演技が(決して巧みとは言わないまでも)そこそこエモーショナルに仕上がっていたか、とも思いますね。  実は主役の鈴鹿央士くんは、彼だけがパラレルワールド現象の当事者というコトもあって終始ちょっとキョドってる感じが強く、演技的な見せ場も決して多くはなかった気がします。が、全力で走ったり全力で自転車漕いだりヒロインをおぶって走らされたり、と色々結構頑張ってましたね。肝心の秋田汐梨ちゃんは中々手堅く爽やかに可愛らしい演技で、ある程度は「演技の出来る」+「期待の」若手、と言ってしまって好いレベルかと思いました。他、こーいうのは大体脇役の方が演技が好いものかと思いますが、今作もご多分に漏れず、まず重要な「尾崎」役の佐藤友祐くんは比較的好かったでしたかね(やっぱりとゆーか、彼は他のキャストよりチョイ年上ですね)。他にも、央士くんの妹役の平澤宏々路ちゃん、央士くんに想いを寄せる後輩役の伊原六花ちゃんにも「泣かせる」演技の見せ場があって、私自身はどちらも見事にハマってしまいました。重ねて演技面に関しては、期待の若手俳優さん達を大勢観れたコトも含めてそこそこ満足度が高かったと感じます。  もう一人だけ、汐梨ちゃんの主治医の川久保拓司さんは、コレどっかで見た顔だな~とずーっと思ってたら『ウルトラマンネクサス』じゃあねーですか!キャラ自体は若干ウザったいですが、ご本人はご健勝で何よりデス。
[映画館(邦画)] 7点(2021-08-05 23:05:39)
465.  サイコ・ゴアマン 《ネタバレ》 
サイコ「ゴア」マンを名乗るだけあって、序盤からかなりグロいゴア描写がふんだんに盛り込まれており、主役が子供なのにこれはイイの?(倫理的に)と思ったりもしましたですね(中盤にはゴアマンが裏切者を大量殺戮する様子をミミちゃんが大喜びで見つめてたりするシーンもありましてですね)。ただ、ゴア描写もよく見ると結構チープですし、その他描写も総じて安上がり、特にしこたま登場する着ぐるみ宇宙人共の質感は最近の日本の特撮番組レベル(かチョイ下くらい)で、本質的には(やりたいのは)単純にコメディ、という作品でしょーかね(それも率直にかなりシュール・変テコな方のヤツ)。  ただ、私はフィーリングがドンピシャだったので相当に笑いました(でも映画館で観ましたが、皆さん笑い転げてる箇所も多々ありましたよ)。傍若無人極まりないミミちゃんは(実際は)12歳らしいのですが、この歳ながら実に可愛げの無い小憎たらしい顔つきで(どこぞの環境運動家ぽい)非常に前途有望?かと思います。もう一人、極めて情けないオヤジのキャラがちょっと欧米の映画では観たこと無いよーなレベルにも感じられ、個人的にはとても面白かったです。総じて「人間」側が人格的に破綻気味のイカレ連中であるのに対し、肝心のゴアマンは(彼も悪人の範疇ではあるのでしょーが)むしろマトモにも見えて、どちらかとゆーとツッコミ役にさせられていたのも中々興味深かったすね。結論、そこそこユニークな作品でもありますし、笑えますし、観る価値は十二分にあるかと。
[映画館(字幕)] 7点(2021-08-05 22:57:22)
466.  ジャングル・クルーズ 《ネタバレ》 
乗り物映画(船)というコトで、4Dで鑑賞しました(4Dですけど2Dでしたが)。今回は4DXを選択したのですが(実はお初)、ミストの有無を選択できるのとか、天井からも水が降ってくるのとか、火のシーンで首元に温風が来るのとかはMX4Dとは相違点としてありましたね。他方、椅子の動き自体はMX4Dの方が激しいでしょーか(アッチはたまに落っこちそうになるくらい傾くのですよね)。結論、エフェクトの多さは4DX、アトラクション感・乗り物感はMX4D、というトコロでしょーか。  で、1000円追加して4Dで鑑賞した甲斐もあって、アトラクション映画としては十分に楽しめましたですよ。ストーリー・設定も分かり易くて単純ですし、率直に言えばやはり完全な子供・ファミリー向けの映画だと言えるでしょう。映像自体はなんか他でも観たことあるよーなのも多いですが(特に『パイレーツ・オブ・カリビアン』あたりで)、クオリティはそんなに悪くもないし、非常に手堅い娯楽作だと思いました。  ただまあ大人が観たのであれば、お話の「お手軽さ」をレビューに残しておくのも無駄ではないでしょう。なんかよく分からん不老長寿の妙薬をジャングルに探しに行く、というシンプル極まりない話ですが、そもそもキーアイテムの「鏃」はなぜ当初ロンドンに在ったのでしょう?(ロック様はずっとコレを現地で探してたのではないのですかね?)ロック様に関してはキャラ設定が少しだけややっこしいですが、そこの背景ストーリーはイマイチしっくり来ない箇所もありますし(長老はアギーレを呪うのはいーのですが、何故についでにロック様まで呪いに掛けちゃったのですかね?)。ラストで目的のブツを手に入れた後、ロック様+ブラント姐さんがどーなったのかも随分と適当に流しちゃってて、総じてストーリーはどーでもイイというレベルの気の入れ方だとも思いましたですね。  とは言え、気楽に楽しむ分には全くもって十分なクオリティです。完全にロック様とブラント姐さんの2人の映画でありますが、2人とも出来はかなり上々でしたし、彼らのファンなら必見でしょう。かなり迷いましたが鑑賞環境の力も加えて、1点高めに付けておきます。
[映画館(字幕)] 7点(2021-08-01 15:48:42)
467.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 
描き出したいモノ(それは概念的なものにせよ、実際のお話の筋書き・ゴールにせよ、或いは『美女と野獣』を下敷きに置いているコトにせよ)が結構たくさん在る様に見えて、一方でそれらをシナリオ上で組み立ててつくり込んだキャラで紡いでゆく・有機的に結び付けてゆく、という運び方の面は、率直にあまり上手くなかったという様に感じました。端的に言えば盛り込み過ぎです。しかし、そーならじゃあ何処かを削るか、という取捨選択のチョイスがあったかとゆーとそれも若干微妙に思います(取り立ててココがダメ!と一言で言えるような単純な問題でもないかと)。脚本にはヘルプを入れたら、とも思いますが、これも単純にテクニックだけが問題になっているというコトでもない様な気もしており、ちょっと悩ましいトコロですね。  ただ、私自身は例えばすずちゃんのお話、自分自身が何者であるのかをこの世界の中で探し出し、確かにその自分で在り続けること、の重要性を説く部分などには、かなり高度に共感・感動できたのですよね。それは、実際に人と人との繋がりや自己のアイデンティティが仮想化しつつある現代社会においては確実に「真に大切なコト」であるのだろう、とも思いましたし。或いは映像表現や音楽性といった面も相当に出来が好かったのは確かかと思います。盛大に足したり引いたりして捻り出した評点、という感じですね(やや低めに付いた気もしますが)。
[映画館(邦画)] 7点(2021-07-23 13:05:26)(良:1票)
468.  Mr.ノーバディ 《ネタバレ》 
よくある「隠れ」スーパーマンが躍動するアクションスリラーで、お話の中身・キャラ設定・実際のキャラの出来映え等についても、さほど特筆するレベルなモンでもないかと思います。ボブ・オデンカークって、もっと全然年寄りなイメージだったんすけど(現実も還暦近いし)、今作では40代くらいの設定でしょうかね。だとしても若々しさやパワフルさといったものは(見た目的にも)あまり強くは感じられませんし、個人的にはジェイソン・ステイサムとかデンゼル・ワシントンとかキアヌ・リーヴス、とかの方がこーいうのとして好みではあります。  ただ、その肝心のアクションの爽快感とゆーのは率直にかなり素晴らしかったですね。例えば、音楽の使い方が実に好いです。ジャズ風の曲が多かった気もしますが(サッチモとか)ノリは好いしレトロな聴き心地もリラクサブルで、結構凄惨なアクションシーンなのですけど(主人公側もチョコチョコダメージ喰らってますし)実に心地好く眺めてゆけるのですね。その意味では、スピード感重視の(内容薄めな)展開運びも空気感を味わう上では適切だったかと。  全体的に非常にシンプルで軽~く観れるという映画です。暇潰しには確実に有用な作品でしょう。
[映画館(字幕)] 7点(2021-07-22 12:41:54)
469.  フォーリング・ダウン 《ネタバレ》 
なんとゆーか年を喰うと、あまり怒ったりしなくなりますよね。いや、私も怒った「フリ」とゆーのは(必要に迫られるので)しょっちゅうやってますが、根本的に感情に流されて行動すること自体がすごく減るとゆーか。まあ、理屈抜きで感情に任せて行動した所為で散々痛い目を見てきた、という「学び」故なのだとは思いますケド。  ド初っ端から素っ頓狂にブチ切れてオッ始まるので、もっとシンプルな(そしてイカレた)アイデアのスリラーかと思ったのですが、一枚重層的なのが、周囲の世界がイラつく事象に満ち満ちているという状況自体はよく見るとマイケル・ダグラスもロバート・デュヴァルも大して変わんない、というコトに見えます。もちろん、適度に器が広くて穏便に対処してゆけるデュヴァルの方には大いに共感してゆくワケです。終盤、嫁さん相手にキレてる「フリ」をしたシーンなんか個人的には最高でしたね(その後は一発マジギレしちゃってますが)。  ただ、作品として奥行きが在るからイイのかとゆーと必ずしもそーではなくて、マイケル・ダグラスの側のお話(=大人気なくキレちゃうコトの一種の爽快感)とゆーのはイマイチ盛り上がってゆかないとゆーか、最初が一番な尻窄みの様にも思えます。結局のトコロ、本作はスリラーではなくてブラック・コメディなのでしょーね。結論的に私個人としてどちらが観たかったのかと言えば、ダグラスの暴走が果てしなくエスカレートしてゆくという(どこか笑える程度の)アクション・スリラーだった、という様にも感じます。シンプルなアイデアはシンプルに、とでも言いますか。
[DVD(字幕)] 7点(2021-07-22 08:57:37)
470.  追想(2017) 《ネタバレ》 
なんか結構、一見は「下世話」なハナシだと言ってよいだろうと思いますね。シアーシャちゃんとゆーのは爽やかでフレッシュでスマートな美人ではありますが、ちょっと色気とゆーのはまだちゃんとは備えてもいない、という印象で、ただその意味ではある種のハマリ役でしょうし、それはこーいう内容を意外にもごくごくマジメに・真摯に描いてゆくという実際の作風からも適切なキャスティングだったと思います。  重ねてですが、描かれる「事象」自体は非常に下世話なトコロを、こーいう妙にマジメな雰囲気に纏め上げるとゆーのは地味に演技・演出ともにかなり難易度が高いと思います(特にエロっぽさをごく抑えて、その一方でそこにリアリティを共存させるとゆーのが)。ただし本作、そこのクオリティがまず非常に優れていたと思いますね。色々と微に入り細を穿って事細かに考え抜かれたシリアスな展開運び・仕上げが素晴らしかった、なんつーかソコはもはや精密機械の様な映画だとすら思います。その部分にはまず中々ユニークで高度な見応えがあったなあ、と感じましたのですね。  ドラマとしては後半の展開がやや大袈裟すぎるとも思いましたが、ラスト付近の余韻はこれまた中々でした。描かれる「若さ(若気の至り?)」の爽やかビターな味わいがかなりグッドな良作青春恋愛映画だと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2021-07-14 21:32:14)
471.  カバーガール 《ネタバレ》 
戦前の作品ながらカラー作なのが嬉しい今作では、何と言ってもうら若きリタ・ヘイワースが正に全米の恋人と言うべき素晴らしい風情。カラーだから実に見映えのする燃える様なご自慢の赤毛に加えて衣装も結構凝っていて、そこら辺からもルックスは完全に申し分無いと言える。しかし、それでいて踊りも歌も驚くほどに達者なのだから、コレにはもうグウの音のグの字も出ない。相手役ジーン・ケリーも(ごく爽やかなルックスも然ることながら)こちらも踊りは相当に上質で、中盤の別撮りを合成したシーンなどは流石だな~というハイ・クオリティ。ミュージカルシーン自体の量もそこそこ豊富で、その点からももう大満足。お話もごく他愛無いケドここぞというシーンの演技はまずまずで、アクセントとゆーのが付けられていてホッコリしながらもシンミリとも出来る。結論、かなり満足出来ましたですね。
[DVD(字幕)] 7点(2021-07-07 21:57:22)
472.  親密さ 《ネタバレ》 
一年前、サンクス・シアターという所で映画が観れるとゆーことになったので、濱口竜介監督作品を片っ端から鑑賞していたのである。短編・長編問わず優れた作品も数多く観ることが出来たのだが、惜しむらくはどれもマトモにソフト化もされていない様な代物ばかりで、そーいった作品を本サイトで登録するのは少し気が引けるので、比較的鑑賞チャンスが今後も多いだろうと思われる今作についてのみここで言及させていただき、それら作品の魅力を少しでも伝えられれば、と思う。    ENBUゼミナールの卒業制作として製作された本作は、劇中舞台劇『親密さ』の実際の公演風景を収めた後半と、その舞台劇を演出家の男女2人(この2人は恋人同士でもある)を中心としたメンバーがつくり込んでゆく様子を収めた前半から構成されている。劇中劇のテーマも、その劇をつくってゆく過程で主なトピックスとなるのも、それは自分と他人との関係性をどのように考える・突き詰めてゆくか、或いはその際に最も重要となるであろう「言葉」の可能性と限界をどのように捉えるか、といった比較的シンプルなものである。劇中劇について言えば、その点に関する作者の価値観は主に詩、または手紙の朗読という形で表現される。その意味では(これは前半も含めても)全体として非常に文学的な雰囲気を纏った作品だと言えるし、それはある種、伝えたいものを伝える手段として「演劇」を選択した彼らが、言葉の可能性に対する問いかけを常に抱き続けつつ、それに決して絶望はしていない、ということを意味する様にも思われる。  世の中の諸々を陰陽二元論よろしく2つに分けるとある観点として、「理想の追求」と「現実の処理」というのがあるかと思っている。端的な表現で言えば、「狭く深く」と「広く浅く」という2つの方向性、ということにもなるのかと思うし、より実際的に言えば、深めることをどの時点で諦めるか、ということだとも思っている。それは人間関係も、或いは演劇というものの価値のつくり込みに関しても、ある部分で同じことだろうかと思っている。  若い時というのは、どちらかと言えば「現実」よりも「理想」の方が幾らか早く「見えて」きがちなこともあってか、より深める・極める方への衝動の方が強いのではないかとも感じている。年齢を重ねるに連れて、諦め・或いは妥協という手段に格段に流れがちになった自分を省みて、彼らの純粋でどこか不器用な様子から感じられるのは、私には一重に爽やかな郷愁であった。この映画からは、やはり「若さ」が強く感じられる。そしてそれは、彼らが自らの秘める若い「可能性」をこのとき確かに信じていたことの証でもある様に、私には思われたのだ。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-28 00:38:42)
473.  モータルコンバット(2021) 《ネタバレ》 
何も前提を入れずに気楽に観に行きましたが、思ったよりだいぶん楽しめましたよ。元ネタは残虐がウリの格闘ゲームとのことですが、この映画版でもその格闘は武器で斬ったり刺したりのオンパレードな血ミドロで(かなり痛そう)、かつトドメの所謂「フェイタリティ」は確実に18禁レベルのハードスプラッタ連発、という有様でした(実際はR15+ですケド)。が、何ちゅーかやっぱり少し「背徳的」とも言えるよーな優れた爽快感がありましたね。一点注文を付けるなら、もう少し敵に対する恨みつらみが募ったトコロでカマしてくれるとより一層爽やかだったかも知れません(まあ、話の内容・キャラ設定のつくり込みはかなり甘めな作品なので、ソコは如何ともし難くはあるのですケド)。  前述どおり、話の内容や世界観には大した中身・工夫も無くて、要は、敵味方色んなキャラがワンサカ出てきてそいつらがバトルロイヤルでひたすら闘うよ!というだけの話です。その一番肝心な登場キャラに関しては(ココは原作準拠なのだとは思うのですが)中々彩り・バランス好く集められていたのではないでしょーか。主人公はチョイ地味な気もしますが、女キャラは可愛かったですし、我々日本人なら何と言っても真田広之の絶大な存在感は非常に嬉しいトコロです。続編の製作自体はかなりの確度で期待できるのではないかと(出来がどーなるかは分かりませんケド)。
[映画館(字幕)] 7点(2021-06-24 21:05:52)
474.  キャラクター 《ネタバレ》 
世の中つーのは結構世知辛いモノで、どーしても「ただ善人」という人は中々トップまでは辿り着けないのかなあ、とも思うのよね。少なくとも、いわゆる「悪人」とゆーのが何をどう考えているのかを想像くらいは出来る、とゆーのは必須かと。残念ながら世の中のそこそこの割合の人々てのは、悪人か、でなくてもイザとなったら悪人に為るという人間なのだから、とでも言いますか。  その意味で言うと、ごくごく善人な主人公の漫画家は自分が善人だから悪人を描けない、その彼と、それこそ凶悪極まりない殺人鬼が邂逅・シンクロし、彼らが二人で「彼らの」物語を描き始める…という大元のアイデアは、率直になんかかなり面白いな、と共感できたのですね。そしてその(やっぱりどこまでも善人な)主人公が、勝ち得た自分の地位を守る・そして周囲の期待に応えるコトの重圧と、自分が描く物語が社会に「悪」をもたらすことの罪悪感の狭間で葛藤してゆく、という前半の展開は、繊細な菅田将暉の演技の上質さも相まって個人的にとても面白く・また多分にユニークにも感じながら観てゆけたのですよ。  しかし本作は、最後までその主人公の葛藤を描いてゆくというワケではなくて、中盤で彼はある種「白旗」を揚げて、そこから先はワリと単純な犯人捜しスリラーに変わってしまう、そこは率直に少し残念だと思ったのですね。ただ、そっから先が全くに平凡・月並な作品だというワケでも決してなくて、後半は後半でかなり意外性やアイデアの在る展開運びでそこそこ以上に面白いし、加えて、猟奇大量殺人のその「現場」の凄惨な血みどろ具合や終盤のショック描写の「痛さ」とかいった部分のキレ味もかなり良好で、そこにも相当な見応えが在りましたのですね。結論、良作と言える範疇のサイコ・スリラーなのは間違いの無いトコロかと。  演技面でも、前述どおり菅田将暉は好かったし、犯人の彼も結構「手堅い」出来だったすね(特に見た目の不安定さが)。もう一人、小栗旬は『罪の声』でも思いましたが刑事役はドンピシャ・絶品ですね。人当たりの好さそうな一方で、切れ者ぽい鋭さや凄みも兼ね備えていて、そーいう現代的な刑事の役だけでも今後相当食ってける、とゆうよーな気がします。   ※追記:小栗旬は『罪の声』では刑事じゃなくて記者でしたね…(勘違い)…まあ役割的には似た様なもんだとゆーコトで。。
[映画館(邦画)] 7点(2021-06-16 21:48:05)(良:1票)
475.  猿楽町で会いましょう 《ネタバレ》 
どーみても恋愛映画にしか見えませんが、率直にここまで来るともはやそーとも言い切れない、というレベルですね(コレを恋愛映画だとは、私は認めたくないのです)。ここに描かれるのは愛だ恋だといった人間性のごく善なる側面では更々なくて、徹頭徹尾がその負の側面の方なのです。シンプルな愚かしさに始まり、狡猾・打算・不誠実、そして猜疑…ここまでネガティブな映画、それも一見そうは見えない様な「皮を被った」作品というのは、個人的には随分と久し振りな気がします。  とにかく、本当に碌でもないヤツしか出てこないのです。男の方も正直言って最初からあんまり印象は好くないのですが、ラストまで観ると彼には逆に同情の念すら覚えます(=女の方がヒドすぎて)。まあ、あくまで女性を信じようとした彼の人の好さを「未熟」だと糾弾してよいものなのかどーかは、率直に微妙なトコロでしょう。ただ個人的には、人を信じるのはそれこそ個人の自由だと思いますが、大人ならばそのリスクに対する回避策・自分が傷つかない術、とゆーのは常に用意しておくべきだと思います(仕事においても、プライベートにおいても、それは常識かと)。大人は基本的に、オールベットなどしないものです(自分で書いててなんか浮気の言い訳に見えてきましたケド)。  まあそんなのはどーでもよくて、とにかく問題は女のコの方ですべ。なんつーか、どーしよーもないですね。なんも考えてませんし、困ったら泣くか媚びを売るかすればどーにかなるとしか思ってなさそう、とでも言いますか。とにかく彼女は、自分がその時欲しいモノを相手がすぐに与えてくれるか、でしか他人を見ていない様に思われます。それは相互関係、高度な意味での(大人が必要とする)人間関係ではない、とすら思います。本作のラストには、彼女は影もカタチもありません。それこそが監督の「答え」なのではないか、と感じました(すなわち、彼女の居場所とゆーのはこの世の何処にも、他の誰の人生の何処にも、無いという意味かと)。若い日本の女優さんにしては珍しく脱いで頑張ってますが、後半はそれが全く嬉しくもなかった、とゆーのが、彼女に対する(私の)嫌悪感を物語っているよーにも思います。  映画としての完成度は、かなり高い作品だと思います。とは言え、こーいう(ただネガティブな)お話を映画として描くことにどこまでの意味を見出すか、というのも、ひとつ確実に議論の在るトコロではあるでしょう。少なくとも、映画から何らかのポジティブさを得たいと常々思っている人、或いはそーとまでは言わなくても、現時点でそーでもない映画を観れるだけのメンタル的な準備が整っていない人、には向かない作品だと思います。個人的にはこの見応えの、ある面での「素晴らしさ(ユニークさ)」を念入りに勘案して、正直嫌いな部類の映画ですがこのような評価とさせていただきたい、と思います。
[映画館(邦画)] 7点(2021-06-16 21:47:03)
476.  機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ 《ネタバレ》 
原作は大昔に読んだものの、さほど印象に残った記憶も無く(結末がやるせなかったのだけ覚えてる)、三部作という大仰な設えには(それに足るだけの話の内容はあったのだっけ?と)一抹の不安も感じつつ、更に意図せずもDolby-ATMOSでの劇場鑑賞と相なりました。  それでもこの第一弾は、先陣としては十二分以上の好い出来だと思う。ハサウェイ、ケネス、そしてギギのキャラクターを詳らかにしてゆくことがメインの内容もそこそこ興味深く観れるし、程好くコンパクトな尺ながら序盤・中盤・終盤にアクションシーンはバランス好く在るし、そのアクション、特に終盤の第五世代MS空中戦闘シーンは期待どおりのかなり高水準なクオリティだったしで(夜戦なのでチョイ見難い、というのは確かに玉に瑕ながら)。Ξガンダムを目出度く手中に収め、テンションMAXなトコロで次回へ続く、とゆーのはついこないだ『UC』の第一話でもやった(在りがちな)手法だとちょっと苦笑しつつも、コレは第二弾も確実に劇場鑑賞となるでしょう。  雰囲気もイイですね。コンセプト自体は割とハードめな話だし、そのハードさを結構剥き出しに見せつけてくる様な暗さ・凄みとゆーのも十二分に醸しつつも、若き「反逆者」たちの様子には特大の爽やかさと、そして気高さ・人の人たる美しさといった様な少し懐かしい空気も仄かながらしっかりと感じ取れる。青春映画としても素晴らしいモノになってゆくのではないか、という大いなる期待を抱かせます。良作ですね。
[映画館(邦画)] 7点(2021-06-16 21:35:45)
477.  片腕マシンガール 《ネタバレ》 
血飛沫スプラッシュなおバカ・和製スプラッタですが、随所のつくり込みにはかなりのこだわりが見て取れます。その熱意こそが、こんな低俗なB級作品にこんなに熱烈なファンがこんなに沢山居る理由かと(しかも世界中に)。  まず、血飛沫の派手さで大いに誤魔化されてもいますが(それも当然狙いのうちでしょうが)人体破壊描写のアイデアには中々にユニークなものが散見されます。個人的に面白かったのは、板前のけじめ寿司だとか、マシンガンで敵の胴体に風穴を空けておいてそこから後ろの敵を撃つシーンだとかですね。オーラスも(ちょっとグロすぎてエフェクトかけてますが)かなり派手かつシュールでユニークなシーンだったかと思います。  もう一つ、やはりカメラワークがかなり面白いですね。俳優さんは女性も多くて決してアクションが本領という人ばかりでもないと思いますが、戦闘シーンにはかなりの迫力が出せていますし構図その他に意外性も多分に感じ取れます。予算的にどーしようもない部分は潔く諦めますが、出来ることには妥協しないという姿勢にも、とても好感が持てるとゆーか。  更に一点手を抜いてないのが、随所で「キメ」のポーズをチャンと考えているコトですか。これは何つーか、日本の特撮や戦隊モノを好んで観てきた人たちだから出来ることだ、という様にも感じます。これも所謂「文化的レガシー」と言ってよいヤツなのかも知れないと思ったりしますね。  正直、邦画ってカネ掛かってないヤツの方がユニークで面白かったりすることがままある、と思ってます。その中でもかなりアウトサイダーな作品なのは確かだと思いますが、日本の映画文化全体においても地味に結構重要な作品だった、とも思うのですね。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-14 21:20:46)(良:1票)
478.  淵に立つ 《ネタバレ》 
ヒョ~~終盤、夫が妻に「罪」を告白するシーンが実に凄かったですね!そしてそれは、連れ添って初めて彼らが本音を吐露し合ったシーンだ、という意味でもこの上無い「重み」とゆーのが在りました。ここまで長年かけて色々と「疲れ果てた」人たち、とゆーのを演技でつくり出せる古舘寛治と筒井真理子に全力の拍手喝采を贈りたいです。その後も、車中で仲野太賀に食ってかかる真理子姐さんなんて完全に常人の域を脱しているというか、もはや魑魅魍魎の類いかと思われるホドで(それと必死で張り合おうとする仲野太賀の「青さ」も、なんか結構悪くないよーに思えましたですケド)。  お話としては、ちょっとネガティブな人間性(ヒトのヒトたる「罪」てか)の描写に終始し切っているのは、ハッキリ好みではありませんですね。ラストに少しだけ「他の何か」を描き込もうとしていたのかも知れないのですが、ちょっと私には掴み切れませんでしたし。  ま~~でも重ねて演技は面白かったですねえ(満足です)。思い返せば最初から、どこか「乾いた」家族だったなあ、とゆーのがしみじみ思い返されます。そしてやはり、長年連れ添って本心からの交わりが全く無い、とゆーのも、もはや前時代的だ、とも思われますね(今日ビの若い人達は、そんなコトになる前にさっさと離婚するものでしょう)。見応え、というのは間違い無く強烈に備えた映画だ、と思います。
[DVD(邦画)] 7点(2021-06-11 23:47:54)
479.  クワイエット・プレイス 《ネタバレ》 
作中で描かれない「何故こーまでの事態になってしまったのか」の部分の整合性はいったん置き、あくまでこの特殊な状況が生み出すスリルを楽しむべき作品だと言えます。その意味では、とにかく非常に高度な緊迫感が本当に全編通して維持されるというのが、ホラー・スリラーとしては純粋に超一級でした(特に初見、映画館で鑑賞した際はスゴかったですね)。適度にコンパクトな90分という尺も極めて適切だったかと思います(この緊迫感で120分だと、ちょっと疲れすぎる、というか)。  続編が公開間近ですが、1作目はこの状況の面白さ・ユニークさだけで十分にシンプルにお話を展開してゆけたトコロを、今度はどのように進化させるか、が見所かと。アメリカらしく、これもシンプルにバトルアクション方面に派手さを求めてゆく、というのがありがちな道かと思いますが、予告の感じを見る限りそーでもない様な気もしています。いずれにせよ期待。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-10 09:55:28)
480.  ほとりの朔子 《ネタバレ》 
とある少女のひと夏のバカンスを描く、という建付けで、主要な部分もいわゆる「ボーイ・ミーツ・ガール」であったりもするのだケド、全然見た目ほど爽快で心地好い話、という訳でもなく、部分的にはドロドロしてたり、率直に「居辛い」シーンも多い(主要人物の相関も結構入り組んでたりするよーで)。分かり易い感動シーンみたいなのも無いし、見た目はシンプル、実際にも繊細、なワリに妙に高度にややっこしい、一言では言い表せない様な映画だと思う。  何とゆーか、記憶の奥底にこびりついて離れない「違和感・心残り」の様な、とでも言いましょうか。自分自身を構成している記憶って意外と、楽しいとか気持ち好いとかそーいうのバカリでもなくて、その時は気付かなかったけど後から思い返すと気まずい・気恥ずかしい、というか、そーいう(どちらかと言うと)ネガティブな記憶の方が多い様な気もするのですよね。これは、朔子にとってそんなものになってゆく様なある夏の記憶、とでもゆーかの様に、私には見えましたのですね。
[DVD(邦画)] 7点(2021-06-08 23:59:10)
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