501. カナディアン・エクスプレス
《ネタバレ》 映画を好きになった80年代頃のアクション映画。 「ダーティハリー」とか、この映画のジーンハックマンとか・・ とにかく観まくってた。 この映画は、公開当時気にはなっていたが、30ン年経って、鑑賞。 何より分かりやすいよね。 今の世代には、予測可能なんて馬鹿にされるかもしれないけど、 迫りくる殺し屋におもちゃの銃で反撃開始とか、列車の屋根でのクライマックスのアクション。 正体怪し気なデブが実は味方だったり、うるさくつきまとうオバちゃんが敵だったり、とにかく楽しい。 新しいものに疲れたときには、この頃のアクション映画が癒しだったりする。 [ビデオ(吹替)] 7点(2021-02-11 20:26:22) |
502. その日のまえに
《ネタバレ》 大林さんらしい、ファンタジックな映像世界。 死と乙女は、大林さんの世界では、よく扱われるテーマ。 大林演出がスピード感を増して、伸びやかになってくる頃である。 続く「戦争3部作」への予感が十分に感じられる。 乙女のようなお母さん、永作博美。 子どものような青年のお父さん、ナンちゃん。 初恋のまま、夫婦になったような二人である。 そこに宮沢賢治の世界が被さる。 最後は、汽車が空を飛ぶかなぁと思いましたが・・(笑) [DVD(邦画)] 7点(2021-02-08 00:46:38) |
503. 男たちの大和 YAMATO
《ネタバレ》 戦艦大和の模型を作っていると、必ず驚かされるのが、 側面の機銃の多さ。 この映画は、その機銃部隊の話である。 小さい頃、戦艦大和に誇りを持ち、そしてその最期に、皆、ショックを受ける。 帰りの燃料のない旅に出る、そのドラマを丁寧に見せる。 飛行機の時代と分かっていたのに、どでかい戦艦を作ってしまう日本という国。 戦闘シーンは、なぶり殺しの感すらある。 アメリカはそれにしても、やりすぎっちゃ。 P.S.戦艦大和のどでかい模型を使った映画は、ほかに「連合艦隊」。 こちらは、さだまさしの唄が心に刺さる。 [DVD(邦画)] 7点(2021-02-06 20:44:05) |
504. 明日の記憶
《ネタバレ》 泣きました。ホントに・・ 前半1時間は、病気が発症してから、仕事についていけなくなるという サスペンスタッチ。 娘との結婚式のスピーチで、クライマックスを迎えます。 一転、後半は、家族との静かな病気との生活が始まります。 そして奥多摩での妻との思い出の陶芸教室での幻想体験。 そして妻が迎えに来るのですが、そこでとうとう最愛の妻さえ忘れてしまうのです。 その時の樋口可南子の静かな嗚咽。 もう泣きました・・ 純愛映画としても記憶に残る映画でした。 [DVD(邦画)] 8点(2021-01-31 19:28:00) |
505. 罪の手ざわり
《ネタバレ》 中国に急速に入ってくる欧米文化。 その文化同士の衝突による化学反応をジャジャンクーは、描く。 でも考えてみれば、日本もそうなんだよね。ただゆっくり入ってきたから、 こんなに分かりやすい反応はしなかっただけで・・ 「世界」ではテーマパークを、「長江哀歌」では都市開発によるダムなどの環境の変化を、 ジャジャンク-は、中国のとまどいをクローズアップして描いてきた。 この作品は、欧米の銃やジャックナイフなどの武器、企業経営による雇用される側の非人間的対応を迫られる辛さ、それらを4編のオムニバスで描く。 最後、罪を犯した女性が中国歌劇の「罪を認めるか」と言う歌を聞くシーンは、こういう金による支配、欧米のハンディな攻撃武器がなければ、女性は罪を犯したか?という問いを監督は言っているのだ。 [DVD(字幕)] 7点(2021-01-30 22:59:14) |
506. 水の声を聞く
《ネタバレ》 イカサマ宗教の破滅を描いている。ラスト、教祖の女性がヤクザに暴行受ける場面などあり、不快な気持ちになった。集中して観ることができなかったが、済州島の歴史など描かれており、ただの破滅映画ではないのかも・・。 教祖の女の子が段々正義に目覚めていく過程など、集中して観れば、また感想が変わったかも・・。 ラストの後味の悪さは、本当に人生分かったうえで表現しているのか、映画の見すぎで安易に思いついたのか、一度キネ旬の評論を読んでみたい。 [DVD(邦画)] 7点(2021-01-30 22:55:44) |
507. マーウェン
《ネタバレ》 どうやって撮影したんだろう?そればっかり気になってた。 人形はCGにしても、顔の表情は、まるで人のよう。 イラストレーターが暴行を受け、人形アートにのめりこみ、 その世界観を写真にしている、という実在の人物がいる。 実話なのだ。 監督自身の作品「バックトゥザフューチャー」のオマージュもある。 なにより、正攻法のストーリーで挑むゼメキスらしく、 話をひねることをしないで、人形CGの世界を楽しく(と言っても暴行の ショックで過激な内容だが・・)映像化している。 面白い! オタクが現実の恋愛でふられるとこは、自分の古傷がヒリッと来た(笑) [DVD(字幕)] 7点(2021-01-30 22:49:18) |
508. よこがお
《ネタバレ》 女性の復讐ものである。 しかし、悪いのは男性ではない。 女性である自分を好きになってしまった女性への復讐である。 そこが新しいところである。 筒井真理子が好演してる。 今まで地味で、ノーマークだった女優だが、 普通のおばさんがちょっとしたことでどん底に落ちていき、 そこからの演技が凄まじい。 もうベッドシーンあり、犬になったり、 それはもう女優魂だろう。 面白かった。映像技術があがって、 こんな地味な素材でも、観客が集中できる絵に仕上がってる。 [DVD(邦画)] 7点(2021-01-30 22:47:20) |
509. 海よりもまだ深く
《ネタバレ》 是枝監督作品の中でも好きな作品だ。 何より、小説家志望のくたびれた男(阿部寛)に共感できるし、 彼の家族(樹木希林もまた!)の話す台詞が、とても心地よく刺さる。 いつもの是枝時間の中に、今回は台風という時間が入ってる。 「歩いても歩いても」と似てる映画ではあるが、両作とも好きだ。 リリーフランキーもいて、是枝組、真骨頂である。 [DVD(邦画)] 8点(2021-01-30 22:19:14) |
510. 最強のふたり
《ネタバレ》 気持ちのいい作品に仕上がってる。 これは、ドリスの気持ちのよさから来てる。 ズケズケ言ったりもするが、基本、頭のいい好青年である。 フィリップも、もともと人の上に立つべき教育を受けてる、頭のいい人だ。 頭のいい二人が波長が合って、いいコンビになったんだろうね。 障害者としてではなく、人と接したから、というより、頭のでき具合がピッタシだったという要素が強い気がした。 最後、文通の女性があらわれて、コンビ解消か・・ ちょっと寂しかったね。 [DVD(字幕)] 7点(2021-01-30 02:43:50) |
511. 空気人形
《ネタバレ》 是枝監督は、静かな映画をつくる監督だ。 その静かな映画でできる素材を常に探している感じだ。 今回のは、静と俗。 セックスドールが心を持ち、世界の美しさに触れ、恋もする。 そこで失恋の気持ちも味わい、 「ココロヲモツコトハセツナイコトデシタ」とつぶやく。 東日本の前の作品で、日本全体が、閉塞感で心を失っている頃の作品で、 まさに時代の作品だと言える。 今の子たちには分からないかもしれないが、オジサン連中には 心に沁みる映画です。 心を持ったセックスドールが、恋した相手を殺してしまうことで、 また心を手放す・・・?というか、あまりラストに意味は感じなかった。 でも「エクスマキナ」も同じような素材の映画だが、 アメリカの作品は、結末が荒いし、是枝さんの作品がはるかに上と思った。 [DVD(邦画)] 8点(2021-01-23 17:28:32) |
512. シベリアの理髪師
《ネタバレ》 素晴らしい作品! ロシアの粗野な熊のような連中の国からチェーホフが生まれたのも 納得できる、そんなロシアの巨匠ミハルコフの作品。 話は、タイトルのシベリアの理髪師といわれるような、あの地の木々をどんどん 伐採していく機械の開発資金を調達すべく、アメリカの女性がロシアの将軍に近づこうと したことが発端である。 その列車の中、ロシアの士官と音楽を通じた交流をしてしまう、その女性。 そこで、青年士官は、すっかり恋の虜になる。 しかし将軍との三角関係で、嫉妬のあまり、青年は皇帝の列席する芝居で 大失態をしてしまい、シベリア極寒の地に送られてしまう。 その女性は、罪の意識と、純粋な青年に愛を感じ、その青年を追いかける。 しかし、もう青年は結婚しており、愛にやぶれる、その女性は、ある秘密を胸に生きる、という話である。 その秘密とは、 音楽(芸術)は、国境を超えるということである。 あの列車での思い出を胸に彼女は生きるのである。 政治姿勢の厳しいロシアの国で、ミハルコフのギリギリの発言だろう。 (あのマスクの兵士が彼との息子であったという考えもできる) 映画の演出モンタージュの生まれた国らしく、 核心のラストの部分は、この演出がすさまじくキレル。 文句なく10点! [ビデオ(字幕)] 10点(2021-01-11 20:43:44) |
513. 父の祈りを
《ネタバレ》 良かった。 ただ、あのホームレスからの供述が行われていたことの 説明描写不足な気もするが・・ ラストの裁判がひっくり返る大事のポイントなのに、 最初はどういうことなのか、分からなかった。 ビデオを巻き戻しての再見で、あの写真がホームレスだと分かった。 ダニエルデイルイスの父親(ピートポスルスウェイト)は素敵だった。 獄中でも、あのお父さんは尊敬を受けてたのだろう。 亡くなった日の囚人たちの鎮魂の炎が美しかった。 絶望のピークで、エマトンプソンが女神のように現れるのは、正直、泣けた。 傑作です!この映画。 [ビデオ(字幕)] 8点(2021-01-09 19:08:20) |
514. スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
《ネタバレ》 面白かった!拍手! 思えば1977年にエピソード4があったのだが、 当時、中学生だった小生は、宇宙戦艦ヤマトに夢中になった。 それから高校生になって、このシリーズの面白さに気づくのだが、 もはやそれから40ン年! とうとう最後まで付き合い切った。何とも言えない・・ 途中、中だるみもあったが、やはり見応えありました。 結局、パルパティーンの銀河一の個性に振り回された物語だったのだね。 キリストさまもびっくりだよ、この爺のひねくれぶりには・・ 女の愛、肉親の愛も、乗り越えて、邪悪にひた走るこの爺の物語が観てみたいが、 (ディズニ―が関わるんなら、キリないか・・(タメ息)) [DVD(字幕)] 8点(2021-01-07 01:40:56) |
515. メゾン・ド・ヒミコ
《ネタバレ》 少女とゲイの友情を描いた映画・・・昔観た「非バランス」という映画を思い出した。 まぁそれは置いといて、ゲイのやさしさは、無防備な少女と相性がいい。 しかし、やさしいゲイたちは、実は現実の過酷さに向き合えない。 それが施設の一人が脳卒中になったときにあらわれる。 柴咲コウは、そんなやさしいゲイ演じるオダギリと寝る機会がある。 しかしその時の一言「触りたいとこ、ないんでしょ」 その後、身勝手な男の専務に抱かれるが、彼女の涙が意味するものは・・ ゲイのエゴと、女を食い物にする男のエゴ。 この両者を経験する柴咲演じる女性の涙は、一体・・ ダレがちな展開を、母親の写真の謎で引っ張る。 商業映画を巧みにこなす犬童監督の巧さである。 (それにしても侍のような田中泯が伝説のゲイバーのママとは・・) [DVD(邦画)] 7点(2020-12-27 20:13:55) |
516. ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う
《ネタバレ》 漫画家でもある石井隆監督の最高傑作だと思う。 そして竹中直人の魅力をここまで引き出した作品もこれが最高! 俳優は名が売れてくると、探偵役か刑事役のシリーズものを背負うのだが、 竹中の場合、代行屋だった。 前作も切なかったが、本作の方が竹中の味が思う存分引き出せてたと思う。 クライマックスで薄幸の女性、レイの怒りの最期を見届けたのが、 代行屋の竹中だった。 石切り場でのアクションは、哀しさすら感じさせる名場面である。 もう最後はエロスを超えて、宗教画の世界である。 代行屋の再生に女刑事の手弁当と猫だったというのが、なんと優しい。 (石井さんの作品には「ナミ」が出てくるのが多いが、本作にもチラリと名前が出ているのが嬉しかった) [DVD(邦画)] 9点(2020-12-26 19:18:13) |
517. 東京ゴッドファーザーズ
《ネタバレ》 コロナ禍のなかのクリスマスイブ。 選んだ一本はこの映画! 再見であるが、今回の方が感動した。 ホームレスがクリスマスに子どもを授かる! どこかで見たような、それでいて見たことない設定。 東京を舞台に、あれよこれやの大騒ぎ。 でもドタバタの中に、ホロリとくる場面もあり、 この頃のアニメって本当に人材揃ってたなぁ・・ (今監督が亡くなられましたね、もっと作品観たかったです・・) 涙とアクションと絵のセンスと、ぎっしり詰まった一本でした。 3人のホームレスに祝福あれ♪ エンディングのムーンライダースの「第九」もカッコいい! [ビデオ(邦画)] 8点(2020-12-24 23:22:05) |
518. ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
《ネタバレ》 面白い! 男性映画監督が多いこともあり、女性姉妹の女性側からの映画は そんなにはない。 あっても男性がどうかかわるかといったとこに 力点が置かれることが多い。 数少ない名作が「いつか晴れた日に」だ。 (でもこの監督はゲイの映画が多いんだよな) かように女性の視点からの映画が少ない中、とうとう 女性監督があの「若草物語」を映画化してしまった。 ラストがいいね♪ジューンアリスンのジョーも捨てがたいが、 この作品のジョーも印象的だ。 さぁこれから女性の時代だし、どんどん女性視点の映画が 創られることを期待します。 [DVD(字幕)] 8点(2020-12-20 02:14:28) |
519. デッド・ドント・ダイ
《ネタバレ》 興味深い映画だった。 どこかとぼけてるジャームッシュ。 今の殺伐としたアメリカでは、かなり彼は責められたんじゃないか? そこで、なぜお前は落ち着いてるんだと言われて、 俺は古き良きアメリカに住む男、もう現代の欲にまみれた世界に うんざりしてる世捨て人みたいな男なんだから、という つぶやきが聞こえてきそうな映画だった。 金の亡者こそゾンビだと、トムウェイツの口から、言わせてる。 彼の演じる世捨て人こそ、ジャームッシュなんだろう・・ [DVD(字幕)] 7点(2020-12-19 14:01:06) |
520. Fukushima 50
《ネタバレ》 これがつい最近のこの国での話だと思うと、 なんか涙が出てきた。 軽々しいコメントは避けますが、 この映画は、「チャイナシンドローム」より グッとくるものがありました。 原発が爆発をしなかった理由が、本当のところでは 分かってない、って言ってましたが・・(汗) [DVD(邦画)] 7点(2020-12-12 21:56:29) |