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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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501.  フェリーニのローマ 《ネタバレ》 
これも全体としては率直にかなり訳ワカメな部分も多いが(特に「現代」のローマのターン)、個人的には「過去」のローマの種々のシーンからは愛だとか郷愁だとかいったポジティブな感情を大いに汲み取れて、その部分に関してはかなり面白く観れたと感じる。序盤のレストランのシーンやボードヴィル劇場、娼館の場面など、非常に粗野でそれはもはや「野蛮」とも言える様な無秩序ぶりには、それでも人々の活力というものが溢れて、どこかとても魅力的に目に映った。例えばそれは少しだけ『寅さん』を今私が観たときの様なノスタルジイ、とでも言いますか、古い時代の人々の力強さやそのコミュニティの緊密さ・親密さが滲み出ている様な、とゆーか。  それらの描写の端的な物珍しさ・ユニークさという部分には確実に観る価値があると思う。個人的には、観て損した感は全く無いですね。
[DVD(字幕)] 7点(2021-02-16 21:33:49)
502.  何も変えてはならない 《ネタバレ》 
女優にして歌手、ジャンヌ・バリバールのライブ・リハーサルの様子をひたすらモノクロで撮ってゆくというシンプル極まりないドキュメンタリ。ほぼ全編が(練習として)歌っているシーンなので、見た目はミュージック・ビデオの一種だと言ってよいかも知れない。音楽的にも、シャンソン風のものからクラシカルやポップス調のものまで多彩な楽曲が奏でられて面白いのだが、その上に、ただ練習風景を映像に納めているだけではあるのだが、そこにしっかりと歌手が歌をつくり込んでゆく過程が端々に描き込まれており、普通に音楽を聴くのとは一味違った面白さを確実に備えた優れた作品だとも言える。無作為なようで、実に見事なドキュメンタリだと思う。  また、監督の特徴である闇を多用した画づくりもこれまた見事。こっちもただ白黒カメラを無造作に置きっぱなしにしているだけにも思えるのだが、何とも言えないエレガントな映像を撮り納めることに成功しているのだ。これも一種の才能・センスなのだろうとしか言えないようにも思えるが、どこか少し不思議な作品という風にも感じられる。
[DVD(字幕)] 7点(2021-02-11 13:12:12)
503.  父の祈りを 《ネタバレ》 
法廷もの・冤罪ものとしてはシンプルな筋で、基本的な部分は分かり易いしラストも十分に盛り上がるので、その時点で間違い無く良作だとは言えると思います。私も序盤から話に簡単に引き込まれ、ラストまでハラハラワクワクしながら一気に観終われました。  ただ、私は勝手にこのお話をジェリーの成長物語として観ていたのかもしれません。その観点からすると、意外とその部分はそんなに分かり易くもない、というか、特に父親が亡くなった後にジェリーが人間的に変化する、という側面は思ったホドは分かり易く描かれているワケでもないかと感じました。もう一つ、弁護士のピアースとの関係性もあまり掘り下げられてはおらず、そこら辺の人間や人間関係の描かれ方にはあまり深みというものを感じ取れませんでした。前述どおり総合的に良作であることは間違い無いと思いますが、人間ドラマとしては少しだけ浅いかもと。  とは言え、前半は父親のピート・ポスルスウェイトの落ち着いていながらも毅然とした様子が非常にグッドだし、彼の亡くなった後半も、代わって今度はデイ=ルイスとエマ・トンプソンの演技の質の高さが映画の緊張感を素晴らしく維持していきます。重ねて、総合的には良作だと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2021-02-09 23:59:53)
504.  アメリカン・パイパイパイ! 完結編 俺たちの同騒会 《ネタバレ》 
正に同窓会、というか、特に話に重大な内容がある訳でもトンデモ展開がある訳でもないのです(あくまで昔と比べたら)。要するにただ、彼らの「その後」を楽しもう、という作品だと思います。なので、コレを観るなら過去作をちゃんと観てから、というのは絶対条件かと思いますね(私も1~3までしか観てませんが)。  それでもシリーズの醍醐味たるおバカ下ネタは(少しマイルドになってはいますが)十分に健在で、随所でクスクスと微笑みながら観れますし、役者もゴージャスに勢ぞろい、かつみんな実に楽し気にやっていて、こっちの方面でも観ながらホッコリとできることは請け合いです。みんな成長・老成したな、という感じですが、スティフラーだけは相変わらず…と言いたいトコロですが彼も少しだけは成長してるなとも感じました。いちおう完結編と銘打たれていますが、20年後ぐらいにもう一回やってもいーんじゃね?とも思いましたね。
[DVD(字幕)] 7点(2021-01-16 18:26:27)(良:1票)
505.  ファンタジア2000 《ネタバレ》 
私の思う前作『ファンタジア』とはコンセプト面(というか経済的な面)で、それに比肩する作品でないことは観る前から(そして前半を観た段階でも)ひしひしと感じてはいました。まあ75分映画に8000万ドル掛けてるのですから、決してリーズナブルな作品とも言えんでしょうが、でも『魔法使いの弟子』は単なるリマスターですし、人が喋ってるシーンも前作と比べて多かったり、メリハリを付けて何とか凌いだ、という感じにも取れました。どだい『風と共に去りぬ』の製作費が400万ドルだった時代に200万ドル以上掛けた前作とは、色々と違ってきてしまうのは仕方の無いコトだとも思います。  しかし、実際のトコロはどーでしょうか?特に後半は徐々に本気を出してきたというか、結果的にはかなり(というかメチャクチャ)楽しめましたですね。『威風堂々』『火の鳥』あたりは相当にクオリティ高かったのではないでしょうか?やはりディズニーというのは流石ですね~これはIMAXで観たかったですねえ。。是非『ファンタジア2060』をお願いしやす(生きてたら観に行きます)。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-01-06 22:48:38)
506.  ジョゼと虎と魚たち(2020/日本) 《ネタバレ》 
実写版というのは色々とかなり「変わりダネ」な恋愛映画だったと思うが、このアニメ版は話としては全く異なる内容で、逆に色々と王道を征く映画である(つまりは少しばかり在り来り)。特に中盤、祖母との別れ~想定外の事故が発生する辺りの流れはかなり「見たことある」感が強いし(ババアが突然死んじゃうのは実写版でもそーだけど)、言ってしまえばオーラスなんかももはや見飽きた感すらある様な、というか。私実写版大好きなので、そこはもう少し空気感とかをそっちに寄せて欲しかったかな~とも思う。  ただ、今作では王道青春恋愛ものと並ぶもうひとつの王道、「夢を諦めない」という第二のテーマの方もシンプルながらとても好い出来だったのですよね。手作りの絵本のシーンが実に好かったですね~今年の映画では一番ボロ泣きしてしまいましたよ(この場面は「画」自体の質・芸術性というのもかなり手が込んでいてこれも好かった様に思います)。前述どおり、全体としてだいぶん「子供も観ることを意識した」という質感になってはいるものの、だからこその爽やかさは十二分につくり込めていると思いますし、誰にでも気軽にオススメできる作品になっているとも思います。ジョゼちゃんもシンプルにカワイイですし(実写版ではこれもクセのある魅力、という感じだったですケド)。
[映画館(邦画)] 7点(2020-12-29 17:27:39)
507.  わたしは光をにぎっている 《ネタバレ》 
松本穂香があまりにもトロ臭くて、会話の間合いのタルさには若干(いやかなり)イラっとしながら観ていたのですけど、一方で映画自体の緩やかな「間」の取り方はとても心地好いのですよね(穂香ちゃんの間はそれに合わせているとも言えるかと)。そこに、失われつつある日本の生活空間や、あるいは自然の美しさだとかを乗せてゆく画づくりもまた、非常に味わい深かったです(特に好きなのは終盤の、湖を舞台にした幾つかのシーンとかですね)。  お話の方は本当にささやかなもんで、個人的には正直、空気感&映像の面白さに比べれば観るべき点はさほど無いかも、と思います。ラスト、穂香ちゃんは結局また銭湯で働いてるよーですが、あくまでワタシ的には「イヤイヤ、そーいうことじゃないジャン!」と思ったりもしますですね。  ただもう一つ、重ねてやはり、失われつつある日本の情景を映し出した作品、という部分にも観る価値・残す価値が大いにあるでしょう。単純に情景としても美しく、懐かしく、また興味深くもありますが、そういうモノに対する愛というものが画面から滲み出てくる様なというか、とても優しい映画だと思いますね。個人的にはかなり好きな部類の作品です。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-12-20 01:42:55)(良:1票)
508.  ベイビー・ドライバー 《ネタバレ》 
オープニング最強というか、ド初っ端のカーチェイスはマジで凄かったすね。アクションは掴み・中押し・オーラスとどれも高水準でしたが、個人的には最初が一番爽快感があって一気に映画に引き込まれました。ラスト付近の派手なカーバトルも全く悪くはないのですが、ソコも最初ぐらいのカーチェイスカーチェイスしたの(つーか更に向上したの)が来てくれるかな、と少し期待していたので、それだけがほんの微かに残念、というトコロでしょうか。  主人公はベイビーを自称したエラいカワイイ兄ちゃんで、作中でも結局「根は善人」扱いですが、中々どうしてキレるとマジでヤバいというか、十分すぎるホドにダーク・ヒーローの素質抜群です(躊躇いが無いのですよね)。出てくる人間も極悪人ばかりで共感するのはチョイ難しいというお話ですが、細かいことは気にせずに物語と音楽の爽快感を楽しもう、という作品だと思いますし、個人的には十分にノッていけました。重ねて、主演のアンセル・エルゴートはカワイイ兄ちゃんなのですが、キレた時の目付きなんかは迫力も素晴らしかったです。今後も注目していきたいすね。
[DVD(字幕)] 7点(2020-12-19 20:47:25)
509.  私をくいとめて 《ネタバレ》 
ヒョ~のんちゃんスッゲー可愛かったぜイヤッッホォォォオオォオウ!!!今作でも不思議系女子(31歳だけど)にドハマリしていますが、なんつーかメディアで見るときより3割増で可愛く見えるのですよね(これが何らかの「腕前」というものなのでしょーか)。「おひとり様」で楽しそーに飲んだり食ったり遊んだりしてるのを観てるだけで満足、とは言え、今作では演技のバリエーションもかなり多彩で、のんちゃんファンなら死んでも観るべき作品になっていると言えるでしょう。  頭ン中に『寄生獣』のミギーみたいな奴が居る、という時点でコメディ方面に更に寄った作風なのかと思っていましたが、前半はその傾向もありつつも中盤以降は「おひとり様」の不安や焦り、孤独に馴れ切ったがための人間関係への更なる億劫さ、なども多く物語に取り込まれ、笑いの要素自体は少し減ってゆく様にも思います。それでも、メインの恋愛ばなしはごく微笑ましいゴールに辿り着きますし、コミカル・ロマンチック・ちょっぴりビター・ハートフル、と思ったよりも色々な味を楽しめる作品として捉えるべきでしょう。ただ、その「おひとり様」の生態という部分については(当然「A」という飛び道具を使っていることもあり)深く共感できる様なリアリティを醸しているというよりは、本質の部分はよりライトでシンプルな描き方になっている様にも思います(その部分の出来としては、私は『勝手にふるえてろ』の方が好みです)。  のんちゃん以外の役者さんの仕事も中々好かったですね。林遣都は若さ・瑞々しさよりは誠実さや思慮深さをより強く感じさせる魅力的な若者でしたし、臼田あさ美さんはコミカル芝居に関してはのんちゃんをも凌ぐというか、なんか絶品といってよい出来でした(NHKで鍛えて貰った甲斐がありましたね)。片桐はいりの(意外にも)キレのある存在感も好みです。
[映画館(邦画)] 7点(2020-12-19 13:28:06)(良:1票)
510.  ワンダーウーマン 1984 《ネタバレ》 
この手のヒーローアクションというのは昨今、正につくられ過ぎというレベルでつくられまくっているので、敵方の設定・能力・やりたいコトという部分にはかなり「やり尽くされた感」が充満しているのは確かだろう。今作はそこの打破を重視してか、ラスボスの設定にせよ展開運びにせよ相当に複雑&風変わりというか、単純なヒーローアクションとは一線を画してむしろSFかファンタジーにかなり寄せて来たな、というか。  設定がややこしい分、序盤は非常に丁寧(というかスロー)にモタモタ展開してゆくし、中盤になっても敵のやりたいコトがイマイチ見えて来ないので話の行く先も中々見えて来ないし、ようやく敵味方ハッキリして着地点が明確になるのはラス前30分くらいという有様で、爽快・痛快・単純明快とゆーのを期待して観に行ったとするとやや強烈な肩透かしを喰らうのかも知れない。そして何より、肝心の(つーか実はあんまり肝心でもないのかも知れないが)アクションはなんか分量も物足りないし、その分ハイ・クオリティで斬新に仕上がってるかつーとそんなこともないし、この点は率直に期待外れだった(特に中盤はアクションを無理やり捻じ込んでる感もハンパ無かったりして)。  ただ個人的な意見としては、ヒーローものなんてこんな感じでつくっとりゃえーんやろ!といつも通りのコトをやらかしてくるのは、それはそれで開き直りだとも思う。今作も展開運び自体が細部まで行き届いていた、などと言うつもりも毛頭ないのだが、それでも敵の能力のアイデア&その背景設定とかは前述どおり結構斬新だと思うし、スティーブの使い方やラストの大オチの部分にも巧さや面白さ、何より意外性が多分に在ったということは積極的に評価したいのである。DCエクステンデッド・ユニバースとしては、同じ女主人公の『ハーレイ・クイン』を話の内容なんて無くて上等!でつくったのに対して今作はこんなにややこしくした、というのは、まずは監督の趣味、そしてハーレイ・クインとワンダーウーマンの(つまりはマーゴット・ロビーとガル・ガドットの)「引きの強さ」を勘案してのコトだろうか、なんと思ったりもする。個人的にラストはそこそこ共感して観終われたこと、ガル・ガドットの出来自体は随所でかなり冴えていたこと、を含め、少し甘くつけてこの評価とさせて頂きたい。
[映画館(字幕)] 7点(2020-12-19 01:30:04)
511.  佐々木、イン、マイマイン 《ネタバレ》 
彼は、僕らの青春の象徴だった。それは、彼が高校時代に既に完成されていて、おそらく今後もずっと彼で在り続ける、だろうからだ。彼はきっと、僕らにとって故郷の様なものだった。何年か前に会った彼も、変わらず彼のままだった。でも、そんな彼ももう居ない。僕も、そろそろ前に進まなくては。非常にシンプル、そして爽快な青春映画だったかと思いますですね。  好きなシーンは、木村の家での朝とか。佐々木とは対照的に、3人の中ではひとり木村だけが人生を前に進めている。その証しを手にした時にこぼれた涙は、不甲斐ない自分に対するものか、それとも自分よりもっと進むことができなかった佐々木に対する憐憫か。もうひとつ、あまり女っ気の無いムサい映画なのですが、所々出てくる女優さんは結構可愛いのです。特に可愛かったのが、萩原みのりが主人公に謝るシーン。「アレはワタシが間違った」実にイイ表情でした(久方ぶりにビビッと来ました)。熱いラストも、私は(全部ひっくるめて)好きですね。
[映画館(邦画)] 7点(2020-12-17 18:47:42)
512.  ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー 《ネタバレ》 
主人公2人はイケてない扱いなのですが、そんなコトはありません。モリーの強烈な突破力の方に目がゆきがちですが、エイミーだって抜群に行動力のある勇敢な女性です。彼女ら2人を含め、登場人物はいずれも普通であれば学年に一人か二人レベルという少々エキセントリックでスーパーなレアキャラだらけで(教師も含めて)、この学年さぞかしファンキーで楽しかったであろうなあ、ということが想像されますし、中盤までのコメディ全振り展開もそこは終始とても勢いよく&底抜けに楽しく観切ることが出来ました。  また、アメリカの青春ものにありがちなイジの悪いだけの悪役、というのも出て来ません。青春って誰にとってもある部分で、痛みと喜びを併せ持つ学びの時期なのでしょうね。後半はそういった空気感を(ライトめではありますが)しっとりと醸しつつ、最後はまた爽快で痛快に締めてくれるのも(あくまでコメディ作品たる本作としては)中々に上々です。シンプルですが、青春映画としては間違いの無い良作かと。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-12-13 13:08:21)(良:1票)
513.  四月の永い夢 《ネタバレ》 
主人公に踏ん切りのつかない「過去」があるのだが、それが結局どういうことだったのかは詳細には明らかにならない(ある程度想像はつくものの)。その意味では通常の劇映画とはやや様相を異にする作品だが、とは言え本作はシンプルな「止まっていた時間が動き出す」映画である(一言で言えば再生、というか)。  人生とは失うこと、というのは、ある点では確かに正鵠を射た言葉であろう。私としてはむしろ、人生において失うコトと得るコトは表裏一体なのだ、と思っている。失うことを恐れてはいけない。例え失ったとしても、その分得たものを慈しみ、明日への糧にしてゆけばよいのだ、と。ある種、逆説的に前向きな言葉だとも思う。それも含めて、人生とは本質的に「変化」していくことだと思う。止まった時間が夢の如くに安らかであったとしても、人は必ず、いずれ時と共に変わってゆかなければならないのだ、と。  主演の朝倉あきという人は、非常に魅力的なキャラクター・個性を持っている女優だと率直に感じたが、本作ではそれを活かした実際の役づくりの中に、ほのかに、だがしっかりと、この役に求められる「厄介さ」を的確に表現しており、中々優れた仕事だったと思う。  ※どーでもいいことですが、部屋を間違えた場面、出てきたガラの悪いオッサンがその後何故か妙に頼りになったというシーンが、これも何故だか妙に印象に残っています。ああいう大人に、ワタシはなりたい。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-12-06 12:01:38)
514.  TAKING CHANCE 《ネタバレ》 
劇映画ではあるが、内容的には一種のドキュメンタリに近い。米軍が戦死者を家族のもとに送り届けるとき、ひとりの軍人がその棺を最後まで護衛する任務を負う。本作はその道程を描いたロードムービーでもあり、更に言えば、映画は全体としてひとつの長い「葬礼」の様子を映し出しているとも言えるだろう。細部に到るまで、非常に厳粛な作品である。  軍事行動において、自軍の死者というものが不可避なものである以上、死というのはある種、兵士の任務の一部であるとも言える。自らに代わってその任務を果たした戦死者に対し、軍組織とその構成員たる軍人が最大の敬意を払うのは当然のことであろう。しかしこの映画ではそれに加えて、アメリカ社会そのものが戦死者に対して大いなる敬意を払っていることが、幾つかのエピソードを通して描き出されてゆく(本作は劇映画なのだから、これらの描写がどこまで真実に近いのかには議論の余地があるのかも知れないが、こんなことで嘘をついたトコロでそれこそ何の意味もないのだから、個人的にはこれは真実だと思うことにしたい)。  その敬意が結局のトコロ何に由来する・しないのかはとても複雑な事柄だろうと考えてもいるのだが、ひとつ言えるのは、アメリカ人にとって戦争とそれによって失われる命というのは、日本人である我々に比べてとても身近なことなのだろう、ということだ。そして、戦争(の善と悪)をあくまで自分ごととして捉える、ということ自体は、そうせざるを得ない社会の在り方自体が正しいのか、という論点はあるにせよ、実際に戦争が続く現在の世界のうちにおいては、それから目を背け続けるよりは遥かに適切な態度なのではないか、と、個人的には強く思う。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-12-05 01:19:38)(良:1票)
515.  アストラル・アブノーマル鈴木さん 《ネタバレ》 
かなり壮絶に奇を衒ってはいますケド、主人公は諸々非常に「平凡」な人物で、ただ自分が平凡であることを受け容れられない、という部分だけが凡人と異なるだけなのです。お話の中で多少グッと来たのが、ラス前の望月のシーン。非凡、とは正にこのことだと言わんばかりに炸裂する才能と、それが平凡でないことだけは一瞬にして理解できるだけの凡人のザマ。こんなトコロで『アマデウス』を彷彿とさせられる羽目になるとは全く思いも寄りませんでした(+谷のばらちゃんは流石のプロの仕事でしたね)。  正直、なにか奥深いテーマや価値ある人物像をこの映画から汲み取れた、ということはないのです。前述どおりに打ちのめされた主人公はラストには自分自身の平凡さを少しだけ受け容れつつある様に見えますが、それって映画に描くお話としてはちと後ろ向きすぎやしませんか?だから本作、私にはお話としてもこれまた「平凡」な仕上りだなあとも思われるのです。  ですので個人的には、好かったのはシュールコメディとしての出来の方だと思うのですね。結構全編に渡って(あくまで私は)笑い通しでしたが、圧巻は酔っ払いvs引き籠りの4分超ののたうち回りでした(「殴り合い」でも「取っ組み合い」でもなく、のたうち回り)。首を賭けてもイイですが、こんなシーン、絶対日本映画にしか出て来ないですよ。こういうシーンを観ると、この不思議で特殊でガラパゴスな国に生まれて本当に好かったと改めて思うのです。  役者の仕事も総じて味があってこれも好かったですが、松本穂香を褒めないワケにはいきますまい。目が据わってるのが中々素晴らしかったですね。綺麗な目なんですけど、底が見えないというか。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-12-04 00:21:17)(良:1票)
516.  仮面/ペルソナ 《ネタバレ》 
それでも終盤の前までは、それなりに理解はできた様な、というか。人間関係は多かれ少なかれ「与えること」と「与えられること」の相互作用である。言い換えれば、自己を「曝け出すこと」と他者を「受け容れること」のやり取り、とでも言うか。仮面を被り、黙して語らないのは、そのどちらをも(特に「曝け出すこと」を)拒絶するという行為に他ならない。と言うかソレは、他者が自分に「与える」のは勝手だが、それを受容もしないし、そして自らが「与える」ことは決してない、という態度でもって、あくまで他者に対して自分を優位に保ち続けよう、という行為の様にも思える。  そんなエリザベートを病身と看做す故に、むしろ明け透けに自分を曝け出してゆくアルマもまた、実は逆に「与える」ことで自分が優位に立っている気になっていた、様にも見える。そして、それが錯覚であったことに気づいたアルマの怒りと、それを嘲笑うかのようなエリザベートの笑いこそが、2人がその「仮面」を外した真実の一瞬でもあった様に感じられる。エリザベートはアルマの「仮面」を剥がすために全てを仕組んでいた様に見えたが、結果として自らも仮面の下の真の感情を垣間見せているのだ。率直にシーンの構造がややこしいとゆーか、否、奥深いとゆーか。  終盤はかなり抽象的な展開に陥り、結局全体を通してナニが言いたかったのか、ということまでは正直言って掴み切れなかった。「仮面」を被ることがもたらす安易な安らぎ、逆にそれを脱ぎ捨てることの困難さ…アルマは最後にエリザベートを否定し、自分がそうなることを拒絶するが、それがこの『仮面』という映画の結論か、その意図するところの真のテーマは何処に在るか…いずれ再見しよう。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-12-03 00:13:09)
517.  嘆きのテレーズ 《ネタバレ》 
シモーヌ・シニョレとゆーと、どうしても「クセ者」な方の仕事を思い出してしまうのですけれど、今作の清純そうな薄幸そうな可哀そうな感じも意外なホドに全然素晴らしかったです。シンプルなサスペンスですが、登場人物全員に瑕があると言うか、何かしらな心暗さを背負ってゆくなかで運命がそれを悉く許してくれない、とでも言いますか。ある種、勧善懲悪のキッチリした話なのだとも思いますが、個人的にはどれも少し、運命がわの「やり過ぎ」にも感じます。皆が不幸になって終わりますが、最後の2人の破滅は手紙一本で、というラストの呆気無さ・さり気なさが、洒落ているしそれでいて残酷さが際立つようで中々秀逸です。フレンチ・フィルム・ノワール斯くの如し、という佳作。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-11-29 09:51:33)
518.  転校生(1982) 《ネタバレ》 
ジュブナイル・SF入れ替わりコメディ。だが、入れ替わって以降はひたすらドタバタしているだけという(何故か元に戻る方法を探したりもしないという)極めつけにシンプルなお話。加えて、そのコメディ要素にはちょいエロなものも多く(例え裸を隠したとしても)今だと確実にひと悶着ある系統のヤツだし、主演の子役2人の負担の大きさを考えても、これも今だと心の底から笑えるという人ばかりでもないよーにも思われる(人でなしの私は爆笑してますケド)。  しかし、それを差し引いても主演2人の頑張りは凄い。特に小林聡美はヤンチャでおバカな中坊ぶりが実に見事だったし、サービスカットだらけなのも含めてここには満点の評価を差し上げたい。尾美としのりも、この年頃の役者にとって一番やりたくないだろう演技をやり切っているサマには終盤は不覚にも少しホロリとしてしまいました。+1点しておきます。
[DVD(邦画)] 7点(2020-11-22 22:03:33)
519.  461個のおべんとう 《ネタバレ》 
基本的な部分は極めてベタな話ではあるのですが、個人的には全然嫌いじゃないヤツです。ラストなんか、私も高校時代を思い出して「ああ、お袋の弁当旨かったなあ…」と少しホロリとしてしまいました。メインの部分は親子の映画、あるいは青春映画だと言えますが、同時に料理映画や音楽映画としての要素を多分に含んでおり、全体としての彩りの良さも観ていて中々快適です。ただし、親父の能天気なキャラそのまんまというか、とにかく為る様に為るさ!な非常に緩ーい話なので、あんまりアレコレ考えこまずに気楽に観るべき作品、だとは言えます。461個のおべんとうって結局何だったの?と訊かれたとしても、それはホラ、まあ、愛だよ、と言っちゃえばそれで本当に充分、という感じですかね。  いちおう、少しだけ気になった点を(備忘として)残しておくなら、親父の話が(思いのほか)わりかし整理されて終わるのに対し、息子の成長という部分のゴールは案外けっこう適当です(友達と喧嘩→仲直り、というひとつのベッタベタなシークエンスでまるっと誤魔化しちゃってる様にも見える、というか)。もうひとつ、前述の親父の能天気さ(からの全体の楽しい雰囲気)が演出の最大の勘所なのは重々承知なのですが、個人的にはいくらなんでもちょっと能天気すぎないかと。もうちょっと子育てについて思い悩むシーンがあったり、ある分野で成功している人ならなおさら仕事に対しては実は真剣に取り組む場面があったりした方が、キャラに深みが出た様にも思います。もう一点、3年間毎日お弁当つくりました!とはいっても、コレをやってるお母さんというのは世間にいくらでも居るハズです。ソレをお父さんがやると映画になっちゃう、とゆーのは、そもそも果たしてどうなのかと。  とは言え、重ねて本作、私は結構好きです。イノッチはこれ以上無いホドのハマリ役でした。
[映画館(邦画)] 7点(2020-11-14 18:41:28)(良:1票)
520.  旅のおわり世界のはじまり 《ネタバレ》 
いいねー海外!安直なようだけど、自分の「値踏み」をするのに海外行くってのは、確かに思ったよりも効果的なのですよね(自分がいつも頼ってるものに頼れない、という意味で)。そこも含めて、若い時分のこういうちょっと面倒な経験・仕事てのは、振り返ってみると自分の貴重な財産になっている、と私自身も実感しています。今作のそのメンドくさい感じの絶妙なコト!ちょっと色々あって自分も気分が乗らない、集中できない、チームの質も低くてその意味でも自分の力を出し切れない、中々に歯痒い状況です。  こういうトコロであくまで他人の所為にせず、自分が出来ることをしっかりやって、次に繋げられるか。その「一皮剥ける」様子を、あっちゃんはどのくらい魅せつけられてましたかね?個人的にはちょっと終盤の展開がご都合主義、かつ大仰なよーにも思いますが、序盤からの気分が乗らない(乗らないけどビジネスに明るく振る舞ってる)様子、終盤に炸裂する残念人間ぶり、からの「逆」落差のある爽やかなラスト、には一応の合格点をあげられる様に感じています。『愛の賛歌』も好かったかと。ナニはともあれ、人間まずは「感謝」。そのポジティブな気持ちを持って、日々を一歩一歩前に前に進んでいくに越したコトは無いよーにも思います。  全編ウズベキスタンロケで現地の人もしこたま出てくるのも物珍しいし興味深いしで、その意味でも観る価値のある映画です。日本人が率直にかなり「雑」な人間造形だったのに対し、ウズベクの人たちは割と結構イイ人たちのように描かれてますね(騙されたと思ってちょっとウズベク行ってみたくなっちゃう、とでもいうよーな)。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-11-12 23:34:22)(良:1票)
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