41. 秒速5センチメートル(2007)
ストーリー自体はダメ男のグジグジした愚痴以上でも以下でもないのでどうでもいいんですが、やはり注目はその映像の美しさ。もはや2次元アニメーションの限界に達した感さえあります。ただ、背景画と動画の質感の落差が大き過ぎるのがやや難点。もう少し動画部分(特に人物)が緻密に描かれていたらよかったんですが…。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-08-06 22:45:01) |
42. スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ
三池崇史の作品に、今さらストーリーの面白さとか整合性なんぞハナっから期待しておりませんので、個人的にはそのデタラメな世界観が楽しめたらそれでOK。で、どこか遠慮気味に思えた『妖怪大戦争』よりは遥かに弾けまくってやりたい放題やれているように思えたので一応満足です(でも5点)。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-08-06 22:40:48) |
43. アヒルと鴨のコインロッカー
《ネタバレ》 この話、根本的にプロットがおかしくないですか? 特にボーリング場での一件、「奴」があの後すぐにシャバにいるわけないと思うんですけど(現場には警官がいたんだからその場で現行犯逮捕だろう)。もうひとつ気になるのが、種明かしの回想シーン。詳しくは書けませんが、ミステリーの観点からしたらありゃ完全に反則技。これが許されれば、観る側の謎解き作業なんて何の意味もなくなってしまう。考えるだけ無駄。以上の2点が非常に気になりました。 [DVD(邦画)] 4点(2008-08-06 22:35:42)(良:2票) |
44. ALWAYS 続・三丁目の夕日
《ネタバレ》 冒頭、まさかの御大登場に悶絶(でもこの頃ってまだカラーのゴジラ映画はなかったはず。なぜゴジラの熱線が青白いって分かったんだ、茶川さんよ)。しかしそのテンションは結局最後まで続かない。今回も恥ずかしくなるぐらいベタなストーリー展開ですが、どうしても納得がいかないのが、淳之介の実父・川渕が徹底的に「悪役」扱いされている点。常識的に考えて、実の息子を預かっている男に全く生活力がなく、ロクに給食も食えていないような状況なら、マトモな親だったら取り返そうとするでしょう。しかし、そこで茶川をはじめ三丁目の人々は盲目的なまでに「お金より大事なモノ」とやらを盾に自らを正そうとしない。しかし、お金が全てではないにしろ、預かった子に最低限の暮らしをさせてやるのが保護者の務めってモンでしょう。その「お金より大事なモノ」とやらを論じたいのなら、せめて給食代と米代を滞りなく払ってからにしろと声を大にして言いたい。 [DVD(邦画)] 4点(2008-08-06 22:29:01)(良:1票) |
45. 時をかける少女(1983)
先にアニメ版から入ったクチですが、このオリジナルを観て最初に浮かんだ感想は「アニメ版、本当に上手くリメイクしたなぁ…」。本家の方は「時をかける」というには程遠く、ただ巻き込まれただけといった感じ。いたずらに時をかけまくった代償としてああいう結末を迎えたアニメ版と比べるとイマイチ盛り上がりに欠けます。 あと、これはもう世代の差かもしれませんが、公開当時2歳だった私がこの年になって観ると、台詞も演技もストーリーも何もかも(エンドロール含む)がこっ恥ずかしくてしょうがなかったです。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-06-22 14:32:23)(良:1票) |
46. 黒い雨
まず目を引くのは、原爆投下直後の広島の惨状を「これでもか!」というぐらいに生々しく描いた前半部分。かつてトラウマになった漫画「はだしのゲン」が吹っ飛んでしまう程の凄まじい衝撃映像の連続に思わず目をそらしそうになりました。不覚。そのインパクトに比べると昭和25年の話は若干弱い気もしますが、それでも直接被爆者や二次被爆者が次々と死んでいく展開は実に恐ろしく、原爆の被害が一過性ではない事の残酷さを否応無しに思い知らされます。また、矢須子の「その後」を敢えて描かない寸止め描写も◎。もし今これをリメイクしたら、思い切り泣ける「最期」にしてしまうんでしょうね。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-06-22 14:19:44)(良:1票) |
47. ビルマの竪琴(1956)
戦争映画なのにミュージカルかと勘違いするぐらい歌のシーンが多いという非常に珍しい作品。ただ、なぜ水島が部隊にも戻らず、戦死した同胞の為にビルマに残る決意をしたのかが曖昧で、そのせいか終盤の合唱や手紙の朗読がやや陳腐に思えてしまうのがちょっと残念です。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-06-22 14:04:47) |
48. 青い山脈(1949)
戦後の新しい恋愛観や価値観を問うた作品のようでしたが、正直イマイチです。「学校の名誉のために」とか何とか言いながらどんどん事をややこしくしていく女学生に全く共感できないし、事の発端となった新子の態度にも納得がいかない。街の権力者がしゃしゃり出てくる程の事件とも思えないし、理事会の後の展開が有耶無耶になっているのもちょっと消化不良。前後編合わせて3時間というのもちょっと長過ぎる気がします。特に後編はもっと切り詰められたと思うのですが…。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-06-22 13:48:51) |
49. 鰯雲
血縁関係が非常に複雑なうえにそれが物語の重要な軸となっているので、それが整理しきれないとおそらく十分には楽しめないと思います。これから鑑賞される方はぜひ家系図を書きながら観るのがいいかと。でもあの元大地主の親父が企んだとおりに縁談がまとまっていたら…あれ、全部身内? [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-06-22 13:41:13) |
50. アパートの鍵貸します
なんとか「お客」がブッキングしないようにせっせと調整するシーンが非常に楽しいのだが、どうせなら「あわや鉢合わせ!?」と思わせる展開があった方がもっと面白かったかも。全体的に割と楽しめたものの、納得がいかなかったのが最後のキューブリックの決断。あれが当時の恋愛観なのかなぁ? [DVD(字幕)] 6点(2008-06-22 13:37:22) |
51. 雨に唄えば
《ネタバレ》 ミュージカルであると同時に半ばアクション映画と言っても過言ではない作品。とにかく主演二人が最初から最後まで本当に凄まじい勢いで動き回るので、割と単調なストーリーそっちのけで結構堪能できてしまった。さて、悪声がバレて退場を余儀なくされたリナはあの後どうなったのか? 答えは『サンセット大通り』にて(嘘)。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-22 13:29:25) |
52. サンセット大通り
実在の撮影所を舞台に多くの映画人を本人役で出演させたうえ、かつての大女優と大監督を完全に「遺物」として登場させるとは…。これはもはやフィクションではなくセミ・ドキュメンタリーといっても過言ではないかもしれません。余談ですが、本作と『雨に唄えば』をセットで観ると、過去の栄光にこだわるノーマ・デズモンドの気持ちが少しは理解できるかも。 [DVD(字幕)] 8点(2008-06-22 13:22:14) |
53. 大地のうた
かの黒澤明が「世界映画史上最高の名作」とまで言い切った本作ですが、残念ながら個人的にはそこまで凄い作品だとは思えませんでした。とある貧しい一家の様子の淡々と綴った極めて地味な作品であり、黒澤明というよりはむしろ小津安二郎の世界に近い印象です。話自体に特に面白みは感じなかったものの、ススキの中を走り抜けていく汽車とか、風雨でひっくり返る蓮の葉とか、ラストの蛇とか、印象深いシーンの連続で退屈はしませんでした。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-22 13:14:09) |
54. アフタースクール
前作『運命じゃない人』同様、これも非常に良く練られた作品だと思います。ただ前作より話が大掛かりで複雑なため、集中して挑まないとラスト30分で「???」ってなる可能性大。伏線自体はあちこちに張られているのでお見逃しなく。で、『運命じゃない人』より減点したのは、このプロット自体のリアリティに疑問があったから(ふつう民間人にあんなことを……って、こういう映画は感想書きにくいなぁ)。ちょっと今回はテクニックありきで物語自体に前作ほどの面白みがない気がします(登場人物も前作の方が脇役も含め個性的で輝いていたような気がするし)。 [映画館(邦画)] 7点(2008-05-25 11:58:39)(良:1票) |
55. タイヨウのうた
内容としてはここ数年乱発されている「泣ける難病モノ」の域を一歩もでないモノなのでどうでもいいんですが、そもそも一体どういう意図でこの映画って作られたんでしょうかね? YUIを売り出すなら売り出すで、なぜその手法が「映画」だったのか分からん。もしかして歌って演技も出来るマルチタレントにでもする気だったのか? それはともかく、映画の公開当時でさえ既にそこそこ認知度もあった現役ミュージシャンに「ミュージシャンの卵」を演じさせ、そのうえ劇中で「歌うまいね」とか「いい歌だね」とか「君ならスターになれるよ」的な台詞を連発されると正直ドン引きである。それが映画の出来にまで影響しているんだからどうしようもない(レコーディングのシーンも宣伝の一環だろうけど、いつもの夜の広場でラジカセ一発録りの方が感動的だと思うけどなぁ)。収穫があるとすれば、今までとは違った印象で「Good-bye days」「I remember you」が聴けることぐらいか。 [DVD(邦画)] 3点(2008-05-03 22:27:28) |
56. キサラギ
前半にちりばめれた伏線が一気に収束していくラストの展開は楽しいけど、よく考えるとちょっと強引過ぎませんか? 最初はちゃんと警察に問い合わせて証言のウラをとっていたのに、終盤は殆ど言ったモン勝ち状態。どれかひとつが狂うだけであの結論はひっくり返ってしまうのだが…。あと気になったのは、既にご指摘のあるようにエンドロールの顔見せ。アレは全く不要でしょう。死の真相はともかく、アレから数ヶ月後に如月ミキは焼死してしまうのである。本編が爽やかに終われたのは最後まで観客にとって如月ミキを文字通りの「虚像」に留めていたからなのに、あんなことされたら余韻も何もあったもんじゃない。ここのところ邦画で流行の「何でも見せます!」「何でも説明します!」的な映画作り、マジで勘弁してほしい。 [DVD(邦画)] 7点(2008-05-03 22:14:53) |
57. 天然コケッコー
小学生も交えた全校生徒7人を、ほぼムラなく丁寧に描いた前半は結構好きですが、そよと大沢の二人がメインとなる後半がやや微妙。ヘンな例えだが、『耳をすませば』からバイオリン制作と物語執筆をカットして実写化したような感じで、なんかもう観ていて恥ずかしい。前半と後半の温度差がなければもうちょっと高評価です。尚、恐ろしいことにこの監督、同じ年にあの『松ヶ根乱射事件』も発表してるんですよね。同じ地方を舞台にしてあれだけベクトルが違う映画が作れるとは…。 [DVD(邦画)] 6点(2008-05-03 22:05:30) |
58. 松ヶ根乱射事件
これってある意味ブラックコメディなのかも。確かに登場人物はみんな滑稽で、やってることも無茶苦茶だけど、それを「コメディ」として笑い飛ばせられないところがこの映画の怖いところであり、同時に核心だと思います。たとえるなら『博士の異常な愛情』的なブラックさ。不愉快過ぎて気持ちいい(?)、不思議な映画です。 [DVD(邦画)] 8点(2008-05-03 21:56:32) |
59. 上意討ち 拝領妻始末
御上の無理非道に対する怒りという意味では、山田洋次の『隠し剣 鬼の爪』にも通じるものを感じましたが、本作はもっと直接的で明快。なんせ御上に楯突くのが三船御大だから。ただちょっと気になったのは、伊三郎が笹川家を潰してまでなぜあの行動に出たのかがやや不明瞭なこと。あと仲代達矢の位置づけがちょっと曖昧(殆ど最後の勝負の為だけに出てきたようなものだし)なのも若干気になる。とはいえ、総じて完成度の高い時代劇だったとは思います。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-05-03 21:49:01) |
60. 真夜中のカーボーイ
ラッツォは文句ナシなんだけどジョーがイマイチ。あまりにアホ過ぎる。「田舎者があこがれの都会に出てくるも挫折」といういかにもニューシネマ的な設定はそのままに、もうちょっと違うキャラにならなかったものですかね。 [DVD(字幕)] 5点(2008-05-03 21:35:20) |