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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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41.  世界で一番しあわせな食堂 《ネタバレ》 
良かったところ。 舞台であるフィンランドの森と湖の美しい風景。シルカが切り盛りする食堂とそこに集う気の良い飲んだくれたち。ご当地、あるいは中華風の多国籍な料理。道路を横切るトナカイの群れ。 こちらは、フィンランド観光気分が味わえました。 悪かったところ。 脚本。一人暮らしの女性が、さっき出会ったばかりの得体の知れない外国人 (親子) を泊めるとか、私の感覚ではちょっと理解し難い。フィンランドの片田舎にある食堂に、タイミングよく「中国人」の団体さんがわさわさと大挙して押し寄せたり、よくよく考えたら現実感のない展開が多いです。 そして、残念な邦題。 「世界で一番しあわせな食堂」って、はああ? って感じ。全くフィンランドらしくない、個性がない、だから客も入らない。 ってことで、私なりに考えてみた。 ①フィンランドを感じさせる。 ②インパクトがある。 ③「かもめ食堂」のファンを集客できそう。(←これ重要) 以上の理由から、題名「トナカイ食堂」あたりでよかったと思うが。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-01-21 09:59:34)
42.  世界は今日から君のもの 《ネタバレ》 
真実 (門脇麦) は思った通りの不思議ちゃんでしたが、お父さん (マキタさん) も天然ぎみで少しピントが外れてるのが笑えます。出だしの二人のやり取りからして、かみ合っているようでかみ合っていない感じで、ニヤニヤしてしまう。 本作は、彼女の引きこもりやコミュ障をテーマとはしているけど、この映画ではそれを障害ではなく「個性」と言っています。全体的に脱力系な空気が漂っていますが、それは彼女の目線で見た世界がそうだから。彼女はその世界にいるだけで充分に幸せなのに、家族や社会がそれを許しません。彼女は戸惑う。でも「ゲーム」(のバグ探し) や「サバゲー」は想像世界の疑似体験 (のようなもの) であり、つまり彼女からすれば、これから一般社会で生きていくための予行練習。そして、彼女はそこで生き抜くための「イラスト」という強力な武器を既に持っていた、、というお話し。 障害や個と社会のコミュニケーション不全、というテーマではありますが、彼女が「殻」を破り、一般社会というバグだらけの世界に踏み出すまでの疑似RPGとして描いているのが、本作が斬新で面白いところ。 もちろん、これを観ている (彼女とよく似た) あなたにとっても、これは真実 (しんじつ) のストーリーになりえるかもしれません。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-01-20 21:21:05)
43.  ねこにみかん 《ネタバレ》 
主演:黒川芽以。舞台:和歌山県有田川町。(みかんの名産地) それ以外の予備知識なしで鑑賞。 黒川芽以演じる真知子が、彼氏の実家 (みかん農家) に嫁入りする → 落ち目の「みかん畑」を立て直して大成功 → はっぴいえんど。・・こんな感じと思っていたが、少し事情が違ってた。 まさかの変態家族、、じゃなくて、まさかまさかの一夫多妻制家族のお話しで。思った通り、その家族には多くの偏見もあるし、その暮らしは順風満帆とはいきません。 しかし言ってしまえば、親たちの方はこの家族の形を望んだわけだし、大変なのは「親たちの生き方」を背負わされる子供たちですよね。もちろん、子供たちからすれば、まだ一人立ちなんてできるわけないから、かろうじて踏みとどまっている家族と思えます。 さも一件落着といった終わり方でしたが、やはり真知子と父親の物別れが暗い影を落としています。これって、「一夫多妻制家族」のインパクトばかりが大きい話だけど、家族の生き方 (在り方) について、いつだって親たちに主導権があることに一石を投じた物語、ではありませんかな。 私は、真知子も、父親も、どちらにも非はなく、むしろ、お互いの生き方を尊重した前向きな別れであるとさえ思えました。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-01-14 08:12:34)(良:2票)
44.  種まく旅人〜みのりの茶〜 《ネタバレ》 
本筋である「お茶畑」サクセスストーリーの裏で、いくつかの興味をちらつかせることによって、最後まで客をうまく惹きつけているのが本作の面白いところ。 ①金ちゃん (陣内孝則) と木村 (吉沢悠) のうち、みのり (田中麗奈) のハートを射止めるのはどちらなのか? しかし、金ちゃんはみのりどころか何の見返りも求めずに、ただお茶畑の繁栄を見届けて去っていくという、まるで西部劇のC・イーストウッドのように高潔なお方であった。 まだある。 ②みのりは、いつになったら金ちゃんの正体 (農林水産省) を知るのか? ③木村は、いつになったら局長 (金ちゃんだけど) に会えるのか? (ニアミス続きすぎやろ笑) とうとう最後までじらしたあげく、、彼が農林水産省の閣僚として二人の前に参上する表彰式が最高だ。この場面には、驚きと笑いがあり、爽快感があり、そして何より、目線だけで言葉以上の会話を交わした二人の姿に胸が熱くなる。 以下余談。 陣内孝則さんは久しぶりに観たが、改めてよい俳優だと感じた。 田中麗奈ちゃんは「なっちゃん」らしく「ミカン畑」で勝負してほしかったが、大人になった今、茶畑のみっちゃんでも悪くはなかろう。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-01-08 18:13:52)
45.  SUNNY 強い気持ち・強い愛 《ネタバレ》 
韓国版「サニー」が大好き!! なので、どうしても比べてしまうけど、、90年代のコギャルブームや音楽をフィーチャーしたミュージカル仕立てに確変したり、そこは面白かったと思う。監督だって、個性を主張してナンボのもんだし。 そこよりもむしろ、「人」の差が映画の出来を左右したように思います。キャスティング、と言った方がいいだろうか。韓国版は女優陣、特に青春編の主要な三人、ナミ、チュナ、スジの存在感がとにかく凄かった、、。その上、現在と過去を演じた女優同士、顔立ち (とイメージ) が近いので、現在と過去を行ったり来たりしても、観ていて全く違和感がなかった。(この構成ならば、それはかなり重要なはずです) 例えば、シム・ウンギョン → ユ・ホジョン、似てません? でこちらは、広瀬すず → 篠原涼子?? っていう。そもそも、篠原涼子って、そこでも小室ファミリー? って感じはするけど。 ちょっと脱線しましたが、90年代後半に20代だった私にとって、懐かしく、くすぐったい映画ではありました。確かに、あの頃のコギャルたちは渋谷から日本を席巻しそうな勢いがありました (笑) しかし今思えば異様な光景でしたねぇ、金髪とルーズソックスで溢れる渋谷センター街、、。彼女たちとは住む「世界」が違ったのでよく知らなかったけど、今回は中から覗かせていただいて、25年後の今、貴重な (日本史の) お勉強ができました、はい。 全体的には、冒頭でも書いた通り、音楽や文化をフィーチャーしすぎるあまりに、その分、映画の本質である友情とか、「結束力」とか、ちょっと薄味だった気がします。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-01-02 17:13:29)
46.  女が眠る時 《ネタバレ》 
ウェイン・ワン監督の「SMOKE」が大好きで、公開前からかなり期待をしておりました。しかし、このガッカリ感はなんだろう、まさかのサスペンス映画でございました、、。 映画は、西島秀俊さんが走って、走って、走りまくります。サスペンス映画らしからぬ、身体的な「動き」があって、狙いがよくわからない感じです。 時折、得体の知れないリリーさんが登場しては、楽しい雑学集を語ります。特に「バカ殿様」のエピソードが面白い。何もせんでも女をホイホイ与えられていたから、昔の殿様たちは頭が退化していて、みんなバカ面してよだれをたらしていた。 (だったかな?) それはつまり、お前はそうなるな、って遠回しに言ってるんでしょうけど。男だったら走り回って、自ら女をつかまえろ。そして、ようやく「While The Woman are Sleeping」 女が眠っている時こそ、男は爪を研ぎすませ、てこと。でも、彼のように行き過ぎるあまり、気づいたら盗撮やストーカーじゃあ、シャレにもならんぞ (笑) 総括。 役者はよい。 官能的な雰囲気もよい。 フランソワ・オゾン監督の「スイミング・プール」を意識しまくりです。 そして、、邦題がダサい。 (これ、直訳じゃなくてもよかったんじゃ・・汗)
[映画館(邦画)] 5点(2021-12-26 22:03:50)
47.  幼な子われらに生まれ 《ネタバレ》 
浅野忠信と言えば、「私の男」「岸辺の旅」「淵に立つ」といった、不気味な役どころが最近はすっかり定着していましたが、今回は一転してマイホームパパという (笑) でも久しぶりに、普通の人を演じる浅野忠信を堪能できました。 本作の映像、それは古びた8ミリカメラで撮影したようなくすんだ色合いで、その空気はどこか懐かしい感じがしました。音楽をじゃんじゃん鳴らすこともなく、静かで抑制のきいた演出も私好みでした。 物語を通して、根っからの悪人は登場しません。唯一、クドカンは小悪党のようでしたが、最終的には意外と愛すべき魅力的なキャラになっていて、人物の描き方にはとても好感が持てました。彼は最後、既にプレゼントの「ぬいぐるみ」を買っておりました。それはつまり、娘さんが来ないことを承知の上で待合せ場所に来た、ということ。本当に娘と会うつもりであったなら、二人で一緒に買いに行こうとするはずですから。彼も、元父親として最低限の義理を果たそうとする真人間であった、ということです。 話変わって、本作は信と妻の元夫、信と元妻の夫、この関係に注目したい。信の結婚が一度失敗したことにより、奇しくもつながった人間関係です。でも彼らの間には、一度は同じ家族の父親であった連帯感が芽生えたのか、デパートの屋上や病室の場面では不思議な「絆」が感じられて、少なからず心が熱くなりました。 "家族を守る使命" という襷 (タスキ) を、ある親が転んで落としそうになった。その親はもう疲れていて、起き上がって走ることはできない。でも誰かがその襷を受け取って走り、やがて本当の親になり、いつしかその家族の絆はもう少し大きく広がった。これはそういったお話。 はっきり言って、彼らと彼らを支えた妻たちの姿を前にして、離婚とか生みの親とか育ての親とか、どうでもよくなりました。"われら" とは、決して血のつながりだけではないはず。だから新しい命に、「生まれてくる君よ、大家族へようこそ」と声を大にして言いたい・・!!
[映画館(邦画)] 8点(2021-12-26 18:34:41)(良:1票)
48.  ミッドナイト・バス 《ネタバレ》 
雪がちらつき、旅情を感じさせる新潟の風景に、利一という不器用男の人生路線。なんとなくですが、かつての降旗監督と高倉健コンビ作を彷彿させる味わいがありました。 しかし、本作を平成の「現代劇」としてハッキリと認識させてくれるのが、登場人物たちの中では唯一今風で明らかにまわりとは色合いが違う娘さん (葵わかな) の存在で、そのコスプレとか、大人たちにはっぱをかけるその姿とか、彼女の一挙一動が映画をがぜん面白くさせているように思えました。 そして、多くの方が言われているように、これは長い、、とても長い映画でした。 しかし、この157分という長いストーリーの中で最も重要な場面はどこか? と言われるなら、私は利一が志穂に別れを告げる場面ではないかと思えます。一見、彼女に対して冷たい仕打ちのようにも見えます。でも、「長い目で見ればいいことだ」という言葉から察するに、美雪との関係をしっかりと清算してから、また志穂の元に戻りたい、という彼なりのケジメ (覚悟) だったようにも思うのです。しかし、その真意はうまく伝わらなかったように見えるし、こういう不器用さ、優柔不断さがいかにも彼らしいと思う。 思えば、この映画は、利一 (としかず) と書いて「りいち」と読むことにこだわりました。また、白鳥 (しらとり) は「はくちょう」でもよい、とも。それなら私は、優柔不断と書いて「優しさ」ということにしておくよ。 人生を長く生きていけば、家族、女性、、その人間関係も広がっていく。だから、気遣いのできる人、彼のように人に優しい人ほど生きていくのは苦しいのかもしれません。 最後に見た家族写真には別れの予感が漂います。やがて離散し、扇の要も時代とともに変わっていくけど、それでも不器用に愛し合う人や家族を描いた良作だと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2021-12-19 20:31:22)(良:1票)
49.  ソーシャル・ネットワーク 《ネタバレ》 
主人公、マーク・ザッカーバーグ。かのハーバード大屈指の天才であり、やがてネットビジネスの寵児となる者。しかし、その人間性は「問題アリ」で、個人的には絶対に関わりたくないタイプ。でもこうして客観的に見ているだけなら楽しく退屈させない人間なので、映画のキャラクターとしては最高かも。 Facebook創設の歴史は確かに興味深い。しかし、この映画には実はもう一つのテーマがあります。本作は、百の屁理屈を並べる凡人たちよりも、金のなる木に群がる凡人たちよりも、(何かを初めに) 創作した者こそが最も偉大、、という、古今東西、あらゆる分野における「創作者」たちへのリスペクトである、と思っています。もちろん、Ⅾ・フィンチャー監督ご自身による、「幾多の映画評論家よりも "映画監督" こそが偉大である」というメッセージが暗に込められています。 世界中のユーザに異性と出会う機会を与え、Facebookを通じて多くのカップルも誕生したと思います。その創設者自身が目の前にいる意中の女性を落とせないとは、笑っちゃいけないけど皮肉なお話でした。しかし、ネットビジネスにおける偉大な人物、それが実は恋に彷徨う等身大の一人の若者だった、、彼に愛着がわくような締め方には "人間愛" があってよかった。 個人的には、過去と現在を延々と繰り返す手法は苦手なこと、そしてこういった映画は公開当時、つまりFacebook全盛期に観てナンボでしょう、という思いはあります。 以下余談。 出演した俳優たち、ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、そして、ルーニー・マーラですか。当時はそこまで有名ではなかった認識ですが、特に本作以降、役者として大成したように思います。今改めて、Ⅾ・フィンチャーの役者を見る「慧眼」は素晴らしいとしか言いようがありません。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-12-19 19:41:25)(良:2票)
50.  あやしい彼女(2016) 《ネタバレ》 
一言で言うなら、韓国版ほど「パンチ」が効いてない。韓国版は、主演女優であるシム・ウンギョンのコメディエンヌっぷりと歌唱力が ガツーン!! と強烈だったので、どうしても多部ちゃん版 (笑) は見劣りしてしまう。いや、多部ちゃんもよかったとは思うけど、如何せんシム・ウンギョンが良すぎたのですわ。(そこはフォローしておきたい) 日本版のよかった点としては、スカイツリーといった風景の数々や、古き良き日本の「歌」そのものがストレートに心に染み入ってきたこと。時が経っても色褪せない歌の良さ、それはまるで、歳をとることは素晴らしいことなんだ、、というメッセージにも聴こえてくるようで。 また、リメイクにあたり、おバアさんの息子が娘に変わった点について、私見。こういう特異な設定のファンタジーだけに、日本が誇る青春ファンタジーの名作「転校生」の小林聡美さんをご指名でキャスティングしたかったのでは? この二作は、「もう一人の自分とサヨウナラ」というテーマも似ているし、いわゆる、オマージュ的な起用というやつです。私の考えすぎかもしれんが。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-12-05 17:53:28)
51.  映画 ビリギャル 《ネタバレ》 
実話ベース、ということで結末 (合格) はわかっていますが、期待通りに進む展開がただただ心地よく、そして清々しい映画。 全体的に、キャラが魅力的でよかったです。さやかを演じた有村架純さん。偏差値30の金髪ギャル (死語) に完璧に成りきっていました。「そっち系?」← これ、好きでした (笑) ある意味では、一人二役、ですかね、お見事でした。そして、もう一人の主役と言ってもいいだろう、坪田先生 (伊藤淳史)。なんだか、彼を見ていたら「奇跡の人」のサリバン先生を思い出しちゃった。だから、さやかにとって、「合格」ではなく、あなたに出会ったことが本当の奇跡かもしれませんね。  もちろん、映画としてはスポ根の勉強版で「努力」がテーマではありますが、裏テーマとして、コミュニケーションの重要性、を描いたものと思っています。坪田先生とさやか、教師 (たち) とさやかの母、さやかと母。この物語を前進させ、局面を打開していたのは、いつだってこの関係による面談や対話によるものでした。(ネットやケイタイではないところに、大きな意義がある) 反対に、野球狂の父と弟の関係は、一方通行の人間関係 (コミュニケーション不全) であり、つまり後退の象徴ですね。この奇跡の裏側には、個人としての「努力」があり、そして人同士の「対話」があった。 人と人とのつながり、その人間関係がますます希薄な今だからこそ、この物語は人々の心に響いたのではないだろうか。
[DVD(邦画)] 7点(2021-10-26 23:38:12)(良:1票)
52.  恋は雨上がりのように 《ネタバレ》 
小松菜奈さんの魅力についてはもう語りつくされておりますので、強いて言うなら、陸上競技者、それも単なる一部員ではなく、人を惹きつける短距離界のスター候補生、といった観点から、これは完璧なキャスティングではないかと。多くは書きませんが、競技場のトラックを颯爽と駆け抜ける橘あきら、、その姿を観た方ならわかるはず。 かたや、羨ましい店長の近藤正己は45歳、公開当時の大泉洋も45歳、ついでに、私は44歳。(ちくしょーめが このやろめ なんだこの差はこんちくしょうめ) そんな店長の良さについてはもう語りつくされておりますので、強いて言うなら、(またかい) 私が好きな彼の優しい気遣いについてコメントを。彼の、「息子に走りを教えてやってほしい」はタテマエ。その本音としては、あきらが再び走り出す、本当の意味での「キッカケ」を与えたかったのですね。 何度でも観たくなる終わり方は、雨上がりに覗いた晴れ間のように、一片の曇りもなく、キレイに爽やかに。 そして、小松菜奈という女優としては、これが青春映画のゴールになるだろうか。 私の中でも大好きな女優が、その「青春」という通過点を、颯爽と、自信に満ち溢れたその姿を残して、駆け抜けていきました。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2021-10-26 00:12:50)
53.  嘘八百 《ネタバレ》 
全体的に、映像はTVレベルで特徴も無いし、点は辛め。 「実は騙されていたのは、主人公 (たち) でした」 これは、詐欺師系映画の常套手段。なので、最後の大どんでん返しに期待していたけど、、もしかして結婚式からのドタバタ劇がそうなら、伏線なし、爽快感なし、面白くない、の三拍子揃って、かなりスベった感じ。個人的には、最後に親子二組がめでたく和解して、千利休の茶碗よりも、一億八百万円の美術品よりも、世界にたった一人の子の存在こそかけがえのないものでした、、の胸熱路線で終わらせてもよかった気がするんですよね。 あと、息子さん (前野朋哉) がコツコツと作っていたジオラマ? ですかね、あれがマニアや専門誌の評論家あたりに大絶賛されて思わぬ高値がついちゃった、、って皮肉めいた展開を想像 (期待) していたけど、、一体なんだったのでしょう、あの思わせぶりなジオラマは。 結局のところ、ストーリーに難癖ばかり出てくるってことは、きっと「脚本」がイマイチなんだろうなあ、、監督と出演者たちに罪はなし、ってことで、以上。
[インターネット(邦画)] 4点(2021-10-23 19:10:09)
54.  先生と迷い猫
「猫」の映画、とは考えないほうがいい。この映画は舞台である「街」が主役であり、家と、そこに暮らす人々の物語。 猫と、それを追う老人の目線はそのまま、街の案内人であり「語り部」と思ったらいいだろう。パン屋、美容院、駄菓子屋、学校、開業医による診療所、、そしてそこに集う人々。あえて観光名所案内的なショットを極力避けて、彼らの日常生活にフォーカスした情景撮影が好ましい。まるでこの映画自体が、この街の「あの頃」を記録した文献のようであり、郷土写真集のようだった。 出演者について、前々から、イッセー尾形さんの演技はエキセントリックすぎる印象がありましたが、こういう風変わりな人物を演じるには適任だったように思えます。そして、もたいまさこさんは、やっぱり猫がすき、ですね。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-10-08 14:55:48)
55.  エクストリーム・ジョブ 《ネタバレ》 
面白かったです、この5人。 確かに、彼らのお顔からお姿から、そのコメディっぷりから、80年代の香港映画を懐かしく思い出す映画でありました。個人的には、なぜか「ハイスクール奇面組」の5人を思い出しちゃったけど。(女性の方、ゴメン!) 観終えてからよくよく振り返れば、彼らのような猛者たちが署長にペコペコしたり、チキンを揚げてはお客さんにペコペコしたり、、こういう、能ある鷹は爪を隠す「情けなさ」と、最後のバトルの「勇ましさ」、このギャップこそが気分爽快だったと思えます。 ついでに、本作の監督はイケメンのイ・ビョンホンという、そのギャップもまた可笑しい。 脚本が実によいので、例によってハリウッドによるリメイクがありそうですが、、でもそうなった場合、ケンタッキー・フライド・チキンの国としてはどうするんだろう? って心配は余計なお世話?
[インターネット(字幕)] 7点(2021-10-08 14:01:21)(良:1票)
56.  バトル・オブ・ザ・セクシーズ 《ネタバレ》 
予告編の、フライパンやコスプレ姿でテニスをするボビー・リッグス (S・カレル) の姿から、勝手にコメディ映画と思っていましたが、全然違いました。これは女性軽視や同性愛というデリケートなテーマを取り扱った、実に大真面目なドラマでした。 ビリー・ジーン・キング (E・ストーン) については、テニスプレーヤーとしての彼女よりは、同性愛に目覚めていく一人の女性、そこに力を入れて描いていた感じ。特に彼女がマリリンと接する場面は、実に官能的に撮られていたように思う。 また、本作はもう一人の主役と言えるだろう、ボビー・リッグスが面白い。彼はテニスプレーヤーである以前に、誰よりも目立ちたがり屋で生来のエンターテイナーであり、実に映画向けなキャラクター、と言える。そして、本心が読めないというか、、ちょっと得体の知れないところがある。何となくですが、彼はゴリゴリの差別主義者を装っているだけで、群衆やマスコミを煽って注目させ、「テニス」という競技の知名度向上のために汚れ役を買って出た、と私は思っています。 1973年、バトル・オブ・ザ・セクシーズ (性差を超えた戦い) 。 もともと、身体的・体力的に異なる男女の試合結果など競技としては然したる意味はありません。だからこれは、スポーツという「力」を借りた、人類みな平等、という宣言です。 もちろん、女性として、やがては同性愛者として発言力 (影響力) を持つ偉大なテニスプレーヤーに、大きな使命感を与えた試合としてみるなら、これは決してテニスやスポーツという枠だけにはとどまらない、歴史上でも特に重要な戦い、と言えるでしょう。
[映画館(字幕)] 7点(2021-10-07 13:17:58)
57.  小さいおうち 《ネタバレ》 
まず、昭和初期という時代設定から、大正時代はもとより明治時代のハイカラな雰囲気を残す街並みや風景に心躍りました。赤や朱色といった艶やかな色合いを基調とした家や着物もキレイでしたし、観る者を (視覚的に) 飽きさせない映画であったと思えます。 タキが残した自叙伝が時代を越えて心をつなぐ、、とはどこかで観たようなストーリーでしたが、その一筆はその心とともに「戦争」という激動の時代を乗り越えた分、そこは単なる年数にとどまらないような、果てしない時間の経過とか、一際の感慨深さを感じた次第です。 また山田洋次監督らしい笑いの中にも、タキがこの若さにして花輪のような老人に嫁がされそうになったり、当時の女性の身分とか生き苦しさを感じさせる描写が多く散見されました。監督の作品群の系譜から見ても本作は異色作であり、同時にまだまだ創作意欲の尽きない意欲作、と言えそうです。 →2021/9/29追記。 キムリンさまの意見にとても感銘を受けました。 なるほど、確かにそう言われるとそう見えてきます。タキがその想いを心の中に封印したのは、彼女の慎み深さなのか、あるいは「時代」がそうさせたのか、、改めて色々と考えさせられます。
[映画館(邦画)] 7点(2021-09-29 12:11:05)
58.  WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~ 《ネタバレ》 
同監督の「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」を、素材に対する愛情やリスペクトがまるで感じられないとかつては酷評したが、この変貌ぶりは何だろう。 実際、「林業」ってこういうものでは? というのが素人目にも伝わるし、そこに携わる人たちやその土地古来からの習慣に対する尊敬の念を強く感じる映画でした。 また、一言で言うなら、本作はとても「セクシー」な映画。第一次産業で働く日本の男たちの姿、、それはとても力強く、そして色気がありました。 「がんばっていきまっしょい」や「少年時代」など、邦画の名作の数々のオマージュもよかった。(たぶん、探せばまだありそう) 出演者たちも総じてよかったですが、意外と脇役が光っていて、特に伊藤英明さんは海猿よりはよっぽどはまり役だし、(まさに山猿!!笑) 光石さんはキャリアの中でもベストと言えるほどカッコイイ役だったと思う。そして、自衛隊クンと "愛羅武勇" のタオルをくれたお兄チャン、なぜだか、私はこの二人がとても忘れ難い。杣人祭では、しっかりとこの二人がピックアップされているという、実に抜け目のない脚本に拍手。(GOOD JOB!笑)
[DVD(邦画)] 8点(2021-09-16 20:44:20)
59.  友罪 《ネタバレ》 
まるで不幸の見本市のような映画でございました、、。 もちろん、あの有名な少年Aによる事件をモデルとしていますが、それ以外でも、山内の息子が無免許運転の事故で何人もの子供の命を奪った、という設定は、かつての福岡3人死亡飲酒運転事故を連想させます。 しかし、、この大事件と大事故に隠れてしまいそうだけど、美代子の元カレのDVやレイプまがいの行為だって犯罪だし「罪」だよね。まだあるよ。先輩の清水のモラルのなさ、とか、雑誌社の面々の歪んだヒロイズム、とか、益田の友人を自殺に追い込んだ者たち、とか。有名な大事件とその犯人だけが悪ですか? 罪の重さって何ですか? そもそも、罪とそうではないその境界線はどこですか? そういうこと、色々と考えたくもなる映画ではありました。 「交通事故起こしただけじゃねえか!」(だったかな?) 山内の弟 (村上淳さん) の言葉です。極端な意見ですが、罪の重さは人それぞれの心の中にある、、という意味では的を得ているように思えます。 益田は、鈴木と知り合い、彼の正体を知った上でなお、少年Aではなく、友人の鈴木として認めました。たとえ犯罪者と知りながら、それが友であるなら赦せるのであれば、「友罪」とは言い得て妙。 ならば、少年Aや鈴木というその人を知りもせずに、部外者が彼らを誹謗中傷するなら、それは、裁かれることなき「有罪」かも知れない。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-09-16 18:30:45)
60.  セイジ -陸の魚- 《ネタバレ》 
20年前の僕がどうしてそこまでセイジに入れ込んだのか、まずそこが見えてこない。そして20年前の僕は、この夏のセンセーショナルな出会いと出来事に何を感じて、その後の人生にどう生かしたのか、20年後の僕からは全く伝わってこない。 伊勢谷友介氏の人脈自慢だろうか、山奥のドライブインには不釣り合いな都会風の面々も違和感ありあり。 確かに、BGMや映像センスは光るものを感じたが、冒頭の時系列をいじる演出などはあまり必要性を感じられない。でも、そのBGMもオシャレにこだわりすぎるあまり、せっかく1990年の夏というのに、浪漫飛行も夏祭りもおどるポンポコリンもラジオから聴こえてこないとは、ちょっと気が利かない。
[DVD(邦画)] 4点(2021-09-03 19:04:39)
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