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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2305
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 53歳
自己紹介 お世話になっております。
今年もよろしくお願いします。


※映画とは関係ない個人メモ
2025年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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621.  獣道 《ネタバレ》 
ナレーション役の須賀くんが再三口にするように、本作のテーマは人間にとっての“居場所”の重要性。ヒトが初めて手にするそれは、親の腕の中にあります。沢山の愛情を受け、絶対的な自己肯定を獲得する場所。温かな家庭は、巣立ち後に待っている新たな居場所を手にいれるための“孤独な戦い”の備えをする場所です。言い換えるなら、孤独に耐えるための技能と体力を養うところ。しかしながら、本作の子供達は、最初の居場所で満足な支度が出来なかった様子。人生のレールどころか、進むべき道さえ示されません。そう、彼女らの人生は獣道。銃の扱い方も知らぬまま、戦場に放り出されるが如し。孤独に耐えられないから群れるしかありません。あるいは、孤独を孤高と言い換えて、自分自身を騙します。居場所の作り方を知らないから、他人の居場所を盗むような真似をしますし、せっかく手にした居場所の守り方も知りません。彼女らのストーリーを知る観客は、同情することが出来ます。しかし、現実には個人の事情を他者が知る術はありませんし、一部の暇人や好事家を除いては、そもそも他人の境遇に興味がないのです。一定の年齢を過ぎれば例外なく自己責任を求めるシステムを、私たちの社会は採用しています。そう、沙莉ちゃん、もといアマンダちゃん、もとい愛衣も、自己責任で居場所を確保するしかありません。子供時代と寸分違わぬ現在地は、成長していない証。たぶん愛衣が一番その現実に慄いているんじゃないでしょうか。だからラスト、彼女は須賀くんを呼び止めたのだと思うのです。さて、須賀くんの居場所に彼女は必要なのでしょうか。もし必要ならば、それを愛と呼ぶのでしょう。ももクロの茶色担当こと伊藤沙莉ちゃん目当てで、生涯初めて公開初日の舞台挨拶付き上映会を体験してきました(出張のついで)。なんとまあ、沙莉ちゃんのカワイイこと。あのハスキーボイスは大変な武器。そしてコメディエンヌとしての才能を再確認しました。ちなみにアントニーが想像以上に存在感を示していたことにも驚きました(そもそもデカイですしね)。バラエティーに富んだキャスティングは満点級。各人の演技も上々。ただ脚本は、ちょっとマニアックだった気がします。初見で『すげー面白かった!』とは言い辛いお話でしたが、繰り返し観ると良さが分かってくるタイプの映画だと思いました。実際自分の中で反芻するうち、どんどん味わいが増しています。体を張った沙莉ちゃんに5点、韓姉さんに2点、須賀くん、吉村さん、アントニーと矢部太郎に各1点だと10点を越えてしまうので、やっぱり矢部はマイナス2点としておきます。その方が芸人的にはオイシイでしょうから。それにしても、マイベスト映画『幕が上がる』の下級生役の皆さんの活躍ぶりは凄まじいばかり。この先『幕が上がる』が、どれほどのお宝映画に化けるのか、とても楽しみです。
[映画館(邦画)] 8点(2017-07-20 05:58:00)
622.  インデペンデンス・デイ: リサージェンス
巷(特に映画通)での評判は芳しくない前作でも、私個人としては好きな映画に振り分けられます。SFとは名ばかりの、ノンサイエンスなアホ設定も、むしろそれが良いと思える馬鹿さ加減が好みでした。ストーリーはごくシンプルに。弱者の一刺しが強者を挫くカタルシスも上々で、セールスポイントはあくまで圧倒的な破壊シーンによる映像美という潔さが良いじゃないですか。そこで本作。宇宙船のスケールは前作をはるかに凌ぎます。そりゃもうデカい。ここだけは前作同様に◎がつくのですが、それ以外の要素はほぼマイナス査定という残念な結果でした。一番の問題点はオフザケが過ぎた事かと。前作もギャグ紛いの設定や描写が散見されましたが、一応箸休めの範疇。でも本作では主人公の親父さん絡みのエピソードが完全にギャグでした。サスペンスの緩和剤としてのお笑い要素はアリでも、過ぎれば普通にコメディです。さじ加減を間違えると悲惨なコトになるのは、料理も映画も一緒かと。そういう意味では、本作を純粋にコメディとして楽しむ手はあると思いますが……。もし映画館で鑑賞していたら、また違った印象であった可能性は否定しませんが、お茶の間TV鑑賞ではこの点数が精いっぱいです。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2017-07-15 07:27:26)
623.  ノック・ノック(2015) 《ネタバレ》 
2人の本性が露見した翌朝の時点、主人公はまだ日常に戻れると勘違いしてしまいました。何事もなかったことにして、元の生活に戻れると。家族、仕事、地位、財産。守るものが多いが故に、判断を狂わされたと言えます。もしすぐに警察に通報していれば、もし妻に白状していれば、もし逃げずに戦っていれば……。全ての“もしも”が虚しく思える結末は、決して最悪ではありません。一度は覚悟した“死”だけは免れたのですから。さてここで問題。2人が去った後、彼がとるべき最善手は何でしょうか。答えは当然、即警察に通報です。彼女らのやり口が稚拙であったため、バイヤー殺害の冤罪を彼が被ることは無さそうですが、それでも下手に取り繕おうとしたら逆効果。スマホに手が届いたのなら、通報が出来たはずですが?…彼は家族が帰ってくるまでの間に、何をした(そして何をしなかった)のでしょうか。大変興味深いです。プロに本気で仕掛けられたハニートラップから逃れるのは至難の業。オレオレ詐欺の比ではありません。もし同じシチュエーションで泉里香と中村静香が訪ねてきたら、招き入れない自信はありません(キリッ)。
[DVD(吹替)] 6点(2017-07-10 20:21:13)
624.  真田十勇士(2016) 《ネタバレ》 
鼻孔拡張テープ。気になります。激しく気になります。由美かおる(かげろうお銀)がナイロンストッキングを穿いていても何とも思いませんが、アレはナイなと。激しい違和感。テリーマンの額に「麦」の字が書いてあるような。あるいは、村野武範の額に真珠が埋め込んであるような。真田十勇士ですから、どんなファンタジー忍術(超能力紛い)が出てきてもOKですが、この時代考証無視は見過ごせませんでした。というか、それならもっと無茶苦茶やって欲しかったと思います。中途半端に“真面目に”作ってあるが故に、殊更気になったのだと思います。ナレーションは松平定知ではなく、やしろ優の芦田愛菜で。冒頭のアニメーションは、FROGMANにお願いしたらどうでしょう。実際やったら、もっとボロクソ言いますけども。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2017-07-05 19:29:41)
625.  TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ 《ネタバレ》 
クドカン映画の“やり口”としては、『少年メリケンサック』の時と基本的に変わりません。楽曲が持つ力、監督の世界観を体現する常連俳優&其処にいるだけで有難いミュージシャン、“らしさ爆発”の笑いに、切なさの詫び寂びをブレンド。これはもう鉄板の面白さです。幸せの青い鳥。何故か多いぞ畜生道。理不尽極まりない自殺判定。汚ねえクソと上品なクソ、どこが違う。何が違う。だってHELLもHEAVENもどちらもHでしょ。極め付けは「わたしも」。右に左に、グイグイハートを掴まれました。自分の、いや、全人類の人生が愛おしくなる映画。沁みますなあ。悪ふざけで感動なんて、きっと一時の気の迷いか錯覚でしょう。でもそれが映画の魔法であり、醍醐味に違いありません。いい映画でした。(以下余談)小6の娘と一緒に居間でTV鑑賞。それなりにウケていたと思いますが、あるシーンで固まりました。主人公弟の、○ナ○ーシーン。それもノーロック・ケツ丸出しのストロングスタイルですよ。これを年頃の娘と一緒に観るのは、何という名前の“地獄”ですか(泣)?『中学生円山』の監督であったことを忘れていた自分を呪います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-06-30 17:29:21)
626.  ダーク・シャドウ(2012) 《ネタバレ》 
監督ティム・バートン&主演ジョニー・デップといえば『シザー・ハンズ』を筆頭に数々のヒット作を生み出してきた名コンビ。ジャンルもお得意のダークファンタジー。なるほど、なるほど。美術センスといい、毒加減といい、らしい世界観です。まずもって驚くのが、キャストの豪華さでしょうか。『007カジノ・ロワイヤル』のボンドガールに、監督の嫁、大女優ミシェル・ファイファーに、ヒットガール。それに家庭教師役の美少女ちゃん。美人女優揃いですなあ。これだけで、ちょっと得した気分。ストーリーの方は、正直なところ“微妙”です。時代背景を差し引いても、主人公に正義(大義名分)はなく、何バカやってるんだという感じ(これがジョニデだから憎めないワケで、羽賀研二なら袋叩きでしょ)。そりゃ恨まれて当然です。バンパイアにオオカミ女まで出したのなら、ついでにフランケンシュタインもお願いしたいところ。黒魔術でヒトをバンパイアに変えるって設定は、初めて見た気がします。
[地上波(吹替)] 5点(2017-06-25 10:28:06)
627.  死霊館 エンフィールド事件 《ネタバレ》 
『死霊館』の感想でも書きましたが、“実話もの”は個人的にはマイナス要素(可能性の幅が狭まるので)。それでも本格派オカルトホラーとして堅実なつくりで好印象です。やはり脚本は一級品でしょう。悪魔に操られていた幽霊からのメッセージの件は痺れました。後味の悪くないホラーというのも逆に新しいかもしれません。信頼できるシリーズ映画との認識です。
[DVD(字幕)] 7点(2017-06-20 21:52:53)
628.  鬼談百景 《ネタバレ》 
『残穢』の“私”こと、ミステリー作家(竹内結子)の元に届けられた、一般人からの恐怖体験談・短編集。「こんな手紙が届いた」がお決まりのイントロダクション。6人の監督がそれぞれのスタイルで小野不由美ホラーのテイストを再現するという趣向です。残穢も勿論ですが、小野女史の描くホラーの魅力は、淡々とした語り口調の中にあります。気づくと周りは闇だった。そんな静かな怖さ。空手でいうなら、現代主流のフルコンタクトではなく寸止め伝統派といったところでしょうか。10作品の中、出色の一作は『どろぼう』かと。キーアイテム“無花果”の使い方、小橋めぐみ(なんとまあ、綺麗にお歳を召したことでしょう)の怪演。観客の想像力を利用した脚本も好みです。
[DVD(邦画)] 6点(2017-06-15 19:50:59)
629.  貞子vs伽椰子 《ネタバレ》 
所謂ドリームマッチもの(?)というジャンルは昔からありますよね。異なる世界(観)のヒーロー対決。私的には推理小説の『ルパン対ホームズ』が真っ先に思いつきますが、映画界では昨今大流行中のカテゴリーです。『フレディVSジェイソン』『エイリアンVSプレデター』『ルパンⅢ世VS名探偵コナン』『仮面ライダー×スーパー戦隊』。最近だとスーパーマンとバットマンが戦っていましたね。同じ“事務所内”ならば、仮にパワーバランスに難ありでも、さして違和感は無いのですが、本作については、土俵は同じでも所属団体は別。武藤VS高田クラスの夢の大一番と考えます。個人的には生物学的アプローチで呪い定義した小説『リング』の大ファンなので、圧倒的な貞子派。もっとも映画のリングシリーズは最早小説とは全くの別物ゆえ、特にどちらを応援するでもなく(?)鑑賞いたしました(そりゃそうだ)。正直な感想を申しますと、「想像以上に良かった!ただしラストを除いては」ということになります。発注元の無茶ブリによく応えていたなと。毒をもって毒を制す。なるほど、発想はグッド。イケメン霊媒師&盲目少女コンビも、(既視感ある組み合わせですが)イイ感じ。ちゃんとキャラが立っていました。山本美月ちゃんも可愛かったですし。ですから、しっかりオチさえ付けてもらえれば、高得点を進呈したかったのです。ところがこの結末では○は付けられません。あれですか?ドラゴンボールでいうところのフュージョンってコトですか。んなアホな。両団体のエース対決を両者リングアウトの有耶無耶裁定にしなかったのは評価しますが、試合中に打ち解けてタッグを組むなんてファンが許しませんよ。どうせなら、続編では盲目少女が将軍KYワカマツとして、スーパー呪いマシン1号、2号、3号(坊主)を引き連れて暴れまわるなんて展開にしたらどうですか。藤波に「お前貞子だろ」と言わせたら土下座して10点差し上げます。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2017-06-10 19:22:06)(笑:1票)
630.  殿、利息でござる! 《ネタバレ》 
現役最強クラスの喜劇役者・阿部サダヲが主演で、先行ポスターの図柄は、阿部の頭に銭のちょんまげ。こりゃどうしたって、軽いタッチの(例えるなら『超高速参勤交代』のような)コメディを想像してしまいます。ところがどっこい。これがしっかりシリアス、がっちり人情話。正直想像していたものとは違いました。しかしこれはこれで、面白かったと思います。本作で一番興味深かった点は、先代・浅野屋甚内の“秘話”が事態を動かす突破口となり得た点。これ“結果が全て”と言ってもいい現代の価値観では在り得ない話。結果よりも経過を尊ぶ、日本人本来の美徳は、心地よいものでありました。これが実話とは嬉しい限り。「昔は良かった」とは言いませんが、「良いところもあった」のは間違いないでしょう。
[DVD(邦画)] 7点(2017-06-05 20:46:32)
631.  インシディアス 第2章 《ネタバレ》 
♪過去と未来とあの世とこの世、行ったり来たり~(byタイ○ボカン)な続編。いやはや、今回もしっかりオカルト、それでいてミステリー。なかなかの見応えでありました。前作の足りない部分を補うというよりは(そもそも前作単独でちゃんと成立しています)、味変というか、薬味足しというか、シリーズ作品全体としてぐっと味わいが増す満足度の高い内容でした。このシリーズ構成はお見事だと思います。バスターズコンビを(控えめながらも)コメディリリーフに仕立てた点、さらにサイコロに糸電話と、小物の使い方も実に巧みで感心しました。この2作で完璧だと思うので、あまり余計な続編は観たくないというのが偽らざる本音。でも、ひょっとしてコチラの想像を超えてくれるのではないかという期待もあります。うーん痛し痒し。現時点では『SAW』シリーズを完全に上回る完成度と考えます。
[DVD(吹替)] 8点(2017-05-30 21:15:41)(良:2票)
632.  クリーピー 偽りの隣人 《ネタバレ》 
『これがあんたの落とし穴だ』高倉が西野(仮)に吐き捨てた最後の言葉は、鈍痛を伴い胸に響きました。そう、それは高倉自身に向けられた台詞でもあったことでしょう。犯罪心理学を学んでいたが故の慢心が、墓穴を掘る形となった1年前の出来事。そして今一度、最愛の妻をも巻き込んで同じ轍を踏んでしまった愚かな自分。“サイコパスとはこういうもの”そんな決めつけ、思い込みが、最も危険だというのに。講義で学生に「参考にならない」そう自ら口にしていたはずなのに。医者の不養生。幸いにも(?)、西野(仮)もまた今までの獲物と高倉を“同質”と“決めつけた”おかげで、主人公は命拾いしたワケですが。数多く過ちを犯した者が勝利した結末とも言えます。夫の胸で号哭する妻の声は、魔界から現世に戻ってきた証。それはまるで産み落とされた赤子の鳴き声のようでもありました。漆黒の中の救い、と受け取りたいと思います。黒沢清監督の映画にしては、筋立ては明快。お馴染み難解ミステリーを予想していた身としては若干物足りなくも。ただし、監督のもう一つの顔“ホラー上手”の面は、如何なくなく発揮されていました。映像面では、光と影の使い方、画における間の取り方。極め付けは“スタジオ撮り乗用車シーン”でしょうか。ツクリモノ丸出しの感じが、異世界を進む西野(仮)ファミリーの地獄道をよく表していたと思います。また、脚本面では、早紀の身の上に起きた6年前の事象を、西野娘の姿を通じて間接的に知らしめる手法が技ありで、得も言われぬ恐怖と不快感を創出していたと思います。黒沢ホラー、ここに在り、です。今回のMVPは勿論香川照之。怪演でしたが、同じくらい西島の体温低い単調な演技も(氏の平常運転ですが)見事だったと思います。願わくば、手品(人心掌握)のタネは、クスリではなく純粋に西野(仮)の人間力であって欲しかったところです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-05-25 18:29:46)(良:1票)
633.  インシディアス 《ネタバレ》 
観見終えてみれば、既視感のある設定にストーリーだったなあと。オチも含めて。でも悪い印象はありません。それだけ王道・正統派のオカルトホラーという事でしょう。それにしても主役の男優さん、同じくワン監督の『死霊館』シリーズでも主役ですよね。正直こんがらがります。多分、外国の方からしたら『本能寺ホテル』や『プリンセス・トヨトミ』を観ても同じ印象なんじゃないでしょうか。本作単独でもちゃんと成立していると思いますが、レビューを拝見したところ続編で謎解きがあったりするんですね。これは楽しみです。
[DVD(吹替)] 6点(2017-05-20 20:53:27)
634.  パージ:アナーキー 《ネタバレ》 
暗視ゴーグルのアドバンテージだけで、防弾チョッキひとつ身にまとわず「狩り」を愉しむ富裕層って、どんだけアホやねんと。絶体絶命の大ピンチに正義の味方が颯爽と現れて助かるなんて、そんな脚本よく通したなと。基本ウソだらけの映画ですが、一番の大嘘は人が人を好んで殺すという点と考えます。人が殺人を嫌うのは、殺したくないし、殺されたくないから。種の衰退に加担する行為を忌み嫌うのは自然の摂理です。それは富裕層とて同じこと。机上の理論は、悪意に満ちた偏見でもありました。貧困層が殺される側に甘んじる設定にしても同じこと。全ての犯罪が罪に問われない“人生一発逆転タイム”にただ逃げ隠れするだけなんて、ご冗談でしょう。
[DVD(吹替)] 5点(2017-05-15 22:25:35)(良:3票)
635.  キングコング: 髑髏島の巨神 《ネタバレ》 
大味なバカ映画なんだろうなと高をくくっていたところ、意外にもシニカルかつポリティカルなメッセージが込められていたことに驚きました。“本当は戦う必要のない相手がどうして敵なのか”。頭空っぽにしてコングの大暴れが観られればいいと思っていたので、少々面食らった次第です。とはいえ基本は、巨大化け物バトル・ロワイアル。コングだけでなく、”ひたすらでかい”水牛、蜘蛛、怪鳥、そしてトカゲも頂戴できて大満足でした。劇場大スクリーンで迫力を楽しまなきゃ損の娯楽作品で間違いありません。PJ版キングコングから早12年ですか。CGのクオリティに関しては、もう文句のつけようのない極上の仕上がりで、本音を言えばストーリーなどどっちでもいいのですけれども。エンドクレジット後のオマケは、和製怪獣映画に対するオマージュという捉え方でよろしいんですよね。はい、大変面白かったです。
[映画館(字幕)] 8点(2017-05-10 21:42:52)
636.  夜は短し歩けよ乙女 《ネタバレ》 
一歩、いや半歩間違えば、“独りよがりなセンスの押しつけ”あるいは“分かるヒトにだけ分かるゲージツ作品”になりかねない本作。引き合いに出すのは適切ではないかもしれませんが、『ナイスの森』的とでも言いましょうか。しかしながら、その半歩を決して外さず、確実に一般大衆向け『娯楽作品』として成立しているのは、物語の幹を為すのがロマンスシネマの大正義“純愛”だからと考えます。先輩然り、パンツ総番長然り、紀子さん然り。みんな真剣なんです。間違った方向に。そう、誰もが経験した(または現在進行形で体験している)青春時代にありがちな、無様で、泥臭く、気恥ずかしい、完全にどうかしている心理状態を、アーティスティックにデフォルメしつつも、的確に表現していたと思います。詭弁踊り?韋駄天炬燵?時間軸無視?青春の“迷走感”に相通じる素晴らしき“ワケワカラナサ”。正直に告白しますと、20年以上昔、主人公とほぼ同じ年齢でリアルに“ナカメ作戦”を実行した私としましては、本作を否定するわけにはいかないのであります(もっとも私の場合は告白撃沈。未だに瘡蓋が取れません泣)。「これも何かのご縁」嗚呼なんと素敵な響きでしょうか。私も“私の黒髪の乙女”に言われたかったなと。おじさん、ニッコリ笑顔で泣けてしまいました。湯浅氏の傑作処女作『マインド・ゲーム』から実に13年ぶりの劇場監督2作目は、湯浅節のエッセンス健在に、見事に洗練された大人の映画に仕上がっておりました。大拍手を送りたいです(出張ついでに池袋にてレイトショー鑑賞。うん、やっぱり本作はレイトショーで見なきゃね)。
[映画館(邦画)] 9点(2017-05-05 21:27:07)
637.  メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮 《ネタバレ》 
巨大迷路攻略という超強力なギミックを、1作目で早くも放棄してしまったシリーズ映画は、第2作目にして“世紀末ゾンビサバイバル”というお馴染みの設定に移行した模様です。もっともゾンビ要素はあくまで添え物。物語のアイデンティティは、ゾンビ治癒研究機関?WCKDとの戦いにありました。人類滅亡の危機に同種内で揉めている場合か!とも思いますが、モルモット側にしてみれば、研究者の狂った実験に付き合う道理もなく、この流れは必然と考えます。まあ、基本設定が脆弱なのでドラマをシリアスに捉える必要もありませんが。それにしても『ハンガー・ゲーム』といい、本作といい、最初にデカい花火を上げるやり方って流行っているんですかね。粗品無料プレゼントでお客を集めて、最終的に布団を買わせるみたいな。特段面白いと思っていない私も続編を観ているワケですから、まんまと欲しくもない布団を買わされている気分です。
[DVD(吹替)] 5点(2017-04-30 21:43:37)(良:1票)
638.  メイズ・ランナー 《ネタバレ》 
予告編だけなら結構面白そうなんです。でも見進めていく程に、状況が判明していく程に、最初に在ったワクワク感がどんどん目減りしてゆきます。これはツライ。同類設定を有する『CUBE』と比べてみると、その差は歴然。マジックの種明かしは厳禁だという事がよく分かります。さて、本作は3部作とのこと。正確な評価は続編を観てからにさせて頂きたいのですが、期待感は『ハンガー・ゲーム』並みといったところでしょうか。
[DVD(吹替)] 5点(2017-04-25 22:46:57)(良:1票)
639.  ターミネーター:新起動/ジェニシス 《ネタバレ》 
どうしてもシュワルツェネガーを使って続編を作りたかった苦心の跡が垣間見える『ターミネーター』シリーズ最新作。表面の体組織は人間と同じだから見た目は老いるのに、鉄骨むき出しになった腕はちゃんと再生される摩訶不思議。そのテクノロジーはT-800から取得したの?1984年製タイムマシーン。正直無理筋と思える設定が散見されます。極め付けはT-800の“アップデート”でしょうか。『ターミネーター』はタイムパラドックスを扱った映画としては、実にシンプルで分かり易い脚本が魅力だっただけに、この改変は個人的には残念でした。さて、聞くところによると、本作は新3部作の第1作目だそう。リブートだか、新解釈だか知りませんが、お手軽に過去の遺産を食い潰す制作手法は(本シリーズに限らず)あまり感心しません。
[DVD(吹替)] 6点(2017-04-20 22:24:03)(良:1票)
640.  超高速!参勤交代 《ネタバレ》 
これは懐かしの『桃太郎侍』や『暴れん坊将軍』、『水戸黄門』路線の娯楽時代劇。細かい時代考証は言いっこなしヨの世界観。久しくエンターテイメント時代劇から遠ざかっていたため逆に新鮮で、大変楽しめました。特に『情けは人の為ならず』な最期の大名行列にはグッときましたね。ただ、個人的にはもっとバラエティ豊かにクセ者役者を揃えても良かったかなあと。一番アクの強いキャラが陣内孝則の松平信祝では、少々弱いです。上地雄輔が生きていたのには単純にビックリしました。
[DVD(邦画)] 6点(2017-04-15 21:26:19)
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