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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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61.  グリニッチ・ビレッジの青春 《ネタバレ》 
俳優として成功する事を夢見て、家を出てグリニッチ・ビレッジにやってきた一人の青年の、様々な出会いを通しての成長を描いた50年代を舞台にした青春群像。  主人公の青年以外の脇役も実にいい。まだまだキャリアがスタートしたばかり。「ディア・ハンター」の2年前。クリストファー・ウォーケンもその中の一人。演じる役は15歳で家を飛び出し、人を愛した事が無いという孤独な作家志望の男。もう既にウォーケンらしさがとてもよく出ています。  そして子離れできないママというどこか悲しい役をコミカルに力強く演じたシェリー・ウィンタースも素晴らしい存在感。  作品は主人公の青年が実家を出て行くところで始まり、実家を出て行くところで終わる。冒頭で家を出ていく時は母はヒステリーを起していたが、ラストは「クラーク・ゲーブルに会ったら母がファンだと伝えて。いい役者になってね」と気持ち良く息子の門出を祝福した。青年の成長と同時に、最後は家族の成長も気持ちよく描いた佳作。  1976年製作。アメリカン・ニューシネマ後期にあたる頃。グリニッチの仲間の自殺なども描かれるだけに、主人公の男は夢に敗れるのか否か。途中はどちらに転んでもおかしくない人間模様でもありましたが、最後はバイト先の夫婦にも両親にも祝福され夢への一歩を歩みだす。清々しさのあるいいラストでした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-02-10 20:15:39)(良:2票)
62.  男はつらいよ 寅次郎恋歌
森川信さんがおいちゃんを演じた最後の作品です。3人のおいちゃんそれぞれに味わいがあるのですが、森川信さんと渥美清さんが作り出す間は絶品でした。  特に喧嘩のシーンで「やい!寅!」と寅さんと同じ土俵でがっぷり四つに組んで喧嘩を繰り広げる。初代おいちゃんならではの味わいでした。また、寅さんに皮肉を言われ、「くぅ~~~!」と悔しさをあらわにする森川信さんの芝居も大好きでした。  以降日本中で再会を繰り返す旅の一座と一座の花形大空さゆりちゃん、諏訪先生と諏訪家の人々(ここも兄弟が揃えば揉め事になるなあ・・・)といったお馴染みの顔触れが揃っているのも嬉しい作品です。  諏訪先生がとらやを訪ねる。諏訪先生が孫を抱きかかえる。(志村喬さんの満男への「ばぁ~」が良かったなあ・・・。)さくらが歌う「母さんの歌」。(見るのが辛いほど素晴らしいシーンです)博の母への思い。最後に諏訪先生がさくらに託した息子博への思い。そしてマドンナと一人息子。いつにも増して「親と子」を感じる作品です。
[DVD(邦画)] 8点(2011-11-18 20:32:28)(良:3票)
63.  ロング・グッドバイ
数々の名優が演じてきたフィリップ・マーロウですが、エリオット・グールドのマーロウもいいですねえ・・・。見事に本作のマーロウ像を提示する、深夜にキャットフードを買いに行くユーモアを交えた冒頭が素晴らしく、夜の街に、煙草に酒、そして音楽。アルトマンが徹底的に気だるい世界観を演出する。そこにくわえ煙草のエリオット・グールドのマーロウの佇まいがピタリとはまる。事件に関係する男を演じたマーク・ライデル(結構お気に入りの監督さんでもあります)やスターリング・ヘイドンのアクの強い存在感も印象に残ります。一般的なハードボイルドのイメージとは一線を画し、最後の”ハリウッド万歳”の使い方にもいかにもというアルトマンらしさが感じられました。
[DVD(字幕)] 8点(2011-08-28 22:03:40)
64.  アラン・ドロンのゾロ 《ネタバレ》 
アラン・ドロンの映画ではかなり好きな作品です。その一方で、TVで以前にも見ているのですが、その初めて見る前にはアラン・ドロンらしくない映画であるという思いもありました。他のアラン・ドロンの映画のコメントにも書きましたが、アラン・ドロンと言えば犯罪の香りが漂う映画が似合うと思うし、マスクから覗く目はいつものドロンとは違って見える気もする。  しかし、そんな思いは映画の前半で完全に無くなってしまう。文句ナシにカッコいい。まずは最初に民衆を苦しめる軍曹一味を気持ちよくやっつけてくれる。全く汗もかかず軽口を叩きながら実にカッコよく鮮やかに民衆の敵をやっつける。そしてやられる方は実にカッコ悪くやっつけられる。ドロン=ゾロのカッコよさが更に際立つ。  この立ち回りや総督を演じているシーンに見られるように挿入されるユーモアも、軽快でユーモラスなテーマ曲もいい。カッコいい正義の味方が貧しくも正しく生きる善人や女性や子供を助け、正しく生きる人々を苦しめる悪をやっつける。実に分かりやすい正義の味方ゾロを魅力いっぱいにみせてくれたアラン・ドロン。何をやっても絵になりカッコいい人だと思う。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-15 00:40:08)(良:3票)
65.  見えない恐怖 《ネタバレ》 
盲目のヒロインに危機が迫るサスペンス。オードリー・ヘプバーンの「暗くなるまで待って」が思い出されますが、こんなに面白い映画があったとは。  最後の最後まで犯人の顔を見せず、特徴的な模様のついた皮のブーツの下半身を延々と見せる。ミアだけでなく、見る者にも犯人が何者なのかを全く見せない。しまいにはイライラしてくる。屋敷に惨劇が起こってから発覚するまでのミア・ファローの見せ方、無音の空間の小さな物音や床に散らばる惨劇の痕跡の使い方も実に巧い。  更に本作は屋敷の中だけにとどまらず、屋敷を脱出後もラストまで幾重にも張り巡らされたミアに迫る危機に息つく間も与えない。泥だらけになりながら”見えない恐怖”を熱演したミア・ファローに脱帽。作品の展開の中で表情や人相までも変えていく。確かな演技力を持つ素晴らしい女優さんだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-09 22:53:00)
66.  アリスの恋 《ネタバレ》 
夫に先立たれた35歳の母と息子の幸せを探し求めてのロードムービー。 母を演じるエレン・バースティンはよく泣くしよく怒ってもいる。その度に彼女が可愛くも見え、ふてぶてしくも見える。彼女の持つ強さと弱さを見事に演じ分ける。しかし、一番印象に残った彼女の表情は2つ目の町でクリス・クリストファーソン演じる牧場主の男のプロポーズを受け入れた時の幸せそうな満面の笑みなのでした。ごつごつとして不器用な面々が揃うこの町のカフェの人間模様も良かった。  女性の自立というテーマと共に、終盤には息子と牧場主が2人で牧場で遊び、ギターを習う様子からは少年にとっての父親の存在の意味も感じ取れます。上手くいかない時もいい出会いがいい方向に導いてくれて幸せなゴールが待っている事もある。この旅も当初の目的地にたどり着かず、1つのいい出会いがきっかけで途中で滞在したこの町が旅の終着地となりましたが、これも人生というものなのでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2011-04-26 22:22:15)
67.  フォロー・ミー
人間、言葉も大事なんだろうけれど、その場を取り繕う言葉よりも人間関係って心なんだな。トポルとミア・ファローが一言も言葉を交わすこと無くロンドンの街を歩くミステリアスでもあり、可笑しくもあるシーンからはそんな事が感じられました。 前半はとても台詞の多い映画だっただけに、中盤以降の台詞が無い一連のこの2人のシーンが凄く効果的でしたね。最初、ミア・ファローの前に現われたトポルはただの不審者。しかしこの奇妙な10日間の間に少しずつ魅力的な表情に変わっていくミア・ファロー、トポルのユーモラスな味わいのある演技も素晴らしいものでした。
[映画館(字幕)] 8点(2011-04-05 20:20:12)
68.  パピヨン(1973)
脱獄モノといえば、「大脱走」や「アルカトラズ」などのように看守の目をいかに欺き脱獄を成功させるか、という所に映画としての面白さがあるのだと思う。しかし、本作は脱獄の過程に関しては意外なほど時間がかけられていない。  その代わりに、夢に出てきた「人生を無駄に生きてきた罪」と「自由」に対するパピヨンの強い意志が一貫して描かれ続ける。全編にみなぎるパピヨンの衰える事のない強い意志と演じるマックイーンが凄い。さらにダスティン・ホフマンという俳優の凄さも改めて感じさせられました。  ラストは絶海の孤島で平穏だが無駄に生きていく決心をしたかのようなドガの姿とは対照的にパピヨンは荒海の中へ飛び出していく。パピヨンの自由への思いと無駄には生きないという意志が最後まで伝わってくると共に波の彼方に遠ざかるパピヨンを見送るドガの表情が印象に残る。  後半に分かり辛かった所(島民と過ごす時間とその後の展開)もありましたが長尺にも関わらず最後まで惹きつけられました。久々に骨太で力強い映画を観ました。 
[DVD(字幕)] 8点(2010-10-10 16:25:13)(良:3票)
69.  リトル・ロマンス
大人から見ればまだまだ子どもですが、もう僕らは子どもじゃない、なんて思う年頃が誰にでも訪れる。そんな年頃の二人の幼さと時折見せる大人っぽさ、そしてそんな二人の恋がとても上品に微笑ましく描かれた作品です。  そんな二人のリトル・ロマンスと共にローレンス・オリヴィエが素晴らしい。彼の存在とその演技、発する一つ一つの台詞は作品に実に味わい深いユーモアと意味をもたらす。自らの代表作である「明日に向って撃て!」や「スティング」の名シーンが登場するのもジョージ・ロイ・ヒルの映画が好きな者にはたまらなく嬉しい。  これがデビュー作であるダイアン・レインの可憐な魅力や義父の優しさ、美しいジョルジュ・ドルリューの音楽と旅先の風景も心に残る愛すべき映画であるとともにジョージ・ロイ・ヒルの優しさと映画作りの上手さをあらためて感じる作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2010-08-28 20:53:31)
70.  男はつらいよ 寅次郎子守唄 《ネタバレ》 
前半は寅さんが連れて帰ってきた赤ん坊の騒動で笑わせてくれます。しかし子どもが欲しくても子宝に恵まれなかったおばちゃんがわが子のように赤ん坊を可愛がる姿と、自分の子どもをいとも簡単に置いて姿をくらました挙句、気が変わって軽い気持ちで迎えに来る若い親との対比が少し悲しくもあります。  後半は寅さんがしっかり恋愛モードに突入してくれます。ここでいい味を出すのが江戸川合唱団のリーダー、大川弥太郎。中期以降の作品では寅さんは完全に若い二人の恋の指南役に回ることも多くなります。本作でもその傾向はあるものの、寅さん自身も大川と同じ相手にしっかり恋をしており、大川は寅さんのれっきとした恋のライバルでもあるんですね。これは第14作。まだまだ寅さんは若いなあと感じ、嬉しくなるのです。  そしてその恋の相手は十朱幸代演じる看護婦さん。寅さんのマドンナは悩みを抱えていたりどこか影のある女性像が多い中、そんな影を感じさせない十朱さんが演じる庶民的で明るく元気一杯のマドンナ像と寅さん、とらやの人々との絡みは陽気で明るく、シリーズの中のお気に入りの一作です。
[DVD(邦画)] 8点(2010-07-30 22:10:13)(良:2票)
71.  がんばれ!ベアーズ
テイタム・オニールは「ペーパームーン」といいい本作といい、ちょっと勝ち気で生意気な女の子の役がいいですねえ。ダメチームだったベアーズの監督になった、飲んだくれで一見だらしなくてひと癖ありそうな中年男のウォルター・マッソーもまたハマリ役でした。試合は負けるより勝ったほうがいいに決まっている。でも勝ち負けだけが全てじゃない。決勝戦の終盤の大切な場面で試合に出してもらった、補欠だった少年が外野フライをキャッチしたシーンなんて本当に素晴らしかった。大人も子どももそれぞれの感動があってそれぞれの楽しみ方ができます。いい映画です。
[DVD(吹替)] 8点(2010-07-25 00:07:48)(良:1票)
72.  幸福の黄色いハンカチ 《ネタバレ》 
70年代初頭のトニー・オーランド&ドーンの「幸せの黄色いリボン」という全米№1の大ヒット曲(これがいい歌!)を聞いた山田監督が本作のアイデアを考え出されたそうですね。  この曲は刑期を終えた男が故郷で待つ女の元へ今でも自分を待っていてくれるなら目印に樫の木に黄色いリボンを結んでおいてほしいと手紙を出す。故郷に戻るバスの車中、目印の黄色いリボンを怖くて自分の目で確かめられずにいたら樫の木に数え切れないほどの黄色いリボンが結ばれており、バスの中が歓喜に包まれたというアメリカで語り継がれる実話に基いた3分ちょっとの歌。  これを山田監督は人生の行くあてをほんの少し見失いかけた若い男女を登場させ見事に日本流のストーリーを創り上げました。国民性や価値観は違っても人の心に響くモノは万国共通なんですね。台詞なんていらない、車中で見守る若い2人と同じ目線で再会する様子を遠くからそっとカメラが捉えるラストも何度観ても感動します。  ムサ苦しくて脚が短くてダサくてカッコ悪い青年を演じた武田鉄矢(武田さんゴメンなさい!)、これもアクが強い人物像を見事に演じた桃井かおりの二人。健さんの存在感に負けていない素晴らしい演技でした。
[映画館(邦画)] 8点(2010-06-22 21:11:13)
73.  男はつらいよ 寅次郎純情詩集 《ネタバレ》 
本作は「人はなぜ死ぬのか」という重いテーマがメインとなっているという点では異色の作品。前半、寅さんがご贔屓の一座の公演の中で、「車センセ!」の台詞でお馴染み、一座の花形大空小百合の「人はなぜ死ぬのでしょうね」という台詞があった。そして後半、複雑な事情を抱えた柳生家のお嬢様を演じた本作のマドンナ、京マチ子も同じ台詞を呟く。  マドンナを迎えてのあたたかいとらやの団欒はどの作品でも僕の大好きなシーンなのですが、本作のそのとらやの団欒のシーンは素晴らしかったと思います。柳生家のお嬢様の仕事は何がいいか平和に語り合う。しかし全ての事情を知っている檀ふみ演じる娘とさくらだけは悲しげな表情を浮かべる。楽しくてあたたかくも、少し悲しさのある本作のとらやの団欒でした。それに続くクリスマスムードの柴又で「花屋がいい」と寅さんが語るさくらとの別れのシーンも悲しいけれど良かった。  マドンナが死んでしまう・・・。作品のテーマ上仕方が無いのかもしれませんが、それ以外はとても好きな作品です。マドンナと寅さんの心のふれ合いの深さが感じられる作品でした。
[DVD(邦画)] 8点(2010-06-03 20:17:11)(良:1票)
74.  小さな恋のメロディ
”メロディ・フェア”、”若葉の頃”・・・ビー・ジーズを知らない人も、本作を知らない人もこの曲を耳にしたことがない人はいないのではないか。CMや何かの番組で挿入曲として使われて耳にする度に、メロディが金魚の入った瓶を持って街を行く姿が、メロディとダニエルが手を繋いで歩く姿が思い出されます。主題歌が心に残る映画として真っ先に思い浮かぶ作品の1つです。前半から中盤はメロディとダニエルが絡み言葉を交わすシーンは意外なほど少ないですがそれがいい。まだ幼さが残る頃に誰もが経験したような何てことのない毎日をとても丁寧に積み重ねていく。素敵な歌の数々に乗せて見せるまだ少し幼い恋、そして友情や悪ふざけがとても微笑ましく彼らと同じ年頃だった頃のことが懐かしく思い出される。何度見ても瑞々しく色褪せることがない、エバーグリーン。
[DVD(字幕)] 8点(2010-05-08 21:48:46)(良:2票)
75.  華麗なるヒコーキ野郎 《ネタバレ》 
あの時代、確かに奴らがそこにいて輝いていた・・・。こんな男達のドラマをノスタルジックに描かせたらジョージ・ロイ・ヒルは本当に上手いし、ジョージ・ロイ・ヒルのこんな映画にはレッドフォードが本当によく似合う。今回は危険を顧みず大空に魅せられた愛すべきヒコーキ野郎共のお話。  冒頭でウォルドが話すドイツ空軍の撃墜王ケスラーとの伝説の空中戦を、さも自分が戦ったように話すホラ話、後半にケスラーが登場し彼から実際にその空中戦が語られ、それを聞くウォルド。このシーンが素晴らしく、これが最後の対決に見事につながっていく。そしてラストは遂に夢がかなって憧れのケスラーと戦う。このラストの空中戦の結末の見せ方がやはり上手い。敬礼の後、実に爽やかな余韻を残して雲の中に消えていく。どんな映画でも見事に作品を盛り上げるヘンリー・マンシーニの音楽も素晴らしかったです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-03-06 12:39:54)(良:1票)
76.  映画に愛をこめて/アメリカの夜
フランソワ・トリュフォーの映画と、共に映画を創り上げていく仲間達への愛情や熱い思いを感じずにいられないとても楽しい映画でした。全てがトントン拍子にいく訳が無いしハプニングもありますが、みんな映画が大好き。一本の映画に関わる様々な人々の、そんな映画への熱い思いが生き生きと描かれ伝わってくるし、外から見ている僕には計り知れない苦労もあるだろうけど、自分の大好きな映画を創るという仕事をしている人達が羨ましくなりますね。
[DVD(字幕)] 8点(2010-02-22 20:06:19)
77.  男はつらいよ 寅次郎忘れな草
本作以降、最終作までの4作品の中で別れと再会を繰り返すことになる寅さんとリリー。そんな2人の最初の別れ。「じゃあ、またどっかで会おっ!」「ああ、ニッポンのどこかでな」2人のこんな台詞がいいですね。様々な性格、事情のあるマドンナが登場しましたが、こんな台詞が似合うのはやっぱり、寅さんと同じく渡り鳥であるリリーだけです。「相合い傘」でもそうですが、この二人には北海道が似合う。夜汽車が似合う。とらやの2階で隣同士の部屋で「寅さ~ん」「あいよ」とやり取りし合う二人。月のきれいな夜空に響く二人の声。本作のお気に入りのシーンです。寅さんとリリー、この二人の間にしかない空気はやはりいいですね。そんなシリーズ第11作はリリー初登場の記念すべき作品です。
[ビデオ(邦画)] 8点(2010-01-14 20:53:13)(良:2票)
78.  男はつらいよ 望郷篇 《ネタバレ》 
まずは冒頭、おいちゃんの葬儀騒動で笑わせてくれますが、それ以降は北海道に再び旅に出るまでの間に裏の工場の職工をバカにしたり、さくらに本気で説教されたり、それでも懲りずに「上手くいったぞ!」と登と旅に出ていく寅さんの地道な暮らしとは程遠い情けなさをこれでもかと描き、北海道では寅さんのルーツであるヤクザなテキヤ稼業の一面を見せながら地道な暮らしの大切さに気付くことになる出来事を見せる。ここまでには、いつになく笑いの要素が少なくシリアスな描写が印象的です。再び帰郷後、地道な暮らしを目指して額に汗して油まみれになって働こうと奮闘する寅さんとその中に寅さんの恋が描かれ、いつも通りフラれるとあっさり旅に出てしまう。ラストは登と再会して何も変わって無い寅さんの姿で終わり、やはり寅さんに地道な暮らしは無理だったんだなあ…。という事になるのですが、そんな寅さんの平凡で地道な暮らしへの憧れと、その心の移り変わりを辿っていく話の流れが実に素晴らしい作品だと思います。
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-12-24 14:19:47)(良:2票)
79.  バラキ 《ネタバレ》 
ジョセフ・バラキという人物やマフィアに対し何らかの評価を下すこともなく勿論美化することもなく、バラキの証言に基き事実に沿って時には当時の実際の写真などを交えながらリアルに当時実際に繰り広げられたマフィアの抗争が観る者に伝わってくる非常に重厚な作品です。バラキは組織からその首に10万ドルの懸賞金をかけられながらも生き延びた。しかしそれは全てを失いあまりにも孤独な独房で。彼は果たしてラッキーだったのだろうか。信じられるものなど何もない世界に身を投じた一人の男の苦悩、孤独を演じたブロンソン、そして全編にわたり張りつめた緊張感を保ち観る者を引きつける巧みな演出や構成も素晴らしい。レビュー数の少ない作品ながらもマフィアものの秀作だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-11-08 12:05:07)
80.  刑事コロンボ/別れのワイン<TVM> 《ネタバレ》 
刑事コロンボシリーズの犯人像は大きく2つに分けられると思います。1つは富も地位もあり、野心家で自信家。己の野望の為なら殺人という手段も臆することなく実行に移す人物像。もう1つは己の愛するものが今にも奪われそうで、それを守るため殺人を犯してしまう、哀れみを感じさせる人物像。こちらは少数派。勿論本作のエイドリアンはこの後者に属する。また、本作は他のシリーズ作品とはかなり異なった印象を受けます。いつもなら犯人はコロンボの執拗な食い下がりに必ず一度は感情的になってしまう場面がありますが、本作のエイドリアンからはそんな雰囲気は感じ取れない。警部もいつものユーモラスな雰囲気はかなり抑え気味であるように感じられます。作品全体の雰囲気が実に穏やかです。エイドリアンと秘書の秘められたドラマも印象に残る。ドナルド・プレザンスとピーター・フォークという俳優の持つ温かみがあって人間味を感じさせる雰囲気、この2人の魅力がとても上手く融合していますね。時間にすると短いですが、エイドリアンが崖から戻ってきてコロンボに見つかって以降ラストまでは実にいい味わいがあります。このラストはシリーズ屈指の出来だと思います。警部に見つかり、ほっとしたような笑顔を見せる。そして「刑務所は結婚より自由かもしれませんな」と言う台詞。まるでエイドリアンはそこに警部が待っているのを願っていたようにすら感じられました。
[DVD(吹替)] 8点(2009-08-09 20:20:29)(良:3票)
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