61. 君の膵臓をたべたい(2017)
《ネタバレ》 始まってすぐ、「なんだ、ラノベ原作か。ちっ」って思った。 だって、男はなんの行動もせず、女子がなんでも提案してくれる(そしてそれは男の願望だったりする)話だから。 でもこれ、原作は実はラノベじゃないみたいだけど、でもお話はラノベそのものだ。 その後もラノベっぽい展開は続く。 そして親友にも言えない秘密を共有し、二人だけで行動するが、「恋愛関係ではない」と言い切る。 それってどうなの? 女子は明らかに恋愛関係になりたがっているのに、それは断固として否定し、でも二人だけの行動は続ける。 「ずいぶん卑怯な男だなあ」って思った。 そこまで「恋愛関係ではない」で通したんだから、日記なんか読もうとするなよ。甘えすぎだろ。 百歩譲って、それを「若き日の強がりによる過ち」だったとしよう。 大人になったとき、そのとき発した言葉や行動を後悔し続けないか? ましてヒロイン死んじゃってるんだぜ? 最後に「友達になってください」って、そうじゃないだろ。 そもそも、あんなに親切にしてくれたガム君とは友達にならなかったってことだよな? ただのクズじゃん。 とまあ、ケチョンケチョンに書いたけど、この映画のヒロインはとてもかわいい。 そこは非常に楽しい。 だから、クライマックスシーンでは、ちょっと泣けたし。 でもやっぱり、男がクズすぎるから、もう一度見たいとは思えないなあ。 [DVD(邦画)] 5点(2018-08-18 17:30:44) |
62. アウトレイジ 最終章
ビートたけしは、自分にとって神のような存在。 しかし、それはお笑いの世界に限っての話だ。 映画人「北野武」は俳優なら「一流」程度、監督なら「芸能人出身にしては結果を残している人」くらいの評価でしかない。 それで、たけし監督作品は、初期の1,2作を見ただけで、ほかは見ていない。 今回は、なんとなく暇潰しに借りて見ただけなんだけど、意外に面白かった。 ストーリーを冷静に追えば、たけしと周りのヤクザの行動は論理的ではないのかもしれない。 でもそれを上回る緊張感、闘争本能、死の匂いなんかが、うまーく映画に集中させてくれる。 この出来なら、ちゃんとシリーズ当初から順に見ればよかった。 それにしても、たけしは主演しかできない人だね。 たけしが出てこないシーンがしばらく続いたあと、たけしが出てくると、何を言うのか、何をするのか、ものすごく期待してしまう。 主演しかできない人を、俳優として一流と言っていいのか? 映画としてそれで面白いんだから、それでいいのだ。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2018-08-17 12:09:34) |
63. ピッチ・パーフェクト
歌で男女が争うって、日本の紅白歌合戦だけだと思ってたけど、こんな世界があるなんて。 アカペラでこんなに踊る舞台があるってことも知らなかった。 歌もうまい。日本の学生じゃ、ちょっと真似できないかも。 だけどねえ、全然物語にノレないんだよねえ。 特に、お笑いシーンが全くノレない。 ゲロネタ、下ネタ、人種差別ネタ。どれもギョっとするだけで、全然笑えない。 日本人にアメリカ人のお笑いを理解しろってのが、無理なのかもしれないなあ。 だから、登場人物の誰にも共感できないし。 だから、クライマックスの盛り上がりも、イマイチ共感できないし。 アメリカ映画に共感できないって、自分がトシ取ったような気分になるし、そういう意味でも好きになれない映画だなあ。 [ブルーレイ(吹替)] 5点(2018-08-06 23:25:42) |
64. フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ
《ネタバレ》 ナニコレ? エロに期待できるのは最初のうちだけで、男がクズすぎてどんどん腹が立ってくる。 契約、契約って何十回も出てくるけどさあ、中身は人権無視の性奴隷契約じゃん。 こんな公序良俗に反する契約は、たいていのまともな国なら無効だよ。 「さっさと風俗行けよ。オマエの言う契約は”オプション”って名前で売ってるから」って何回も思った。 それとも何か?売春婦や同好の士とのプレイは偽物で、素人の学生を一から調教しないと本物じゃないってか。 悪趣味すぎるわ。 なんだか「エロを期待して映画を見る下衆に冷や水をかける」のが目的の映画とさえ思える。 それは大変申し訳ありませんでした、って気持ち。 [ブルーレイ(字幕)] 1点(2018-08-04 21:25:15) |
65. ブレードランナー 2049
・未来の香港とか秋葉原みたいな都市。 ・SFらしい見事な風景、マシン。 ・色っぽいお姉さんがたくさん。 ・セリフが理屈ぽくって話がわかりにくい。 うん、本家本元のブレードランナーの雰囲気もこんな感じだったと記憶してる。 だったらいい映画か? 悪いけど、全然ダメ。 なんだかよくわからない話のまま2時間近く続くから、いいかげん退屈する。 本家本元はここまでダラダラしてなかったよ。 自分は本家本元のファンじゃないけど、好きな人の気持ちはわかる。 でも、この映画が大好きって人の気持ちはわからないなあ。 [ブルーレイ(吹替)] 4点(2018-07-30 22:49:19) |
66. となりのトトロ
この映画を何回か見たような気がするが、たぶん全部途中で寝てしまったように思う。 じゃあなんで今回また見たかっていうと、「未来のミライ」を見て「4歳児が主人公」の他の物語も見てみたくなったから。 巨匠・宮崎駿監督作品だし(笑)。 で、見直した結果、やっぱり恐ろしく退屈だった。 だって男子の大好物「努力・友情・勝利」が一個もないんだもん。 困ると誰かが都合よく助けてくれるっていう、完全に女児向けのお話ですね。自分にはムリ。 じゃあなんで0点にしないかっていうと、サブキャラが多少楽しいのと、不快感のないお話だからっていうだけのこと。 1950年代らしき設定だけどスカートは異常に短いとか、工夫は感じられても、退屈なものは退屈。 [ブルーレイ(邦画)] 3点(2018-07-26 23:19:28) |
67. 未来のミライ
「”未来のミライ”とか言って、どうせまた親が主人公なんだろ?」と思って見たが、外れた。 もっと幼い4歳児が主人公だった。 しかしそこは細田守。リアルと言えば聞こえはいいが、実際に4歳児がこの映画見てもおそらく楽しくない。 大人から見た、現実の子供像だから。 作品の世界観はおそろしく狭く、ほぼ自宅だけ。 それでいて飽きさせない演出は流石。特に飼い犬が楽しい。 ただ、クライマックスは「そう来たか!」感はあったけど、もう少し派手さが欲しかったかなあ。 それでも、映画館を出た後、いつもの何気ない街並みが愛おしく見える「細田節」は健在。 派手さは少ないけど、今回もレベル高いです。 [映画館(邦画)] 8点(2018-07-21 00:13:27) |
68. ハドソン川の奇跡
「クリント・イーストウッドもの」。 自分は、勝手にそういうジャンルを脳内で作っている。 良く言えば、「簡単に結論を出さない、深く考えさせられる映画」。 悪く言えば、「奥歯に物がはさまったままのような、スカッとしない映画」。 自分は、どちらかと言えば後者の考えに近い。 いい映画なのかもしれないけど、イーストウッド監督作品を映画館で見たいと思ったことは、これまで無かった。 ところが、本作には驚愕させられた。 これは映画館で見たかったなあ。 「いい映画を見た!」という単純な感動を、他の観客と一緒に味わいたかった。 後からよくよく考えると、そんなに複雑な話じゃないんだけど、ハラハラさせながらクライマックスに持っていくのが本当にうまい。 日本だって、いや日本ならアメリカ以上に、この程度の実話はいくらでも転がってると思う。 でもここまでキチンとした脚本、映像にできる人は日本にはいない。 今回はイーストウッドに脱帽。 しかも見終わった後、スカッとするし。 特にラストの副操縦士! あのセリフで映画が終わるって、なんてカッコいいんだ! [ブルーレイ(字幕)] 9点(2018-07-07 22:33:09) |
69. キングコング: 髑髏島の巨神
島に行くまではテンポが良くてすごく楽しい。 だけど、その後がなあ。 人間も動物も、悪役キャラがつまらない。 キャラとして、憎たらしさや残酷さ冷酷さが足りないよ。 あと、キングコングなんだから、ヒロインにもうちょい色気も欲しかったなあ。 [ブルーレイ(吹替)] 5点(2018-06-24 20:29:24) |
70. 関ヶ原
若い頃、司馬遼太郎が好きで、この原作も何回も読んでいます。 また、戦国時代って日本の誇る文化だと思うんですよ。 侍がいて忍者がいて切腹があって、親兄弟でも敵になって戦争したりって、今の日本からはおよそ想像もつかない世界だし。 で、その戦国時代の集大成が、この関ヶ原の戦いと思うんですよ。 しかし、この映画はちょっとひどすぎるんじゃないかなあ。 原作を整理せず無理矢理つめこんで、さらに原作にない女子のエピソードまで追加したら、もう字幕、ナレーション、セリフと説明だらけで人間ドラマが薄い薄い。 というか、何も知らない外国人が見たら、話の内容を理解できないんじゃないかなあ。 日本人から見ても、セリフをえらく聞き取りにくいシーンが度々あるくらいだし。 しかし、あんまり貶してばかりいると、時代劇映画がなくなっちゃいそうなんで、いいとこも少し。 ・役者陣が豪華で楽しい。特に有村架純は、ストーリーと何の関係もないくせにカワイイ(笑)。 ・合戦シーンの迫力はまずまず。 ・50万石もの大大名になったのに、福島正則のチンピラ小者感は原作以上(笑)。 でもやっぱり、「日本の誇る戦国時代の集大成を完全映画化!」とはお世辞でも言えない出来の映画ですね。 [DVD(邦画)] 3点(2018-06-17 00:55:58) |
71. 鋼の錬金術師
原作を全巻読んでるけど、なかなかの傑作ですよ。 特に終盤、「そろそろダレてきたかな?」と思った瞬間、最後に伏線を回収してビシっと締めてくる。 これほど見事なラストのマンガは、そうそうあるもんじゃない。 それに比べてこの映画の駄作感。 なんの考えもなく、原作のオイシイところを適当にチョイスして「いっちょ上がり」感ありあり。 オイシイところを繋いだだけだから、セリフは説明ばかりで、それなのに悪役は何が目的なのかさえよく分からない。 本当に原作がかわいそう。 [ブルーレイ(邦画)] 3点(2018-06-10 01:17:18) |
72. オリエント急行殺人事件(2017)
結末だけは知っている超有名な原作。 おそらく、自分みたいな軽い層がターゲットなんだろう。とても楽しめた。 密室殺人で容疑者も多いから、舞台劇っぽい説明調になってもおかしくないのに、映像で見せるのがうまい。 列車の内装や衣装が豪華で、デザートもおいしそうだし、アクションまであり。 そして短い時間で人間ドラマをうまく見せているから、クライマックスの謎解きでは泣かされた。 それから、この映画には原作や原作者へのリスペクトが感じられる。 こういう映画が撮れるのは、やっぱりアメリカならではだなあと思った。 だって、日本にだって宮部みゆきっていう一級の女流ミステリ作家がいるのに、ひどい扱いだもん。 代表作の「火車」は映画化すらされたことない。 発表されてから26年も経っているんだよ。信じられる? [ブルーレイ(吹替)] 8点(2018-06-04 21:41:56) |
73. 宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海
始まってすぐテレビアニメ総集編とわかるほど、脚本の出来はよくない。 でも自分、ヤマト好きだからそれなりに楽しい。 オリジナル設定と新しい設定の塩梅がちょうどいい感じ。 元のテレビアニメはきっと面白かったんだろうな、なんて思いながら見てた。 しかし、最後! あれはちょっとないんじゃない? [DVD(邦画)] 5点(2018-04-23 20:56:59) |
74. ちはやふる 結び
太一を思い切って主役にするとか、頑張ってはいるんだけど、それでも原作を整理しきれていない。 登場人物を増やして、いろんな登場人物のエピソードを薄く積み重ねているから、物語が散漫になっている。 だから、中盤までは「よくある出来の悪いTVアニメ総集編映画みたいだなあ」なんて思いながら見てた。 しかし、クライマックスからエピローグのまとめ方は、それまでと変わってかなりうまい。 「ああ、若いっていいなあ」と思えたし、ちょっと泣けたし。 「悩んで、後悔して、仲間と頑張って」という、いわば青春邦画の王道を見せられて気持ちいい。 ところで、この「ちはやふる」シリーズの出演者が他の映画やTVで活躍しているのを見かけると、うれしくなってしまう。 そういう意味で、この「ちはやふる」シリーズは、映画としての出来栄え以上に成功作と思う。 [映画館(邦画)] 8点(2018-03-19 00:01:23) |
75. もののけ姫
《ネタバレ》 この映画は食わず嫌いで、見るのは意外にも初めてだった。 そういや公開当時、自分はジブリ嫌いだったことを思い出した。 「紅の豚」のオヤジ臭いナルシズム、「平成狸合戦ぽんぽこ」の安っぽくて押しつけがましい環境保護。 2回連続で映画館で嫌な思いして、ジブリはもう見ないことに決めてたんだった。 さて、難解な映画とは聞いていたんで、ちょっと身構えて見たけど、そうでもなかった。 だって、所期の目的を達成したのは主人公だけだもん。 だから「共生」というテーマが心に残って、気持ちよく見終わられる。 感情移入しにくくはあるね。 善玉悪玉がはっきりしない上、主人公はいろんな組織を駈けずり回ってもちっとも問題解決しないし。 でも主人公、坂本龍馬みたいで嫌いじゃないなあ。 若者があちこち走り回って、なかなかうまくいかなくて、それでも自分の思いだけは伝えられて。 「ああ、健全な映画だなあ」って思える。 だから、かなりジブリらしい映画でもあるよね。 [DVD(邦画)] 7点(2018-01-23 00:18:13) |
76. ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー
うーん、これはちょっとひどい。 彼らの悩みや選択にちょっとついていけない。アメリカ人なら平気なのかな? というか、ファン向けのサービス映画だから、話の内容なんてどうでもいいのか? いや、でも自分も1が楽しかったから、2,3と順に見ているわけなんだけど... 話の内容に高校生らしい清々しさがないと、歌も踊りもそんなに楽しく見られない。 [DVD(吹替)] 4点(2018-01-21 21:24:12) |
77. ハイスクール・ミュージカル2<TVM>
前作で「悪役女子がいいね」って書いたら、こっちではほとんどヒロイン級の扱いになってた。 しかも、夏休みにリゾートホテルでバイトという、ノリノリの展開が期待できる設定。 ところが、話の内容はだんだんと暗くなってくるし、クライマックスへの繋ぎにも話に無理がある。 だから前作ほどは楽しめなかった。 野球を使ったダンスとか、楽しいシーンもあったけどね。 [DVD(吹替)] 6点(2018-01-21 18:26:56) |
78. 宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟
テレビアニメも見てないし、「どうせつまんねーんだろ」と思いつつ見てしまった。 ところが意外に面白い! メカが楽しいし、戦闘シーンに高揚感あるし、女の子はカワイイ。 でもこれ、完全に日本人しか見れないだろうなあ。 「和をもって貴しとなす」を第一条にした聖徳太子はエライなあ、なんてこと思いながら見てたし。 このレベルなら、ほかのヤマトも見てみたい。 でもこれに7点は付けたくないんだよね。映画ファンだっていう、小さなプライドが自分にもあるから(笑)。 でも好き。 [DVD(邦画)] 6点(2018-01-19 00:27:43) |
79. エイリアン:コヴェナント
ちゃんと怖いです。ちゃんと映画になってます。 だけど、好きになれないなあ。 なんというか、某巨大掲示板の「エイリアン、俺ならこうする」ってスレをそのまま映画化しちゃった、みたいな。 特にヒロイン、本家本元よりキレイでオッパイも大きくなったのに、まったく魅力がない! いや、もちろん問題はそこだけじゃないけど... 自分はこれまでエイリアンシリーズをすべて映画館で見ていて、今回が初めてのレンタル鑑賞。 そして、それが正解だったのが、かえって悲しい。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2018-01-17 22:30:51) |
80. ジュラシック・パーク
自分が唯一DVDを所持している映画。 新しいテレビを買ったときは、必ずこのDVDを流して赤と緑のバランスを補正している。 要するに、この映画が映像の標準だってこと。 それにしても、もう25年前かあ。早いなあ。 今、最新作として見ても、充分に通じる内容だしね。 モニターとか電話が古いのがご愛敬なだけ。 スピルバーグは、この映画の恐竜を「怪物ではなく動物として映し出したかった」そうだけど、今見ると、それを可能にしたのは、当時最高峰のCGというよりも、絶妙の脚本によるものだと分かる。 だから、怖い恐竜、憎たらしいデブの悪役、かわいらしい子供、正しい大人の主人公。みんな見事にキャラが立ってる。 「スピルバーグってやっぱりうまいなあ」と唸らされる傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2018-01-13 23:17:57)(良:1票) |