61. ドグラ・マグラ(1988)
よくあんな原作を映画化したものだ、とまず感服。正木博士に桂枝雀、というキャストに感服。原作の雰囲気はよく掴んでいるが、尺の都合もあってか、スケールがどうしても足りないのが残念。夢野久作の別の作品も撮って欲しかった。『いなか、の、じけん』とか。 7点(2002-10-20 23:28:41) |
62. 翼よ!あれが巴里の灯だ
もう少し盛り上がるかと思ったら、以外にあっさりパリに着いてしまった。「盛り上がるぞ盛り上がるぞ」と思いながら観ると駄目ですね。それにしてもこの邦題にはセンスが溢れてます。現在の配給会社には無理でしょう。 6点(2002-10-20 23:19:19) |
63. 13F
エメリッヒ制作、という宣伝文句がプラスの方向に働いている(つまり、ろくでもないのを想像してたら意外によかった、という結果)。原作はダニエル・ガロイの『模造世界』で、70年代の作品。ちょっと展開が読めてしまったのが個人的に残念。 6点(2002-10-20 23:14:33) |
64. 華氏451
トリュフォーの映画は観たことがなかった。ゴダールが苦手でヌーベルバーグを敬遠していたからだ。だが非常に面白く、新鮮な演出も多くて引き込まれた(失敗作らしいけど)。原作がブラッドベリなので、普通のSFっぽさよりも、こういうレトロなイメージの方が雰囲気を出していると思う。冗長さを廃し、ヒロインを生きのびさせた(!)点では、原作より出来がいいと思うのだが、「君はどう思う、リンダ??」 8点(2002-10-20 23:08:42) |
65. ダイ・ハード2
レニー・ハーリンの映画を観てると、「爆薬の量が映画の出来に正比例する」と考えているとしか思えない。当然、そのままでは失敗する(実際凡作は多い)。だが、何らかの「ひねり」があると佳品に化ける。設定が前作からの借り物に過ぎないうえ、明らかに知性の面で後退しているのに、ダイハード2を評価する声が少なくないのは、ライターの火ひとつで決着をつける、最後の大爆破があるからだ。あれはレニー・ハーリンが撮った中で最大の大ハッタリであり、名場面だと思う。 7点(2002-10-20 22:53:23) |
66. 聖なる嘘つき/その名はジェイコブ
ロビン・ウィリアムスという人は、とことん虚構性の中で輝く人なのだと痛感した。彼の十八番は「子供の心をもったおとな」だが、それもリアルに抑えたものではなくて、行き過ぎてオーバーになるほど本領を発揮する。つまり資質が徹底追尾フィクションに向いている。こういうタッチの作品には(役者のイメージもあって)弱点として出る。唯一彼らしいのは、ラジオを声で真似、地下室で少女と踊るシーンくらいだろう。 5点(2002-10-20 22:41:02) |
67. バーティカル・リミット
私的には結構楽しかった。「ニトロ抱えて助けに行く」という肝の部分に乗っていけるかどうかで評価は大きく変わるだろう。そもそも出発時点で全員死ぬ覚悟で出ているから、誰が死んでもOK。主役は兄妹ではない、「山」そのものなのだから。 7点(2002-10-20 22:30:20) |
68. 三銃士(1993)
原作のエッセンスを搾り出して、痛快な娯楽作に仕上げてます。下手に格調とか出そうとするとこういうのは絶対失敗します。本当に必要なエッセンスを取り出して、わかりやすくまとめる、口でいうのは簡単ですが職人技を感じますね。ミレディー役のデモーネイがいい味出してます。 6点(2002-10-20 22:20:25) |
69. サイコ2
一作目のサイコを踏まえて、別の映画として見た方がいいでしょう。2はただの娯楽ホラーです。低級ですが、娯楽ホラーとしてはいい線いってます。ミステリを中心にしたつくりも○。3は・・・ですが、2までは見れるんじゃないかな。 7点(2002-10-20 22:11:28) |
70. 恋人よ帰れ!わが胸に
ワイルダーは傑作ぞろいですが、これはまあまあです。悪い作品ではないけれど、という出来。同じジャック・レモンなら、ということで、『アパートの鍵~』とかを連想してしまうからでしょう。私的には医者が注射液を飛ばすところが好きです。 6点(2002-10-20 22:05:58) |
71. ゲーム(1997)
「ゲーム」というのがどこからどこまでなのかわからない、という意味で二重入れ子の構造になっているわけです。しかしゲームは終わり、と見せかけてまだ続いている、という展開を引っ張りすぎて台無しにしています。「裏をかく」「その裏をかく」「そのまた裏をかく」・・・と無限に続けていくと、観客がすっかり疑心暗鬼に陥ってしまい、しまいには疲れてしまいます。これではオチも何もあったものじゃありません。シナリオの時点で失敗していると思います。 5点(2002-10-20 22:02:21) |
72. CUBE
《ネタバレ》 最初に死ぬのが脱獄の達人、というところでいきなり不安を煽るうえに、その死体を後に小道具に使う演出に感心した。これでもかと引っ張っていくサスペンスが的確で、だれる部分が全然ない。ラストは見る人の好みでしょう。作品評価は上々。監督の評価は、オープンフィールドで撮った作品を見てからにします。 9点(2002-10-20 21:54:16) |
73. 大いなる幻影(1937)
威厳の中に漂う悲哀、シュトルハイムの演技にしびれてしまう(JOJOに出てくる同名の将校はこれが元ネタ)。 8点(2002-10-20 21:45:53) |
74. スクリーム(1996)
この映画のミソは、ホラー映画のお約束的展開を微妙にずらしていく手法にあると思う。観客が先を読む、そこを外す、先を読む、そこを外す、というリズム。だからこれに乗っていけないとつらい。映画そのものはアイデアが効いていて面白い。ただこれまでのホラーを総括しただけで、形式としての将来性はゼロだと思う。 6点(2002-10-20 21:36:41) |
75. 暴走特急
アクションの方法論として、ブルース・ウィリス(ダイハード)とセガールは対照的。生身の人間だよ、ヒーローじゃないけど頑張っているんだよ、というのが前者。後者のセガールはオーソドックスで、ヒーローとしては古臭い。昔のヒーローは大抵オーバーで(例:仮面ライダーの変身)世界に入っていけないと馬鹿馬鹿しく見える。だがふとスイッチが入ってしまうことがある。私にとってはこのセリフだった。「ケイシー・ライバックだと?世界最強の男だ」 7点(2002-10-20 21:31:24)(良:3票) |
76. ファイナルファンタジー
何がダメなんだろうと思いながら見ていた。映像はきれいだし、見せ場もそれなりにある。が、悲しいほどに盛り上がらない。最近のFFは特に、オープニングムービ-でプレイヤーをひきつけ、気分を高揚させていく技術がぬきんでているのだが、そういうノウハウがこの映画ではまったく欠如している(坂口氏は退社しているそうなので的はずれな意見かもしれないけど)。おそらく重いテーマ性がストーリーに反映されすぎて、そのぶんハッタリが効かなくなったのが敗因だろうと思う。その点では「SFじゃん。ファイナルファンタジーじゃねえよ」という意見はかなり正解(ヒロイック・ファンタジーほどハッタリで成立するジャンルはないからだ)。ただし「全部CGでこれだけの映像が出来る」という到達点を見るため「だけ」でも鑑賞する価値はある。人物の全身が映るほどカメラが引くと既に実写との区別はまったくつかない。近距離で若い白人を映すとやはり難しいが、黒人兵士のライアンはかなりいい線いっているし、シド博士にいたってはまるで本物である。なぜか将軍だけは「スモール・ソルジャーズ」レベルなのが気にかかるが・・・。 5点(2002-05-21 02:04:51) |
77. フィッシャー・キング
いい映画なのだが、ストーリーを簡潔に他人に説明することが難しい。いまいちメジャーになりきれないのはそれが原因だと思う。 8点(2002-05-21 01:47:23) |
78. 激突!<TVM>
トレーラーの窓から手を出して先行を促すシーンは『JOJOの奇妙な冒険』(漫画)でも使われていた(パクリじゃなくてオマージュですな)。この作品と『刑事コロンボ構想の死角』を見れば、スピルバーグのサスペンス演出がずば抜けていることがわかる。 7点(2002-03-27 23:59:35) |
79. ロビン・フッド(1991・ケビン・レイノルズ監督作品)
見終わったあと彼女が「息子の頭上のリンゴを撃つシーンがなかった」と言ってました。それはウイリアム・テルです。 6点(2002-03-24 15:36:25)(笑:1票) |
80. ベン・ハー(1959)
うちの両親が「最高の作品」と絶賛して10回も映画館に見に行った。40年後、息子は同じ回数ビデオを回した。完璧主義者ワイラーが放つ世代を超えた大傑作。 10点(2002-03-24 15:13:15)(良:1票) |