81. パリ、ジュテーム
《ネタバレ》 「どうせこんなパリが見たいんでしょ」「こーゆーのをお洒落と思うんでしょ」感に溢れてて、端的に言って視聴者をなめてると思いました。概して他人をバカにしている、フランス人の国民性すら感じられて不快でした。なので皆さんの評価が低くて安心しました。何というか、こんな映画が評価されることは映画界にとってあってはならないと思う。 キュアロンの無駄使い。あんた才能あるんだからこんな仕事しない方が良いよ。イライジャウッドとナタリーポートマンのエピソードは辛うじて観られた。 ゴダールの「男の子の名前はみんなパトリックっていうの」やトリュフォーの「あこがれ」みたいなクオリティを期待していたのでがっかり。結果的には、短時間で心を動かす作品を撮れるこの2人(あとアランレネとか)の凄さを逆説的に再確認出来ました。 [インターネット(字幕)] 3点(2019-03-03 16:00:11) |
82. 最も危険な愛し方
《ネタバレ》 キュアロンのデビュー作ということで、ローマ公開記念にamazon usで観ました。全然レビューがないと思ったら日本未公開なのか。。コメディーの要素強めだが、トリュフォーの恋愛日記ラテンアメリカ版という感じで面白かった。人生におけるセックスの重要性をちゃんと表現したい、という思いがデビュー作から感じ取れます。あと、テキーラを飲むシーンの水分の描写(泡を含めた水のテクスチャーの表現)が素晴らしかった。もっぱら色彩の表現をするタルコフスキーよりも、detailまで含めた水の表現についてはキュアロンの方が優れていると感じた。 [インターネット(字幕)] 9点(2019-03-03 12:16:56) |
83. バベル
《ネタバレ》 カタルシスゼロ、要所要所の冗長なシーンの連続で、「多分平均点5点台だろうなー」と思ってたら実際そうだった。ただ自分的にはすげー面白かった。時系列の前後や、沢山出てくる登場人物を感じさせない自然かつ緻密な作りと、音楽の差し方が素晴らしかった。菊地凛子さんは聾の演技上手すぎてちょっと引きました。アウトレイジの全員悪人ならぬ、全員ちょっとダメな人という感じの映画だが、ガイド役のネパール人が金を受け取らなかったり、ケイトブランシェットが生還したり、最後の方に救いがあって良かった。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-03-03 12:10:24) |
84. 野性の少年
《ネタバレ》 映像作品としては優れているのかもしれないけど、どうしても胸を痛めずに見ることが出来なかった。これ映像化していいのだろうか。故人に許可を取ることが出来ないにしても。 [インターネット(字幕)] 3点(2019-03-02 17:31:08) |
85. エゴン・シーレ 死と乙女
《ネタバレ》 Bunkamuraミュージアムで結構押されてたけどあんまり観られてないんですかね。シーレ、クリムト好きにはたまらん映画。死と乙女のモデルがシーレとミューズだったこと、作品タイトルが変わった経緯などは知らなかった。是非もう一度観たいがストリーミングも含めて手段が無いのが悔しい。 [映画館(字幕)] 8点(2019-02-28 14:11:22) |
86. 天国の口、終りの楽園。
《ネタバレ》 途中までは空の描写がうまいなーくらいにしか思ってなかったが、どうやら自分は旅と別れと人生というテーマに弱いようだ。エンディングの音楽も相まって、ブエノスアイレスを観たときに近い、何とも言えないジーンとした気持ちになった。 ルイザが最後に2人に向けた言葉、"Life is like foam, so give yourself away like the sea"にグッと来た。どうして2人の少年がその後会わなくなったのか。人生なんてそんなものだからだ。まさにLife is like foam。 [インターネット(字幕)] 9点(2019-02-28 13:15:05) |
87. リトル・プリンセス
《ネタバレ》 発音的には完全にサラだし、小公女セーラって訳は超微妙ですね。 普通に面白かったけど、普通かな。ストレートな親子愛、友情、勧善懲悪、夢を見ることの大切さ。掃除するシーンのカメラワークはROMAと一緒ですね。キュアロンはROMAの最初のシーンや最も危険な愛し方のテキーラのシーンみたいに、水の描写はもう少しディテールまで表現して欲しかった。有名な原作だとあまり個性出せないのだろうか。 US Netflixで字幕なしで観ました。"All girls are princesses." 覚えておこう。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-02-26 14:54:13) |
88. ALWAYS 続・三丁目の夕日
《ネタバレ》 途中までは一作目を超えないんじゃないかと思いながら観てましたが、伏線もパーフェクトに回収して文句の付けようのない作りこみでした。製作陣の愛を感じる。特に鈴木オートが後輩の牛島の幻視を体験するところはめちゃ泣いてしまいました。戦争を経験した世代のお蔭で今の日本があることを感謝したいです。自分はアメリカに住んでいるのですが、これからも日本人であることを大事にして生きていきたい。 [インターネット(邦画)] 9点(2019-02-25 14:50:53)(良:1票) |
89. カメラを止めるな!
《ネタバレ》 最初の37分で見るの止めようとも思ったんですが、何とか我慢して観ました。最後まで観ればまあ面白かったですが、自分的にはザ7点の映画でした。「予想を裏切られる」みたいな前評判を聞いていましたが、その期待を超えてこなかったというか、思ったより普通だったもので。ただ、劇場で観ればもう少し面白いのかもしれません。 [インターネット(邦画)] 7点(2019-02-24 15:51:46) |
90. ROMA/ローマ
《ネタバレ》 とても精巧に作られた映画であることは間違いないのですが、すみません、私は無理でした。「どーせこれ流産するんだろーなー、実際したら嫌だなー」と思いながら観ていて、本当にその通りになってしまい、感動よりも辛さや胸糞が勝ってしまいました。最初と最後の飛行機のシーンを始め、解説を見るまで気づかないメタファーが多く、自分の感受性の無さにちょっと落ち込みました。ただ、最初の水のシーンは好きです。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-02-24 15:48:48) |
91. ALWAYS 三丁目の夕日
《ネタバレ》 こんなん日本人なら泣くしかないやろ。テレビ的なありきたりな見せ方だけが減点ポイント。それにもまんまと引っかかってしまったが。世界の中で日本人固有の清貧や情の大事さを再確認した映画。テクノロジーは不幸を減らすことが出来ても、本質的な幸福をもたらす訳ではない。 [インターネット(邦画)] 9点(2019-02-21 13:28:56)(良:2票) |
92. 百円の恋
《ネタバレ》 安藤さんがすごいですね。感性で演じている部分もあるけど、少し白目を向く演技や息遣いにしても、観客がどう見てどう感じるか緻密に計算して演じている知性が素晴らしい。感性と知性両方が優れているのが他の女優さんとの大きな差だと思う。だからありきたりでない演技が生まれるし、彼女がやったことが今後の演技のひとつのスタンダードになっていくのだろう。 しかし「男なら~豆腐、女なら~なお豆腐」という豆腐屋の売り文句が頭から離れません。 [インターネット(邦画)] 8点(2019-02-20 15:42:34) |
93. 仁義なき戦い 完結篇
《ネタバレ》 松方弘樹の演技が良い。北大路欣也も良い。小林旭も完結編が一番熟れてて良い気がする。大友役はやっぱり宍戸錠より千葉真一かな。 仁義は一つ一つの作品で評価するんじゃなくて、全部で一つの作品という気がするなあ。一つ一つで見るとストーリーが展開しな過ぎて役者頼みになってる感じが強い。まあそういう映画なのかもしれんが。 [インターネット(邦画)] 7点(2019-02-19 13:23:47) |
94. 仁義なき戦い 頂上作戦
《ネタバレ》 完結編と続けて観たんだけど、もう一山欲しいというか、イマイチ記憶に残らなかった。結局展開しないじゃんって、面白いんだけどね。ウメタツといい松方弘樹といい一回死んだ役者を別の役で使ってるのはちょっとウケる。 [インターネット(邦画)] 7点(2019-02-19 13:18:51) |
95. 仁義なき戦い 代理戦争
《ネタバレ》 何も解決せずに終わるのが気持ち悪い。成田三樹夫良い。小林旭はちょっと役に比べて顔が幼な過ぎるかな。菅原文太は他の役者では考えられない存在感。良い演技とはこういうことを言うのだろう。 [インターネット(邦画)] 7点(2019-02-16 16:21:32) |
96. 怒り
《ネタバレ》 妻夫木さんと綾野剛さんの演技が良かったです。森山未來さんは演技としては100点なんでしょうが、多くのサイコパスはあんなにうるさくないのでそこはちょっと微妙でした(当方精神科医)。以前たまたま某女優さんとお話させて頂く機会があったのですが、「役者は殺人犯と喋ったことがないので、殺人犯を演じる時はどうしても想像で、叫んだり大げさな演技になってしまう」と話されていたのを思い出しました。ただ、3人の中で最も衝動性が高かった人間が犯人だったのは現実世界のサイコパスに即しており良いと思いました。 しかしゲイのセックスシーンとか、米兵のレイプシーンとか見ててきつかった。良い映画だけど、2回目は見たくないというアンビバレンツな感情です。 [インターネット(邦画)] 8点(2019-02-16 11:35:42) |
97. その男、凶暴につき
《ネタバレ》 昔の小品って感じ。どこか懐かしい感じもある。白竜が良い。最後の菊池はよー分からん。普通に楽しめた。要所要所「長いな」と思うシーンはあった。 [インターネット(邦画)] 7点(2019-02-11 14:14:07) |
98. 東京物語
《ネタバレ》 映像の力が弱い。音楽の力が弱い。でもずっと見てられる。何でだろうと思ったらやっぱり自分が日本で生きてきた人達の共通認識を持ち合わせてるからだと。そして「もうこの人に会うのはこれが最後かも」という勘は当たりますよね。 最初のシーンと最後のシーンにコンテクストを持たせてたり、当時としては見事だったんだろうけど、今見るとどうしてもありきたりに感じてしまう。最後ももう少し何か欲しかった。 役者さんはみんな良かったな。原節子さんも香川京子さんも綺麗でした。 例えばアメリカだともっと年老いた親を大事にしたりするので、日本固有の文化で生まれた作品かと。両親大事にしようと思います。 [インターネット(邦画)] 7点(2019-02-11 09:51:33) |
99. 御法度
《ネタバレ》 ラストがストーリー的にもカメラワーク的にも弱すぎる。「まさかこれで終わらないよね」と思ってたら終わってしまった。サイコパスのが同性愛に惹かれていくという面白い主題があるにも関わらずその描写がイマイチすぎる。一方でたけしをはじめ登場人物の心の声をいちいち音声で入れたりするのはセンスないと思った。全部が描かれないから視聴者は想像するのに、その想像力を奪ってしまっては仕方がない。これは大島渚と宮崎駿の大きな差だと思う。 あとトミーズ雅と桂ざこばが完全に普段の雅とざこばで笑った。演技しない方が良い場合もあるんですね。 [インターネット(邦画)] 6点(2019-02-10 02:58:03) |
100. 千と千尋の神隠し
《ネタバレ》 中学生のときに見たときは何が面白いのかさっぱりでしたし、ジブリの作品の中でも最低だと思ってました。オッサンになってから見返すと、「名前が奪われ(その人の個性なんてどうでもいい)」「顔が無くても金さえ出せば人が群がってくる」「欲望をコントロール出来ない大人に溢れた」社会の表象なんだなあと腑に落ちる部分が多く面白かったです。仕事に就いてから見るべき作品だったんですね。千尋と琥珀川に感謝するところも愛おしさに溢れていてemotionalになりました。 一点だけ納得いかないのが豚にされてしまったお父さんとお母さんの描写です。欲望をコントロール出来ない大人の代表格のように描かれていますが、真面目に働いて子供を養っている大人までこういう描き方をするのはどうなのかなと。こういう大人達が頑張って働いて出来た便利な社会で宮崎監督も生きている訳でしょう?離島で映画を作っているならまだ分かりますが、恩恵を受けていながら斜に構えた視点でそれをdisるのは違うと思いました。 [インターネット(邦画)] 8点(2018-12-24 07:55:15)(良:2票) |