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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1041.  ペイン・アンド・グローリー 《ネタバレ》 
テンケテケテケ典型的(業界人の)自伝風映画、というか。ある映画監督の現在と、そこに到るまでの過去の情景を織り交ぜて語ってゆく(そしてその「過去」というのが、実は自分で撮ってる劇中劇、という洒落た二重構造)。  確かに『ニュー・シネマ・パラダイス』風のノスタルジックはある程度醸せていると思うが(絵のエピソードなんかは個人的にはかなり好み)、現在の監督自身の状況というのがラリパッパなうえにどーもネガティブ一辺倒というか(体調悪過ぎ)、ちょっと感情移入しにくい(なので、最終的に少しだけ前向きになってゆくというよくあるハートフルなラストにも、正直あまり興味が持てないのよね)。ただ、一風変わったトコロも大いに含む映像自体には結構面白いものがあったし(あの洞窟、メッチャ住んでみたい)、極上にシブいアントニオ・バンデラスはじめとしたオジサン達の演技が中々脂っこくて個人的には美味しく頂けた。悪い作品でもないかと。
[映画館(字幕)] 6点(2020-12-08 20:48:11)
1042.  アストラル・アブノーマル鈴木さん 《ネタバレ》 
かなり壮絶に奇を衒ってはいますケド、主人公は諸々非常に「平凡」な人物で、ただ自分が平凡であることを受け容れられない、という部分だけが凡人と異なるだけなのです。お話の中で多少グッと来たのが、ラス前の望月のシーン。非凡、とは正にこのことだと言わんばかりに炸裂する才能と、それが平凡でないことだけは一瞬にして理解できるだけの凡人のザマ。こんなトコロで『アマデウス』を彷彿とさせられる羽目になるとは全く思いも寄りませんでした(+谷のばらちゃんは流石のプロの仕事でしたね)。  正直、なにか奥深いテーマや価値ある人物像をこの映画から汲み取れた、ということはないのです。前述どおりに打ちのめされた主人公はラストには自分自身の平凡さを少しだけ受け容れつつある様に見えますが、それって映画に描くお話としてはちと後ろ向きすぎやしませんか?だから本作、私にはお話としてもこれまた「平凡」な仕上りだなあとも思われるのです。  ですので個人的には、好かったのはシュールコメディとしての出来の方だと思うのですね。結構全編に渡って(あくまで私は)笑い通しでしたが、圧巻は酔っ払いvs引き籠りの4分超ののたうち回りでした(「殴り合い」でも「取っ組み合い」でもなく、のたうち回り)。首を賭けてもイイですが、こんなシーン、絶対日本映画にしか出て来ないですよ。こういうシーンを観ると、この不思議で特殊でガラパゴスな国に生まれて本当に好かったと改めて思うのです。  役者の仕事も総じて味があってこれも好かったですが、松本穂香を褒めないワケにはいきますまい。目が据わってるのが中々素晴らしかったですね。綺麗な目なんですけど、底が見えないというか。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-12-07 21:42:27)(良:1票)
1043.  叫びとささやき 《ネタバレ》 
憎悪・苦痛・不安・猜疑・嫉妬・疎外感…人間の持ち得る負の感情を様々に描き込んだ重苦しい映画だが、登場人物の背景や具体的な人間関係の説明はごく限られており、だから何故彼女らがそういった感情を抱くに到ったかという「理由」の部分はあまり明確にはなってゆかない。むしろ、敢えてそれを説明しないことで、それらの感情をより純粋なものとして描こうという試みにも思える。ベルイマンの他作品を観てもたびたび思うことだが、ひとつのストーリーと言うよりは絵画的な、それも抽象画的な映画だと感じるのですよね(その意味では終盤、アングネスを抱くアンナの場面の画づくりなんて完全に巨匠の手に成る傑作のレベルでしたよね)。  内容的にもそういった傾向がある様に思われるが、やはりそういった描き方の手法的な一助となっているのが、映像表現のクオリティの高さ。舞台となる屋敷の諸々にせよ、服飾やメイク・髪型にせよ、非常に細部まで拘り抜き、かつ高度な統一感を保つことで、実に見事な抽象的・非実存的映像空間の構築に今作でも成功している。そこに加えて、今作では女優4人の演技がいずれも超ハイレベル。完成度、あるいは芸術性、という意味では、確かにこれも映画史における屈指、という域にある作品であろう。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-12-07 17:22:27)
1044.  ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey 《ネタバレ》 
凄まじくご都合主義なアレコレにせよ、見た目が良ければオールOKな映画であるのは間違い無いのだから、素直にそれに従って、風変わりで派手にオシャレな諸々とマーゴット・ロビーのユニークなキャラづくりを楽しめば好いだけな作品だと思う。しかし、せっかく二度も観た(なんかしっくり来なかったから短期間で再見してしまった)のだから、気になった点を備忘的に記しておく。  ・どうせハーレイ・クインのキャラ映画でしかないのだから、大して本腰入れて描くつもりもないサブキャラを3+1人も放り込む必要はあったのだろうか。ただでさえ薄っぺらいお話が更に散漫になっているだけな様に感じるのだが。 ・オビワンに悪役は無理なのではないか、と思わせるほどにブラックマスクの出来が酷い。まあオビワンも悪さ(悪賢さというか)が皆無な純朴キャラが魅力だった様な所もあるし、これは彼の俳優としての属性である様にも思える。 ・やはり、本作においてジョーカーの影すら全く見えないのは、お話的にも不自然だし大きな見せ場を一つ潰している様なものでもあり、端的にバッドチョイスだと思う。女が主役、という部分に拘った結果なのかも知れないケド。  個人的に、本作から受ける印象は、少しばかり蜷川実花作品から受けるそれに近い様にも思う。女(監督)が気にしてるのは見た目だけ、なんぞと抜かしたら、それこそ昨今、全方位から袋叩きにあってしまうのも確実なのだけど。
[映画館(字幕)] 5点(2020-12-06 09:47:43)
1045.  稲妻(1952) 《ネタバレ》 
ドロドロと金&色の欲に塗れる人々が描かれてゆくが、そういった自分の欲望に素直な人間の方が概して世渡りは上手く、その面で潔い人間の方が却って社会的には弱くて頼りない、というのは然もあることであろう。どちらの人々にせよ、特に現代の感覚から言えば本当の意味で「幸福」からは程遠く見える。そこには、率直に「隔世の感」を覚えるのである。  一方で、亡くした夫の面影を見出せば妾の子にも情をかける次姉にせよ、自分の娘が捨てた婿に延々貢いでしまう母親にせよ、これも現代的な感覚からすれば実に人情味・人間味に溢れるというか、そこにはまた古めかしくも愛おしい魅力を感じ取れるのである。もちろん、なんとも一本気で清らかな高峰秀子もとても清々しかった。個人的には呆気無いラストも実はかなり好み。素直に観て良かったと思える古典の良作。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-12-06 09:39:19)
1046.  TAKING CHANCE 《ネタバレ》 
劇映画ではあるが、内容的には一種のドキュメンタリに近い。米軍が戦死者を家族のもとに送り届けるとき、ひとりの軍人がその棺を最後まで護衛する任務を負う。本作はその道程を描いたロードムービーでもあり、更に言えば、映画は全体としてひとつの長い「葬礼」の様子を映し出しているとも言えるだろう。細部に到るまで、非常に厳粛な作品である。  軍事行動において、自軍の死者というものが不可避なものである以上、死というのはある種、兵士の任務の一部であるとも言える。自らに代わってその任務を果たした戦死者に対し、軍組織とその構成員たる軍人が最大の敬意を払うのは当然のことであろう。しかしこの映画ではそれに加えて、アメリカ社会そのものが戦死者に対して大いなる敬意を払っていることが、幾つかのエピソードを通して描き出されてゆく(本作は劇映画なのだから、これらの描写がどこまで真実に近いのかには議論の余地があるのかも知れないが、こんなことで嘘をついたトコロでそれこそ何の意味もないのだから、個人的にはこれは真実だと思うことにしたい)。  その敬意が結局のトコロ何に由来する・しないのかはとても複雑な事柄だろうと考えてもいるのだが、ひとつ言えるのは、アメリカ人にとって戦争とそれによって失われる命というのは、日本人である我々に比べてとても身近なことなのだろう、ということだ。そして、戦争(の善と悪)をあくまで自分ごととして捉える、ということ自体は、そうせざるを得ない社会の在り方自体が正しいのか、という論点はあるにせよ、実際に戦争が続く現在の世界のうちにおいては、それから目を背け続けるよりは遥かに適切な態度なのではないか、と、個人的には強く思う。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-12-05 22:42:00)(良:1票)
1047.  太陽を盗んだ男 《ネタバレ》 
確かに少し冗長なのは否めませんが、個人的にはそんなに気にならないとゆーか、むしろこのかったるさが本作でもアメリカン・ニューシネマ的と言える様な優れた閉塞感の醸成に一役買っているのは間違いないワケですし(私、こーいう雰囲気大好物なのですよね)。原爆製造という大それたコトを仕出かしておきながら、主人公には動機も目的も何にも無いというのが、どこまでも実に行き詰まっているじゃあないですか。(実際の映画制作場面も含めて)やってはいけないコト&タブーな設定を盛り込みまくった作品ですが、主人公自体は別にそこまで反社会的・反権力的というワケでも無くて、ただ原爆でも造らなければ自分の存在意義すら実感できないという哀れな男なだけに見えます(→だからこそソコに少しだけ共感すらできるのですケドね)。反権力的なのはむしろ池上季実子の方ですよ(まあただバカなだけという風にも見えますが)。極めて荒唐無稽な作品でありながら、描かれる人間の有様は驚くほどに血の通った切実なモノであり、ココに関しては単純にアメリカン・ニューシネマ的とも言い切れない、中々に面白くてかつ独特な質感が醸し出せていると感じます。  一方で、クライム・アクションとしての出来にも随所で非常に優れたモノがあります。デパートに捜査員が殺到する場面や終盤のカーチェイスなど規模の大きい撮影の出来が見事なのと、あとは何と言っても抜群な菅原文太ですね(正に鬼神の如く、というか)。ある種、二度美味しいタイプのお得な映画と言えるのではないでしょーか。今後もますますマニアック扱いになっていく作品だと思いますが、映画好きなら観て損はないかと。
[DVD(邦画)] 8点(2020-12-05 21:49:55)
1048.  ファイナル・スコア 《ネタバレ》 
2015-16シーズンの終了を以て、ウエスト・ハムは本拠地をロンドン・スタジアムに移転した、その最後の夏に旧スタジアムであるアプトン・パークで撮影した、という映画なのですね。結構やりたい放題に実際のスタジアムを使えているという点で、中々良い目の付けドコロです。他にも良い点として、フットボール・スタジアムを舞台にした種々のアクションは中々に斬新で目新しいモノであったり、展開運びのキレもテンポもわりかし良好だったり、ダイ・ハード的アクションの中規模作としてはこの部分には十分に合格点なクオリティをつくり込めていると思います。ただ一方で相当に突っ込みドコロが豊富な作品なのも端的に事実で、そこら辺に引っ掛かってしまうと映画全体としての評価は少し下がってゆくのかもと。個人的にも、良作ではあるがそれ以上ではない、という評価が適切なよーに思います。  細かい突っ込みドコロを拾ってゆくことは本レビューでは避けますが、良い点と悪い点を併せ持つという意味では、主演のバウティスタも正にその一つだと言えます。やはり、彼には「脳筋」なキャラの方が絶対に合っています(今作の様に色々と器用にこなしてゆくという主人公であれば、起用すべき適切な俳優が他にいくらでも居たハズかと)。とは言え中盤のワンシーン、キッチンでのマーティン・フォードとの壮絶な肉弾戦は実に見事でした。個人的にはアレが今作で一番ホットなシーンでしたかね(両者とも正に破格の筋肉量で、これでどっちかが凡人だと肉弾格闘としての勝負が成立しない、というレベルですよね)。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-12-05 10:49:03)
1049.  ロンドンゾンビ紀行 《ネタバレ》 
ゾンビ・コメディというのは、今どきコメディ要素の入ってないゾンビ映画の方が珍しい、というレベルでそれこそ腐るホドある訳だが(実際に腐ってるヤツも少なくねーけど)、よーく観ていくとやはり、今作のようにコメディの緩い雰囲気を重視し、展開運び、ゾンビの戦闘力やショック描写をマイルド方面にバランシングした系統のものが間違い無く主流ではあると思う。そして、単なる個人の好みの問題だが、私自身はそーいう系統のゾンビものは率直にあんまり好きではないのですよね。個人的には、グロ描写の尖鋭さはそのままに、否、むしろやり過ぎてゆくその果てに笑いを見出したもう一方の系統の方が(古くは『死霊のはらわた』『バタリアン』『死霊のしたたり』『ブレインデッド』…て全部古いな…最近だと『処刑山2』とか)絶対的に好みではあるのです。ズバリ、パンチが足らんのよ。  ただ、今作はそういったものの中ではかなり好きな方ですね。緩~い雰囲気の中に、これもどこかマイルドな種々の描写が丁寧に描かれてゆきますが、そのアイデア自体は結構良質で、ノンビリと観てゆきながらも「あ、これ面白い!」というプチ感動がそこかしこに散りばめられていますとゆーか(マニア向けかも知れませんが)。ゾンビvs老人(とゆーか「戦う老人」とゆーの自体がワリと新鮮ですよね)というコンセプトも中々好かったですが、他にもツボに入ったシーンが幾つもありました(ゾンビになっても争い続けるウエストハム&ミルウォールサポとかも)。前述どおり根本的には好みからは外れるのですが、オマケでこの点数としておきます。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-12-05 01:36:34)
1050.  ラスト5イヤーズ 《ネタバレ》 
コレ、情報を入れずに観たのですけど、男と女で時間の流れ方が違うのですね。女(の歌ってるシーンは)は終わりから始まりに、男は始まりから終わりに、という。率直に、言われねーと分かんねーよ!というか。アナケンの方は最初妙にネガティブだったのがどんどん暢気になっていく、その一方で男は段々ネガティブになっていくのだけど、普通にそーいうすれ違いのハナシかと思って観てました(アナちゃんがある種人格崩壊してってる、みたいな)。  歌は素晴らしかったですよ。ほぼ全編台詞の大半が歌という形式で、主演2人も単純に巧いし、楽曲もイケてるし。私なんかはこーいうのはただボンヤリ歌を聴いてるだけでもそこそこ満足できるのですけど、今作は流石に映画として観るとちょっとシンプルすぎる「愛が終わる」話でしかなくて、かつ前述の仕掛けを理解してなかったので終盤の違和感がハンパなくて白けちゃったのですよね。だから再見したら評価が変わる可能性は大アリだと言えますね(まあ、そのうち)。  一点だけ、今作のアナケンは何故髪を染めてるのでしょーか。ただでさえ見た目がバ…思慮深くは見えない系統のかたなのに、ブロンドにするとますます軽薄に見えるとゆーか。それでこのキャラはちょっと流石に…とも思いましたがね。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-12-05 01:35:06)
1051.  移動都市 モータル・エンジン 《ネタバレ》 
確かに、ジブリの諸作品、『ナウシカ』『ラピュタ』『ハウル』あたりのごった混ぜというか(誤解を恐れずに言えば)パクリというか。しかしそれらの作品とは違って肝心カナメの部分の世界観、「移動都市」という設定にはどーにも分かり易さ・納得感が無いのですよね。何故、都市が移動しなければならないのか(それはつまりワザワザそんな大仰なコトをすることのメリデメの収支があってるのか、ということですが)、そんな状況で数百年間戦い続けて色々淘汰が進んでいることの現実味も無いですし、総じて、主要キャラの人物的背景の描写とか、件の「復活者」も含めて、諸々ストーリー&設定面のつくり込みが非常に甘い作品なのは端的に事実だと感じます。  しかし実際に鑑賞して思いましたが、コレ映像面のクオリティは軽くスターウォーズ級(続三部作)はありますぜ。まんま「巨神兵」なラストのアクション・シークエンスは、このクオリティでやられたらそりゃある程度は観る価値のある映像になりますって。もし、もう少しだけ話に辻褄をつけて、かつ前半とかに(誰もが観たかったであろう)移動都市同士の大規模な戦闘シーンがチャンとあったなら、全然普通にヒット作になっていたのではないでしょーか(まあ、それが無いのが最大の問題ではあるのですが)。  ただし、個人的な見解としては、そんな面倒なコトをするくらいなら、素直に『ナウシカ』をこの予算で実写リメイクすれば好かっただけな様にも思いますのよね。おカネの使い方、という意味では、お世辞にも上手だったとは言えない様に思います。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-12-04 00:43:32)(笑:1票)
1052.  さびしんぼう 《ネタバレ》 
ファンタジック・ノスタルジック・ロマンチック・コメディ。『別れの曲』のなかに淡く融合されてゆく様なこれらの要素はいずれも中々出来が好いと思いますが、やっぱり今作はロマンチックですかね。個人的な趣味ですが、富田靖子が色々とにかく可愛いんですよね(紛う事無き昭和の美少女、というか)。膝下スカートの制服で自転車に乗り、棚引かせるは長い碧の黒髪(昭和な感じの豊かな毛量)と、それだけでロマンチックとノスタルジックは私の合格点を完全に凌駕してゆきます。ちょっとおバカなコメディ面も好きですね(チョイ役の樹木希林と小林聡美とか実にイイ味出してましたね)。残るはファンタジックですが、あくまで軽いノリの世界観も全体の雰囲気に対してとても適切だったと思います。更に年齢を重ねて、また観てみたい作品です。
[インターネット(邦画)] 8点(2020-11-29 22:51:13)(良:1票)
1053.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 
例え神が「沈黙」して語らずとも、どうにもならない悲惨な境遇の中で唯ひとつ残された手段としての「祈り」こそが、種々の信仰の源泉というべきものであることは大いに理解できるし、そして、物言わぬ神に向けての祈りに少しでも重みを付けるために、むしろその耐え難い苦難を受容する「忍耐」こそが信仰者としての美徳とされてきたことも決して分からぬことではない。冒頭からの凄惨な描写の数々の中で神に殉じてゆく日本人たちには、だからそれでも個人的には大いに共感できるのだし、その部分においては今作で描かれる価値観にもまた、キリスト教のそれを越えた普遍性を感じ取れる様にも思う。  しかし「神の沈黙」もまたあまねく宗教に普遍的なものであるのと同様に、耐え忍ぶ人びとに寄り添う神の在り方も所詮は普遍的なものではないのだろうか。何故、キリスト教の神父が危険な日本に来て布教をしなければならなかったのか。何故、キリスト教でなければならなかったのか。何故、信者たちは死ななければならなかったのか。そういった私の疑問に対しては、今作は答えを用意してくれていないようにも思う。恐らく、その根源的な問いに対する答えというのは、西洋キリスト教社会においては既に「前提」とされてしまっているものだからなのだろう。私にはその前提が無いから、神父たちの苦難と棄教、最後に「沈黙」を破った神、そういったものの意味というのは、実は本質的な部分では理解できていないのだろうと思っている。  描かれる中世日本の描写には、そこら辺の邦画時代劇の比ではない優れたリアリティと細部にまで行き渡った種々のクオリティが実現されていた。信仰とは何か、ということを真剣に考えさせられるに至った内容面の奥深さも素晴らしい。が重ねて、どこまで作者の意図する結論に近づけたのか、という部分には、少しばかりの片手落ち感を覚えるのである。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-11-29 17:33:02)
1054.  走れ、絶望に追いつかれない速さで 《ネタバレ》 
人生とは、絶望に追いつかれない速さで走ること、というのは、人生とは「泳ぐ」ものだ(つまり、それを止めたら溺れて死ぬ)と考えている私の人生観にも少し近い。あくまで人生を甘く見ていない、と言えるのか、はたまた既に若干人生に絶望しかかっているというネガティブ故なのか、今作の主人公達はどちらかというと後者に見える。  そういった後ろ向きな人生観&具現化しつつある人生への恐怖と、その中に二人の友情が際立って輝かしく存在する様子を手短ながら的確に表現した前半は、率直に中々良い出来だったと思う。そこから、その「理由」を探しに行く淡々とした中盤も、ここも決して悪くないと感じた。しかし肝心の終盤、その「理由」が明らかにならないのはまだ許せるとして(それが分からないことがただ絶望であるのが主人公なのだから)、では何故主人公は立ち直ることが出来たのか、という部分まで曖昧模糊としているのは、アート系な作品ならともかく劇映画としては流石にちょっと不親切にも思われる。立ち直ってからもチョロチョロと話は続いてゆくが、もはやただ撮りたい映像を撮って詰め込んでいるだけにも感じられ、率直にこの部分は散漫だと思った(映像は非常に綺麗なので、ボンヤリ観ていけるとは言えるものの)。  重ねて、全体として映像は美しい。静かな演技・役者の仕事も総じて悪くない。実はお話にアイデアを欠いていた、という感じかと。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-11-29 11:49:23)
1055.  嘆きのテレーズ 《ネタバレ》 
シモーヌ・シニョレとゆーと、どうしても「クセ者」な方の仕事を思い出してしまうのですけれど、今作の清純そうな薄幸そうな可哀そうな感じも意外なホドに全然素晴らしかったです。シンプルなサスペンスですが、登場人物全員に瑕があると言うか、何かしらな心暗さを背負ってゆくなかで運命がそれを悉く許してくれない、とでも言いますか。ある種、勧善懲悪のキッチリした話なのだとも思いますが、個人的にはどれも少し、運命がわの「やり過ぎ」にも感じます。皆が不幸になって終わりますが、最後の2人の破滅は手紙一本で、というラストの呆気無さ・さり気なさが、洒落ているしそれでいて残酷さが際立つようで中々秀逸です。フレンチ・フィルム・ノワール斯くの如し、という佳作。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-11-29 11:34:56)
1056.  惡の華 《ネタバレ》 
言葉は受け売りだが、冷めた常識人より熱いバカ。変態だろうがクソムシだろうが、最も重要なのは過程や結果ではなく、意志だ。個人的には、どんなにイタイ行動であろうと(特にガキなら)それはよいのだ。「思い」がそこに在るならば。  残念ながら本作の主人公は本当に本当に空っぽで、そこには欲望も理性も慈しむべき他者への配慮も、普通の人間ならば当たり前に備えているだろうものがまるで欠落している様に見える。「仲村さんのため」という愛とも恋とも同情ともつかぬ感情が垣間見える「夏祭り」は個人的にはむしろまだマシで、前半の「教室」事件辺りはそれが本当に顕著で、過激な行動だけが完全に浮いている。言い方は悪いが、汚物を撒き散らす獣を見ている様なもので、観るに堪えず、微塵の共感も出来ない。漫画もアニメも未見だが、これってホントにこういう話なんですかね?ホントに、という意味では、台詞が微妙に当り障りの無い表現に改変されている様に感じる箇所が散見されるのも気になる。  もう一点、ド級に可愛い玉城ティナのイカレ芝居・ゲスい台詞回しを存分に堪能できるのは本作の数少ないウリだとも思うが、仲村と春日の関係が単純な恋愛感情に集約されてしまいかねないこの配役は、やや疑問に思う。私の勝手な思い込みかも知れないが、仲村が佐伯より明確にブスである方が(てゆーかドブスでいんじゃねーかって気もする)より正しくなる物語にも思う。
[インターネット(邦画)] 4点(2020-11-26 23:39:49)
1057.  十二単衣を着た悪魔 《ネタバレ》 
「十二単衣を着た悪魔」というのは、源氏物語の悪役・弘徽殿女御のこと。お話の要点は、源氏物語における彼女のアレコレを新解釈をもって描き出すことにあり、伊藤健太郎の演じる主人公というのは(彼の存在によって話の行く末が左右される訳でもなく)単なる傍観者に過ぎない。しかし中盤以降、唐突とも言える取って付けで彼と伊藤沙莉の話が割り込んでくる。これは、こちらの話を踏まえた上で主人公から弘徽殿女御にひとつの現代的な価値観をぶっつけて、そこから大オチとも言えるメッセージを引き出すと同時に、オーラスの(チンケな)オチにも繋げている、というシナリオ上の仕掛けである。正直、ここの一連の流れが個人的にはどーにも安っぽく感じられ、またしっくりも来なかった、というのがひとつ大きなマイナスポイントであるし、結局、弘徽殿女御の話だけでは2時間の映画にはちょっとボリューム不足だった、ということでもあると思われる(=やや内容薄め、という映画にも思える)。  とは言っても、まずタイトルにもある十二単衣をはじめとした衣装は中々凝っていて煌びやかで素晴らしかった。実質的な主人公である弘徽殿女御を演じる三吉彩花も、癖の無い華やかなルックスがキャラにもあっていたし、演技もまずまずキレがあってそこそこグッド。そして私が不勉強なだけだけど、弘徽殿女御の話自体は割とまあまあ面白くもあるし、彼女のキャラクターを現代的視点から解釈・再評価するというコンセプトにも十分に面白みがあると思った。結論、源氏物語ってどんな話だっけ?という感じで気楽に観る分には、時間潰しにはなる程度の作品かと思う(まあこの時期に映画館で観るホドのもんなのかと言われれば微妙かもだけど)。
[映画館(邦画)] 5点(2020-11-23 23:13:15)
1058.  悪魔のサンタクロース2 《ネタバレ》 
開始から40分間もが前作のダイジェストという極め付きのやる気の無さに始まり、その後の30分間も回想形式でのショックシーンのツギハギと、構成がここまで酷い続編は『サランドラⅡ』以来かも知れない。ただ、一点明らかに前作より優れているのが主役の殺人サンタの出来。そこそこイケメンながら矢鱈とゴツくて、かつ生気の無い目には中々イカした狂気を迸らせており、力技なショック描写の数々も含めて犯人の恐ろしさはまずまず向上している。前作で殺り損ねた諸悪の根源・院長を屠って終わるラスト15分も悪くはない(スカッと)。院長、『マタンゴ』みたいな特殊メイクのゴワゴワ顔で出てくるのだけど、これは意図した演出というよりは、前作で演じてたリリアン・ショーバンから役者が代わっちゃってるからなのですね(これまた手抜きなコト)。
[DVD(字幕)] 4点(2020-11-23 14:36:17)
1059.  転校生(1982) 《ネタバレ》 
ジュブナイル・SF入れ替わりコメディ。だが、入れ替わって以降はひたすらドタバタしているだけという(何故か元に戻る方法を探したりもしないという)極めつけにシンプルなお話。加えて、そのコメディ要素にはちょいエロなものも多く(例え裸を隠したとしても)今だと確実にひと悶着ある系統のヤツだし、主演の子役2人の負担の大きさを考えても、これも今だと心の底から笑えるという人ばかりでもないよーにも思われる(人でなしの私は爆笑してますケド)。  しかし、それを差し引いても主演2人の頑張りは凄い。特に小林聡美はヤンチャでおバカな中坊ぶりが実に見事だったし、サービスカットだらけなのも含めてここには満点の評価を差し上げたい。尾美としのりも、この年頃の役者にとって一番やりたくないだろう演技をやり切っているサマには終盤は不覚にも少しホロリとしてしまいました。+1点しておきます。
[DVD(邦画)] 7点(2020-11-22 22:14:46)
1060.  スペードの女王 《ネタバレ》 
毎度のジュネス企画版での鑑賞になります。  原作はプーシキンの短編小説。有名なのはチャイコフスキーのオペラ版だが、あちらは個人的にはちょっと話を膨らませすぎた感があり、長くてかったるくてあまり好みでないのですよね。  この映画版は、オペラ版の設定を色々と取り込みつつも、だいぶんコンパクトに纏め直すにあたって所々修正を加えている(リーザとゲルマンの関係性を大分シンプルにした上で、リーザの悲劇的な結末はやや穏便なものに改変していたり)。前半は結構スローかつ丁寧に展開を運んでゆくが、見せ場の色々を残り30分に凝縮した終盤はスピーディに盛り上がるのでまあまあ面白い。オーラスもそこそこ劇的(まあここはオペラでも思いっ切り盛り上がる所だけど)。ただ、時代的にもそこまで演出に派手さが在る訳でもないので、現代的なプロダクションのオペラ版と比べたなら少しばかり地味に感じられるかも知れない。クラシックなスリラーとしては手堅い出来だが。
[DVD(字幕)] 6点(2020-11-22 01:39:18)
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