101. るろうに剣心 最終章 The Beginning
シリーズ5本目にして完結編、ポスターには「シリーズ最高傑作、誕生。」の文字。そう謳っても問題ないとは思うが、手放しで褒めるわけにもいかないかな。ベースのOVA「追憶編」は30分×4話、映画化にはちょうどいい尺でありながら、あえて完コピにはしていない。つまり厚くなった部分もあれば、薄くなったり、あるいは削られた部分もある。たとえば剣心の幼少期だ。なぜ彼が新時代を渇望するのか、重要なパートに思えるのだが映画では一切出てこなかった。怨念のこもった傷は治らないとか、白梅香とか、志々雄とか、ちょいちょい欠けた感があったなあ。その分(?)新選組なんかすごく良くて、抜刀斎vs沖田総司は夢の対決感がちゃんと出ていた(斎藤一が剣を合わせなかったのは監督のこだわりとのこと)。そしてなんと言っても有村架純の美しさよ… 実際、ここが最重要ポイントかもしれない。だから満足した、が自分の答え。単純だなあ、また観たい。 [映画館(邦画)] 7点(2021-06-04 17:37:47)(良:1票) |
102. 家族を想うとき
この映画は社会問題を扱ってはいるが、決して実話ベースではないので終盤にやりすぎ感を抱いてしまった。踏んだり蹴ったりにも程があるだろうと…。まあ、そう思っちゃうくらい主人公にシンパシーを感じていたとも言えるが。ハイライトは妹ちゃんの告白シーンだろうなあ… 本当につらかった。兄ちゃん頼むからしっかりしてくれよ!。劇中の言葉を借りるが「何かが間違ってる」、そんな世の中をしっかり描いて、問題提起する。「わたしは、ダニエル・ブレイク」に続きケン・ローチ監督の熱い思いを感じる映画なのは確かだ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-05-23 23:41:41) |
103. るろうに剣心 最終章 The Final
原作未読、ただし「追憶編」だけは予備知識として観ておいた方がいいかなーと思って事前鑑賞。何度か回想という形で「Beginning」の映像も出てきたけど、有村架純の巴がなかなか良さそうで期待は高まるばかり。で、こちら「Final」はアクションに比重を置いていて、1作目から続くキレキレの殺陣で魅せてくれた。佐藤健の運動神経と真剣佑のムキムキボディは凄い。その他派手な爆破等、かなりお金がかかっていると見受けられるが、どうも最悪のタイミングでの公開になってしまい哀しい。こればかりはどうしようもないが…。期待を裏切るものではないので宣言が明けたら是非どうぞ。 [映画館(邦画)] 7点(2021-04-23 23:13:07) |
104. クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝
クレヨンしんちゃん初期の劇場版の一つ。たまたまBSでやってて、懐かしさに惹かれて観始めたら最後まで観ちゃった。なかなか面白いもんで、冒険に、クールな悪役に、オカマに、強くてセクシーなおねえさんに、しんちゃんそっくりの王子に、魔人に、と、てんこ盛りでワクワク感が最後まで持続したってことだろう。四半世紀も前の作品だから故人含む懐かしい声が聞けてこれもまた嬉しかった。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-04-03 23:45:17) |
105. 騙し絵の牙
テンポは良く、楽しい雰囲気もあり、先も気になる。キャストも豪華で、大泉洋に至っては原作から当て書きされているので当たり前だがよくはまっている。そしてもう一人の主人公と言っていい高野(松岡茉優)の最後には少しだけ元気をもらった気がした。とまあ一応良かった点を挙げてみたがトータルではインパクト薄い。原作は読んでいないので分からないが、映像化された作品についてはパワー不足といった感が否めない。予告編を見て期待したような大どんでん返しはない。小どんでん返し(?)はあるにはあるが、佐野史郎・木村佳乃陣営も別に悪い人たちではないので痛快というわけでもなく、盛り上がりに欠けたのだろう。 [映画館(邦画)] 6点(2021-03-27 12:11:33) |
106. 禁断の惑星
1956年にしてあのスケール感をよく出せたものだと思う。創意工夫して撮られた映像のありがたみだ。もちろん時代を感じさせる部分も多々あるが、却ってレトロ感が楽しかったりもした。この懐かしさは本作がいかに後世の作品に多大な影響を与えたかということを表しているのだろう。怪物の正体は、なるほど…。SF映画の古典的名作、お目にかかれて良かった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-03-10 18:45:38)(良:1票) |
107. 深夜の告白(1944)
ビリー・ワイルダー初期の傑作、というわけで鑑賞。同僚キーズの鋭い推理に徐々に追い詰められていくネフ、その程よい緊張感が中盤以降保たれていた。フィリス役バーバラ・スタンウィックの悪女ぶりも良い。計画の失敗自体は冒頭に明かされているが、二人の顛末はメロドラマ要素もあり、なかなか読めなかった。こういったジャンルの先駆けと評されている作品だけあって面白さは保証済みといったところか。おススメ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-02-24 19:32:43) |
108. すばらしき世界
《ネタバレ》 <原作未読>出所した元ヤクザで殺人犯の男が「今度こそ堅気ぞ」と決意し社会復帰を目指すも、やはり壁にぶち当たる。しかし周囲は手を差し伸べる。身元引受人やケースワーカーは分かるけど、なぜスーパーの店長があんなに良くしてくれるんだ… すばらしき世界とはこういうことか。もちろん「めでたしめでたし」と簡単に終わるわけではない。終盤、三上がどっちの選択をしようと胸が締め付けられるような場面が出てくる。そんな"すばらしくない世界"もちゃんと見せつつ、自分の死に涙を流してくれる人がいる世界はやはりすばらしいのだと監督は最後に言ったような気がする。温かさを内包した脚本に、名優役所広司の憑依したような演技が加わってまた一つ、傑作が世に出た。 [映画館(邦画)] 9点(2021-02-12 10:45:35) |
109. Fukushima 50
あくまで「映画的に」だが、あの総理大臣はなかなかいいキャラだ。フィクションなら最後には痛い目に遭って観客スッキリな展開が待っているはずなんだけど、実話ものだからそうもいかず…。しかしその政府や本店と戦う吉田所長の激しい言葉が一つの見所にはなっていたかなと。実際にあんな感じだったらしいし。一方、さらに最前線で戦った伊崎とその部下たちの物語は言うなれば紋切り型で、どこかで見たようなドラマが繰り返されていた。CGの質や一部の役者の芝居なども多少気になってしまい残念だが「あの日、イチエフで起きたことを後世に語り継ぐ」という立派な志を前にしてはやや甘めに採点せざるを得ずか。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-02-02 18:32:49) |
110. レベッカ(1940)
結婚してから…というよりダンバース夫人が登場してからぐんぐん面白くなっていく。マンダレーの怪しげな雰囲気と、不安、怯えといった感情表現が抜群のジョーン・フォンテインに引き込まれ気がつけば終盤だ。事件の真相と物語の結末は驚きもあり、最後まで楽しませてもらった。1940年時点で既に監督として15年ほどのキャリアがあったヒッチコック、その安定感、さらに貫禄に近いものも感じることができる。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-21 20:06:04) |
111. 黒い司法 0%からの奇跡
《ネタバレ》 良い映画だとは思う。主人公の正義感に心打たれるし、死刑囚たちにも感情移入してしまう。無駄のない作りで、役者もみんな上手い。ただ、感動と同時に「呆れ」のような感情も強い。世界のリーダーたるアメリカが1980年代、90年代にもなってこんな事やってちゃいかん。とくに、多くの勇気ある証言を引き出したにも関わらず、再審請求が棄却されたときの呆れはマイナスのインパクト。7点止まりはそういう理由で。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-14 21:11:05) |
112. サヨナラまでの30分
死んだアキはカセットテープが回ってる間だけ颯太の体を借りることができる、という"世にも奇妙な物語"的な設定だ。前半はコミカルでとても見やすい。どちらの人格も演じた北村匠海はその演じ分けが楽しかったかもしれないね。性格は真逆でも音楽の才能は共通。実際にミュージシャンとしても活動している北村のためにあるような役だが、新田真剣佑もとても上手で、その多才ぶりに驚かされた。ヒロイン久保田紗友も透明感があって魅力的。そして後半はしんみり展開へ。でも単に泣かせようって言うんじゃなくて、必然性も感じるし、納得がいく。映像も綺麗で、十分に及第点以上の出来だなと。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-12-05 17:04:50) |
113. 殺さない彼と死なない彼女
《ネタバレ》 <原作未読>純粋に素敵な映画。高校生の恋愛や友情に心が温かくなって、癒されているようでもある。殺さない彼はあんなことになっちゃったけど、全体としての印象はそのまま変わらず。ズレてる時系列を繋ぐときはあくまでさりげなく、がまたオシャレだ。桜井日奈子の映画・ドラマには今まで縁がなくて、これが初めてだったけど好演していたと思う。それから箭内夢菜、昭和の演技スタイルをさらにデフォルメしたような感じがクセになる。面白うございました。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-12-01 21:33:00)(良:1票) |
114. ラストレター(2020)
文通という、今や消えつつある文化、手段を通して物語は進んでいく。これが確かに風情があって良いんだ。キラキラした高校時代パートを交えながら、裕里と乙坂の関係が分かってくると前半部分の捉え方もまた違ってくるというもの。10代の裕里と、颯香の二役を演じた森七菜のセンスも光った。多分、意図的に幼さを醸し出すようなアプローチもしていて意外と芸が細かい。乙坂役の福山雅治は神木隆之介からの繋がりを意識して演じたと思われ、同じ人物としてすんなり受け入れられた。総括すると、岩井俊二の映画を観たーって感じかな。デビュー以来の個性を失うことなく、今も岩井俊二であり続けている。かといって古さは全然感じないのが凄い。「唯一無二の映画監督」と賛辞を送っておきます。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-30 01:08:45) |
115. ひとよ
《ネタバレ》 父親の暴力から逃れられた代わりに、殺人犯の子になってしまった3きょうだい。刑期を終え、約束通り帰ってきた母。始まりの夜と、一区切りつけられた夜。家族を取り巻く状況はそう変わらなくとも、みんなの心はトンネルを抜けた。そういう結末だが、佐藤健に笑顔を作らせなかった監督の甘くない感じもそれはそれで良し。キャストも皆嵌まっていた。6.5点、四捨五入。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-23 20:00:24) |
116. 愛がなんだ
テルコ×守、仲原×葉子の普通とは言えないが、無くもないんだろうなという関係。それが破綻するまでを重くも軽くもなく、ちょうどいい感じで描けているよう気がした。「ストーカー同盟」と自虐していたテルコと仲原はそれぞれ別の道を選択したが、どちらも愛と言えば愛なんだろうし、世の中いろんな人がいて、いろんな愛の形があるというのが、この映画の面白さなのだろう。主演・岸井ゆきのが見せる様々な表情も印象深い。好きな人を見つめる目、初めてすみれさんに会った日の戸惑いと愛想笑い、仲原の「幸せになりたいっすね」に「うるせえバカ」と返したときの顔など、この映画は彼女の女優としての魅力に支えられている部分も結構大きいんじゃないかと。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-17 00:01:33) |
117. 無垢なる証人
《ネタバレ》 これはどう言えばいいかな…。途中まではかなり面白いと思ったけど、だんだんと作られすぎ感が拭えなくなってきた。自閉症について無知なせいもあるかな? 気になって観終えたあと、さっそく検索してみたが、やはりあの能力はレアっぽい。絶対にないとは言えない…くらいの感じかな。実話が基ではないし、もちろんSFでもファンタジーでもないから「ほどほど」が肝要だと思う。検察が財産絡みを突かなかったのも不自然だし、二審での主人公のやり方もリアリティーがない。俳優陣は皆素晴らしい仕事をしたが、物語としては多少無理を感じてしまった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-11-01 09:13:47) |
118. 初恋(2019)
《ネタバレ》 一応主人公は窪田正孝演じるレオで、ヒロインは小西桜子演じるモニカということになるのだが、海外版ポスターでは内野聖陽とベッキーが目立ってるし、染谷将太も確実に美味しい役だと思っただろうし、チャイニーズマフィアも見せ場がある。大森南朋演じる刑事の最期も好きだな。とにかく脇の面々に濃い味付けをした上で、入り乱れさせる。めちゃくちゃだが、ここまで来ると"楽しい"が勝っちゃう。わりと好きな映画。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-10-28 00:01:21) |
119. がんばれ!ベアーズ
面白かった! 100分ちょいの映画でテンポよく進むけど、主人公の監督に、上手な子、下手な子、それだけでなく敵チームの監督やエースなど、みんなにドラマがあって(映画的に)見事な決勝戦だった。子供たちにもどんどん愛着が湧いてきて最後はみんな可愛く見えた。時代をこえて愛される名作の一つ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-10-23 23:46:04) |
120. カツベン!
この映画はやはり最後のドタバタ劇が評価の分かれ目になってそう。活動写真へのオマージュというのはもちろん分かるんだけど、個人的にはちょっとやりすぎだったかなと思ったり…。とはいえ活動弁士に光を当て、映画愛に溢れる作品だったのは確か。実在した人物も登場し、エンディングはバンツマという粋な演出。なんだかんだで楽しかったなー。竹中直人、徳井優など周防組常連も相変わらず良い。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2020-10-12 22:03:03) |