Menu
 > レビュワー
 > Yuki2Invy さんの口コミ一覧。61ページ目
Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1201.  リヴィッド 《ネタバレ》 
ことB級ホラー界隈においては、上映時間全体の前半分が完全に「捨て」で、話も大して進まないしショック描写も皆無、なんてことは結構ザラである。今作もその例に漏れず、前半ちょうど45分は特に何も発生しない(気味悪い寝たきりババアの描写がちょっと物珍しいくらい)。これがもう少し低級なスラッシャーとかだと、この前半の場繋ぎに安っぽいエロが盛り込まれたりするのだけど、今作ではそれも無い。結果、前半はかなり退屈・モッタリだし、せっかく激マブかつ爆乳という逸材フランス美少女を連れて来たのに、お前ら何年ホラーやってんだよ!と若干イラっとしたのも内緒(決してクロエ・クールーちゃんのオッパイが観たかっただけではありません)。  さて本作、ちょうど45分くらいから怪異が発生し始めるも、更に10分くらいモタモタした後にやっと本格的に動き始めるお話はとゆーと、これまた何だか「思ってたんと違う」怪奇幻想ファンタジックな代物、かつ話に辻褄をつけることをあまり意識していないとゆーか、率直にやややりたい放題なとゆーか。思うに、今作もまた「撮りたい映像が先にあって話の方はこじつけた」類いの作品かと思う(実は)。その意味では、監督ふたりの前作の様な単純明快血飛沫スプラッシュな作品を期待していたとしたら、かなり強烈な肩透かしを喰らう、と言っても過言ではないだろう。  ただ、あくまで私個人としては、そのめくるめく耽美&淫靡&残虐でゴシック怪奇な映像美には意外とわりかし観入ってしまった。なので結論、そんなに悪い作品でもなかったかなあ、というのが正直な感想。ホラーモンスター的なコンセプト、血みどろの白いバレリーナはどことなく『サイレントヒル』を彷彿とさせる様な優れた出来だったし、その他の部分、単純なスプラッタ描写のキレ味も決して悪くはなかった(前述どおり、ちょっとエンジンかかってくるのが遅い→物量的にはやや不足ぎみ、ではあるが)。個人的には少しの意外性・物珍しさも含めて今作決して嫌いではないし、観て損した感も無いと言える。  ただ、バスティロ&モーリーさんよ。あなた方のよーに一度コッテコテのB級ホラーの沼に堕ちた映画人とゆーのは、そこから這い上がれたというのはあんまり聞いたタメシがねーのですよね(ロメロなんかもそーですが、例外はサムライミとかですかね)。こういうちょっと気取ったのを撮るのもいいけど、あくまで観客の観たいモノづくりに徹した方が、後々後悔が少ないかも、なんて思ったりもするのですよ(10年前の映画に対して今更ゆーことでもないかも知れませんが)。
[DVD(字幕)] 5点(2020-10-19 14:29:28)
1202.  走れ、絶望に追いつかれない速さで 《ネタバレ》 
人生とは、絶望に追いつかれない速さで走ること、というのは、人生とは「泳ぐ」ものだ(つまり、それを止めたら溺れて死ぬ)と考えている私の人生観にも少し近い。あくまで人生を甘く見ていない、と言えるのか、はたまた既に若干人生に絶望しかかっているというネガティブ故なのか、今作の主人公達はどちらかというと後者に見える。  そういった後ろ向きな人生観&具現化しつつある人生への恐怖と、その中に二人の友情が際立って輝かしく存在する様子を手短ながら的確に表現した前半は、率直に中々良い出来だったと思う。そこから、その「理由」を探しに行く淡々とした中盤も、ここも決して悪くないと感じた。しかし肝心の終盤、その「理由」が明らかにならないのはまだ許せるとして(それが分からないことがただ絶望であるのが主人公なのだから)、では何故主人公は立ち直ることが出来たのか、という部分まで曖昧模糊としているのは、アート系な作品ならともかく劇映画としては流石にちょっと不親切にも思われる。立ち直ってからもチョロチョロと話は続いてゆくが、もはやただ撮りたい映像を撮って詰め込んでいるだけにも感じられ、率直にこの部分は散漫だと思った(映像は非常に綺麗なので、ボンヤリ観ていけるとは言えるものの)。  重ねて、全体として映像は美しい。静かな演技・役者の仕事も総じて悪くない。実はお話にアイデアを欠いていた、という感じかと。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-10-13 22:26:36)
1203.  キックボクサー ザ・リベンジ 《ネタバレ》 
今作もアクションはまずまずです。前作でも感じたことですが、臨場感の高い撮り方が中々に巧いですね。かつ、今作では非常に凝ったカメラワークの長回しアクションシーンが随所に見られ、アクションの分量が2割増しになっていることも踏まえ、その面に関しては78点まで付けられます。しかし話の内容の方がどうも…中盤は正直、サッパリ入って来ませんでした。それでも序盤と終盤はごくシンプルな筋なので(それはそれで工夫が無い、のかも知れませんが)、気にせずにボーっとアクションを眺めてゆく分には大した問題ではないのかも知れません。  マイク・タイソンが出てきたり、ヴァンダレイ・シウバやら(何故か)ロナウジーニョやらが1シーンだけ出てきたり、キャストはある意味無駄に豪華ですが、やはり今作も出色はラスボスのモンクット役の彼でしょう。ストロングマンという力比べの世界チャンピオンだそうですが、2メートル200キロの体躯は正に圧巻のリアル・ゴリアテ、素直に「デケエッ」となること請け合いです。前作に引き続きそこはグッドだし、その部分には観て損が無いと言えるでしょう。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-10-06 22:07:38)
1204.  本当の目的 《ネタバレ》 
ひとつのお話としてそんなに観れなくはないものの、正直言って「だから何?」と言うか、テーマと言うかコンセプトと言うかメインディッシュと言うか、そういったもの(勘所)の存在感が希薄だと感じる。寒々しい演出・演技も悪くはなかったし、ヨーロッパ辺境の社会状況や情景を垣間見れるという意味での価値はあると思うが、個人的にはあまりピンと来なかった。そのうち再見するかも。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-09-18 00:43:08)
1205.  青い体験(1973) 《ネタバレ》 
男どもはとにかく揃いも揃ってバカばかり。特に主役の中坊のバカさ加減は深刻で、将来絶対ロクな大人にならないのを請け合ってもいい(いくら私でもこいつよりは多少マシだったろうと自信を持って言える)。しかし、肝心なお姉さんの方も決して聡明とは言い難い、というか、ほっときゃいいのにこのバカガキに付き合って張り合ってしまうのだよね(冷たく突き放さないだけある種優しい人なのだろうね)。本作に描かれるものというのは、おバカな男と女のマウントの取り合い、つまり、男を黙らせる一番手っ取り早い方法としてのエロ、という訳だ。  個人的には、主演のラウラ・アントネッリは見た目的には超タイプ。であるし、年齢も絶妙(いわゆる二十シッパチ三十凸凹、という乙なヤツですね)。地味に撮影は名匠ヴィットリオ・ストラーロで、よく見ると中々に凝ってる画づくりが秀逸、なのも相まって、女優の性的魅力というものは確かに出色にも感じる。しかしお話の方は前述どおり、ちょっとバカ過ぎて観ていてだいぶん苦しかった。映画としてはいい大人に勧められる作品とは到底言えないかと。  むしろ、実は子供向けなんじゃねーか、とも思う。観ていて唐突に思い出したが、私もこの映画中学生の頃観てましたわ(多分深夜に)。今作、中学生がコッソリ観る分には実は適切なエロさ加減かとも思う(というか、これぐらいで我慢しとけ、という)。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-09-16 21:30:06)
1206.  恐怖ノ白魔人 《ネタバレ》 
『恐怖ノ黒』シリーズのスピンオフ(嘘)。しかし、監督はあのバスティロ&モーリーなので、多少は期待できる、カモ?  そしてド初っ端のヴァイオレンスシーンは、どういうワケだかは全く分からないのはさておき幸先好くも中々の切れ味で、その期待は否が応にも膨らむ一方。しかし、結論的にはそこから1時間が全く面白くない。話の内容をぶっちゃけちゃうと、恐らくミュータント的な白い異形(実は6歳のガキ)が次々と人々を襲う、というだけの話で、意味のある内容という程のものは無いし、中盤はショックシーンも何故か殆ど無いに等しい(白ガキの襲撃シーンはあるが、肝心なトコロは省略されてて映されないというタイプの手抜き)。  それでもラスト15分くらいは、遂に正体を露にした白ガキ(何故か下半身も全開)が、これまたかなりの切れ味で暴虐の限りを尽くす(加えて白ガキの親父もこれをちゃっかりサポート)ので、最初と最後のヴァイオレンス要素に関してはそれなりに評価できなくもない。ポイントを絞って鑑賞すること前提で、一応のこの評価としておく。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-09-11 21:56:07)
1207.  湿地 《ネタバレ》 
複雑な過去の因縁と、キーとなる遺伝病をうまく絡めたメインのサスペンス部分は率直にそこそこ面白いし、そのお話が、アイスランドの寒々しい情景の中に陰湿に冷酷に描かれる空気感も決して全く悪くはない。だがしかし、そこまで「面白かった!」という程でもないかとも思う。特に、結構重い話なのに尺自体もごくコンパクトで、故に見応え・歯応えというものがやや物足りないかと。せっかく雰囲気を重々しくつくっているのだし、多少テンポを落としてももう少しエピソード膨らましてしっかり2時間にした方が良かった様にも思われる。  雰囲気という意味では、味気ないマズそうな食い物を随所で巧みに使ってたのが印象に残る(意外とよくある手法ではあるが)。特に、グレータルの死体を掘り起こしてみんなが「激臭っ!」てなってる直後に、張り込みの刑事がドーナツ頬張ってる画を持ってくる辺りはウマいなあと思った。  アイスランドならでは、という部分として(これがそうなのかは定かではないが)、ごくごく狭いコミュニティの話なのではないか、と思わせる様な描写が幾つか見られたかと思う。例えば、エヴァがエーレンデュルの娘なのをそこら辺のワルが皆知ってるだとか、オルンの母親も悪党三人組がルーナルの手先だと分かっていたり、とか(母ちゃん、そこまで分かってて何故ホルベルクに抱かれるのじゃ?としか言い様が無いが)。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-08-28 23:59:19)
1208.  よこがお 《ネタバレ》 
これは(悪い意味で)文学的な映画だ、と思いましたね。雰囲気の面からそれを評価するなら、最近とみに「怪演」続きの筒井真理子さん、今作でも優れた演技を積み重ね、この薄いラストシーンにそーいう少し奥行きの在る「意味」を持たせることには、そこはかとなくは成功しているのに間違いはありません。その部分では、マリコ姐さんに対し賞賛を寄せることには何らの惜しみもないです。  がしかし、率直に言ってこのラストは「詐欺」です。何故なら、これを「復讐」とかいう攻撃的な文句で宣伝していたからです。更に言えば、マリコ姐さんが異常なまでに思わせぶりだったからで御座います(かなり序盤から相当に変わった人物像のつくり込みで、なんか絶対にスゴイこと仕出かしてくれそーな雰囲気全開だったのに…)。そーいえば、本作では姐さんに加えて市川実日子・池松壮亮もこれまた相当に変人で、かつその人物像には誰しもリアリティが吹き込まれており、総じて演技面ではかなり面白い・見どころの有る作品だなあ、と思ったのですけどね。  とにかく、映像だけではあまりに呆気無い(小説とかなら多少マシになりそーな)この結末だけが、つくづく残念至極、というワケであるのです。
[DVD(邦画)] 5点(2020-08-24 22:40:50)
1209.  怒りのガンマン/銀山の大虐殺 《ネタバレ》 
マカロニ晩期とも言える70年代ものですが、随所で暢気な音楽も含めて、つくり自体はもっと古い時代のウエスタンを思わせるというか、年代も考えれば率直にややダサいです。リー・ヴァン・クリーフ演じるクレイトンにしても、少し勿体付け過ぎ、カッコ付け過ぎです。お話の構成要素もかなりオーソドックスで、かつそれホド展開運びも上手いとは言えません。クレイトンが何故フィリップに肩入れしているのかは終盤までサッパリ謎ですし(ラストまで観ると理由はチャンとあるのですが)、フィリップが生き長らえている唯一の理由であろう金鉱の場所の話も途中からどーでもよくなってしまっていたり、やや雑ですね。  ただ、流石に70年代ものだけあってアクションは西部劇としてはそこそこ派手な気もします(特に序盤とか)。あとラストの決闘も、これも極めてオーソドックスですが、ここは流石のクリーフだけあって緊迫感はまずまずで気持ち好く観終われたというか。結論、別にそこまで糾弾する程に出来の悪い西部劇、とは言えないと思います(個人的には、暇潰しには十二分でした)。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-08-23 04:28:27)
1210.  ベロニカとの記憶 《ネタバレ》 
なんかヒューマンな映画を勝手に想像していたのだが、本質的にはサスペンス、しかも、知らなくても好かったものを無造作に掘り起こしたことで自分の過去が自らに「復讐」する恐怖、を描いた作品であった。  その意味で言うと、オチが9割がた、と言っても好い様な作品かも知れない、のだが、その点についてその衝撃の結末つーのをイマイチ上手くハイライト出来ていない様にも思われる、という残念作ですね。とにかくまず老ベロニカ(ランプリング)が出てくるまでの前半は退屈に過ぎるし、そもそもこの前半で如何にベロニカという女性がミステリアスで魅力的だったかを描くべきなのに、それが正直全く上手いコトいっていないのですよ(若いベロニカ自体の描かれ方が浅すぎて)。満を持してランプリングが登場する中盤は、彼女の纏う絶品なミステリアス加減もあってここぞとばかりに盛り上がるのですが、ここから以降の後半は今度は主人公のジジイがとんでもなく不愉快な人物であることが分かってきて、またテンションがダダ下がっていってしまうのです。結論、あまり話に引き込まれることがないままネタばらし、でそっから先は蛇足、という感じで、率直に言ってイマイチですね。  ただ、演技面では主演男優は(キャラに魅力が無いことを差し引いても)エラく頑張ってるな~という点で見応えは在るし、何よりランプリングの最後の台詞、静かに怒り、呆れ果て、そして地獄の涯てまで突き放すかの様な「あなたには想像もつかない」は実に心地好くシビレました。相変わらず、怒りのシーンに大変にキレの有る女優さんでしたね。
[DVD(字幕)] 5点(2020-08-21 23:55:39)
1211.  さざなみ 《ネタバレ》 
私とあなたのふたりだけの人生、そこに唐突に第三者が割り込んできたら…そりゃ誰だって好い気はしない。しかも、よくよく聞いてみるとその女は、ずっと前から彼の人生に静かに、だが深く重く鎮座ましましていた、とゆーのだから、多少のジェラシーは自然な反応だろう。しかし、今作のランプリングは「それにしても」な大人気無さで、ちょっと観ていて愉快と言うには程遠い。特にラスト、これじゃあ、率直に言ってバッドエンドですよね?お話としても起・承・転で止まってしまっている様にも思われるし、結局描きたいのはこんなものなのか、とゆう様にも思われる。個人的にはあまり好みでない作品。  ただ私、もともとランプリング好きなんですけど、とりわけ今作ぐらいの年齢を重ねた感じが好きなのですよね。何故だろう?と考えた結果、遂に分かりました。老ランプリングは、私の敬愛する「アーセン・ヴェンゲル」に感じが似てるのですよ(知的な眼差しと枯れ具合が)。本作でようやっと、個人的な納得を得ることが出来ました。
[DVD(字幕)] 5点(2020-08-19 21:44:50)
1212.  バッドボーイズ2バッド 《ネタバレ》 
なんですか、前作の中途半端さを批判されたのを根に持ってでも居たとゆーのでしょうか、大物になったマイケル・ベイが、今作では「俺は娯楽映画については巨匠だ!観客の観たいモノをとにかく沢山ブチ込んでやるぜ!」→「入れられるモノがあんまり多すぎて尺も2時間半になっちまったぜHAHAHA!」とでも言ってるかの様な御大層ぶりですね(これを観ているとつまり、前作の中途半端さは予算的なコトに依拠する、と言えるのかも知れません)。  しかし、肝心な描かれるモノというのは、ハッキリ言ってどれも低俗の極みです。下品な下ネタの数々に、アクションだってひたすらに銃撃・爆撃・カーチェイスに次ぐカーチェイス(&転がって弾けるお高いお車)。アクション映画の価値とゆーのは、使った火薬の量と壊した備品の合計金額に比例する、とでも思っているのでしょーか。  まあでも、カメラワークは流石に随所でだいぶ凝ってたり、質より量なアクションも所々はそこそこ爽快ですし、少なくとも前作よりは少ーしマシかなあ、とも思います(尺が大幅に増えてるのにはかなりイラっとしますが)。ただ、大規模予算を与えてもこんなバカなコトしかやらないのであれば、小予算で頭を捻って貰った方が(結局のトコロ誰しもが)皆もう少し幸せだったりするのかも知れない、とも思いますケド。
[DVD(字幕)] 5点(2020-08-15 23:57:43)
1213.  わたしを離さないで 《ネタバレ》 
臓器を提供することだけが目的ならば、その体に魂は必要なのだろうか。ある種、人間としての存在意義を全て否定された彼らが、その命をどう生きたのか、というこの話を深く考察していくことは、個人的にはこれもある種、人間の存在意義のひとつの本質に迫ろうとする非常に意味の深い行為だ、とも思える。  そして本作は、SF的な状況設定を有する物語ではあるが、その方面の深掘りや整合性はさほど重視していない、という様にも見える。とするとやはり、前述の哲学的な面に意味を持った内容になっていることを期待してしまうのは、そこまで的外れなことでもないのではないか。だからとにかく残念なのは、率直に言ってこの映画では、そういった深く深く突き詰めた様な、と言える程の含蓄は殆ど感じられない、ということであるのだ。  原作を読んでいないのでアレなのだが、他のレビュアーの方の意見を拝見するに、原作も内容としては映画と大差無いが、原作者の優れた文学的表現の方に作品としての価値を見出せる、ということの様である。ナルホド、つまり文芸映画としては、非常に難しい方の道を選んでしまった作品、ということなのかも知れない。
[DVD(字幕)] 5点(2020-08-12 22:07:09)
1214.  最終絶叫計画 《ネタバレ》 
ホラーとコメディは紙一重、とはよく言われるコトであるが、色々と聞くに、これはシーンの構造の類似性に依るものだ、ということのよーである。即ち、恐怖と笑いはどちらも「緊張の緩和」だと。観客の目をスウッと引き付けて引っ張って、最後に観客にとって「意外な」ものをバーンと出してゆく。出すものの性質によって、それは恐怖(驚愕)になるか、笑いになるか、ということらしい。加えて、エロとホラー・コメディの親和性もこの観点から説明できるようにも思う。つまり、エロが挿入されると、人間どうしてもいっときの注意を奪われてしまうのですよ(哀しきニンゲンの性、ですね)。だからそこに、恐怖や笑いを仕込むのが非常に容易い、というコトなのではないかと。  『スクリーム』なんというホラーは、極めてシンプルな前述の構造を擁する作品であり、であるからして、出すモノ&出し方を少し変えるだけでかくも簡単にコメディになってしまう、と言わんばかりの本作ですが、マジメに考察しておいて少しナンですが、観てるコッチが恥ずかしくなるくらいにクソ下らないですよねこの映画。ここまでお下劣だと、これはホラーの中でも特に低級なスラッシャー映画に対するアンチテーゼ的な風刺的意図を含むものなのかも、なんぞと思ったり。  とは言え、私は本作、それなりに笑えました(笑ったというか、嗤ったというか)。こういう映画を無性に観たくなる、というタイミングも、少なくとも私の生活時間の中には確実に存在してます。はい。
[DVD(字幕)] 5点(2020-08-10 22:19:00)
1215.  遊星からの物体X ファーストコンタクト 《ネタバレ》 
SFホラーの代表的傑作である前作の前日譚という建付けだが、特にお話の方に新たなアイデアがあったというよりは、結果的にCG全開でもっと派手にクリーチャーを暴れさせたったぜ!という方面に力点が置かれた「リメイクに近いモノ」になってしまっている。個人的には、そのクリーチャーの出来自体は別にそんなに悪くもなく十分気持ち悪く観れるとも思ったが、今どきにしてはまま無難な造形だとも思うし、その部分を全て特撮で貫いたが故に今日でも損なわれることのない優れたリアリティと普遍的な怖さを勝ち得た前作に比べれば、根本的に映画としての「格」の違いを痛感するのである。  取り分け、全体的にテンポが良「すぎる」よーに思う。そのため、じわりじわりと「物体」が皮膚を侵食してくる悍ましさや、誰が敵なのか分からないという疑心暗鬼が画面を通して確かに視聴者自身の感覚の中に広がってゆくというその前に、クリーチャーがババーン!と暴れ出しちゃってる、という風にも感じるのですよね。SF(ホラーチック)アクションとしては全体的な映画の質も確実にB級レベルを超えてくるものであるし、特に前作を観ていない、という人であれば意外な程に結構楽しめるかも、とも思われますが、私個人としては相当にイマイチでしたね。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-08-06 21:57:13)(良:1票)
1216.  首だけ女の恐怖 《ネタバレ》 
珍品である。が、映画としての質はどう控えめに言っても低レベルで、演技経験があるのか非常に疑わしい主演陣に加え、無駄が多くて冗長な展開運び、特撮も極めてチャチだし、特撮シーンになると8mmビデオの様な超絶低画質に切り替わるなど、あまり他の映画では見かけない様なチープさが全編に行き渡っている。もう一点、私の購入したDVDは英語吹替版で、この吹替の質も非常に低いと言わざるを得ない(声の質感が映像とまるでアンマッチで完全に浮いている)。  展開運びで特に酷いのが終盤で、主役(男)の別れた恋人が唐突に登場して憤死したり、絶体絶命のピンチ!にこれまた唐突に大戦士ギデオカなるエセ月光仮面(顔出し)が出て来たり、ゴタゴタと戦っていたのに朝日が出たら黒魔術師(ラスボス)はギャー!と溶けてしまったり(時計見といてよ)、主役(女)は結局助かったのかどうかも定かではなかったり、結構頑張って観てきたのにこんな終い方?感がハンパではない。  ただし、こういうゲテモノとも捉えられかねない現地の伝承をこーまでド直球に映像化したという点については、それでも非常に好感が持てるのである。こーいうのこそが独自文化なのであり、文化的レガシーなのだと。その物珍しさは、こうしてこんな映画が世界中で観られるほどにきっと価値のあるものなのだし、そうした伝承を次世代に伝えていくという意味でも、本作は価値のあるものにきっとなっている筈だ、と思う。
[DVD(字幕)] 5点(2020-08-02 11:36:44)
1217.  ザ・ボーイ ~人形少年の館~ 《ネタバレ》 
人形に霊が宿っているのかいないのか、という肝心な点を、そこそこ巧みにどっちつかずなまま展開していき、クライマックスで「実はオカルトじゃなくてスリラーだよ!(ババーン)」となるメインの仕掛けに関しては、伏線の張り方もそこまで悪くなく、まあまあビックリできると言えなくもない。しかし、何より腑に落ちないのは、息子を普通に匿っているなら何故生き人形をつくる必要があったのか、というそもそもの部分であるし(心の病を装って色々と誤魔化そうとした、とゆーことかも知れないが、でもあの屋敷マルコムくらいしか来ないやん、と)、そしてもう一つ、オーラスの「あなたは人形なのよ」的なオチ?の部分も、ハッキリ言うがまるで意味不明である。  そこに加えて恐怖描写も凡庸極まりなく、ホラーが観たくて観た場合には正直肩透かしを喰らう様なレベルだとも言える。ただ、所詮B級ホラーにあまり高い完成度を求めるのも詮無いことか、とも感じる。メインの仕掛けがある程度アイディアなことも踏まえ、あくまで暇潰し程度にはギリギリ使えなくもないだろう、という所かと思う。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-07-26 18:03:17)
1218.  フェブラリィ -悪霊館- 《ネタバレ》 
結論から言えば確実にホラー(悪魔憑き系)なのだが、中盤のだいぶ深くまで(残り30分くらいまで)かなりサスペンスに寄った内容である。と言うか、謎を色々と残して進行していくけどあまり大したことが発生しない、くらいな感じで、正直結構に退屈。  かつ、特にその前半は説明描写が不足+あっても非常に分かり辛く、何が起こっているのかもイマイチ伝わらない。残り30分の種明かしを受けて、前半の描写も後から分かってくるとも言えるが、正直もう一回観よう、という気にはならない程度の出来でもある。重ねて、前半が(少なくとも私には)ちょっと辛すぎた。凄惨な殺人描写にはそこそこ見応えがある。あと主演のルーシー・ボイントンはかなり可愛かった。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-07-26 15:36:47)
1219.  フルスタリョフ、車を! 《ネタバレ》 
こ、これは中々、難解な…流石ロシア………  舞台設定・登場人物は明確で、スターリン末期の1953年2月、混迷深いソ連において、反ユダヤの陰謀に巻き込まれるひとりの将校(軍医少将)が主人公という。しかし、実際の展開運びは意味不明もいいトコロな代物で、解説が無ければほぼ解読不能というレベル。これならいっそ、中途半端にストーリー(らしきもの)が無い方がむしろマシなのではないかと思わせるホド(ストーリーを追うことが無意味ならば、そうだとハッキリ言ってくれれば無駄な努力もせずに済むのだから)。  作中に盛り込まれる演出のモチーフも多様で異様、かつどれもアンマッチである。ひとりでに開く傘、火吹き芸、理由も分からないままに勃発する取っ組み合いの数々…しかし、台詞回しからカメラワークに至るまで各シーンの実際のつくり自体は非常に綿密、かつ確信的であり、何らかの強力なモチベーションに裏打ちされたものであることだけは十二分に伝わってくる。監督にとっては、今作も会心の出来と言ってよい作品なのだろう。満を持して出品された1998年のカンヌでは、審査員長のスコセッシをして「何が何だかわからない」と言わしめたらしいケド。  ちなみにこの風変わりなタイトルは、終盤に実際の台詞として登場する(ただ別に、これも全然重要な台詞でも何でもないんですけどね)。
[DVD(字幕)] 5点(2020-07-23 22:59:01)
1220.  サンゲリア 《ネタバレ》 
昨今のヴァイタリティ溢れるゾンビを見慣れた身からすると、フルチのゾンビというのはやはり少し方向性が違う、という風に思う。結果的にゾンビ映画というのは「人が人を喰らう恐怖」「その属性が感染していく恐怖」を尖鋭化する方向に進化していった様に思われるが、フルチのゾンビは単純に「死んだ人間が動く」ということの恐怖を最前面に押し出している。要は、死体って気持ち悪いし、それが動いたら尚更気持ち悪いでしょ、ということだが、その分、グログロに腐り果てたフルチのゾンビはもはや動くのもやっと、というモタモタ加減で、その意味でも今現在これを鑑賞すると、ある種の「オツ」な味わいを感じ取れるとも言える(偶にはこういうのもイイかも、的な)。ただ、結局のところそれは恐怖描写の中でも最も低級というか、本質的にはただ「見た目が気持ち悪い」ということに留まるものであり、進化の方向性としては底が浅く、あまり後続が続かなかったのも然もありなんと言えるのだろう。  とは言え、目に一杯にミミズを湛えた腐敗ゾンビのインパクトなどは確かに凄まじく、その他のグロテスク描写の切れ味も中々で、本作がかつてヒットしたのは重々納得できるクオリティだと言える。加えて、後続のフルチ作品に比べれば展開運びも(極めて陳腐ながら)ある程度筋の通ったものであり、観易いか観易くないかで言えば確実に観易い。フルチ入門としてはある意味完璧な作品だと思う。
[DVD(字幕)] 5点(2020-07-17 00:42:46)
040.25%
1120.74%
2191.18%
3905.57%
420312.57%
528017.34%
637423.16%
732320.00%
823314.43%
9704.33%
1070.43%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS