121. しあわせの百貨店へようこそ
1959年オーストラリアが舞台。想像とは違い百貨店従業員3人のプライベートが描かれています。風景、街並み、店内装飾、全員の衣装、それぞれの美しさがイメージとはまるで違うオーストラリアで目を奪われます。開店時ピアノの生演奏で客を迎え入れるなんて「まぁ、素敵」 3名のエピソードは穏やかなものでありながら、移民事情を始めとする価値観の多様さを考えさせられる脚本が上質です。 脚本も兼ねたブルース・ベレスフォード監督の良作を堪能しました。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-08-20 16:51:34) |
122. 美しすぎる裸婦
《ネタバレ》 フランス映画にはこの手の作品が沢山あれどロシア映画というのが興味深くて鑑賞。冒頭の協賛ロシア文化庁というのに「1点2点作品ではないよね」期待を持ちました。ロケーション、室内装飾、音楽、それぞれの美しさが素晴らしい。そしてモデル役のまさに美しすぎる顔立ちに目を見張ります。写真家がジェレミー・アイアンズ似のアラフィフなのに、女学生フルヌードを前にしても濡れ場が一切無かった(激驚)というのは文化庁のプライドなのでしょうか。テレンス・スタンプ「コレクター」ばりの展開で、聞こえない話せない彼女に対して芸術の名の下に限りなくエスカレートする彼の撮影模様に文化庁恐ロシアを感じるところです。上がり続けるバイオレンス度に最悪を予想した結末がトーンダウンしたところが惜しいものの、画面に釘付けにさせられた良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-08-16 01:35:00) |
123. 恐怖ノ黒電波
エルドアン体制への批判のような、「1984」ディストピアの世界観が感じられはするのですが。よさそうな題材を演出が台無しにしています。黒電波の怖さは皆無で全編に亘る黒液体のヒタヒタ感も怖さは最初だけ。単調さもさることながら個々のシーンのトロ臭さが堪らない。長過ぎた115分間ハズレ感をイやと言うほど味わった愚作です。 [DVD(字幕)] 2点(2021-08-15 21:15:01) |
124. 私は確信する
《ネタバレ》 2000年にフランスで起きたヴィギエ事件の映画化。妻殺しの容疑をかけられた被告の無罪を勝ち取るべく奔走するシングルマザーであるノラ(彼女だけ架空の人物)が描かれています。被告人との関係が「息子の家庭教師の父親」というだけで、幼い息子や職場に対する責任を放り出してのめり込む暴走には嫌悪感しかありません。ましてや一審の陪審員だったなんて。ドラマの盛り上げ役としても呆れるキャラクター。実際そうなのかもしれませんが、被告は全編通して座っているマネキン状態で重要な立場でありながら意味ない存在なのも盛り上がりません。遺体が無く失踪かもしれない、犯行動機が無い、何時何処でどうやっても不明、それでも控訴までする検察とメディアのセンセーショナルな報道。この部分に見所を感じました。今まで全てこのシーンまでの前振りかと思わされた、唯一良識ある弁護士の最終弁論が聞かせます。結末もカタルシス無く、気の抜けたビールのような作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-08-15 02:24:25) |
125. ピアッシング
殺人願望のある男 VS 自殺願望のある女 客と娼婦の間柄を超えた絡み合い。女がキチ〇イ過ぎて小汚い映像共々耐性の無いワタシにはついてゆけません。原作 村上龍に、こんなのも書いてるのかと呆れるところです。 [インターネット(字幕)] 1点(2021-08-04 22:39:13) |
126. ザ・スクワッド
加齢が著しいジャン・レノ(67歳)のこういう役どころは観ていて痛々しい。かといって人間的な深みも本作では見受けられず。彼に取って代わってアルバン・ルノワールの活躍が目立っていました。手抜きの基礎工事(脚本)のせいで、派手な建物あっという間に崩壊な安い作品です。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-08-04 16:16:05) |
127. すばらしき映画音楽たち
先日の音響製作とは違って大御所の方々の音楽製作はとっつきやすい内容でした。大御所が「ハイ、出来た」と完成させるのでなく、事細かな打ち合わせで内容を突き詰めている仕事ぶりが印象に残ります。 余談ながら、 今パッと思い浮かぶ作曲家と作品は エンニオ・モリコーネ 夕陽のガンマン ハンス・ジマー ブラックレイン ヘンリー・マンシーニ ひまわり ジェリー・ゴールドスミス パピヨン・チャイナタウン ビル・コンティ ロッキー ジョルジュ・ドルリュー わが命つきるとも エルマー・バーンスタイン 大脱走 モーリス・ジャール アラビアのロレンス ニーノ・ロータ 太陽がいっぱい ジョン・ウィリアムズ インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 フィリップ・サルド 離愁 本多俊之 マルサの女 (順位不動) 映画音楽万歳。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-08-04 10:37:09) |
128. パブリック 図書館の奇跡
《ネタバレ》 私的に、図書館=本を借りる場所、本を読む場所。なので、ホームレス面々の歯磨き等の姿にドン引き。 鑑賞後に知った、公共図書館のホームレスが利用する事に対しての消極的な立場と、積極的なサービスを提供するという二つの立場に別れているというのは初耳でした。 エミリオ・エステヴェス、アレック・ボールドウィン・クリスチャン・スレーター・ジェフリー・ライトの手堅い演技は派手さはないものの魅せてくれます。しかしながら、作中から大寒波襲来が感じられず一晩泊めてくれという騒動に逼迫したものが無く今一つ惹き込まれなかったのが残念。全裸になる必要を考えてみても分かりません。 施しを与えるだけでなく、「食うために働く」その意志を後押しする環境を整えるのが立法司法行政のおしごとに思えます。 [DVD(字幕)] 6点(2021-08-04 02:37:23) |
129. エンド・オブ・ステイツ
《ネタバレ》 エンド・オブ・キングダムに続いての鑑賞。体にガタがきているマイク・バニング、濡れ衣を着せられる、父子の絆、ベタながらも「脳筋フェスティバルにはしない」意思を感じる脚本の頑張りが微笑ましい。この親にしてこの子ありのクレイ・バニングを演じていたのがニック・ノルティだったとは分からなかった。健在ぶりが嬉しいところです。今作の大統領はモーガン・フリーマンで守り甲斐のある人物。ドンパチ模様に魅入るところがありました。努力作です。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-08-03 01:05:12) |
130. エンド・オブ・キングダム
ロンドンを舞台にマイク・バニング、アッシャー大統領コンビの大立ち回り一大絵巻。リアリティのカケラもないストーリーでの害虫駆除のように殺しまくる姿はサイコパスそのもの。守られるべき大統領も逞しい身体能力で乱射するのが何ともはや。絶対安全緊迫感ゼロの二人を半笑いで眺めていました。何一つ考えないぶんにはストレス発散になるかも。トランプ前大統領がお好きそうな作品ですかね。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-08-02 12:03:22) |
131. ガーンジー島の読書会の秘密
《ネタバレ》 ナチスに向ける敵意、ドイツ人男性とのロマンス、命を落としたのはアカの他人を救おうとしたため。エリザベスの自分に正直な(過ぎる)生き方は真似の出来ない頭が下がるもの。読書会は抵抗運動のシンボルなのかとの予感は大ハズレで、その時代にその場所で生きた人々の姿が淡々と描かれています。地味だけど会のメンバーの心情が浮かび上がる落ち着いた良作です。リリー・ジェームズのロマンス模様はステレオタイプで可も無く不可も無く。往年の神経質なキャラが印象深いトム・コートネイ(81歳)は、地味な役柄であっても年季を感じさせるお姿で本作の収穫です。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-07-27 13:23:21) |
132. 天才作家の妻 40年目の真実
《ネタバレ》 この邦題は意味不明なもの及び詐欺的なものとは違い内容がほぼほぼ分かってしまうという点が悪質、要猛省! 予想そのままの展開で豪華俳優ながら盛り上がるところもなく、とってつけたかのような結末もテンション下がるばかり。ノーベル賞という大きな舞台でありながら、ちっちゃな話に萎える作品です。 [インターネット(字幕)] 5点(2021-07-25 10:27:07) |
133. バクラウ 地図から消された村
市長 VS 村人達。血しぶきたっぷりの暴力描写にSFテイストとゴテゴテ飾り付けられていますが、脚本がゼロなのでゼロに何を掛けてもゼロ(お目当てウド・キアの存在も然り)で退屈の極みでした。批評家諸氏から絶賛されて映画賞多数受賞というのに10000へぇ。 [DVD(字幕)] 2点(2021-07-24 18:39:52) |
134. 赤い闇 スターリンの冷たい大地で
《ネタバレ》 スターリンによるウクライナ人大虐殺。死んだ兄の肉を口にしている幼い子供達の虚ろな姿は、外貨獲得目的で食糧を取り上げる手口の鬼畜ぶりが極まるものでした。現地潜入し惨状を伝えようとする青年記者(報復により29歳で死亡)とピュリツァー賞受賞者でありながらスターリンの御用記者(天寿を全う)の姿に、真実を正しく伝える尊さと難しさを見せつけられます。ジョージ・オーウェル、エイダとのロマンスなど詰め込む事で展開がモタついて集中できなかったのが残念なところです。 [DVD(字幕)] 4点(2021-07-24 01:52:45) |
135. ようこそ映画音響の世界へ
映画鑑賞で意識した事がなかった(恥)音響編集。その重要性がよく分かる勉強になった良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-07-23 03:47:46) |
136. 日日是好日
茶道の奥の深さに圧倒されます。素敵ですが敷居が高くてガサツな私には手が出ません。ただ、ガタガタゴチャゴチャ理屈こね回してマウント取り合い吠えたててヘンな湿疹が出てしまう身も心もカサカサに荒れた時にこそ、「考えずに感じる」ひとときを過ごすのが有効だと思わされた樹木希林さんの姿でした。この国が持つ潤いにも考えが及んだ秀作です。 [インターネット(邦画)] 8点(2021-07-08 19:05:28)(良:2票) |
137. HARAJUKU CINEMA
20分程観て寝ようと考えていたのですが最後まで目が離せませんでした。アラ還で若い頃からメイクやファッションに興味を持たない身なので、彼女たちをチャラい、脳天気そう、と思うはずなのに、文子に拒絶反応が出なかったというか、一語一語絞り出しているようなポツポツとした喋りに懸命に生きているのを感じ惹き込まれたのは我ながら不思議です。彼女だからこそ弱っている者たちも癒えていったのだろうと思います。掘り出し物の一品。 [DVD(邦画)] 7点(2021-06-16 02:20:43)(良:1票) |
138. Plastic Love Story
愛されても愛せない、愛されなくても愛する、古今東西語られる物語。23歳監督が描く世界は詰め込み過ぎな感があり、もう少しだけ肩の力を抜いたらと思わされるものがありました。 [DVD(邦画)] 5点(2021-06-13 00:25:20) |
139. ツレがうつになりまして。
ツレの支えになる堺雅人を想像していたのでちょっとびっくり。幹夫が布団を被って泣いている姿に12年前の具合悪かった自分を思い出します。1年ほど苦しみましたが「映画」のお陰で医者にかかる事無く薬に頼ること無く回復出来、5年前の2度目の危機を救ってくれたのも「映画」で前回と違い家族に迷惑かける事無くすみました。堺雅人は良い役者さんです。 [DVD(邦画)] 6点(2021-06-10 16:04:47)(良:2票) |
140. ミッション・ワイルド
この時代のアメリカは大変だったと言いたいのでしょうが辛気臭さの極みで、意味不明なストーリーを分かろうとするのを諦める。登場人物全員に対して(鑑賞目的のジェームズ・スペイダーに対しても)感情が湧かない。ジョーンズさんの独り善がりに思えた、凡作愚作駄作とは種類の異なる残念な一品。 [DVD(字幕)] 2点(2021-06-06 01:45:35) |