121. ふたりのイーダ
《ネタバレ》 子供心にくっきりと刻まれた忘れがたい一本です。映画館で衝撃を受けた、初めての経験だったと思います。イーダを待ちながらことこと独りで動くイスが哀れで泣きたくなったし、15日で止まったままの日めくりカレンダーの意味するところを知って辛かった。スクリーンから暑い陽射しが伝わってきてあの日の広島はこんなに晴れていたんだろうか、と後々になっても史実と映画の記憶が混ざってしまうほど鮮やかな映像でした。イスの最後が映画ではとても悲しいのだけど、友人から借りた原作ではラストはだいぶ趣きが違っていて、「あ こういうのもありなんだ 良かった」とちょっと救われたのを覚えています。 [映画館(邦画)] 8点(2012-05-22 00:02:20) |
122. サブウェイ・パニック
《ネタバレ》 これ面白かった。この無骨な雰囲気、この音楽(ど、ど、ど、どん、ぱらら~)ああ70年代サスペンスのわくわく感!W・マッソーがいい味出してること。ヘンなチェックのシャツに冗談みたいな黄色いネクタイ下げて、犯人に泣きついたり悪態ついたり。「現金到着!」とかましたのにはシビレた。おやじぃっ。CG不使用のカークラッシュの迫力も満点だし、余興で出てきたみたいな日本人団体もちょっと笑わせてくれるしで見所満載。そしてなんといってもラスト。「ぶぇっくしょん」「お大事に」がちゃっ。うわーっ粋だなーっお見事! [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-09 00:56:41) |
123. がんばれ!ベアーズ
スポーツコメディーの定番な展開ながら、ダメチームが数々の障害を乗り越えてガンバル姿はやっぱり楽しいな。口のへらないアメリカのガキどものキャラ立ちが見事。なかでもやっぱりテータム・オニール!“持ってる”子はなんだか纏う空気まで輝きが違う。12歳の子にすっかり魅了されてしまった。大人どもがマジになって大人気ないのも洋の東西問わないんだなー、と可笑しい。よし、みんなー、野球やろうぜ。バイクを捨ててバットを握るんだ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-28 17:22:25) |
124. グッバイガール
《ネタバレ》 気の利いた台詞の応酬がいかにもN・サイモンらしい、コミカルなドラマ。ヒロインはオーディションに落ち続け、リチャードは初公演を散々に叩かれ。生活にドラマチックな成功をもたらさないリアルな感じもまたN・サイモンのシャープなところ。でもこの地道な普通の生活が愛おしく感じられると、N・サイモンの魔法にいつの間にかかかっているのです。 [地上波(吹替)] 8点(2012-04-04 01:38:05) |
125. ガルシアの首
《ネタバレ》 主人公の傍らにある麻袋、蝿がたかってるあの袋、あんなオッソロシイ物見たことない・・。メキシコの乾いた砂埃が舞う中、銃撃戦がんがんで人が死ぬ死ぬ。しかしながらあの袋の放つ脅威には及ばない。強烈な不衛生感と生理的恐怖でこんなにも体力の奪われる映画も珍しい。 [ビデオ(字幕)] 7点(2012-04-04 00:28:12) |
126. 今のままでいて
メロメロドラマです。ナスターシャ・キンスキーとマストロヤンニじゃなければ多分観てないなあ。ただもうキンスキーが美しいです。ばしばし出てくるセミヌードの均整の取れてること、色の白いこと陶器の如し。彫像のような彼女のおかげでちっともヤラしくならず、ふわーんと時間が過ぎてゆく。眼福でございます。 [ビデオ(吹替)] 5点(2012-03-24 02:21:00) |
127. オリエント急行殺人事件(1974)
おおー、娯楽作品には違いないけど、文芸作品のような気品を感じる。そうそうたる面子の発する大物オーラのせいなのか、豪華な車内の調度品が醸し出すのか。映画だものね、2時間そこそこしかないのでトリック崩しが忙しいのはちょっと残念。探偵が全員を集めて真相を暴かんとするクライマックスはお約束のぞくぞく感。待ってましたー。「犯人はこの中にいます!」と言ってもらえれば理想だけど、それは別のお話に譲るとして。 [地上波(吹替)] 7点(2012-02-28 00:46:27) |
128. ルパン三世 カリオストロの城
絵の美しさといい滑らかさといい、アニメとしての完成度が高いのには異論ございません。ほんとに今さらですけど、なぜルパンを使ったんだろう。お姫様を助けるのなら未来少年コナンくんとかラピュタのバズーでも良かったんじゃないのかな。いやその方が。あと少女に過大な幻想を抱いている監督の趣味の集大成みたいなクラリスが私はだめで、ほんとにだめでルパンをおじさまと呼ぶくだりには気恥ずかしさのあまり悶絶してしまうんだ。 [地上波(邦画)] 7点(2012-02-25 12:34:37) |
129. ピクニックatハンギング・ロック
《ネタバレ》 美少女メリンダと、一世紀前のクラシックなレース飾りも優美な衣装が鮮烈に印象に残る。あの白いひらひらが、幻想感を一層際立たせるんだろうな。白いひらひらをまとった少女たちと神隠し。不謹慎ながらぞくぞくするシチュエーション。実際の事件ながら、真相を探す推理的な要素がほとんど無いってことはこの監督もやはり「ぞくぞくする感じ」に魅せられたのでしょう。翻って幻想の欠片もない、シビアで冷酷とすら感じる女校長の視点も極めてリアル。こんなんだろうな、どうせと思わせる。うっとりしたり、目が覚めたりが交互にやってくる映画。 [ビデオ(字幕)] 7点(2012-02-20 18:07:37) |
130. 未知との遭遇
意外といろんな解釈が飛び交いそうな一筋縄でいかないお話でびっくり。楽しい娯楽大作、ではないのですね。映像は今この時代でも絢爛で、マザーシップ登場でウチのテレビがびかびかと光り輝いた時はちょっとおお、とのけぞったほど。当時映画館で観れていれば、さぞ強烈な思い出になっただろうと思われる。五音の旋律でコミュニケーションを取ろうとしてるけど、どういう意味があるのか判然としないまま打ってるのが心許ないよお。母船の中の会話が漏れて、「直帰って書いといて」とか「つぶあんにしとけば良かった」とかいう意味だったらどうするんだ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-07 01:50:29)(笑:1票) |
131. 特別な一日
《ネタバレ》 名優マストロヤンニとS・ローレンの二人が見せる、ほんとにたった一日の出来事。男と女の邂逅と、互いの孤独が溶け合ってゆく様を切り取ったこれぞドラマ。背景に流れるのは常に孤独の影。見るからに疲れた主婦然としているS・ローレンと、何かを抱えているマストロヤンニ。ラジオから流れる喧騒で かえって取り残されたような人気のないアパートの一室の寂しさがしん、と際立つような。男が連行されるのは決まっていたこと。特に「何も起こらなかった」一日。なのに心に焼印のように残った一日。なんだろう、この衝撃は。こんなに静かな映画なのに。 [ビデオ(字幕)] 9点(2012-01-30 17:53:10)(良:1票) |
132. ロンゲスト・ヤード(1974)
《ネタバレ》 そうか、単純にスポ根ものとして観れば良かったのか。便利屋の彼の件がほったらかしだし試合に勝ったその後は?と気になってしまったんだが。もっとこてんぱんに所長をやっつけてほしかった個人的には。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-01-22 17:01:15) |
133. スター・ウォーズ
問答無用の娯楽映画の金字塔でしょう。修学旅行で買った木刀をライトセーバーに見立てて構えを練習し、ダース・ベイダーの「すこーぱー」音を物まねしていた馬鹿女子だった身には、この映画に好意しかありません。 [映画館(字幕)] 9点(2012-01-17 13:06:17) |
134. クレイマー、クレイマー
《ネタバレ》 この映画が良いのは、徹底して子供を愛しているから。子供が傷つく映画は辛いばかりだ。お父さんもお母さんも、この子を愛してる。親権をとられたD・ホフマンの横顔と上手に焼けたフレンチ・トースト。いや切なかった。 [ビデオ(字幕)] 8点(2012-01-10 01:43:54) |
135. ブルース・リー/死亡遊戯
ブルース・リー、愛されてたんだなあということはひしひしと伝わりました。 ぬんちゃくの武器としての有効性にはなはだ疑問を抱いたのですが。最後蹴ってたし。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-12-27 16:20:10) |
136. スティング
一昔前のスターってなんでこうみんな顔に深みがあるんでしょう。美醜の問題ではなく、美女が一人もいないのに男も女も端役もいい顔揃い。いわば顔の厚みに寄りかかって安心して観られる心地よさ。仕掛けの大掛かりなことに心奪われ、はらはらし、大団円でほこっと笑う。けだし名作。 [映画館(字幕)] 8点(2011-12-27 02:13:59)(良:1票) |
137. ノスフェラトゥ(1978)
疫病を恐れて静まり返った夜の街。石畳の上をマントを翻して走る吸血鬼の白い頭がぼうっと光ってなんともシュール。怖いような気もするんだけど、クラウス・キンスキーの白塗りがどうかすると『ひょうきん族』っぽく見えてしまったのが敗因で怖がれず。不真面目さがここで出た自分に立腹。 [地上波(字幕)] 6点(2011-12-20 00:14:02) |
138. ドラゴン危機一発
初めてブルース・リーを鑑賞するのに、これはなかったな・・。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-12-12 00:31:49) |
139. エイリアン
79年当時でこの映像技術・・、凄いなあ。初見の時「あ、宇宙船の中ってこんな風なんだ」と素朴に信じたくらい凄い。パイプが何本も交錯する機関室や船体爆破装置の重厚感に心奪われる。無駄を一切廃したスリリングな展開のシャープなこと。S・ウィーバーの男らしさに惚れ惚れ。猫の目を通して凄惨な場面を想像させたり、遠隔地のビーコンで恐怖を煽る手法も未だに新鮮で粋(?)。グロすら芸術の高みに昇華した、唯一無二の正に名作。 [映画館(字幕)] 10点(2011-11-27 16:33:50)(良:1票) |
140. パピヨン(1973)
前半までのエピソードだけで2時間弱でまとめてくれれば、満点の脱獄劇。マックィーンの不屈の精神に圧倒され、D・ホフマンとの深い絆に心揺さぶられ。不可解な原住民が登場するあたりから、緊迫感に急ブレーキがかかった感じがして戸惑った。実話に忠実に制作したんでしょうが・・。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-19 01:10:57) |