141. ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録
《ネタバレ》 待望のブルーレイ化に伴い、初鑑賞。淡々としたドキュメンタリー映画に仕上げているのは、コッポラの妻ができるだけ私見を排除しようと努力したからか。映画作りにひたむきな夫と、そこに襲いくる災難を時系列に沿って語る。「地獄の黙示録」好きには堪らない苦労と興奮。そして何よりも、戦争に対する疑念と、芸術の探求から生れる映画作りへの情熱が描かれる。撮影時のブランドは単なるワガママスターだったと誤解していたが、演技に対するこだわりと迫力がある。今後、ここまで作り手の全てを捧げる映画が作られることはあるのだろうか。「地獄の黙示録」こそ、ホンモノにして最後の映画だ。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-12-18 00:07:14)(良:1票) |
142. リカウント
《ネタバレ》 社会派の題材だが、冒頭から惹きこまれた。面倒な説明を極力省いて、票の集計に係る攻防をスピーディーかつ緊張感を保って描いている。ケビン・スペイシーを始めとした役者も実力派ばかりで、違和感のない仕上がり。それにしても、あんなに穴だらけ不正だらけの票集計で大統領が決まるものなのかと、衝撃を受けました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-12-08 11:32:47) |
143. パピヨン(1973)
《ネタバレ》 やや冗長なシーン部分はあるものの、主演2人が画面にいるだけで惹きつけられる演技、手に汗握るストーリー、南国と監獄の対比による美しい映像。最近の映画はキレイすぎるなと残念に思うくらい、粗いながら熱く力強い傑作です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-26 21:12:38) |
144. ハドソン川の奇跡
《ネタバレ》 思った以上によくできた映画だった。ベテラン機長が、両翼のエンジンが止った旅客機を、とっさの判断でハドソン川に不時着させ、全員を救った。この短く明確なよく知られたストーリーに対して、余分な肉づけをすることなく、心揺さぶられる完成度の高い作品に仕上がっている。機長の判断が正しかったのかというサスペンスとその葛藤とともに、NYに残るアメリカの良心をくっきりと浮かび上がらせている。トム・ハンクスもハマり役。 [映画館(字幕)] 8点(2016-10-22 17:20:14) |
145. クリード チャンプを継ぐ男
ロッキーに思い入れはないし、シリーズをすべて見ているわけでもない。スタローンも苦手。それでも、この映画には始めから最後まで惹きつけられた。良作。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-09-24 10:04:59) |
146. Dearダニー 君へのうた
《ネタバレ》 飲んだくれの老ロックスターが、一枚の手紙をきっかけにこれまでの人生を変えようと一念発起、疎遠の息子に会いに行く。息子との和解や息子家族との触れ合いは安定の展開で進むが、最後まで我が道をいく主人公アル・パチーノの独壇場でとても楽しめた。マネージャーが水を飲む理由や、病院の先生の第一声など、随所に練られたエピソードが盛り込まれているのもうれしい。パチーノはもちろん、ベニングとプラマーも役に合った魅力を発揮しています。 [DVD(字幕)] 8点(2016-09-22 10:02:09) |
147. ザ・ウォーク
《ネタバレ》 飽きない展開ではあるけど、物足りなさも多い。WTCを綱渡りするところがメインになっていて、主人公のバックグランドは割と薄い。もっと、綱渡りをするに至る葛藤とか周囲との関係をドラマ性高く描いて欲しかったなぁ。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-09-19 19:40:27) |
148. スーサイド・スクワッド
《ネタバレ》 いろいろ残念な作品。敵として魔女が出てきた時点でかなり冷めてしまいました。腰をクネクネして空になんか作っているけど、強いのか弱いのか不明。瞬間移動はできるけど、まったく活かされてないし、弟は爆弾で吹き飛んでいなくなるし。設定はあってないようなものです。 肝心の自殺部隊はそれぞれの個性を紹介するので精一杯。ジョーカーとハーレイ・クインの関係は本筋と関係ないから、思いっきり映画の流れをジャマしています。アメコミの設定は知りませんが、敵役を最狂ジョーカーにして、そこにワルだけど少しまともな悪党たちが立ち向かう設定にして、かつハーレイは複雑な立場、みたいな落とし処にした方がシンプルでおもしろくなったと思います。ウィル・スミスに悪党感ないですし。 [映画館(字幕)] 3点(2016-09-11 22:02:38) |
149. ゼロの未来
《ネタバレ》 ギリアムの世界が好きな人には堪らない仕上がりの作品。「ブラザーズグリム」「Dr.パルナサスの鏡」と、個性的な世界観にCGアートを少しずつ取り入れてきたギリアムにとって、今作は従来の古典的美術とCGをうまく融合した作りになっている。妙に発展しすぎた世間に馴染めない主人公が、ゼロを追求するうちに愛と友情を知り、世の中と区切りをつけて終には恐れていた無に自らを投じるという展開は、抽象的ながら涙を誘う。分かりやすくしたら「12モンキーズ」になるのかもしれないけど、今作はギリアムに馴染めない人には退屈だろう。ギリアムも既に75歳、この先誰にも作れないだろう世界観の映画を1本でも多く作ってもらいたい。 [DVD(字幕)] 8点(2016-08-14 21:10:34) |
150. ラブ&マーシー 終わらないメロディー
ビーチボーイズやブライアン・ウィルソンにそこまでの思い入れがない人には、イマイチな映画。有名なアーティストの伝記映画は、スターになるプラスと、落ちぶれるマイナスがあって、その後の展開を含めておもしろさがある。近年だと「ジャージー・ボーイズ」。その点、今作はプラス場面がオープニングにまとめられてしまっていて、あとは単なるモノマネ映画。映画的なドラマ性に欠けていて、当人をよく知らない人はよく分からないまま物語が展開してしまう。ヒット曲は知ってるけどあとは・・・っていう人に対する配慮はない。主役ってエリザベス・バンクスなの?っていう印象しか残らない。 [DVD(字幕)] 4点(2016-08-14 20:47:31) |
151. ミケランジェロ・プロジェクト
《ネタバレ》 第二次世界大戦末期、ナチスの収集した美術品の奪還作戦に賭けた文化人たちの姿を寓話的に描いている。戦争を背景にしながら、深刻になりすぎないタッチで撮るのは難しいのか、今作もテーマが統一されていない中途半端さがある。一方、豪華な俳優陣を迎えて、ユーモアと緊迫感にほろっとさせる場面を一定に織り込んだ演出は、飽きることなく楽しめる作りになっている。 [DVD(字幕)] 5点(2016-07-21 09:42:51) |
152. ブラックハット
《ネタバレ》 夜景に浮かび上がるネオンにパソコンの光。マイケル・マンらしい大人の映像は健在。ただ、映画としての盛り上がりや緊張感はイマイチ。特に香港を出てからは単なる復讐に走っている違和感が強く、物語の着地点もすっきりしない。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-07-21 09:34:25) |
153. インデペンデンス・デイ: リサージェンス
《ネタバレ》 映画自体は世間の評判通り中身のない残念な出来です。が、中学生時代に映画館で見て興奮した自分にとって嬉しい場面も多い。特に、ウィル・スミスに代わって注目の若手俳優が多く器用されているにも関わらず、ビル・プルマンとジェフ・ゴールドブラムの2人が大活躍しているのは楽しめました。前作を見ていることが大前提の作りとなっています。 [映画館(字幕)] 4点(2016-07-16 16:39:52) |
154. ザ・ブリザード
《ネタバレ》 アクション場面は見応えあるのだが、逐一挿入される彼女のシーンが映画全体を間延びさせている。司令部に当たるエリック・バナやベン・フォスターも見せ場もなく終わり、映画的な盛り上がりに欠ける。 [DVD(字幕)] 4点(2016-06-28 13:20:11) |
155. ヘイル、シーザー!
《ネタバレ》 ハリウッドにおける共産主義活動への規制や脚本家グループとの関係など、多少は知識があったので置いてけぼりにはなりませんでしたが、それでも頭をひねる場面が多かったです。当時のハリウッド映画や映画界を取り巻く状況について知識があるともっと楽しめたんだろうな、という映画です。一流の俳優がそれぞれ個性的な役を演じているので、それだけでも楽しめます。特に、F・マクドーマンドが良かった。共にダイアン・レインと離婚したジョシュ・ブローリンとクリストファー・ランバートが結婚を巡ってやりとりする場面もネタなのかな。。。 [映画館(字幕)] 5点(2016-05-21 12:18:19) |
156. スポットライト 世紀のスクープ
丁寧な作りで役者もいい。物語の組み立てもうまく飽きることなく楽しめる。一方、見せ方に目新しさはなく、主役不在のため一人一人の葛藤は伝わりづらく、心に焼き付く登場人物はいない。全体としての印象はとても薄い。 [映画館(字幕)] 7点(2016-05-06 19:04:46) |
157. ラン・オールナイト
ハードボイルド映画という雰囲気。リーアム・ニーソンとエド・ハリスの醸し出す義理人情の世界観がグッと物語を引き締める。アクションも手ごろでストーリー展開もはやく、ちょうどよく楽しめます。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-05-01 19:30:47) |
158. サンドラの週末
《ネタバレ》 主人公やその夫に共感できず、モヤモヤした気持ちを抱きつつ話が進むが、それでも物語に惹きつけられるのはコティヤールの巧さか。終始暗い顔をした主人公が初めてはじけた笑顔を見せる、自分の辛い状況を語るかのような暗い歌をきいて笑う車のシーンがとてもよかった。ラストの落し処もしっくりくる。 [DVD(字幕)] 6点(2016-05-01 19:27:10) |
159. キングスマン
楽しめた。軽いノリのアクション映画ではあるが、キレのあるアクションにクセのある役者、ポップな音楽と凝った映像。そして英国&スパイ映画ネタ満載で全く飽きない。コリン・ファースのアクションはどうかなと心配だったが、これ以上ない適役であった。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-05-01 19:21:15) |
160. レヴェナント 蘇えりし者
映画の大半はベア・グリルスをも凌ぐサバイバル劇なのだが、映像の美しさはもちろん、ディカプリオのさすがの存在感で飽きることなく楽しめた。復讐、生きること、父子の絆など、観る人によって主題の感じ方は違うかもしれない。映画史に残る傑作ではないが、ディカプリオの代表作として記憶されるに値する映画です。 [映画館(字幕)] 8点(2016-04-23 13:24:39) |