1581. M★A★S★H/マッシュ
ストーリーが一本の流れでなくて、ぽつ、ぽつと点在しているのに困惑した。後で元TVシリーズなのだと知って納得。TVならば、“今週のどたばた話”として一話一話がすとんとおさまる。最後のアメフトの試合も戦争映画ジャンルとして観ると?だけどTVシリーズなら、なじみの登場人物たちが今週はアメフトやるんだってさ、でいいもんね。でもなんか、そんなに笑えなかった。ブラック・ユーモアというよりは悪ふざけに近い気がする。あの婦長が、最後まで生真面目キャラで押し通すとかしてくれないと。ボケがいないじゃないか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-05-10 01:06:46) |
1582. ファントム・オブ・パラダイス
悪意も悲劇もデ・パルマの悪趣味が炸裂してて大げさで毒々しい。ラストシーンなんかね、死をもってしても悲劇と受け止めてもらえない残酷さ。胸が悪くなります。残酷の谷に咲く原色のあだ花、かなり良く描けていると思うけどいかんせんあのプロデューサーがケチなチビ男(どこが美少年やねん)なのが説得力に欠けるというか納得いかないというか。 [DVD(字幕)] 6点(2013-05-10 00:40:54) |
1583. シカゴ(2002)
ミュージカルが苦手な向きには鬼門の映画。これ映画というよりもろにショーだった。私は物語が好きなのでやはり楽しめなかった。レニーをマリリンのオマージュに使うには役足らずすぎる。ちょっと怒った。キャサリンのことは初めて魅力的な女優さんだと思った。これだけかな収穫は。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-05-09 00:49:23) |
1584. フィラデルフィア
トム・ハンクスの演技が凄すぎて、ただただ胸が痛い。こういう話は、なんかもうぐうの音が出ないほど「ごもっとも」なので特に感想もわかない。バンデラスが立派に(?)ゲイに見える!大した役者魂だ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-09 00:33:28) |
1585. ミッドナイト・エクスプレス(1978)
《ネタバレ》 ひぃー、これは“ミッシング”と並ぶ、“外国で捕まっちまったらエライことになるんだぞ”映画でした。これまた実話というのが恐怖二倍増し。主人公はたしかに馬鹿で愚かなアメリカ人の若者だけれども、当初の懲役で罪は償ったと思うよ。なにも見せしめに終身塀の中でいじめ続けられなきゃならないことはない。彼女との面会の場面は“囚われることの非情”がピークに達して印象強烈。アルバムに「実弾」、このくだりはおお、と思ったものです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2013-05-09 00:22:03) |
1586. マイケル・ジャクソン/THIS IS IT
マイケル・ジャクソン最後の姿、最後のダンスシーン。バック・ダンサー達が筋肉隆々なのに比べて、彼はなんて華奢なのか。あの細い線の身体。だからこそマイケルの動きは他のダンサー達より優雅さもオーラもある。もの凄い才能を目にしている、という恍惚感をもたらしてくれる。巨大な才能を同時代に目にすることができて幸せだったなあ、とも思う。自らの芸術に埋没してゆくかのような後半生の彼に、傷ついた小さな男の子が見えて仕方なかったものだった。米国のマスコミが「マイケルは緩やかに自殺した」と表現したのが妙に心に残る。ご冥福を祈ります。きっと夜空に輝く巨大な一等星であってくれるでしょう。 [映画館(字幕)] 8点(2013-05-08 23:56:56)(良:1票) |
1587. スイミング・プール
ミステリアスで艶っぽくて雰囲気一流。シャーロット・ランブリングが年齢を重ねても謎めいたクール・ビューティなのはさすが。フォアグラの缶詰をこっそりくすねちゃう場面は可愛いし、買い出ししてもヨーグルトをボウルに空けてそのままスプーンで食す、ってどんだけイギリス人の調理下手を馬鹿にしてるやら。どうやら妄想に付き合わされてるのでは、と途中でおぼろげに分かってはくるのだけど、それにしても腑に落ちない描写が多かったなあ。考えすぎなのかなあ。まあ雰囲気を楽しむ映画なんだろうな。サニエさん乳出し全開ですし。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-02 00:40:38) |
1588. シャッター アイランド
《ネタバレ》 真実が明かされてからもやけに引っ張るなあ “エンゼルハート”ならとっくに終わってんのにな、と思ったらラスト2分でディカプリオがまさかの決断。ほう。この驚きと哀しみに1点プラスして差し上げます。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-05-02 00:24:52) |
1589. チャンプ(1979)
お涙頂戴映画を作るぞー、とハリウッドが全力を傾注して作り上げた家族愛物語。わかってはいたけど、ここまでやるかと思うほどにべた。作中子供にやたらチャンプ、チャンプと呼ばせてラストなんざ絶叫だ。わかっちゃいるんだけど、それが上手いんですよ、ノセ方が。ノセられて何度も途中鼻すすってしまうんだ。この子役が初めの方で「アンは分かっていないんだ。賭けに負けたらあきらめないと」と気を揉んでいる。チキショー、上手いなあ。これ一発でもうこの子を嫌えない。でも散々泣いたわりに時間がたつとやっぱりそんなに“残らない”んですな こういうのは。あとこの当時のセレブ服であろうひらひらAラインドレスがF・ダナウェイに激しく似合ってなかった。 [地上波(字幕)] 5点(2013-04-27 00:55:27) |
1590. 永遠に美しく・・・
当時映像はここまでいじれるようになったんだぞー、とお披露目したいがために作ったみたいな映画だけど、無茶な話に大女優二人がきちんと乗ってお芝居してるし、翻弄されっぱなしのB・ウィリスのダメっぷりも好感度大。(?)わー腹に穴開いてるー、と気楽にびっくりしたり、イザベラ・ロッセリーニの変な格好に呆気にとられたりできる罪の無い娯楽作です。 [ビデオ(字幕)] 6点(2013-04-27 00:41:15) |
1591. ブラックホーク・ダウン
「ブラックホークダウン!ブラックホークダウン!」「RPG!RPG!」等の叫びが頭にこびりつく悪夢のソマリア市街戦。たくさんスター俳優が出てるのだけど、個々人のドラマに焦点を当てるということが無いので、誰が誰だか分からない。皆一兵士となって戦火のなかで阿鼻叫喚である。酷い。映像はドキュメンタリーの如く極めて冷静でクリア。140分の長きにわたって生き延びるのに必死な様子を見せられていると本当に疲労困憊。この映画を観て素直に反戦を叫ぶべきなのかアメリカも大変ねえ、と思うのが正解なのか、もおよくわからない。 [DVD(字幕)] 6点(2013-04-27 00:27:31) |
1592. パーマネント・バケーション
「家が戦争で中国人に爆撃された」と不可解なことを口走る主人公の青年。ほんとに爆撃されたかのような朽ちた廃屋のようなビルと生い茂る雑草。川向こうには高層ビルが密集している摩天楼。N.Yとは一見思えない奇妙な街を主人公とただただ彷徨うはめになる映画。当時あまりの起承転結の無さに衝撃を受けたものでしたが、独特の突き放したようなからからに乾いた孤独な映像が、青春を生きてた心のどこかにぴったりと合わさったような気持ちがしたのも事実。 [映画館(字幕)] 6点(2013-04-27 00:14:52) |
1593. ぼくのエリ 200歳の少女
北欧の、陽光すら淡い国で撮られると映画そのものの体温が下がる感じがするせいか、グロなシーンをはっきり見せるわりに、それすらこう、冷え冷えと淡々としてたりする。わーっという感情の昂ぶりすら白い息になって消えてゆくようだ。映像がとことん印象的な映画。抜けるような白い肌のオスカーと血に塗れたエリの赤。金髪と黒髪。暗い森の青と雪。度肝を抜かれる惨劇の場面、これまた静謐感あふれているのだけども、ここまで来た頃には観ているこちらもすっかり身体が冷え切って、つい両腕をさすってしまうのだった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-04-26 23:56:08) |
1594. ソルト
ああそうか、アンジーのスーパーアクションヒロインぶりを堪能するための映画かあ、と気づいたのは中盤くらい。初めから知ってれば良かったな。アクションメインに作られてると分かってればなー。シュワルツェネッガーの映画を観るような心持ちで観るのが正解だったんだろうな。ヒロインの思惑が分からないうえ、二転三転と話がどんでん返しするたび「ええっ?!(驚)」ではなく「ええ~・・??(脱力)」となってしまうのは脚本としていかがなものか。アンジーのアクションが全部が全部吹き替えでなさそうなのは評価しますが三角跳びはやんない方がいいよね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-26 00:34:28)(良:3票) |
1595. フォー・ルームス
どの話もそれほど面白くは無い。一話めが最低につまらない。ティム・ロスの浮いてる演技がこれまた鼻につく。やりすぎ、作りすぎ。ぬう、と立ってるだけでなんとなくやばい雰囲気のバンデラスのみ良かった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-26 00:08:17) |
1596. U・ボート
潜水艦乗務を経験したければ是非この映画を。この圧迫感閉塞感息苦しさ絶望感、こんな目に合わされる映画はそう無いです。ソナー音のかん、かんという響き。敵艦の位置を感じる場面で極限状態に顔を引きつらせる乗組員、取材で同乗した記者の憔悴っぷり、諦念すら含んだ艦長の表情。自分もそこにいるかのような喉の渇き。ディーゼルエンジンが生き返った時は、ドイツ人の技術の高さに心から称賛を送りましたよ、ほんとに。非常な幕切れもあいまって、忘れがたい強烈な映画でありました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2013-04-25 00:47:04) |
1597. パブリック・エネミーズ
J.デップとC.ベールか・・皆さんご指摘の通り、かのヒートのデ・ニーロとパチーノの存在感の十分の一位でしたな。全体的に薄味な出来・・。特にC・ベールには覚悟とか気合とか、峻烈な覇気が感じられなくって、こいつに捕まってたまるか的な弱さがダメだと思った。それに比べればデップの方が人物造形に奥行きを持たせた描写があってまだしも。というかラストで第三の男である捜査官があんなに鮮やかではやっぱり作品としてバランスが悪いでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-25 00:30:30) |
1598. エネミー・オブ・アメリカ
《ネタバレ》 久しぶりに観たG・ハックマン、すっかり老けてて眼鏡かけてて誰だか初めはわかんなかった。分かんなかったけど、なんか存在に華があるというか、オジサンなのにW・スミスを食ってるなあと思った。いやあジーン・ハックマンでしたか、そうでしたか。ハリウッドベテランのオーラって凄いなあ。もんのすごく頭の良いハイテク合戦だったのが、フィナーレが最新機器と無縁の差し向かい銃撃戦だったのには笑った。 [DVD(字幕)] 6点(2013-04-23 23:53:29) |
1599. 真実の瞬間(1965)
《ネタバレ》 一攫千金とばかりに闘牛士を夢見た男が見事スター・マタドールに成り上がり、しかし日々命をすり減らすショービジネスに徐々に消耗してゆく・・、と話はややありきたりではあります。でも闘牛のシーンは迫力があり、主人公の彼の牛をかわす身のこなしが流麗でセクシーで見惚れます。闘牛の人気って命がけのハラハラ感のほかに、刹那的な美しさも魅力なのかなあ、と新しい発見でした。マタドールの素敵さはよく分かったんだけども、でも牛が血まみれで絶命するのにやんやと喝采はできないなあ・・ヒト様の文化なので何も言えませんが。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-19 01:02:55) |
1600. アマデウス
《ネタバレ》 ああー、サリエリ、貴方の心のありようが私にも手に取るようにわかるよ。嫉妬と、一方でモーツァルトの芸術を完全に理解できるのは自分だけという強烈な自負心。神は残酷なものだなあ。創り出せはしないけど、理解できる能力だけを与えるなんて。皇帝には“聴く耳”が無かった。完璧なオペラを前に欠伸をする皇帝を見て、うすく微笑むサリエリの暗い喜び。モーツァルトとの作曲に精魂を傾ける姿からもわかる倒錯した愛情。光り輝く稀代の天才の傍らにいたばかりに、その影となってしまった男。悪魔と取引したばかりに代償を晩年に支払うこととなってしまった。美術も演技も脚本も音楽も全てが濃厚で、息もつけないくらい。完璧。 [映画館(字幕)] 10点(2013-04-19 00:44:51) |