1881. ターミナル
《ネタバレ》 誰とでも気軽に楽しめる心温まるイイお話系のコメディです。空港の連中と打ち解けるまでは次は何をしでかすんだろう?とヘンなドキドキ感はありましたが、そういう部分も含めてさすがにトム・ハンクス。上手いですね。空港の連中も皆いい人ばかり。少々詰め込みすぎな感もありますが彼らとトムの交流の様子が微笑ましく、彼が入国したい理由も彼の素朴な人柄をよく表していて良かったと思います。ただ、キャサリンとの展開は好きになれなかったです。ここまでイイお話系で引っ張るんだったら無理に分かれることなく終わっても良かったんじゃないかな? [映画館(字幕)] 6点(2009-05-06 16:50:57) |
1882. 昼下りの情事
《ネタバレ》 先日BSでやっていたので久々に観ましたが、いい映画は何度観てもやっぱりいいもんですね。こういう昔の落ち着いた品のあるラブコメは50年が経過した今に観ると逆に新鮮に感じられます。オードリーは本作でもやっぱり魅力的。駅での感動的な名ラストシーンも何度観てもいいですね。列車が走り出し、フラナガンに向かって精一杯強がるオードリーが何と可愛いことか。そして4人組の楽団の皆様!フラナガンさんからいっぱいギャラとチップ貰ったことでしょうけど最後は素敵な映画の締めまでやっていただいてお勤めご苦労様でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-05 22:12:24) |
1883. ルシアンの青春
《ネタバレ》 病院で働くごく普通の田舎町のまだ未熟な若者ルシアン。レジスタンスに入りたいがまだ若いからと断られ、その後流されるままナチスの手先となって働く事になってしまう。そこには彼の政治的、思想的な信念は何も無い。身分証を見せれば大の大人も皆自分に恐れ入る。強大な権力を手にしたと大きな勘違いをして過ちを犯してしまうのですが僕にはこの無知な若者を責める気にはなれないのです。戦争の時代でさえなければ若気の至りで少し道を踏み外す事はあってもごく普通の人生を送ったであろう若者の悲しい青春。ルシアンはずっと全く笑顔を見せなかったのですが、恋におちたユダヤ人女性との逃亡先で何か安らぎを得たようなとても無邪気な笑顔を見せる。この女性と楽しそうにはしゃぐ彼が本当の素顔の彼の姿であり、ごく普通の青春の姿。しかし彼のこの先を考えるとその無邪気な笑顔が悲しく見えた。そして彼の青春の結末はラストでほんの数行の字幕で語られるのみである。市井の中の戦争を描いた映画はいつも悲しい。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-05 09:18:14) |
1884. 子供の情景
《ネタバレ》 1人の少女の視点から見つめたアフガニスタンの現状。学校に行くために必要なノートすら買う事が出来ない少女。家にあった卵を売り、ようやくノートを買う事が出来た時の嬉しそうな表情がとても印象に残ります。学校に行きたくて、勉強したくて仕方が無いのにその機会が与えられず、ようやく手にしたノートを見つめる表情は学ぶ事への喜びに満ち溢れていた。一方、学校に行くこともノートを買う事も当たり前、嫌々勉強していた自分の子供の頃やお受験で子供の頃から親の意思で勉強をする日本の今の子供と比較した時、この少女の嬉しそうな表情がなおさら胸に迫るものがあった。そしてそのノートを持って学校に行く途中、タリバンによって破壊された仏像の前で学校にも行かず大勢の少年達が興じるのは「タリバンごっこ」。そしてこの少年達によってやっと手に入れたノートが無残に引きちぎられていく。それを黙って見ているしかない少女。この国の現状への痛烈な批判に受け取れた。 [映画館(字幕)] 7点(2009-05-03 11:50:07) |
1885. リリィ、はちみつ色の秘密
《ネタバレ》 時は1964年。アメリカで公民権法が制定された頃。リリィという14歳の少女が母親の死に責任を感じ、父ともうまくいかず、自分の中で両親から愛されていたのかという疑問が膨らみ、姉のように仲が良かった黒人の家政婦と家を飛び出し、「愛」について学び成長していく過程が優しく描かれた佳作。そんな多感な思春期の女の子を演じた天才子役、ダコタの爽やかな好演が印象に残ります。また、彼女と家政婦が家を飛び出し駆け込んだ黒人の3姉妹が営む養蜂場。この3姉妹が個性豊かで素晴らしかった。母のように優しく大らかで姉御肌の長女オーガスト、気が強く自立心が強い次女ジューン、繊細で傷つきやすい三女メイ(名前の付け方が渡る世間は鬼ばかり風でちょっと可笑しかったです)や養蜂場で働く黒人の青年男性とリリィとの関係を通して公民権法が制定されたとはいえまだまだ地位の低かった黒人の自立、女性の自立、そして少女の自立が優しく爽やかに描かれ、登場人物が皆本当に魅力的な映画でした。 [映画館(字幕)] 8点(2009-05-03 11:39:47)(良:1票) |
1886. ポネット
《ネタバレ》 初めて真剣に考えたけど分からない死とは?神様やイエス様って?と幼い子供が持つ純粋な気持ちがうまく描かれていたと思います。ただ、音楽もあまり使われず延々と、淡々とポネットの行動を追いかけていくので途中は少々中だるみ気味でとても長く感じられました。しかしラストはそういう形でママを登場させちゃうんですか?と最初は思いましたが、ママの娘への最後のメッセージがとても良かったです。ママの最後のメッセージを受け入れ、「ママはもう戻ってこないと言ってた」と初めてママの死を受け入れる事が出来たようであり、ポネットが幼い子供なりに自分の頭で何とか現実を消化して前向きに歩き出そうとした終わり方もとても良かったと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2009-05-02 23:23:14) |
1887. ミルク(アメリカ映画)
《ネタバレ》 鑑賞前の予想とはかなり違う、ハーヴィー・ミルクという人間の40歳からの8年間の生き様がガツンと心に響くとてもアツい映画でした。実話モノの持つ説得力のあるパワーがビンビン伝わってきます。同性愛ものは苦手なのでどうしようかな?と思ったのですが、観てよかったです。とてもいい映画でした。映画の冒頭のミルクの「40歳にもなって誇れる事を何もしていない」という台詞がとても強く印象に残りました。放浪紳士チャーリーさん、同世代ですね。よ~く分かりますよ…。冒頭のこの台詞が観ている間も、映画館を後にしてからも、そして一日経った今も頭から離れません。僕にはミルクのような行動力も無いし、結局は大したことは何も出来ないんですけど、一日一日をもうちょっと頑張ってみるか!この映画に元気を貰ったような気がしています。ゲイ・ムーヴメントのカリスマとなっていったミルクの強さも弱さも見事に演じきったショーン・ペンのアカデミー主演男優賞受賞も納得の素晴らしい演技でした。ラストでミルクと行動を共にした仲間の今が伝えられますが、皆ミルクの遺志を受け継ぎ、誇りに満ちた人生を送られているのにも納得できると共にとても嬉しい気持ちになりました。 [映画館(字幕)] 8点(2009-05-01 00:35:45)(良:1票) |
1888. 黄昏(1981)
《ネタバレ》 僕のお気に入りの映画の1つです。美しい風景、美しい音楽をバックに描かれる人生の黄昏時に差し掛かった夫婦とその家族の物語。決して目新しさのある話ではなく、大事件が起こる訳でもなく、淡々と湖畔での毎日を見せるだけなのですが、全く飽きることなく時が経つのを忘れてうっとりと観てしまうという感じですね。ノーマンとエセル夫妻の会話、寄り添う姿の何と素敵な事か。冒頭のキラキラ光る湖面上、カヌーの上で寄り添う二人の姿の美しさから感動しました。二人の名優の見応えのある演技が素晴らしく、本当に湖畔で休日を過ごす長年連れ添った夫婦に見えてしまいます。この二人の会話がとても楽しかった。爆笑というのとは違う、味わいのある可笑しさがありました。例えばボート事故の後、ノーマンが隠れてこっそり釣りに行く所をエセルに見つかった時なんて本当に可笑しかったなあ。そしてその釣りから帰った後、確執が伝えられていた実の娘、ジェーンとのシーンとその台詞も妙なリアルさがありながらも実に感動的でいいシーンでした。ヘンリー・フォンダは念願のオスカー初受賞、それを支え4度目の受賞となったキャサリン・ヘプバーンのダブル受賞も納得ですね。そして度々映し出される、ノーマンとエセル夫妻のように湖面で仲良く寄り添う2羽のつがいの水鳥の姿がとても印象的でした。 [DVD(字幕)] 10点(2009-04-29 19:47:24)(良:5票) |
1889. めまい(1958)
《ネタバレ》 作品全体に漂うミステリアスな雰囲気、音楽が絶妙。この雰囲気も映像も50年前の映画とは思えない美しさがあると共に格調の高さを感じさせてくれます。しかしヒッチコック映画のジェームズ・スチュワートはいつもいい味の可笑しさがあり、彼の表情や動きを見ているだけでも面白いですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-29 17:11:44) |
1890. 猿の惑星・征服
《ネタバレ》 コーネリアスとジーラがいなくなった4作目ですが、感想としてはこのシリーズはこの2人のお猿さんの存在がいかに大きく、いかに魅力的であったかを実感しただけでした。シーザー以外の猿がかしこすぎとか、1つの都市を征服しただけで地球を征服した事になるんですか?など相変わらずツッコミどころも満載。しかし、なんだかんだ言いながらもここまで観てしまった。どれだけグダグダになってしまっても次も観てしまう、このシリーズの持つパワーは認めざるを得ないでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-04-24 21:37:19) |
1891. 新・猿の惑星
《ネタバレ》 ここは突っ込んではならないと思いつつもお猿さんがどうやって宇宙船の操縦をマスターしたんだ?とか、一体教官は誰なんだ?とか、お猿さんが宇宙船に乗って現代の地球にやって来るという展開はかなりゴリ押し感が強いです。しかし現代にやって来てからのコーネリアスとジーラ夫妻の物語は地底人を登場させて地球を消滅させて大失敗だった第2作と比べると良質のドラマになっているのではないでしょうか。第1作目から観ている人はこの第3作目まで来るとコーネリアスとジーラ夫妻にかなり感情移入しているはずですしね。二人の子供が誕生する展開に「まだまだやめまへんで!」という関係者の強い意思がビンビン伝わってきます。そしてシリーズは更にあと2作続く。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-04-24 21:32:55) |
1892. カリートの道
《ネタバレ》 DVDで久々に鑑賞。ブライアン・デ・パルマ監督作品では最も好きな映画です。ラストのカリートの心のつぶやきと”You Are So Beautiful”が鑑賞後も何ともいえない余韻となって心に残る。オープニングでカリートの運命が分かってしまうのですが、だからこそ、その運命に逆らおうともがき苦しむカリートのドラマが実に見応えがありました。逆にあのオープニングが無ければ終盤の展開はもっと手に汗を握るものになったとも思うのですが。僕とって一番カッコいいパチーノはカリート・ブリガンテなのです。イカれたクスリ漬けの弁護士を演じたショーン・ペンの怪演ぶりもお見事。そして、カリートの恋人役のぺネロープ・アン・ミラーに惚れた。 [DVD(字幕)] 8点(2009-04-23 20:20:49) |
1893. スラムドッグ$ミリオネア
《ネタバレ》 クイズミリオネアで出題される問題になぜ学校にも行けなかった主人公が正解を続けられたのか。警察で一問ごとに取り調べを受け、それに主人公がこれまでの人生を回想し、答えるという形でスラムの過酷な実情が圧倒的な迫力で伝わってきます。クイズミリオネアの番組進行と、警察の取調べと、主人公の人生が実にテンポよく同時進行していく話の展開がとても分かりやすく見事だったと思います。終盤は結末が見え見えの展開にはなりましたが、それでも映画館で観て良かったと思える映画でした。ダニー・ボイル監督のボリウッドへのリスペクトとも思える最後のダンスも楽しかったですね。そして世界中の様々な国で作られているというクイズミリオネア。日本ではみのもんたの作る「間」がいい味を出しているのですが、他の国のミリオネアも一度観てみたくなりました。 [映画館(字幕)] 8点(2009-04-22 21:37:47) |
1894. 裸の銃を持つ男
平均点7.7!!これぞ最強の愛すべきアホ映画という作品なんですが、こんなアホ映画の平均点がここまで高いっていうのが嬉しいじゃないですか!ベッタベタなんですけど、必殺のアメリカン・ギャグ満載で久々に映画観て腹抱えて笑わせてもらいました。次は吹き替えで観てみよう。 [DVD(字幕)] 8点(2009-04-19 14:09:20) |
1895. パーフェクト・ワールド
《ネタバレ》 フィリップ(バズ)少年が素晴らしかったです。特にラストの木の下で彼の見せる表情と演技は間違いなく観る者の胸を打つでしょう。確かに犯罪者だけど根っからの悪党ではなく、人間味を感じさせるブッチも結構僕が弱いキャラクターです。せっかくブッチをこういう人物に設定しているんだからあのラストは無いと思う。これじゃ何も残らない。(ずっとこういうオチになるのかなというイヤな予感はありましたが…)トレーラーで快適な旅をするイーストウッド御一行様がのんびり構えすぎなのが気になりましたが少年とブッチの関係や話の展開は良かっただけにもう少し希望を感じさせる終わり方にして欲しかったと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2009-04-17 23:47:23)(良:1票) |
1896. ラブリー・オールドメン
ジャック・レモンとウォルター・マッソー。映画史に残る名物コンビによる、おかしなおじいちゃんシリーズ。この2人の共演という時点で観る前から楽しい映画である事は分かりきっている。で、観た感想は「やっぱり楽しかったなあ~」の一言。画面の中にいるだけで楽しい2人のコメディの達人。2人が仲良くケンカして、仲良くイタズラをやり合って、そんな楽しい2人の姿を見ているだけでも十分と思える作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-17 00:57:02) |
1897. 恐怖の報酬(1953)
《ネタバレ》 なかなか観る機会が無かったこの名作をようやく先日スカパーで見ることが出来ました。さすがに伝説の傑作サスペンス。面白かったですね~。みんなが揃ったところでニトログリセリンの威力の凄まじさを見せ付けるシーンがありましたが、あのシーンがトラックで出発してから効いてきましたね。ただトラックでニトログリセリンを運んでいるのを見せているだけなんですが、でこぼこ道、腐りかけた木の橋など障害が訪れる度にニトログリセリンの凄まじさを思い出し、本当にスリル満点で手に汗を握る面白さがありました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-04-15 18:05:30) |
1898. まわり道
《ネタバレ》 ひょんなことから一緒に旅をする事になった他人同士が時にはいがみ合いながらも様々な出来事やハプニングを通して少しずつ互いに共感が芽生え、目的地に向かう…というロードムービー定番の展開が何も無い、ヴェンダース監督初期のロードムービー3部作の中の一作。目的地もあても無い旅。繰り返される無意味とも思われる会話を聞いていると気が滅入りそうになる。まさに「まわり道」のような放浪。確かに観ていて気が滅入りそうではあるのだが、彼らに共感できないという事でもない。この不思議な感覚がこの異色のロードムービーの魅力なのでしょうか。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-13 22:46:51) |
1899. 男はつらいよ 葛飾立志篇
《ネタバレ》 「男はつらいよ」シリーズに関しては、どうやら僕はマドンナよりも寅さんと絡むことになるゲストの一風変わった愛すべき男に惹かれる傾向があるようです。そう、今回は田所先生です。この田所という男が実に魅力的なんです。寅さんが嫌いなはずのインテリであるにも関わらず、この男、寅さんに全く嫌われていない。寅さんに一文無しと間違われた挙句に寅さんの十八番、愛についてのご高説を賜ると寅さんを師と仰ぐ始末。相当なインテリでありながらもこのアンバランスさが可笑しく、寅さんとは全く違う世界の住人でありながら妙に波長が合うこの2人のやりとりがとても楽しいです。そしてラストは師と2人揃って仲良く失恋の旅に出る。お話の方もあの寅さんが動機はともかく、学問に目覚めるという展開がとても楽しく、特に眼鏡騒動が面白かったです。そして忘れてはならない、寅さんがお父さんだと信じてとらやを訪れる桜田淳子がとても可愛くて魅力的でした。そして寅さんが彼女の母、「おゆきさん」の思い出話を語る場面がいい。この名調子、渥美清さんの名人芸ですね。毎年彼女の家に500円を送り続けていた寅さん。やっぱり温かいなあ。話の本筋には直接関係無いですが、とても心温まるエピソードでした。 [ビデオ(邦画)] 9点(2009-04-09 22:22:03)(良:2票) |
1900. 9時から5時まで
まあ、典型的なおバカコメディなんですけど、これは面白いですよ!大いに笑わせてもらいました。男が観ても十分面白いですが、普段オフィスで頑張っているOLさんにもオススメですよ。大ヒットしたドリー・パートンの主題歌もいいですね。難しいことは一切抜きで気軽に楽しむにはもってこいの映画だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-08 00:21:48) |