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コメント数 204
性別 男性

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1.  素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 
うーむ、いい映画。主人公はせまい町から出て世界で活躍することを夢見ますが、運命の皮肉から地元に縛られてしまう。となりの芝は青い、とよく言われますが、多分、外に出て行ったとしても考えていたような常に輝かしい人生を送ることはなかったでしょう。ただの楽観主義者ではなく、苦境に立たされたときに悩んでいるのが当たり前といっては当たり前なのですが、人間くさくてこの映画に真実味を与えていたと思います。あらゆる苦境にすぐに「ラッキー!」と前向きに考えていたらこれはもうスーパーマンですよ。印象に残っているのがダンスしているときにプールに落とされるように仕組まれたシーンなのですが、落ちても楽しそうにダンスを続け、しまいには参加者全員をプールに飛び込ませてしまう、周りの人間をハッピーにさせるオーラというのは誰でも持ってるものではありません。普通の人間なら激怒してダンスをやめ、その場の空気をしらけさせてしまうでしょうから。ボロボロの家を自力で徐々に改装して、きれいな家に作り変えるという行為も、どうしようもない苦境も自分の力で切り開いていくことができるというわかりやすい表現でいい。ただ最後はハッピーエンドですが、いい人すぎるとずるい人に利用され続け、自分の意思で人生を選択することができないということも忘れてはいけません。
[DVD(字幕)] 10点(2005-04-09 19:45:23)
2.  時計じかけのオレンジ
スタンリーキュブリックってスゲーよ、と納得させられる名作。インテリアなどのセンスは30年過ぎてもまったく違和感がない。彼は「洗脳」ということに興味があったそうで、犯罪者の矯正にこの作品では用いられています。音楽を聞くと苦痛を感じるようにプログラムされていたのに、最後に音楽によって洗脳が解除されるという皮肉。面白い!
[DVD(字幕)] 10点(2005-04-03 23:01:14)
3.  スタンド・バイ・ミー 《ネタバレ》 
オッサンになりつつある私には素晴らしすぎる名作だった。アメフトのスターの兄にコンプレックスを感じながら、自分は何もとりえのない人間だと思い込んでいる主人公。できるのは物語を空想するくらいで、小説家にでもなりたいと夢見ている。兄がやさしく抱きしめているシーンや食卓で弟が作った物語をほめているシーンには涙が出そうになりました。弟にも素晴らしい才能があるんだよ、と。「お前には才能がある」と励ますリバーフェニックスもいい。皆さんはゲロの話を下品といいますが、12歳くらいの少年が考えられる話なんてあれくらいのものでしょう。その話をするように薦めているのもリバーなんですよね。リバーも頭は悪くないのに、悲惨な家庭環境、教師にも裏切られ、将来が描けない。進学クラスに入りたいが無理とあきらめている。この旅で主人公が励ますことがなければ進学せず、登場する町のチンピラになるのが妥当だったのでは。最後に「この町から出られるのかな?」と言っていますが、環境に負けず未来を切り開き、弁護士になれたのは、旅にでて小さな町がより小さく見え、励まされ、チンピラにも屈しなかったからでしょう。人生は永遠に続き、まさか自分が死ぬなんて思ってもいない。しかし同年代の少年、兄は現実に死んでいるわけで、人生を考えるきっかけになる。大人が二度と戻らない少年時代を想起させ、ノスタルジーに浸るというだけではなく、現在の少年もぜひ観て欲しいです。あと、作家になった主人公になんか見覚えがあるな、と思っていたらアメリカングラフィティで優等生を演じていた俳優でした。最後の飛行機のシーンで「作家になった」という字幕がでていたのを思い出し、それも少し関係あるのかな?と思いました。きっとそこまで考えてないな(笑)
10点(2005-03-28 01:37:49)(良:1票)
4.  カッコーの巣の上で
愚痴を言いながらも自ら精神病院に入院してしまう「正常な」人間。管理される側とする側。青年は自分の意思で恋愛をし、精神的に自立しかけたのだが、母親の友人である婦長に結局言い負かされてしまい、自己を主張することができずに、また機会を逃してしまうことにより激しい自己嫌悪に陥り自殺してしまう。自由という難しさ。色々考えさせられました。自分の意思を持たないロボトミーにされるくらいなら死んでしまったほうがマシ。殺してしまうことも残酷なやさしさなのかもしれません。
10点(2005-03-19 12:45:33)
5.  Kids Return キッズ・リターン 《ネタバレ》 
本当に久しぶりに見た。年齢を重ねたからか、高校からの思春期を描いた傑作だと思えた。学校ではさえなくて、勉強もできないけど自分の価値はこんなものじゃ計れなくて「何か」になれると誰もが信じているあの時期。もちろん教師達はほとんどの人間が特別な人生を送るわけではないということを当然知っていて、学校にすらまともに適応できず、継続性がない彼らに「ろくな未来はない」と断定する。実際そのとおりなのだが。一度負けたくらいでボクシングを投げ出し、自暴自棄になってやくざになるような奴は結局何をやっても成功しないし、目先の快楽におぼれてボクシングの練習に身を入らないような奴は決して成功できない。モロ師岡が演じるくたびれたボクサーも非常に印象的で、現実の工場の労働から逃げ、かつて手にした栄光にしがみつき、努力もせずに、夢という甘い言葉でごまかし、無駄に年を重ねピーターパンになっている姿は、だらだらと芸暦を重ねた多くの芸人崩れを見てきた監督ならではの登場人物だと思います。またこういう人たちはネガティブなオーラを持ってて足を引っ張るんですよね。とくに若くて才能があった場合に。そこで誘惑に負けないのが真の成功者なのでしょうが。バカにされ続けても愚直にアタックを続けた男が女を妻とできたことも夢というか、目標に向かって継続することの大切さみたいなものを言いたかったのだと思います。芸人として大成功した監督だって、昔芸人になるって言ったときには周りにはバカにされて、絶対に無理だと言われたはずなんですから。最後の台詞をどう思うかなんですが、もっと若ければ(まだ20代ですけど)「若いんだからまだまだこれからだよ」というポジティブな意味で捉えていたのですが、今の自分にはフランス人たちがこの映画を観た感想と同じように「ああ、こいつら終わってる。きっと何をやっても根気強く継続的に努力もできず、決して一角の人間になることはできないだろう」と思いました。(『カイジ』とか読んでるからこんな風に解釈するのかもしれません。笑)漫才ブームの時には図書館から部屋がいっぱいになるくらい大量の本を借り、必死に努力を重ねた結果、大成功を収めた監督からの「自分は特別」と思ってる具体的な努力もしない若者達への痛烈なメッセージ。時間は「リターン」することはできないんだから将来に向けて努力を積み重ねなくては、と強く感じました。
10点(2005-01-28 22:53:59)(良:7票)
6.  ゴッドファーザー
内容、映像、音楽、すべてにおいて重厚感をたたえた名作。復讐が復讐をよぶ無間地獄の世界で切なさがたまりません。堅気のマイケルが結局継ぐことになるという皮肉。初めのほうは普通の青年という印象だったのに父の暗殺未遂をすぎたころから徐々に風格を漂わせ始めるアルパチーノの存在感もすごい。ただの娯楽作品ではなく時の流れと人生の流転を含めていたため現代も受け継がれる名作足りえたのでしょう。
10点(2004-02-29 12:11:22)(良:1票)
7.  フルメタル・ジャケット 《ネタバレ》 
戦場に送る前に敵を殺すのを躊躇させない感情を身につけ、命令に絶対服従、団体行動の強制などを染み込ませる8週間の洗脳訓練。教官は徹底的に下品な言葉で怒鳴りつけ、自己の価値を卑下させ、知性をなくそうとする。バカなあだ名をつけて個性をなくしたり、一緒の歩幅でジョギングをしながら歌ったり、動作を一緒にさせるのも戦場で一線に立たせたときのために行う調教。なるほどすべてが納得です。主人公は開始部分で教官に口答えするように、いまいち染まることができずに通信部に配属される。それはヘルメットに「born to kill」とピースマークという矛盾した言葉が書かれているのが象徴。結局彼は最後にベトナム兵を殺し、殺人を共有することでみんなでミッキーマウスを歌ってまとまるというオチらしいです。これは戦争用に行われていることですけど、こういう訓練って現代でも行われてますよね。例えば大企業の合宿の研修会だってそう。学生を第一線で働かせる営業部隊にするために行われるトレーニングだったり、企業の理念を刷り込ませたり、社歌を歌って団体意識を高めさせたりするわけですよ。 私の義務教育期間も行進させられたり、国歌、校歌を歌わされたり、回れ右の動作訓練をさせられたり、体育祭でクラス対抗で競わされて、クラスの団結を高めされられたり。今思えば、我々もいかに洗脳されていたか、いい様に転がされていたかがよーくわかるわけです。もちろんルールを学ぶこと、団体行動も大切ですよ。だけどなんだか気持ち悪い部分を感じてしまう。難しいですね。
[DVD(字幕)] 10点(2003-12-31 23:10:00)
8.  アンタッチャブル
DO-YOのTERUという芸人がデニーロに似ていて殴り殺すシーンをネタにしてました。ホントそっくりで思わず爆笑。あ、映画は最高に面白いですよ。
10点(2003-12-26 00:11:34)
9.  アマデウス ディレクターズカット
モーツアルト、サリエリ二人の子供時代のシーンがあるのですが、モーツアルトはすでに音楽の才能を開花させ、サリエリは普通に子供らしく遊んでいる。うーん、あとでいかに努力しようがもう勝負はついていしまっているという残酷なシーン。神を信仰し、女にも手を出さず品行方正真面目に生きてきた男が無能な存在となり結局何も得ることができずなかったという事実が、神を信仰させることで人を救うはずの神父を沈黙させてしまう。サリエリのように自分の無能さを徹底的に認識させられたときは精神に異常をきたしてしまうのでしょう。きっと我々凡人が何とか平静を保っていられるのは自分を勘違いしているか、鈍感であるかのどちらかなんでしょうね。内容、映像、音楽、すべてにおいて傑作です。
10点(2003-12-13 04:32:48)
10.  スクール・オブ・ロック 《ネタバレ》 
非常に面白かった。子どもの能力や個性は違うのは当たり前。個人の個性を見抜き、適材適所で自己の重要性、責任感を認識させ、達成感を味あわせる。誰もが演者に成れるわけではないが、裏方にも自分のできる仕事はあり、それはとても大切なこと。内気で前に出られなかった少女が実はものすごい才能を持っていて、このことがきっかけで前に出られるようになる。伝統校ゆえに校長も規律に縛られ、自由に考えることができない。反抗期の象徴であるロックを通じて、自分自身を表現することを覚える姿には素直に感動できます。まぶしすぎる子ども達の輝きの前に、主人公も最後には自分の才能のなさを自覚し、ミュージシャンで成功することをあきらめる。これも大きな成長なのだと思います。ステージで自らやりたいことをして輝く息子を見てうれしくなってしまう両親。教育って本当に難しい。
[DVD(字幕)] 9点(2005-04-09 12:06:25)(良:2票)
11.  シャイン
父親の理想を押し付けた洗脳っぷりに唖然とするとともに、主人公の境遇に悲しくなった。父親は貧乏なため金持ちにコンプレックスを持っており、息子が成り上がろうとする時期に、嫉妬の感情からかピンポイントで邪魔をしているんですよね。息子のためを思っているようで実は自分より幸せになって欲しくない。典型的な神経症の人間です。子どもは親が喜ぶ姿を見て安心し、自分の選択ができなくなる。思春期に反抗期もむかえず、常に親が薦めた選択をしてきた「いい子」が大人になって精神的におかしくなることがよくあります。自分で選んだようで、親に決められた人生。「あなたのためだから」といって、見栄のために自分の子どもを自己実現の代理戦争に駆り出している親にぜひ観てもらいたいです。 
9点(2005-03-09 00:46:55)(良:2票)
12.  草原の輝き(1961) 《ネタバレ》 
子どもを通じて自己実現をしようとする親。いつの時代も変わらないんですね。油田開発で裸一貫から成功した父親は息子に、自分が得ることのできなかったアカデミックステータスを与え自己実現を図ろうとする。姉の分まで期待され、自分の意思で人生の選択をすることができなくなったバッドに同情してしまいました。ディーニーも母親によって貞操観念を刷り込まれ、性に対して罪悪感を持つまでにいたる。ニューヨークで父親がショーを見ながら息子に対して発する贖罪の言葉、病院から出てきた娘にいう母から言う自分の子育て方に関する贖罪にツーンとくる物がありました。戻すことのできない過ぎ行く時間の流転、感性が敏感すぎる青春という二度とない時間の輝き。名作です。
9点(2004-12-15 20:50:49)(良:1票)
13.  ビッグ・フィッシュ
人生は平凡なんだけど、空想くらい楽しいほうがいいじゃないですか。子供のころには楽しめた架空の話も、大人になればサムイもの。あまり接点の持てなかった父親が子供を楽しませるために話し続ける架空の話。すっかり冷めた大人になってしまった私も十分楽しめるものでした。
9点(2004-12-05 17:29:27)
14.  A2
監視する側だった住民と心を通わせるオウム信者の映像がなんとも温かい。数年間の苦労で疲れきった荒木さんも心配です。性欲を正直に告白する信者。なんとも人間くさいじゃないですか。普通に暮らす信者と狂気じみた住民。正常なのはどっちなんですかね?
9点(2004-11-18 20:40:38)
15.  
マスコミ志望の学生は一見の価値あり。やり取りが生々しくて面白い。警察の公務執行妨害の自作自演が寒々しいと同時に、恐ろしくもありますねえ。
9点(2004-11-18 20:34:22)
16.  ラブ・アクチュアリー
観た人をここまでハッピーにしてくれる映画はそうないのでは?随所に笑いあり、涙ありでとてもよくまとまっていて感心してしまいました。首相が前の彼氏を暗殺しようか、とか言ったりユーモアもたっぷり。冷めていたカップルも二人で観に行けば付き合い始めたころを思い出すこと間違いなし。
9点(2004-02-13 00:04:08)
17.  パルプ・フィクション
このたび本当に久しぶりに見たのですが面白いですな。ブルースウィルスが日本刀を振り回したり、ユマサーマンの口がアップになりマイクでしゃべるシーンなどキルビルにつながる監督の感性がよく現れてます。よく見ると麻薬の売人がマッハゴーゴーゴー(多分)のTシャツを着ている、ブルースウィルスが監禁された店の中のポップライト壊れていて「KILL ED(インポをぶっ殺せ)」になっていたりと随所ににやりとした笑いを提供してくれますね。全身ボンテージの奴隷も気になるし、うーんすごい。あとkarikさんの銃の安全装置の視点はすごいですね。監督もそういう意図があって車の中での銃の暴発のシーンにつなげたんだと思います。
9点(2004-01-11 20:05:32)
18.  シティ・オブ・ゴッド
独特のざらついた映像がブラジルのスラムのすさんだ感じを表現していてなんともいえない。スラムを脱出したカメラマンの青春物語としても傑作です。
9点(2004-01-03 01:20:11)
19.  ショーシャンクの空に
生きることに疲れたり、心がささくれたときに観たくなるような映画。希望を持って、日々必死に生きる。いいっすね。名作です。
9点(2004-01-02 07:29:33)
20.  プラトーン
ウォール街の後にじっくりと鑑賞したので、戦時中での善と悪の対比というか、そういうのを感じました。でも、デフォーの優しさは戦闘中には自分の命を落としかねないものだとも思うし、見境なく殺してしまうのも人間としてどうかと思うし、結局何が正しいのかわからないですね。
9点(2003-12-29 18:38:46)
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