1. トゥルーマン・ショー
《ネタバレ》 トゥルーマンは長年箱庭に生かされていて、自分自身は自由だと思い込んでいたが、それが真実ではないと見抜き、真の自由を求めて命がけで箱庭を脱出するという物語。 この箱庭と我々の住む地球はスケールの差はあれど実はさほど変わらず、近隣住民や自分は毎日の大半を通勤経路や近所をぐるぐると回ってるだけだし、家庭や仕事、お金等の色んなしがらみで自由に動くとこを制限される日々。周りの人たちが舞台装置でないという保証もどこにもない。 ただそうなると、この地球という箱庭では、結局は全てが神の手の中にあるわけで、でも頭の中まではカメラはないんだから、せめて自分の運命や生き方ぐらいは、何がトゥルーなのかを命がけでしっかり考えようぜ、というのがこの映画の肝なのではないだろうか。 見なきゃ見なきゃと思いつつも、ようやく最近見た映画。 もっと若い頃に見ておきたかったと思うぐらい良い映画だった。 [インターネット(吹替)] 9点(2025-01-03 07:40:42) |
2. 水は海に向かって流れる
《ネタバレ》 大西利空君の演技が厳しいなと随所で思った。 敬語を使い慣れてないのか、台詞回し的に実写化するのが難しいのか。 すずちゃんの演技は決して悪くはないけど、前半が完全にブチギレてる人にしか見えなくてめっちゃ怖い。 原作ではもう少し飄々としたキャラだったので、ツンデレのギャップを見せるためにあえて改変したのだろうか。 當真あみちゃん演じる楓ちゃんは等身大な感じがなかなかハマってたと思う。このハート泥棒! オチが原作と変わってたり、メトロポリタンミュージアムがなくなってたりとまあ色々とあるけれど、うまくまとめた印象。 原作の終わり方は男子高校生と10歳差社会人との恋愛オチになるので、まあ仕方ないかなと。 映像やロケーションはとても良い。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-10-01 12:02:47) |
3. BLUE GIANT
原作未読。音楽のアニメ映画ではあるものの、ここまで音楽に振り切ってしまうのはなかなかにすごいものがある。 主人公が最初から最後までただただ最強の存在として描かれてて、周りも「なんで?」みたいになるけど映画見てる方も「なんで?」のままで終わってしまった。そこはさすがにもう少し彼のバックボーンについて触れてほしかった。物凄くメンバーを引っ張っていく存在なのに、その発言や行動の裏が全然わからないので、彼への感情移入は全く出来なかった。最初と最後ではもうキャラが全然違うし。 あとはメンバー以外のキャラクターの掘り下げも浅すぎて、最後とか知らない人たくさん出てきて、もはや何が起こってるのか全然わからない。 アニメーションについても、おそらくバンド演奏をそのままアニメにするには予算やら時間やらが足りないから演奏シーンがCG盛り盛りになってるんだろうけど、今日びの日本アニメはスラムダンクや京都アニメーションの作品でそのへんはとてもスムーズかつ丁寧に作画されてるので、やっぱり見劣りしてしまうなと。結局それで観客に違和感を感じさせてしまうとそれはノイズになってしまうわけで、できればもっと丁寧にやって欲しかった。ただそれをねじ伏せるほどの音楽の力はさすがだなと。 ソロのシーンなんかでも、背景が燃えたりとか色々と工夫して頑張ってる感じはあるが、あそこまで多用してしまうとやってることが音ゲーのパラッパラッパーやウンジャマラミーのクールの時みたいで、どうも安っぽくなるなと。主人公の精神的な成長の成果としてああいう演出が最後にあるのならわかるが、何があってもブレない最強の主人公故に、せっかくの演出がどうも一本調子な演出に感じられる。 一番好きなシーンはピアノの弱点克服シーン。彼のストーリーは割とキッチリ描かれてて、どうせなら彼目線でのシナリオでも良かったんじゃないかと思うほど。それほどサックスの主人公の影が薄かった。 ストーリー自体はありきたりながら、ジャズへの気概は感じられた。音楽は最高。 [映画館(邦画)] 7点(2023-03-15 08:22:22) |
4. シン・ゴジラ
リアリティが感じられるのがいいんですよね。 ゴジラは設定自体に無理があるのに、行政側の視点がとてもリアルな感じなのが面白い。 後半は会議やら解析やらが大半になってくるのですが、いくらなんでもあの状況で核攻撃はありえない。 そして核攻撃をタイムリミットの材料とせず、もう少し無理のないシナリオでも別に良かったのではないかと。 [インターネット(邦画)] 8点(2023-03-07 15:14:12) |
5. ウォーターワールド
《ネタバレ》 評判は悪いが意外と面白く見れた。 なんというかコミカルさとかが「グーニーズ」の悪役みたいで、これ大人向けシーンを削って子供向けにもっと振ってればいい作品になったんじゃないだろうかと思う。 世界観も面白いし、キャラクターも割と立ってる。ヒロイン役の女がなかなか酷いのとか、「水が3人分ない」の下りはなんだったのかとか、色々と思うところはあるが、一番気になったのは「ドライランド」の存在。行き方もこれまで何故見つけられなかったのかも結局よくわからなかったし、そもそも全然ドライじゃなく安直に楽園みたいになってるし。なんというか色々と勿体ない作品。 [インターネット(吹替)] 5点(2023-03-07 15:03:27) |
6. THE FIRST SLAM DUNK
《ネタバレ》 オープニングの時点でもう「すっげえ…」という言葉しか出てこないんですよ。インターネットのまとめサイトなんかでは声優交代がどうとか憶測で炎上してたけど、結局そんなの全く気にならないほど、とてつもなく良くできた作品だった。これは絶対に観ておくべき作品。 ただ、この作品のメインターゲットは恐らくこの映画で初めてスラムダンクを観る人ではなく、原作までの既読者になるんだとは思う。だからこそラストのシュートはちょっともったいぶりすぎで演出過多な感はある。みんなオチを知ってる話で、無音でそこまで引っ張らなくても…と。 [映画館(邦画)] 9点(2022-12-18 15:26:47) |
7. 千と千尋の神隠し
《ネタバレ》 映画公開当時に映画館で鑑賞。 主人公、千尋の成長物語ではあるのですが、不思議な世界の魅力がとにかく溢れまくってます。 特に電車のシーンでの黒く塗られた人々や、海の中の踏切、遠くに見える家やネオン等は世界観の説明として機能してるのですが、見る者の想像力をこれでもかと駆り立ててくれます。 そしてカオナシや湯婆婆等の千尋を取り巻くキャラクター達も皆どこかコミカルで面白く、物語をグイグイと引張っていき、あっという間に終わってしまいます。 あと、こんなにエンディングが素晴らしい映画は他に類を見ないと思っています。 不思議な世界への名残り惜しい気持ちを胸に、物語へのせめてもの手掛りを探して「いつも何度でも」の歌詞にじっと耳を傾ければ、なんとも神秘的な歌詞に心をじんわりと温められます。 エンディングの背景も音楽もとてもシンプルなのに、スタッフロールが尽きた後の余韻までもが非常に心地よいです。 [地上波(邦画)] 10点(2022-11-19 10:06:59) |
8. ハンニバル(2001)
原作がしっかり作られているので、充分に楽しめるクオリティには達しているのですが、つまらん改編を加えたせいでクラリスもレクターもキャラクターの軸足が完全にぶれてしまった点がやはり気になります。 特にレクター博士の心理描写の改編は致命的で、結局彼のカニバリズムに対するスタンスや、クラリスとレクターのお互いの関係が全く意味不明になってしまいました。 もはや単に猟奇的なシーンを撮りたいが為に改編したようにしか思えず、本当に残念です。 てか機内で他人の食べ物にあれほど興味を持つ子供は、どう考えても異常でしかありませんよね。 彼にとってのカニバリズムは、そんな単純なものではないですよね。 [DVD(字幕)] 5点(2022-11-19 10:05:55) |
9. 貞子3D
ここまで酷い内容なのにテレビで堂々と放映して、しかも続編まで作れちゃうこの国はすごい [地上波(邦画)] 1点(2022-11-19 10:04:33) |
10. ヴァンパイア(2011)
絵はがきのような映像の連続に、監督の映像へのこだわりが感じられました。 全体に重くのしかかるどんよりとした雰囲気と長い冬のような映像や音楽に、物悲しく生きるヴァンパイアは上手く映えていたように思います。 登場人物みんなそれぞれ性格に物凄いクセがあって、それがヴァンパイアの異常な生き方さえも、まるで普通の男の一個性に思わせるような効果になっていて、人殺しである主人公に、妙ないとおしさを感じました。 ただ、見ごたえはあるものの、少し冗長に感じてしまいました。 リリィシュシュや花とアリスみたいなさりげない映像美ではなく、監督の主張やこだわりの強さに、少し疲れました。 力を抜いて見られるシーンがもっとあってもいいんじゃないかと思いました。 [DVD(字幕)] 7点(2022-11-19 10:04:02) |
11. テッド
根っこの映画は面白いんですが、和訳が自由にやり過ぎて、もはやなんでもありになってしまってるので、台詞で笑わせようと狙いすぎている感があります。 おそらく元々の台詞が向こうの国の時事ネタばかりだからこうなったという、訳者の努力の跡だとは思うのですが。 まあしかしこの映画以降、熊のぬいぐるみがオッサンにしか見えなくなってしまいました。 そういう意味では、なかなかの衝撃作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2022-11-19 10:03:01) |
12. レ・ミゼラブル(2012)
ストーリー展開があまりに雑で、正直ダイジェスト版をみているようだった。 全員が常に歌うのはいいとしてもその背景にあるストーリーやエピソードが断片的過ぎる。 映画という媒体においてはやっぱりストーリー運びに主軸を置いていただきたいところである。 しかしそれでも歌はやっぱりすごかった。 ひきつけられるシーンにおいては本当にグッときた。 逆に歌わずに普通の映画として見せてくれるシーンがあっても良かったんじゃないかなと。 説明不足や、単調になりがちなシーンを減らす意味でも。 なんか常に力が入りっぱなしなのですごく疲れた。 [DVD(字幕)] 6点(2022-11-19 09:58:51) |
13. 96時間
おとんがフランスで暴れん坊将軍しまくる映画です。 ただ、何の権限もないので一般市民にまで迷惑かけまくりですが、娘の為ならと全く気にしてませんあの親父。 ほんでとにかくノンストップで悪い奴をしばきまくるんですよ。 しばいてしばいてハッピーエンドです。いやまあぶっ殺してますけど。 そして両手に手錠繋がれて銃殺寸前からでもたやすく脱出出来るレベルの親父ですから、娘に銃突きつけられて人質に取られる、みたいな普通だと絶対絶命な場面ですら 「あーもうおっちゃん余計なことやめとけやめとけ」 としかならないわけです。完全に何か麻痺します。あんなんスター取ったマリオみたいなもんです。 というわけでとてもスッキリ爽快な映画なんです。 なんかこう、自信をつけたい時なんかに見るといい映画かもしれません。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2022-11-19 09:58:17)(笑:1票) |
14. 借りぐらしのアリエッティ
《ネタバレ》 ファンタジーなのにワクワクしない。 ワクワクしないファンタジーって感情移入出来なくて視点が冷めてしまうので、うん、そうなんだ、ふーん。で終わってしまう。 過去のジブリのファンタジーの作品と同じく、ワクワクする下地は確かに存在しているけれど、山場においての悪役となる家政婦に主張がなく、何がしたいのかさっぱりわからんまま。 結局感情移入どころか、ヤマと感じることすら出来なかった。 家を出た後にようやく面白くなりそうな片鱗が見られるのだが、そこで物語が終わってしまって消化不良。 題材は面白いので、その後の話を描いていれば、もっともっといい映画になれたのかもしれない。 [DVD(邦画)] 5点(2022-11-19 09:57:29)(良:1票) |
15. ロスト5
《ネタバレ》 いやーもうね、TSUTAYAで新作なのに旧作と同じお値段ってことでね、まあイヤーな予感はしてたんすよ。 それでも奥さんが面白そう!とかゆうて嬉しそうだから、借りたわけですよ。ええ。 でまあ、実際見てみたらひどいもんでね。なんですかあの人がカブリモノしてるだけの化け物は。あれならまだゆるキャラのふなっしーのが怖いですよ。 そして海上に逃げ出した悪い奴がタコの化け物に襲われるシーンで 「あれはなんですか?」「タコだ」 いやわかりますから! 見ればわかりますからね!中学英語やないねんからね!爆笑しましたけども! ラストなんざ彼らの行方は誰も知らないて、一番やっちゃいけないエンディングです。 見終わったあと、奥さんにごめんね言われました。 まあなかなかの駄作ですが、色々と勢いは感じられます。 [DVD(字幕)] 1点(2022-11-19 09:56:35)(笑:1票) |
16. 日本で一番悪い奴ら
結構面白い。 最初は結構コメディタッチで、ブラックジョークみたいなの織り交ぜながら見れるのですが、どんどんしんどい展開になっていきます。チャカも金にもならないのに、明らかに労力かけすぎてしまってます。そしてやっぱりシャブ頼みになっていき、少しずつ状況がおかしくなっていくという、スコセッシ映画みたいな展開です。 ちなみに個人的なお気に入りシーンは、序盤に登場する明らかにエロバカ要素でしかない常見とウェイトレスによる「アンタ常見?電話だよ」「かわいー」「チッ、うっせーな」というしょーもないやりとりと、その常見がボッコボコにされた顔で「すみませんでした」と奥に引っ込んだ代わりに出てきたすげー怖いヤクザの黒岩による「はいこんにちはー。旭真会の黒岩です」からの一連の流れですね。「はいこんにちはー」って登場するヤクザ初めて見たと思います。すんげえ迫力です。最高。 あと余談ですが、黒岩消えた後で諸星達が散々痛めつけられるという非常にシリアスなシーンの後のTKO木下氏のセリフが「ハッハッハ。流石は道警のエース」というベッタべタな悪役のセリフみたいでちょっと笑ってしまいます。 [インターネット(邦画)] 8点(2022-10-29 19:13:29) |
17. 劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん
《ネタバレ》 序盤、主人公を演じる坂口健太郎氏はどう見てもFF3世代ではないよな〜、などと気になりつつも、ゲームと実写を上手く組み込んだ演出はとても良かったと思います。 親父と息子の現実世界での絡みはもう少しあってもいいんじゃないですかね。なんか結局最後まで親父も息子もオンラインでつながってるだけで終わっちゃいましたが、昔の思い出みたいに1つの画面で二人若しくは家族で、現実世界で仲良くやってよーって思いました。 あとシナリオの後半は若干安直な感動にもっていった感があるなぁと思いました。そして倒れて病院抜け出してネカフェでFFやる親父とか、お母さんは親父絶対シバいたほうがいいと思いますよ。 [インターネット(邦画)] 7点(2022-10-29 02:25:16) |
18. ドント・ルック・アップ
《ネタバレ》 「世界が滅びるかもしれない状況」においての人類の行動は、まさにこの映画で示された通りとなる可能性を秘めていると思います。コロナ禍における世界情勢なんかのまさにこの映画通りで、結局隕石=ウイルスは利権ビジネスに利用されただけなんじゃないかと。 隕石の進路変更作戦時から出てきた大金持ちのオッサンの「イエスマン以外はクビにする」というやり方、あれは経験上ITの「超」大手企業でマジでやってる会社が普通にあったので本当に笑えないんですよ。それで問題点をひた隠しにしたままで突き進んでいくんですよね。でも金持ってるのと見せ方の上手さでうまくやるんですよ。中身は無茶苦茶でも。 しかし災害や戦争における利権、覇権争いというものや、科学者らの意見を無視した独裁なんてのは、歴史を振り返って見れば普通に昔からあるもので、最近のネットの発達でそれらがより見えやすい形で明るみになっているだけであって、結局のところ人類は「何も変わっていない」わけで、だからこそ、この人類滅亡エンドに対して「そんなわけねーだろ」とは言えないわけで。 ただこの映画は大統領陣営の批判だけではなく、科学者サイド(最後には「陣営」になる)も家族捨てたり大統領に言わんでいい文句をわざわざ言ったりで、なかなか人間的に褒められたもんではなかったりするところも、ひとつのポイントなのかなと。 [インターネット(吹替)] 8点(2022-09-20 07:58:48) |
19. 羊の木
住人の知らぬところで元殺人犯6人一気に引き受ける市とか、もはやバトロワのような全体主義国家なんじゃないかと。そしてサイコパスのアイツの最後の死に方も妙にファンタジーチックだし、リアリティの面が実に中途半端。結局、「で?」という感想しか抱けなかった。もう少しまとめようがあったのでは? 優香は確かに色気はあるけれど、あんな高齢の親父とのキスシーンはちょっと濃すぎて気持ち悪かった。 [インターネット(邦画)] 5点(2022-06-18 23:55:35) |
20. 街の上で
《ネタバレ》 ベタなラブストーリーではなく、泥臭い人間模様をちゃんと多面的に描いてて、非常に面白い映画でした。 見どころはなんと行ってもその日初めて出会った青とイハのリアルな長回しの会話。役者さん達の身体に青とイハが憑依したのかと思えるほどリアルで、ホントにどうやって撮影したんだろうと思いました。 主人公青が文字通り青臭いキャラクターではありますが、本当に魅力的なキャラクターになっててとてもリアル。他のキャラクターの奥行きも深く、明かされないバックグラウンドや意味深なカット、感情等も多くてそれもまたリアル。それでいて物語のあらすじ自体は割とシンプルで明快でした。 最後は関係者集合!みたいなドタバタコメディのような映画らしい展開を経て青にはちゃんと幸せな結末が訪れますが、彼がホントに嬉しそうでニヤニヤしてしまいます。 見終えた後ちょっとあったかい気持ちになりました。そしてイハ役の中田青渚さんに恋した男子は数多くいるのではないでしょうか。 [インターネット(吹替)] 9点(2022-05-29 13:46:45) |