Menu
 > レビュワー
 > タケノコ さんの口コミ一覧
タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

たまにポチっと「良」投票・・・

よろしくお願いいたします。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567891011121314
投稿日付順1234567891011121314
変更日付順1234567891011121314
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  台北暮色 《ネタバレ》 
冒頭の列車内、携帯をかけていたフォンが、ワンカットでリーに切り替わる。まず、その鮮やかさに唸らされる。そのリーは、車内にシューを見つけて、声をかける。この二人は他人と思いきや、実は知り合いであることに驚かされる。その微妙な距離感を維持したまま、二人は同じアパートへと歩いてゆく。やがて、導かれるようにフォンが合流し、三人のドラマが交差していく・・。 本作は、この三人の、近すぎず、そして離れすぎない関係性が、なぜか不思議な安心感を与えてくれる。 逃げたインコの、捕まりそうで捕まらない、その距離感のもどかしさ。 シューの元に「ジョニーはそこにいますか?」という、他人からの電話が何度も鳴り、片や、彼女には、ほとんど電話をしてこない、実の娘の存在がある。 シューとフォンは、恋人のようでもあるが、その一線は越えない。 このいくつかのエピソードや、「距離が近すぎると、愛し方も忘れる」という忘れ難い台詞に要約されるように、この映画は、人と人との、「距離感」を描いた物語である。心、住まい、人間関係、、ありとあらゆる距離感によって、人は無意識のうちに生かされもするし、時には行き詰まったりもする。 本作は、フォンが動かなくなった車を諦めて、乗り捨てる場面から始まる。しかし、例え故障していても人が力を合わせて押せば、少しずつ前進してゆけることを示唆して終わる。これは、リーの行き詰まった人生を後押しすることを予見させるものである。 やがて、カメラは俯瞰的な視野に変わり、街灯にライトアップされていく「台北」という大都会の夕暮れが美しい。 台北で暮らす若者の現代を的確に描いている、といった評価の本作であるが、私の感覚ではどこか懐かしい空気を感じさせるものだった。その風景が、どことなく東京に似ているからかもしれない。 一見しただけでは、嵐の前の静けさのごとく平穏、しかし長い年月を経て私の中で大きく存在感を増していくならば、この黃熙 (ホアン・シー) という監督は、楊徳昌、侯孝賢といった台湾の巨匠たちに、いずれ肩を並べる予感がするのである。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-05-09 22:19:58)(良:1票)
2.  おじいちゃん、死んじゃったって。 《ネタバレ》 
おじいちゃんは死んだ。だからもちろん、台詞はない。それなのに、まるで「桐島、部活やめるってよ」の桐島のごとく、いないながらも (いるけど) 抜群の存在感で、一族たちを混乱に陥れてゆきます。 日本映画は、冠婚葬祭の「葬」にまつわる映画をやらせたら、まずハズレがない。期待した通り、古臭い慣習に振り回され、てんやわんやの一族たちのお姿にニヤニヤと笑いの絶えない105分でありました。不意打ちのように、時折、ほろっとさせるところもよかったと思えます。 家族の「死」は確かに不幸です。しかし、散り散りになった一家を否が応でも結集させる、という大きな役割を果たしており、だから死という不幸の中にも一見の「幸」あり、と私は思ってます。 全体を通して一言苦言を言わせていただくなら、吉子ちゃん (岸井ゆきの) 。大切な人の死に対する感度は、人それぞれだ。だから、「悲しくないの?」とか、感情の決めつけと押しつけはやめた方がいい。あなたが、まさにその時セックスをしていた、という居心地の悪さから、悲しいフリだけでもして罪悪感から免れようとしていたようにも、私には見えましたけど。 また、本作は岩松さんと光石さんの絡みが面白かったです。大いに笑わせていただきました。二人にとって、「口げんか」はコミュニケーションの手段であり、コノヤローバカヤローには間違いなく愛がこもっていた。この兄弟、決して仲は悪くない。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-04-19 22:39:29)
3.  ちょき 《ネタバレ》 
まず、導入部から波多野青年 (吉沢悠) の日常を丁寧に描いており、とても好感が持てる。続いて、美容室にて常連客たちとの軽口があり、彼の人柄や人間関係もわかりやすく、実に手際が良い。 やがて、満を持してサキ (増田璃子) が登場すると、まるで「そよ風」が吹いたように、映画全体が爽やかな空気に包まれた。 その彼女が青年と二人、バイクに乗って海岸線沿いを颯爽と走り、マリーナシティを楽しみ、砂浜を歩く。それだけで視覚的には十分に楽しめるものだが、、しかし、彼女は盲目だ。バイクの疾走感と彼の背中、海のかおりと潮風とつないだ手の感触、、我々も一度は目をとじてみて、彼女の「体感」を想像してみるのもいいだろう。 神社の「絵馬」のメッセージが感動的なのは、その前段において、サキが見えない目で書道に取り組んだからである。それはつまり、伝えたい言葉を (つたなくても) 自分で書きたい、、そう思わせる下地があったからこそ。 全体的には、透明感ある青と白を基調とした、色合いのキレイな映画だったと思う。 また個人的には、なぜだか「ジョゼと虎と魚たち」を思い出す映画だった。 最後に余談だが、和歌山県産の映画に好作多し。大げさではなく、有田みかん、紀州梅干、と併せて、もはや "和歌山三大特産物" に認定したいほどだ。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-04-12 22:01:13)(良:1票)
4.  ウインド・リバー 《ネタバレ》 
ストーリーはありがち。 しかし、ジェレミー・レナー演ずるコリー・ランバート、この男たった一人の存在によって、この映画一本がズッシリと観応えあるものとなっていた。 舞台は見渡す限りの白銀の世界。 あたり一面の「白」に同化して潜むその姿は、雪原のプレデターの如し。 射撃の腕前は正確無比、一度狙った獲物はアメリカン・スナイパーのように外さない。 そして、命を救った女性捜査官には見返りを求めることも、もちろんない。 強く、優しく、高潔であれ。その美学には、西部劇のC・イーストウッドを観た気がするのである。 しかし、そのジェレミー・レナーさん、その後プライベートでは重機による除雪作業中の事故で大ケガをされたとか。「雪原のプレデター」らしくない大事故だが、、どうか一日も早い回復を祈りたい。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-04-02 23:04:43)
5.  あなたを抱きしめる日まで 《ネタバレ》 
本作について、奇跡の実話という紹介も目にしたが、それは映画や我々 (第三者) にとっての謳い文句でしかなく、当のフィロミナ (ジュディ・デンチ) を含む当事者たちにとっては、悲しくも数奇な物語。 彼女の修道女時代、つまり過去の場面に限って、年代モノのカメラで撮影したような古めかしい映像美。現代と過去を繰り返すことによる相乗効果もあるだろうが、実際にその時代 (1952年) に撮影したような重々しい空気を確かに感じさせるものでした。 さて、本題。 本作、ストーリーは壮大、でもテーマとしては、いたってシンプル。「赦し」のお話。フィロミナという、ただの人間であり、慈悲深い女性がわかりやすく教えてくれました。もちろんそこには、宗教 (神) への当て擦りや皮肉が込められているのでしょう。 しかし、、息子アンソニーの大出世と文明の進化 (インターネットの普及) は、人身売買を副業とする修道院と神さまの大誤算だったのではないだろうか (笑) なお、原題「 Philomena (フィロミナ) 」に対して、邦題は彼女が50年もの間、来る日も来る日も生きる糧にしてきた願い (思い) のこと。だから嘘ではないし、とても秀逸だと思います。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-26 22:11:07)
6.  奇跡のリンゴ
あにやんさまのレビューに笑わせてもらいました。 そう、「何か」のもどかしさ、じれったさ、そして、あれだけもったいつけて、その大したことのなさ (笑) とうとう画面いっぱいに映ったのが、ゴジラか、ウルトラマンか、仮面ライダーだったら、その強心臓とセンスと大どんでん返しに10点投じていたんですがね~。
[インターネット(邦画)] 4点(2024-02-17 23:14:38)
7.  しゃぼん玉 《ネタバレ》 
乃南アサ氏の原作は、何年も前に読んでございますが、細部をかなり忘れていて、今回の映画が初見のようになりました。 始め、青年 (林遣都クン) は鬼のような形相で、悪いことをたくさんしますが、どこかしら人の優しさを知らずに育った (粗暴な) 野良犬のようなところがありました。 そんな彼が、流れ着いた宮崎県の山奥 (椎葉村) の風景と人の優しさに癒され、憑物が1枚1枚剥がれていくように人間らしく表情が宿っていく、、。 村で過ごした彼が、人生で初めて知ったもの。 スマの優しさ。 シゲ爺の厳しさ。 人を好きになること。 人の心を知って、人として成長して、人として罪を償って、また村に帰る彼の姿に大きな感動を覚えました。 本作は少年院や刑務所で上映されているようですが、確かにこの映画には、罪人を更生させるだけの「力」があると思います。 「ぼう、ぼーう」 彼をそう呼ぶ市原悦子さんの声がどこまでも優しかったです。 山でおむすびがころころ転がった場面では、私は日本昔ばなし「おむすびころりん」を思い出し、今にも彼女のナレーションが聞こえてきそうでした。
[DVD(邦画)] 8点(2024-02-16 23:32:44)
8.  島にて 《ネタバレ》 
山形県唯一の有人離島「飛島」と、島に住む人々の暮らしに密着したドキュメンタリー映画。 まず、上映開始直後の巨大なタコに思わずニヤリ。ちょうど、今日の晩酌のつまみにタコの唐揚げを考えていたからだ。私がスーパーで購入した真だこは130gで550円、いったいこの巨大な真だこはその何食分になるだろうか (笑) さて、本作は島民の方たちの素朴な暮らしぶりがよく伝わる内容となっていた。 映画的な出来映えとしては、場面が変わるところの挿入画に監督の光るセンスを感じさせた。 島の緊急ヘリポート。 放し飼いになった山羊。 寂れながらも生活感のにじみ出る古民家の数々。 はるか海の向こう (の本土) にそびえ立つ雄大な鳥海山・・・。それぞれ、この島ならではの風景を厳選しており、いつの間にか私は次の挿入画を心待ちするようになっていた。 本作は、島の過疎化問題への取り組み (島おこし) が大きなテーマとなっている。その事例として、UターンやIターンによる新規サービス業や、バーベキューイベントなど催しの様子も紹介されていた。しかし、とても良い取り組みであると素直に思う反面で、島おこしが大当たりして多くの人と喧騒で賑わい、まるでリゾート地のように開発される島 (の姿) もあまり想像したくない自分がいた。 手付かずの大自然。 140人が暮らす島。窓から海が一望できる教室で、たった一人の生徒にたった一人の先生。 それはそれで、この島ならではの贅沢だろうし、誇りたい文化でもあるように思えたからだ。「飛島」自身は、どう考えているのだろうか? 少し身勝手な意見になったが、、この島の古き良き文化を残しながらの、飛島と島民みなさまの繁栄を願いたい。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-01-29 23:44:14)
9.  家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。 《ネタバレ》 
冒頭、安田顕による二人の馴れ初めの回想にて、舞台は寿司屋になりますが、そこで親父さんが榮倉奈々の幼い頃を回想する、、という、これはいわゆる回想の回想というダブル回想ですね。回りくどくて、私が最も苦手とするヤツだ。 ところで、加賀美じゅん氏はどうやら会社員 (らしい) ですが、いったい彼は何の会社でどんなお仕事しているのか、とうとう最後までわかりません。本作は、彼の仕事と職場と同僚たちが、単なる一エピソードではなく、ストーリーの中心として大きく存在しているので (二人の馴れ初めでもある) 、そこはキチンと説明してほしかったところ。 親父さんが寿司屋、というのはわかりやすくてよかったのに。そうそう、せっかく寿司屋の娘なのに、死んだふりコスプレで寿司ネタなかったのは残念。 寿司のネタなし。そりゃあ、残念に決まってるでしょ、、。
[インターネット(邦画)] 3点(2024-01-23 22:27:22)
10.  お父さんと伊藤さん
お父さんと伊藤さん、そして語呂悪く題名から除外された娘さん。(山中彩34歳) 同居しながらも、心のうちを見せず、心のうちに踏み込まず、ほどよい距離感・緊張感が持続する心地よい120分。部外者であるはずの伊藤さんによる機転・気配り・先回りによって、何とか成立していた父娘の関係性。きっと、彼は人生を2周目なんだろう。だから、何でも知ってるんだろう。もちろん、2周目の余裕からもう仕事にこだわるようなことなどしないし、欲もない。うん、そういうことにしておこう。(ファンタジーだし) お父さん74歳、伊藤さん54歳、山中彩34歳。 どうりで、父娘の間にピッタリおさまる伊藤さん。でもこう並べると、(彼に) 14歳の隠し子がいそうな予感の今日この頃。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-01-15 22:20:17)(良:1票)
11.  こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 《ネタバレ》 
低評価ごめんなさい。 鹿野を演じる大泉洋 (の姿) がどうしてもコントにしか見えなくて。鑑賞中、「志村けんのバカ殿様」を何度も思い出しちゃった。 あと、彼を取り巻くお三方 (萩原聖人・渡辺真起子・宇野祥平) についてコメントを。なぜ、三人はあの偏屈男の介助に人生を捧げるのか? そもそも、三人はボランティア? それとも (介護系の) 職業? ボラとしたら、無報酬であれだけ献身できることの理由があると思うんです。以前に家族がボラに介護をされてきて助かったから、とか、有名人を介護してオイラも有名になりたい、とか、何かあるでしょう? 介護「ボランティア」が一つの大きなテーマでありながら、真のボランティアたる彼らの内面 (苦悩) を描こうともしない。だから、この映画からはボランティアの「心」が伝わらない。 鹿野と美咲の惚れた腫れたはもういいから、もう少し彼らにスポットを当ててくれ。 三浦春馬と佐藤浩市の親子エピソードも取って付けたようで蛇足。 以上。
[インターネット(邦画)] 3点(2024-01-11 21:36:44)(良:1票)
12.  志乃ちゃんは自分の名前が言えない 《ネタバレ》 
志乃ちゃんのような重度の吃音症というわけではありませんが、私もあがり症 (ぎみ) なので、彼女の気持ち、少しだけわかります。例え一言だろうと、人前で話すのが苦痛な人は本当に苦しいもの。個人的に思い出したのが、はるか昔、小学校の音楽の授業で、先生のピアノの伴奏でみんなの前で一人ずつ独唱させられる歌のテストがあって、あれ死ぬほどイヤでした。あがり症で音痴な私には地獄でしたわ。今は教育の場も難しい時代だし、生徒が苦手とすることを強要すること、場合によっては大問題になりそうですよね。 さて、本題。本作について、志乃と加代の友情モノといった意見が並んでいますが、私には、志乃の加代に対する感情は、友情を通り越して恋愛感情に見えましたが。空気読めないクンが仲間に入ってきて、志乃が彼を歓迎しなかったのは、彼のことを恋敵として警戒したからではないでしょうか。しかし、加代は、志乃を友人として見ていた。そして、志乃の感情には、薄々気づいていた。でも、志乃とはこのまま良い関係を続けたかった。・・だから、このジレンマを解消する魔法をください、、そういうメッセージがあの歌には暗に込められているように感じました。
[DVD(邦画)] 6点(2023-12-23 22:02:40)
13.  ボーダーライン(2015) 《ネタバレ》 
ケイトさん (エミリー・ブラント) としては、ちょっと切ない役どころ。なんせ、対麻薬カルテルチームの内部統制上、「FBI」の肩書きだけを必要とされて選ばれただけですからねぇ・・。それともう一つ、彼女が美人だったから、ですかね。ここは、荒くれの猛者ばかりの世界です。だから、連れていけば敵の尻尾を掴むための色仕掛け担当として役にたちそうやな、、そんな期待が上層部側 (特にマットのオッサン) にも少なからずあったと思います。実際、成り行き上とは言え、BARのくだりでは "女" であることが役に立ちましたよね? 表題は、決して国境だけではなくて、階級や男と女といった、ありとあらゆる「ボーダーライン」を指している、そう思ってます。 麻薬戦争の凄惨さは目を覆いたくなるものでしたが、またそれを増長するように音楽と映像が素晴らしい。特筆すべきはラスト近く、地下トンネルに突入する直前の、紅い夕陽の異様なまでの美しさ。今から多くの血しぶきが飛び散るであろう光景を予感させて、その戦慄に身震いしたものです。 そして、麻薬王の大邸宅に一人潜入する、アレハンドロ (ベニチオ・デル・トロ) 。この場面は、かの「スカーフェイス」のラストを目線を変えて映したような趣きがあり、アレハンドロの姿にあのターミネーター風のグラサン男がかぶって見えたのは私だけではないはずだ。 以下余談。本作は数年前の真夏に部屋で初鑑賞しておりましたが、劇中の「花火は好きか?」のあたりで、部屋の外からは多摩川花火大会の ドーーーン!! が鳴り響いておりました。(実話) ここ (日本) は平和だな、、と改めて感じた次第 (笑)
[DVD(字幕)] 8点(2023-10-06 20:08:59)
14.  映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ 《ネタバレ》 
ありがちなボーイ・ミーツ・ガール系の映画ですが、詩集から引用した台詞の数々は目新しいし、とにかく音楽が雑多な感じで、「ミクスチャー」な映画、とでも言おうか。ストーリーよりは、映画の表現の仕方は好き、そんなところ。 主演二人の何か諦めたような空虚な雰囲気も、本作の在り方によくハマっていたように思う。 東京と田舎、そして生と死、、いくつかのエピソードが淡々と流れていき、ぼんやりと眺めていたら、田舎の星空は美しいけど、東京の汚れた夜空に浮かぶ美しい光の群れも悪くはない、、そう気づいた。彼ら都会の底辺をさまよう希望 (一つ一つ) を光りに例えて、二人交わればさらに夜空を明るく照らし出す、、表題の意図はそこにあるのかもしれない。「青色」ってところが、またいい。いずれにせよ、映画から一つでもインスピレーションを感じれば、観たことの価値はある、と思ってる。 個人的には、観ていて何度か思い出したのは、ウォン・カーウァイの香港映画。実際、夜の都会の撮り方 (画作り) とか映像美は意識してるように感じた。
[映画館(邦画)] 7点(2023-09-20 23:15:03)
15.  沈黙 ーサイレンスー(2016)
これは、中島みゆきさんの「背広の下のロックンロール」思い出したよ。  うまく化けてるね 見分けがつかない程に  怒り 願い たくし込んで  誰に見せる為じゃない 己れの為だ・・。
[映画館(字幕)] 7点(2023-08-31 22:48:03)
16.  さんかく 《ネタバレ》 
百瀬、佳代、桃、という、主要な三人については、みなさんのレビューで大いに笑わせていただいたし、その人物評については出尽くしておりますので (笑) 、あえて別の切り口から一つコメントを。 本作、と言うよりは、この監督のほとんど全ての作品で言えることですが、年頃の少女が主演のごとく登場するにもかかわらず、「親」が全く登場しません。(壊れた父親、がいることはある) 三人の会話の断片にちらっと登場しても良さそうですが、それすらない。 かつての相米慎二監督は、その作中において、子になおざりな親たち、離婚寸前の親たち、、といった、大人の不在 (喪失) を通して子供たちの成長、を描いていましたが、吉田恵輔監督の支柱はそこに近いように感じています。(そもそも、田畑智子、一夏の物語、お引越し、親の不在、といった本作のキーワードから、相米慎二監督「お引越し」へのリスペクトは隠せません) もちろん、本作を恋愛劇として観るなら「さんかく」ですが、桃という子供、に対して、百瀬、佳代の二人は未成熟な大人、、その視点で観ると、大人たちが不甲斐ない歪な家族ドラマのようにも見えるのが本作の面白いところ。 しかし、二人の監督それぞれ個性があり、相米監督はあくまで "家族" がテーマですが、吉田監督は "恋愛群像劇" にこだわっているようです。それも、いじわるで挑発的な (笑) 実は、優しくて愛がある、というところは同じかな。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-08-22 20:42:01)
17.  ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。 《ネタバレ》 
この映画は、主題のクジラをとても愛情込めて撮影しているので、そこは安心して観れますが、「人」の撮り方もうまくて、最後まで飽きることなく観れました。 まず、クジラおたくの鯨井クンに「さかなクン」そっくりな矢野聖人クンと、唯ちゃん役はウェットスーツと海がよく似合う武田梨奈 (代表作は "海すずめ" ) ということで、テーマに絶妙なキャスティングが素晴らしい。 そして面白いのは、人の撮り方に一つのこだわりがあって、それは、「クジラ」に愛情がある人ほど、美しく、そして、カッコ良く撮っている、ということ。 最もわかりやすいのが、唯ちゃん。登場した当初、彼女は自分が成功することしか考えていません。彼女にとって、私の為のクジラ、だから、映画もそういう撮り方 (扱い) をしてる。それがやがて、「クジラの為の私」に変わった、、だから、最後のサーフィンと、クジラに乗る彼女の姿は美しい、、。これは、彼女 (の心境の変化) に対する、この映画の回答に他なりません。 始めにリーダー降格したあの人などは、まぁ出世志向で、私の為のクジラ、のままではスポットは当たりませんし、鯨井クンは言わずもがな、ですね。最後のクジラショーのカッコ良さ、、この映画は彼を単なるクジラおたく (のまま) で終わらせるはずがありません。 さて最後に。さんざん、何食わぬ顔してコメントを書かせていただいたが、私はと言えば、昔から、行きつけの居酒屋でクジラベーコンをわんさか食べてきた、根っからの「私の為のクジラ」人間です (笑) しかし、そこは本作のテーマとしては無関係であり、多くを語られなかった捕鯨反対派の問題と同様に、"別問題" なんだろう。 クジラを題材にしたこの映画は面白かった、感動した、そして勉強になった、、ただそれでよいのだと思えます。
[インターネット(邦画)] 8点(2023-08-10 21:03:50)(良:1票)
18.  山のトムさん<TVM> 《ネタバレ》 
これはいわゆる、「かもめ食堂」を本家とする、暖簾分けのような映画ですね。めがね、プール、に続いて、明らかに、同じ客層をターゲットにしています (笑) もちろん、出演者やテーマ (食と、ゆるゆる働くスローライフ) はかなり近いですが、登場人物たちの過去や、ここにたどり着くまでの人生をバッサリ省いているところ、、それがこのシリーズ (あえてそう言います) 最大の特徴であり、面白いところであります。 そう、登場人物たちに過去がない。それはつまり、誰でも登場人物たちに成りきって感情移入がしやすいと思うし、現実逃避的なスローライフを擬似体験できるような、そういった効果があると思います。 のどかな田舎の風景と暮らしがあって、元気な幼い子供がいて、猫やヤギがいて、おいしいご飯が食卓に並ぶ、、もうこれだけで癒やし系のヒーリング映画としては合格点ですが、肝心の野良仕事 (の描写) がクワ持って畑を耕しているだけで、ちょっと杜撰な感じがしたのが残念でしたかね。 小林聡美さん、もたいさん、あたりの台詞が金言を狙いまくりなのも、くどい感じ。 あと、イノグチさんは一体何だったのでしょう? 異色な彼女の登場によって平坦な映画の空気が変わったし、波乱の予感にわくわくしましたが、あれっきりフェイドアウトって、、これについては、やや消化不良なエピソードに感じました、はい。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-07-18 22:47:32)(良:1票)
19.  きばいやんせ!私 《ネタバレ》 
本作は、夏帆さん演じる貴子が小学生時代にわずかだけど舞台である鹿児島の田舎に住んでいて、一度は全国区の女子アナになり、また出戻ってきた、、この部分がミソだと思います。 初めは、地元の星の帰還を素直に歓迎できない太賀と天音 (とその他大勢) がいました。それはもちろん、今の自分の仕事や田舎で暮らしていること、そこに誇りを持てないから、彼女に対して羨望や嫉妬があったからです。(序盤、彼ら二人が彼女と目を合わせない感じが抜群にうまい) このお二人、最初はどこかやっつけ仕事的に投げやりでしたが、やがて物語が進むにつれて正面から彼女とぶつかり合うようになり、最後にはまるで別人のような顔つきになっていました。だから彼女の成長よりは、彼女が故郷にもたらした、この全体の変化 (成長) こそ本作の見どころだと思えます。田舎も都会も家畜農家もアナウンサーもそんなことは関係なく、真面目に生きていることにもっと誇りを持つべきだ、、そういう映画、と言えるでしょう。 その他よかった点として、メインである佐多の御崎祭りについて、現地エキストラを中心にクローズアップして、彼らの "顔" を確りと撮っていたことは、映画として正しい姿勢だと思います。 悪かった点は、ファンタジータッチの色合いは蛇足だったように思いました。(この内容ならストレートなドラマの方がよかった) そして、やたらとお酒の場面が多く (多すぎでしょ) 、ゲロも多いし、この映画は下戸の方にはかなりキツイですね。 また本作は興行的には大惨敗だったようで、題名「きばいやんせ!」(頑張れ!) が、映画関係者たち自らにハッパをかけてるようでもあり、まるで自虐ギャグのようでお気の毒。
[インターネット(邦画)] 6点(2023-06-19 22:00:16)
20.  at Home アットホーム 《ネタバレ》 
是枝監督「万引き家族」の元ネタと言ってもいいようなストーリーですが、、こちらはニセ家族全員が美男美女という、いかにも安っぽい設定。 案の定、家族たちの生い立ちを (丁寧に) 時系列で語ることはしなくて、後出しで (まとめて) 説明する、、という、手抜きな脚本で、映像もテレビドラマのレベルかな。 まあ、松雪さんは気の毒だったけど、結婚詐欺してたからね、、スマンが同情の余地がありませんね。 いくら自分が不幸になっても、人に迷惑かけずに真っ当に生きたいよね、、という、とても大切なことに気づかせてくれたことに3点。 ・・いやいや、知ってましたよ、そんなこと~。
[インターネット(邦画)] 3点(2023-06-05 22:46:00)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS