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意味のある戦争映画を描くためには、ヒューマニズムは絶対であり、さらに、映像のリアリティも追求されてきた昨今・・・。ここまで「戦場を感じさせる」映画は今まで無かった。もはや、誰もが「戦争はいけない」と理解出来ているはずだし、繰り返したくないと願っている(しかし、第二次大戦後、戦争もしくは紛争は一度も無くなる事がなかった)。だが、どれだけ「戦争の恐怖」を語ったとしても、実際に感じる事は出来ない(勿論、感じたくない)。その恐怖を「映画」という媒体で疑似的に感じ取れた今作の意味は量りしれない・・・。劇場で見た、最初のオマハビーチの映像は「想像を超えるモノ」で、「恐怖」のあまり体が強張ったのを覚えている。そして、圧倒的な映像に留まらず、「8人の命を賭けて、1人の命を救出する意味」という「矛盾」も丁寧に描いている。ただ、真に素晴らしいのは、大尉が元「先生」だという点で、「教え育てる人」が「銃を持ち、人を殺さなくてはならない」という、「戦争の矛盾」についても語っている部分だろう。そして、与えられた「命」と「人生」の重さを諭してくれる、年老いた「ライアン」のセリフに胸打たれる・・・。つくづく、銃で人を撃たずにすむ「現代」と「(平和になった)国」に生まれた事を最高に幸せだと感じずにはいられない・・・。
【sirou92】さん 10点(2003-08-12 04:41:53)
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