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《ネタバレ》 普通に楽しめた。やくざ社会の階層や、縄張りの奪い合い、義理人情と裏切り、警察とのなれ合いなど、我々が普通に想像できる世界観の中でストーリーはどんどん進んでゆくからわかりやすい。この映画の見所はそれよりも、味のある役者達の演技ぶり、そしてこちらに痛みが伝わるかようなバイオレンスシーンに尽きるだろう。特に三浦正和の若頭ぶりが魅力的だった。爽やかなイメージを覆し、大組織のナンバー2にふさわしい苦み走ったその表情は特筆ものだ。また椎名演じる水野の殺され方は印象に残る。普通あそこまで手の込んだ殺し方をする必要はないだろう。しかし本作での様々な暴力もやくざ同士の中で完結しており、全く無関係な一般人が巻き込まれてはいない。まさに「暴力のおいしさ」に魂を奪われたヤクザやその取り巻きが、終わりのない「殺しのらせん」に巻き込まれていく姿を描いたものだ。だから我々一般人が娯楽として観ていられるのかもしれない。現実のヤクザがこれほどまでに「殺しのらせん」に徹し切れたらそれはそれですごいことだが…、と思わせる映画だった。
【田吾作】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-01-05 17:26:08)
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