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《ネタバレ》 原作未読。決して退屈はしなかったが、ダークで不快な印象しか残らなかった。中学教師の子どもをクラスの生徒が殺害する、という題材の特異さと、告白という形での人間存在の掘り下げ方という点では一定の評価に値するし、物質的に満たされても心は満たされない現代日本社会の病理がそこから垣間見られなくはない。だが、それにしても本作に登場する人物達の内面的な屈折の仕方は尋常ではない。その屈折をコラージュのような映像と音楽で鑑賞者の五感に切り刻んでいく、その手法が実に不快極まりないのだ。現代日本人が置かれている愛情の欠乏感や狂気や空虚さから逃げずに向かい合え、と言っているのかもしれないが、そこから何か価値が生まれるとは思えない。鑑賞者の心に沈殿する汚物を残す、万人にはお勧めできない映画。
【田吾作】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-01-24 12:19:49)
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