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《ネタバレ》 まさに終末ものの王道をゆくストーリー。
20世紀の映画だけに細かいガジェット(携帯電話など)は時代を感じさせるが、ストーリー構成は現在にも通じる安定感をもっている。 地球と衝突軌道にある彗星を発見→各国政府は秘密裏に彗星の軌道変更ミッションと、地下シェルターの準備を進める。 本作ではこの「軌道変更ミッション」がメインディッシュと思いきや、さにあらず、それが失敗すると、地上からの核ミサイル攻撃と、地下シェルターへの避難という現実的な次善策が用意されている。 このシェルターは当然ながら定員があり、これを巡る人間ドラマも描かれる。政府が選んだ一部の専門家以外は、社会保険番号で抽選されるというドライな手法は興味深い。今後の日本ならばマイナンバーが役に立つのかも知れないが、抽選から連絡そして輸送と、今のコロナワクチン接種などは比較にならないくらいの大混乱があるだろうし、実際だったらどうするんだろうと思わず考えてしまった。 こうした終末感を漂わせておいてから、実はミッションクルーによる最後の「捨て身のミッション」というアルマゲドン的な展開が用意され、人類滅亡という最悪の結果は回避される。 と、2時間の映画に詰め込むにはイベントが多すぎて、消化不良の感も否めないし、本作の主人公は一応女性TVキャスターになると思うが、どちらかといえば群像劇として見せているため、それぞれの人物像の掘り下げは浅い。 自分としては、人類滅亡の脅威を前に、世界各国がどのようにまとまっていくのか、そのプロセスも観たかったし(彗星衝突のリスクと比べれば、現在ニュースになっているほぼ全ての問題は後回しでよくなる)、終末リスクを知った群衆がどんなパニックを起こすのかも観たかったが、同様に1本の映画では無理だろう。 結論としては、本作をベースに是非連続ドラマとしてリメイクを希望します。 【田吾作】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-03-26 14:54:28)
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