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《ネタバレ》 村田夫妻のイカれたサイコキラーぶりがすごい。
でんでんと黒沢あすかが好演。 愛犬家連続殺人事件をモチーフにしているが、人の心の隙間を見抜いてつけこむのが天才的な悪党ぶりは、尼崎事件も彷彿させる。 最終的には透明にすればいいんだからというイカれた論理を振り回す。 風呂場で言葉遊びをしながら笑って死体を肉片に処理していくのが異様。 夫婦のあっけらかんとした明るさが、猟奇事件のどろどろした陰湿さを感じさせない。 巻き込まれて共犯者になった男に、サイコにターゲットにされた恐怖と無力感が漂う。 殺すしかないところまで追い詰められたギリギリの心境が伝わってくる。 ラストまで不快感がまとわりつくが、有無を言わせないテンポで異常な世界に巻き込まれていく。 社本が渾身の力を振り絞って自分の力でスッキリさせた姿は、血まみれでも尊くさえ見えてくる。 星を眺めることが好きなロマンチストで自己主張もできない男が、仮面を捨てて自分の足で初めて立ち、カタをつけた。 それなのに、命をかけて娘に伝えた言葉が娘には通じず足蹴にされてしまう。 それが簡単には取り戻せない現実の悲哀を感じさせて切ない。 娘が父の思いを素直に泣いて受け止めるラストであれば、一気に凡庸な作品になっただろうが、そうしなかったのがよかった。 嫌悪感を催すけれど、妙に心に残ってしまう毒のある映画だ。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-01-08 23:58:59)
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