| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 さわやかな青春物の佳作。
主演の田中麗奈はいい女優だと思うが、今後もこのデビュー作を超えられないかもしれない。 台詞のたどたどしさはあるが、瑞々しい存在感が半端ない。 女優として経験を重ねてうまくなったとしても、当時でしか表現できないものがある。 きらめく水面をボートが走るシーンが象徴的。 バックに流れるLee-tzscheの「オギヨディオラ」がとてもいい。 ノスタルジックな気持ちで、なんだかせつなくなってしまう。 ラストでは、冒頭にも出てきた、廃墟になったボート部の部室。 その壁に貼られていた色あせた写真が、ぐっと胸に迫ってくる。 棒読みの役者、新入部員が悦子復帰後にストーリーから消えたなど、欠点も目に付く。 ところが、それを凌駕するだけの不思議な魅力があった。 一番輝ける時期のすばらしさ、はかなさのようなものを自分の過去と照らし合わせて懐かしむような感覚。 作品としての完成度など無視してしまえるくらい好きになった映画で、時を経て観直しても色あせない。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2012-12-17 21:02:25)(良:1票)
飛鳥 さんの 最近のクチコミ・感想
|