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《ネタバレ》 ホアキン・フェニックスの『ジョーカー』
色んな見方があるけれど、スタイル的にはクラッシクで洒落た映画だった。 主体性のない不遇な男が、状況に翻弄され、カリスマに祭り上げられる。 その、泣きながら笑う姿が、まさにピエロという滑稽(こっけい)映画ですね。 そう思って見るのが身のためです。 それが単なる《逆ギレ男》の話にならなかったのは ジョーカーという周知のアイコン(キャラクターの強さ)あってこそ。 アメリカン・ニューシネマが描くような、社会性とは似て非なる 純然たるフィクションとして 私は観ました。 映画に影響される人は少なからずいるでしょう。 でも、スーパーマンを真似て、風呂敷マントで跳んでしまう子供と同じ。 映画よりも、自分自身と現実が見えていないことが問題だと思います。 (ジョーカー化する前のアーサーが、まるで「おしん」のように 《真っ当でいい人》として共感するよう描かれているのも作為的) 反面教師として見るべき映画で、共感し過ぎないよう注意が必要です。 ただ、派手なVFXがない点で、アメコミ映画では異色中の異色。 究極のVFXアメコミ映画といえる『エンドゲーム』の余韻が覚めやらぬ中 DCが、こんな映画を世に出したことには意義があると思います。 【墨石亜乱】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-10-17 03:54:58)
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