21. トータル・リコール(2012)
記憶探求モノというのは割と好きなのですが、そしてこの作品も、導入部ではなかなか魅力的な展開を見せてくれるのですが、結局は途中からその辺の綾がどこかに行ってしまって、ただの追いかけっこになってしまっているのですね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-07-16 00:47:36) |
22. トゥモロー・ワールド
《ネタバレ》 事の背景なり詳細といったことはびっくりするくらい省き切っているのだが、その前提で大風呂敷を広げるだけ広げ、そして強引につじつまを合わせて収束するという突っ走りぶりは、そんなに嫌いではない。で、長回しは個人的に大好きなので、当然、点は甘め。●再見して気づいた点。(1)めちゃくちゃ主役っぽく登場するジュリアン・ムーアを、ものの30分で退場させる力技。こんなに早かったんだ。(2)やたらと各シーンで動物があれこれ登場するのも、ちゃんと意味があったんですね(空飛ぶ豚=そのものずばり「アニマルズ」もその一環?)。(3)これだけいろいろ詰め込んだら、普通はいくらでもダラダラ長くなってしまうんだけど、きっちり110分に収めている技も凄い。ということで1点プラス。 [DVD(字幕)] 8点(2019-02-03 23:48:36)(良:1票) |
23. 永遠に美しく・・・
設定からしてもっとアホバカコメディになるはずなんですけど、ゼメキス監督はどこまでも真面目なのです。なので、視覚効果面が暴走する後半になると、何となく笑いも引きつってしまうのです。一方で、主演の3人も、「こういうのにも真面目に取り組むぞっ!」とばかりに、演技が重たいのです。結果、どこまでもどよんとした空気が漂ってしまっています。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-01-15 01:54:40) |
24. 逃亡者(1993)
《ネタバレ》 敵の「計画」の、細かいところはすっ飛ばす。例えば逃亡中の生活上の労苦みたいなものも、初期段階だけでさらっと済ませて「あとは映さなくても分かるでしょ」と言わんばかり。で、ひたすら主人公2人をいかに際立たせるかに注力する。その捨て身の作戦が功を奏した、奇跡のような作品です。ただそれでも、講演パーティー以降は明らかに長すぎで、普通、どうみてもあそこがクライマックスでしょ。●改めて見てみると、ほとんどチョイ役というくらいの僅かな登場で着実なインパクトを残すジュリアン・ムーアは、やっぱり凄い。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-10-26 02:34:25) |
25. トゥルーライズ
お馬鹿な設定なのだからそれに即して単純にまとめたら良いはずなのに、キャメロン監督の生真面目さが災いしてか、妙なところで変に大作っぽく凝った作りをしているため、えらくスピード感に欠ける間延びした展開になっている。キノコ雲を壁紙感覚で使っちゃったり、敵をほとんどゲーム感覚で殺しちゃったりしているのも、何だかなあ。点数は、ビル・パクストンの本領全開の見事なヘタレぶりに対して。 [DVD(字幕)] 4点(2018-09-27 01:22:23) |
26. トレマーズ
《ネタバレ》 導入部は平坦な上にごちゃごちゃしていて今ひとつなのだが、いざ戦いが始まってから充実感が急上昇する。「岩場には登れない」とか「音や振動にしか反応しない」という素朴なルールをフルに駆使した、シンプルさが生み出す瑞々しさ。みんながそれぞれの建物で屋根に登っているシュールな構図。お姉ちゃんのズボンを無意味に脱がすアホらしさ(素晴らしさ?)。余計な要素がないからこそ、制作者のセンスがそのまま具体化されています。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-08-09 01:14:59) |
27. トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男
映画史に名を残すこの人を、あえて映画で表現しようとした時点で、かなりの覚悟が窺えますし、実際に緊張感も窺えるのですが・・・それは制作側としての緊張であって、映像としての緊張ではないのです。むしろ、萎縮してます。実際にトランボが関わった作品やその関連の映像を惜しみなく提供する一方で、それ以外の登場人物の動きの部分は、一つ一つのシーンの突っ込みや引っ張りが甘く、驚くほど単調です。家族描写のところもありきたりで、あれならあの辺はむしろカットした方がよかったかも。結局、一番強力だったのは、ヘレン・ミレンの怪演でした。 [DVD(字幕)] 5点(2018-08-08 01:46:45) |
28. トゥルー・ロマンス
やっぱり、せっかくのタランティーノ脚本が、監督が別の(そして一般人の感性を持った)人がやっているため、角が取れている感が漂っているのです。バイオレンス描写とかは別としても、根本のところで、登場人物がみんな分かりやすく一直線なのです。あと、肝心のクリスチャン・スレーターが、真面目で純朴な雰囲気がどうやっても醸し出されていて、作品の感覚と合ってないのだな・・・。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-31 01:32:31)(良:1票) |
29. 泥棒成金
何気なくやってくる警察からするりと抜け出す冒頭部はなかなか魅力的なのに、そこからスリルがまったく持続しないのです。全般的にみんなのんびりしてて、追われてる感とか、これをしないといけない感みたいなものが感じられません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-05-18 00:55:09) |
30. ドクトル・ジバゴ(1965)
これだけの手間暇を全部「外枠の形を作ること」に投入してしまって、中身がまったく伴っていない。登場人物がことごとく動かされているだけであって、動いてないのです。だから、役者の台詞や演技の一つ一つも、そうさせられているだけ、になっています。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-04-16 01:41:55) |
31. トッツィー
テンポ良く、決めるべき部分もきちんと決めて、分かりやすく進んでいくコメディの佳作ですね。終盤はちょっと強引でしたが・・・。ジェシカ・ラングが意外に可愛らしい役回りだったのはちょっと驚きました。●再見して気づいたのですが、これ、ジーナ・デイヴィスのデビュー作なんですね。で、いきなりの下着登場!これにはびっくり!その後も、出番がありそうながら画面の端に留められたりしているカットが多く、ジェシカよりもそっちの方が気になりました。 [DVD(字幕)] 7点(2017-12-10 02:07:17) |
32. トップ・ハット
ダンスのシーンには一応見るべきものがあるが、それ以外の部分が、各登場人物が好き勝手にいろんなことを言っているというだけで中身がなく、何とも退屈。最後のオチだけは、あまりにも強引でちょっと笑えた。 [DVD(字幕)] 4点(2017-12-09 23:23:28) |
33. ときめきサイエンス
《ネタバレ》 普通だったら、冴えないオタク風の男子2名が、勝手に作った美女に逆にいろいろ教育されて、厳格な父や横暴な兄や理不尽ないじめっ子を乗り越え、人間としても成長していく・・・みたいなロイヤルロード展開を想像するのですが、びっくりするくらい、そんなものはほとんどなし。その代わり、適当に思いついたシーンを、何の迷いもなく具体的に映像化していっているだけ。ここまでまっすぐだと、このどこかの高校のSF系映研のようなノリも嫌いではないです。そうそう、ヘタレ演技の第一人者・ビルパク先生が頑張って(無理して?)凶暴兄貴を演じているのも、見ていて微笑みが止まりません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-05-24 04:13:45) |
34. 鳥(1963)
《ネタバレ》 人間関係の部分で何をやっているのか分からなかったのは残念だが、ラストは見事だった。何よりも、鳥が人間を襲う理由がまったく説明されていないのと、最後に何も解決していないのが素晴らしい。理由が分からないものこそ最も怖いわけです。ジャングルジムのシーンも強烈でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-05-10 01:40:45) |
35. とらわれて夏
《ネタバレ》 ジェイソン・ライトマンとケイト・ウィンスレットの取り合わせとなれば嫌でも期待が高まってしまうのだが、これは今ひとつだったかな~。出会いから融合まではやたらとんとん拍子だし、着地部分は逆に突然大技ひねりだし。何よりも困るのは、人の都合も無視して子供を押しつける知り合いのおばさんとか、ストーカーばりに延々くっついてくる警官とか、それらの対応にやたらもたついている主人公親子とか、単に苛々するだけのシーンがやたら多いこと。一方で、多くを語らず静謐な空気すらある逮捕のシークエンスとか、優れた部分もあるので残念。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2017-04-27 02:38:13) |
36. トイ・ストーリー3
《ネタバレ》 こ、これは・・・1も2もあんなにつまらなかったのに、まさか3にもなっていきなり別世界のようにレベルアップしたのにはびっくりした。冒頭でいきなり「大人になった自分とおもちゃとの決別」という、ごく小市民的でありながら、それでいて全人類の永遠のテーマをがつんと提示。それに対する回答はラストできちんと示される。中盤以降の脱走シークエンスは、スリリングでありながら目まぐるしすぎず、時を忘れる展開。そうそう、廃棄物処理のプロセスを粘着質なほど執拗に描いているのも、「物捨てたらその後はこうなるんだよ?」という力強い観客への挑戦が窺える。敵ボスの設定背景に虐待の連鎖という問題意識を見え隠れさせながら、その補佐役(アクション映画なら強面の怪力大男のポジション)に、塗装がはがれている(=傷跡やアザがある)無表情な(=笑わない)不自然にでかい(=幼児のまま年齢を重ねた)赤ん坊を登場させるなんて、ほとんど挑発の領域です。子供向けなんかではちっともない。大人に人生の本質を問いかける作品。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-04-12 03:21:15)(良:1票) |
37. 特攻大作戦
《ネタバレ》 いちいち全員の名前を読み上げる導入部はただならぬ迫力を感じさせますし、肝心の12人が、どこまでいってもどことなくチンタラしているというか、渋々感が漂っているのも、逆に生々しさをあぶり出しているのですが・・・それだけやった後の頂上作戦が、さして警戒しているようにも見えず、特段の装備も見当たらないお屋敷を1つ制圧するだけって、何かしょぼくないですか?5人くらいいれば可能だったのでは? [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-12-03 15:17:32) |
38. トゥルー・グリット
《ネタバレ》 特にひねっているわけではないストレートな復讐譚を、ここまで安定した運びで一気に見せ切る脚本の腕はさすが。ただ、あれこれ引っ張った割に、最後の復讐はほとんど「ただ撃ってるだけ」に近く、えらくあっさり終わってしまいました(メインはその後なのかもしれませんが、そうだとするとそれまでの運びからは浮いている)。ヘイリー・スタインフェルドは長台詞の応酬もなかなかの技術で乗り切っていますが、全体にどのシーンでも演技が一本調子なのが気になりました。ラビーフはもうちょっと若くて向こう見ずな感じの人の方がよかったかなあ、マット・デイモンだと雰囲気が安定しすぎです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-10-10 01:26:07)(良:1票) |
39. ドノバン珊瑚礁
せっかく意表を突く大胆な設定なのに、やっぱりこのキャスティングだとどうしても足取りが重たくなってしまうのだな・・・。登場人物間のギャップがスタートなのだから、そこを突っ込んで追いかけていくことによって笑いが生まれるはずなんだけど、その辺の押しが弱い。ただ、次女ちゃんには結構コメディエンヌとしての才能はあると思います。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-09-19 01:34:56) |
40. 28DAYS
《ネタバレ》 更生の過程を地道に追っているのはいいが、あまりにも起伏がなく淡々としすぎで、主人公に共鳴するところまではいき難い。姉の二度にわたる訪問の場面など、感情が衝突すべき最も重要な場面なのだから、もっとじっくり掘り下げて描くことはできたはず。そういったところを飛ばして、なおかつ主人公の立ち直りの苦痛も言葉でしか表現されていないので、何となく空疎な印象を受ける。 [DVD(字幕)] 5点(2015-12-10 00:33:20) |