81. BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント
《ネタバレ》 「ブリッジオブスパイ」や「ペンタゴンペーパーズ」の社会派を 次々に発表する時期、あまり話題にならなかったスピルバーグらしい作品。 CGをふんだんに使ってて、大作ともいえる作品なのだが・・ 原作がイギリスで人気のロアルドダールで、彼の「チャーリーとチョコレート工場」のように 非常に含蓄のある子供向けのお話。 ただ軍隊が出てくるところが厳しい。 「ナイトメアービフォークリスマス」でも、軍隊が出てくるし、 英米の子供向けのお話に軍隊が出てくるところは、日本の作家もよく考えた方が いいのかもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2022-06-20 10:56:41) |
82. ウエスト・サイド・ストーリー(2021)
《ネタバレ》 旧作大好きです♪ でも箱庭的だった旧作を、スピルバーグが今風に翻訳してくれて、 この作品の面白さがさらに分かりました! やはり作家は最後はシェイクスピアに挑みたいんじゃないかなぁ・・ スピルバーグのセンスに合うのが、 ロミオとジュリエットの現代劇ウエストサイドだったために、 今回の映画化になったんじゃないかなぁ? もう一回、改めてロバートワイズのウエストサイドを観直したいと 思いました。 [DVD(字幕)] 8点(2022-06-10 01:27:52) |
83. チャーリーとチョコレート工場
《ネタバレ》 ロアルドダールはいいね♪ どんどん映画化してほしい。 ティムバートンの漫画センスが活かされた配役に唸りました。 「ナイトメアー」のようなオープニングから、 ロアルドダールの話のいい流れで、見せ場にはミュージックビデオのようなノリで、 ところどころに往年の名画へのオマージュがあり、好感が持てます。 ラストもいい話に括って、大人も子供も楽しめる1本になってます。 [DVD(字幕)] 7点(2022-05-22 13:51:06) |
84. クライ・マッチョ
《ネタバレ》 ニワトリは、可愛がって育てると、本当に頭がよくなる。 家で飼ってたので、よく分かる。 さて、本作は、どこか「刑事ジョンブック」のような、異文化での ナイスガイの優しさが描かれてて、イーストウッド作品の中では、一番好き。 毒もそんなにないし、枯れた味わいというか、口にやさしい作品。 ただ、設定が1979年。 古き良きアメリカ、と言った感じでしょうか・・ 現代が舞台では、とてもこんな映画は無理と言ったとこでしょうか・・ 悲しいっす、イーストウッドさん。 ※最後のアランに捧ぐは、撮影担当者への追悼みたいです。 [DVD(字幕)] 9点(2022-05-13 21:59:11) |
85. マトリックス レザレクションズ
《ネタバレ》 ウォシャウスキー「姉妹」の知的格闘の跡が見られて、とても面白かった。 が、これもDVDで見て、分からなくなると、再生を止めて考えて、また見ることを したから何とか自分なりに解釈できたのであって、2時間強を一気に見せられたら、キツイと思う。 マトリックスシリーズの大胆な続編。 つまり、3までのマトリックスは、アンダーソン(キアヌ)のつくった仮想現実に 自分が取り込まれたからの話だったとする、全く新しい続編である。 そして、興味深いのは、もう一人、精神分析医が出てきて、彼のつくる物語に 色々関わってくるということ。 しかし、話は理詰めではない。 前回までの戦いの続きや、アンダーソンの世界のキャラが引き続き、 コンピューターのスミス(モーフィアスとの合体?)と戦ったり、 分析医との戦いにキャラたちが暴れまわったり、 ついには、この分析医の動きを読むアンダーソンの世界のキャラの登場、 スミスが人間の世界のさらに上手を行ったり、 実にかなり面倒だったろう監督とカウンセラーとのやりとりの苦悩が、映画の世界に膨らみをもたらしている。 そして、可哀そうなアンダーソンを救うのは、愛する女トリニティ(人妻であるとかないとかは不問)なのである。 最後、飛べないアンダーソンを救うのは、飛べるトリニティだった。 そして、彼女は分析医に蹴りを入れると、二人は世界を飛び回るのだった、というお話。 面白かった! 最高の続編! [DVD(字幕)] 8点(2022-04-25 00:29:50) |
86. プロミシング・ヤング・ウーマン
《ネタバレ》 エリートの乱痴気騒ぎの被害にあった女性、その被害女性に強い思いを抱いていた女性の復讐劇。 復讐は、その事件に直面して、知らない顔をしていた女性たちや事件をあやふやにした学校側、 告発を抑え込んだ弁護士に向けられる。 そして最後は乱痴気騒ぎをしたグループと、その女性に被害を加えたリーダへと向けられていく。 彼女も結局、力の強い男性にやられてしまう・ このストーリーを観ている女性はどんなことを思うだろう・・ しかし彼女は自分がやられたときの策を考えて、敵地に乗り込む。 かくして彼女はやられてしまうが、その策が逆転劇のように、ラストのひっくり返しへとつながる。 ラストは、してやったりの感があるが、やはり女性は野獣の本性を隠し持つ男性という性には 敵わないのかという一抹の寂しさが心に残る。 そして、監督が女性であることに、結局、女性の側からは、男性は信用ならぬものと映っているのかもしれない、 (と思った・・) [DVD(字幕)] 8点(2022-04-04 14:57:48) |
87. 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
《ネタバレ》 マジか~!? この作品は、次の007(黒人女性?)へのバトンタッチなのか~!? なんや~!ジェームズボンドじゃない007なんか観たくない~!? これ、マジでフレミングの原作にあるんかいな~!? ダニエル・クレイグで女好きの絶体絶命に強い不死身のボンドシリーズは終わりか~!? これからはデジタルに強い、新しい007なんや~!? そんな気持ちで、ミサイル爆発にのみ込まれるボンドを寂し気に見送った後、 時代が変わったという気持ちでエンドロールを観終わると、 なんと!「ジェームズボンド・ウイル・リターン」との文字!!!! うっひょ~!我らがボンドシリーズ!どんな新人で復活なんや~!? 多分、幾人もの脚本家の才能が、潰れてしまうことでしょう(笑) [DVD(字幕)] 8点(2022-03-21 00:45:42) |
88. DUNE デューン/砂の惑星(2021)
《ネタバレ》 カッコイイ! リンチのデューンを先に観てたので、筋は分かっていたから、 ヴィルヌーブの演出を堪能できた。 話もかなり練りに練って、絞った話にしており、 彼の世界観を損なうことなく、見事なまとめ方だった。 ただ、続編へと続くのね。 こっから先がリンチのデューンは、ぱっぱと話が片付くので、 ヴィルヌーブの続編が、腰を据えて、じっくりとこの物語をどう料理するかが楽しみだ。 [DVD(字幕)] 9点(2022-03-19 23:55:21) |
89. 12モンキーズ
《ネタバレ》 テリーギリアムが、あの世界観を活かしつつも、 サスペンスタッチに挑んだ、一皮むけた作品。 劇中、ヒッチコックの鳥が出てくるが、正統派サスペンスの映画を勉強した跡がある。 これまでの「バンデットQ」や「バロン」とは違い、箱庭ではなく、 街にカメラを持ち出した、後の彼の映画につながる興味深い一本。 女性を描いてる意味でも彼を語る上で、欠かせない。 なんというバッドエンド。 鑑賞後の絶望感とアームストロングの歌の落差が心に残る。 [ビデオ(字幕)] 7点(2022-02-20 01:04:44) |
90. 永遠の門 ゴッホの見た未来
《ネタバレ》 2度目の鑑賞で、ラストまでこの映画と付き合えた。 恥ずかしながら、1度目の鑑賞では途中で挫折。観るのを止めた。 しかし、自分の住む街にもゴッホ展が来て、美術館に足を運んだ。 その際、ウィキ情報を参考に、簡単に彼の人生を整理して、絵を観た。 そして、今回、映画の本作と向き合った。 ウィキ情報でも触れられてるが、拳銃暴発説に基づいたラストだった。 地方新聞紙の記事で知ったのだが、欧米では10年ほど前から自殺を否定する著作が 複数発表されてたらしい。 なるほど、本作の意義もそこにあったのか・・ ウィレムデフォーの名演技に、ため息が出た。 ジヌー夫人は、もうそっくり!よく見つけたね~、この女優さん! 勉強してから、鑑賞することをおススメしたい。 名作です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-02-13 00:00:33) |
91. ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
《ネタバレ》 今年のクリスマスの1本はこれ! 楽しい♪ キリスト教文化の結晶みたいなアニメーションです。 キャラクターといい、カボチャの王がサンタを誘拐するという設定といい、 本作は、あの国の文化の輝きが際立ってます! しかし、この映画にもクリスマスの幸せの日々は軍隊で守られてるというのがチラリと出てきますが、 あの国は、その幸せを壊した他の者には手厳しいのも確か。 他の国の子どもが小さい頃、これを観たら、強烈なインパクトに自分はどこの国の子じゃ?と悩むのでは・・ 例えば香港とか。そんな可哀そうな人がいるのでは?とチラリと思いました。 「ハウル」も、そんなんあるかも・・ スヌーピーで子どもの頃育った僕は、10点満点にしても良かったのですが、 同時にサザエさんにもお世話になったので、満点にできなかった(笑) [DVD(字幕)] 9点(2021-12-24 23:16:47) |
92. デューン/砂の惑星(1984)
《ネタバレ》 えぇ!?あの鬼才ヴィルヌーブがリメイク!そんなに有名なドラマなのか?と思い、鑑賞。 そしたらまぁ80年代のカルチャーがこの1本から始まってたのを、この歳になって知りました(笑) 変態チックな男爵が、高貴な一族をなぶりものにしようとする。 果たして父親はその手にかかるが、復讐を誓う母子が逃げ出した先で、怪獣みたいな虫と遭遇、 その虫と共存する一族とともに立ち上がるというスペースオペラなのだ! なぜ生命の水を主人公が飲む必然性があったのか? なぜ皇帝に戦をしかけたのか? 原作知らない私には、「?」が多かったですが、2時間たっぷり楽しめました。 感心したのが、生命の水で早産した天才肌の妹と、主人公の側近たちの話の中での様々な人生模様。 これぞ!オペラだ!特撮に凝るなら、こんな原作でやってほしい! あ、そうか!だからヴィルヌーブなのか(笑) [DVD(邦画)] 7点(2021-11-25 00:28:18)(良:1票) |
93. ジェニーの肖像
《ネタバレ》 これは深い! 男と女の、普遍的のものを語っている気がして、しょうがない。 もう映画が出来て、この時点でここまで人間を描いてる話が完成してることに驚き。 これを見て育った、今や伝説になった巨匠たちの作品を見て、 我々は育っている。 物語りの本来、あるべき姿をもう一度見直すべき時ではないか? [インターネット(字幕)] 9点(2021-09-17 13:05:31) |
94. ロング・ライダーズ
《ネタバレ》 何と言っても、デヴィッドキャラダインの、娼婦をめぐって、 インディアンの旦那と喧嘩するシーンが光っている。 口にお互いタオルのような紐をくわえて、ナイフで斬り合うのである。 ウォルターヒルの演出が光る、彼の喧嘩場面の中でも光っているシーンであろう。 ジェシージェームズという実在の強盗たちを描くことが中心で、 話は登場人物が多すぎて、冗長であるが、面白い。 [DVD(字幕)] 7点(2021-07-10 23:26:27) |
95. レヴェナント 蘇えりし者
《ネタバレ》 「バードマン」でもそうだったけど、アレハンドロ監督は、カメラが被写体に寄りますね。 だから、痛いシーンも自然の厳しい環境も、観客である我々にビシビシ伝わってくる。 復讐ものではあるが、見せ場は何度もひどい目にあって、そこからの起死回生である。 時にはインディアンに助けられたり、時には知恵を使って・・ それにしても冒頭のグリズリーに襲われる場面はどうやって撮影したんだろう? あと愛息子の殺される場面で自分は何もできないシーン。 ちょっと「時計仕掛けのオレンジ」のアノ場面を思い出します。(それほど酷い) [DVD(字幕)] 7点(2021-07-03 21:26:02) |
96. 42丁目のワーニャ
《ネタバレ》 これは原作を読まないと、劇中劇なのかどうなのか、分からない。 自分も鑑賞後のモヤモヤをなくすために、原作の「ワーニャ伯父さん」を読んだ。 なんと!原作と同じなのである。 つまり、劇の芝居稽古をしているように見せていて、 まったく原作の劇そのものだったのである。 ルイマルの意図は、奇をてらったように見せて、 実は正攻法だったという彼の作劇そのものだった、ということではないか? ※「ダメージ」という”?”な映画もあるが・・ まさしく!の1本。 [ビデオ(字幕)] 7点(2021-04-18 20:09:13) |
97. スウィング・キッズ
《ネタバレ》 スウィングを愛する3人の仲間。 プレーヤーでもあるアーヴィッド。 女を買ったりする、どこか単純な、やがてナチに傾倒するトーマス。 そして父をナチにやられた、悩める主人公ピーター。 ポイントは、トーマスである。 仲間の中の問題児でもあり、仲間一の腕っぷしであるが、 ナチの優生思想にどっぷりつかり、とうとう父親も売ってしまう。 ピーターとアーヴィッドは、真摯にナチズムの広がる世の中で悩んでいた。 自分の好きなもの、自分を失ってまで、ナチにひれ伏していいものか・・ つらい映画であるが、英語でしゃべるドイツの映画だったので、どこかシラケた。 [ビデオ(字幕)] 7点(2021-04-12 07:53:36) |
98. ジョニー・ハンサム
《ネタバレ》 いいよね、ウォルターヒルの味だね。 彼の映画には、ジーパンの似合う聖女が出てくるんだけど、 結局、男同士の戦いのそばで何も出来ずに見てるだけなんだよね。 しかも本物の悪には、鏡みたいに本物の悪女がついてる。 そこに、ヒルの映画に、独特の女性観が生まれる。 それが、晩年のこの映画のような整形モノの「レディガイ」なんだよね。 だから女性には彼の味が楽しめないかもしれない。 でも、俺はぁ、ヒルの映画が最高に好きなんだなぁ・・ [ビデオ(字幕)] 7点(2021-04-06 02:43:20) |
99. ブロンクス物語/愛につつまれた街
《ネタバレ》 デニーロは、デビューした時から、もう老成していたのだ。 だから名誉を勝ち得ても、浮かれたようなことはせず、 黙々とアクターの仕事をしていたのだ。 ワルが輝いて見えて、そのワルに子どものころに一目置かれる少年。 やがていろんなことを教えてもらい、チンピラとの違いも分かるようになった頃、 別れることになり、少年の頃の事件の意味を知る。 頑固な父親は、心では世間を教えてくれるワルに感謝はしていたのだ。 ただ少年を早く大人にしたことに面白くなかったのだった。 非常に善悪でもの言えぬ微妙な人生のニュアンスを見事に描いた傑作だ。 [ビデオ(字幕)] 8点(2021-04-04 03:44:29) |
100. ANNA/アナ(2019)
《ネタバレ》 3人の女性と結婚した彼ならではの、満足のいくエンタメ映画。 「レオン」のようなベッソンでもなく、練りに練られたラストは、 女性映画としても、面白い。 いや~、この女性上官は、ベッソンが話の落としどころに悩んで、生まれたような キャラだと思うよ。珍しいもんね、ベッソンにこのようなキャラは・・ 一度は引退したベッソン。実は結婚を何度もして、話がまとまらなくなってたことも あったのかなぁと思っちゃう。 でも、やはり私生活でも女性が上手だったか、このようなキャラが生まれたのでしょう。 面白い着眼点は、スパイはスパイとして、お互い認め合っていた時代が あったという点。ホント~!?? [DVD(字幕)] 7点(2021-04-03 22:45:07) |