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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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1.  マグノリア
大スター、トム・クルーズ。  トップガンのマーヴェリック、ミッション:インポッシブルのイーサン・ハント、、 君はどっち派か?  私は断然、マグノリアのフランク・T・J・マッキー派 (笑)  「イ○モツを敬え!!」 「お○んを手なずけろ!!」  たった一作、このたった二言で、 マーヴェリックとイーサンの幻影が全て跡形も無く吹っ飛んだ。
[DVD(字幕)] 8点(2024-04-19 22:34:11)
2.  ウインド・リバー 《ネタバレ》 
ストーリーはありがち。 しかし、ジェレミー・レナー演ずるコリー・ランバート、この男たった一人の存在によって、この映画一本がズッシリと観応えあるものとなっていた。 舞台は見渡す限りの白銀の世界。 あたり一面の「白」に同化して潜むその姿は、雪原のプレデターの如し。 射撃の腕前は正確無比、一度狙った獲物はアメリカン・スナイパーのように外さない。 そして、命を救った女性捜査官には見返りを求めることも、もちろんない。 強く、優しく、高潔であれ。その美学には、西部劇のC・イーストウッドを観た気がするのである。 しかし、そのジェレミー・レナーさん、その後プライベートでは重機による除雪作業中の事故で大ケガをされたとか。「雪原のプレデター」らしくない大事故だが、、どうか一日も早い回復を祈りたい。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-04-02 23:04:43)
3.  あなたを抱きしめる日まで 《ネタバレ》 
本作について、奇跡の実話という紹介も目にしたが、それは映画や我々 (第三者) にとっての謳い文句でしかなく、当のフィロミナ (ジュディ・デンチ) を含む当事者たちにとっては、悲しくも数奇な物語。 彼女の修道女時代、つまり過去の場面に限って、年代モノのカメラで撮影したような古めかしい映像美。現代と過去を繰り返すことによる相乗効果もあるだろうが、実際にその時代 (1952年) に撮影したような重々しい空気を確かに感じさせるものでした。 さて、本題。 本作、ストーリーは壮大、でもテーマとしては、いたってシンプル。「赦し」のお話。フィロミナという、ただの人間であり、慈悲深い女性がわかりやすく教えてくれました。もちろんそこには、宗教 (神) への当て擦りや皮肉が込められているのでしょう。 しかし、、息子アンソニーの大出世と文明の進化 (インターネットの普及) は、人身売買を副業とする修道院と神さまの大誤算だったのではないだろうか (笑) なお、原題「 Philomena (フィロミナ) 」に対して、邦題は彼女が50年もの間、来る日も来る日も生きる糧にしてきた願い (思い) のこと。だから嘘ではないし、とても秀逸だと思います。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-26 22:11:07)
4.  バックマン家の人々 《ネタバレ》 
メンツすごいな。この、そうそうたる俳優たちが、そのオーラを消して全員でアメリカの中流家庭を演じているところがすごい。 特にラリー役のトム・ハルスが、モーツァルトのカリスマ性を微塵も感じさせないのがすごい (笑) 子役では、リーフ・フェニックス (ご存じ、後のホアキン・フェニックス) の、この頃から卑屈な感じの暗い目が印象的。こういう子がいずれ、ローマ帝国の暴君やら、ジョーカーになるんだ。 そうそう、私も「マグノリアの花たち」を思い出しました。本作の方がよりコメディっぽいけど、制作年がほぼ同時期だし、大家族が織りなすアットホームな雰囲気などはそっくりです。 映画の内容としては、見ての通りハッピーエンドなファミリードラマであり、一人一人コメントしていたらいくらでも書けそうだけど、一言で総括するなら、家族のほとんどが概ね長所と欠点があるのが良かったな。 あとやはり、冒頭でも書いたけど、これほどの俳優たちが一家族として一同に集う、、これこそが本作の本当の価値。有名人ばかりだし、ボリウッドや贅沢とはかけ離れたこういう平凡な庶民の役、みんな (で) やりたかったんじゃないかな。 なお、絵面的に弱いところは、スティーヴ・マーティンのカウボーイ姿でスパイスを効かせていると思えます。このエピソードを中盤あたりに配置するのも、気が利いてるね。 監督はロン・ハワードかぁ、、こんな昔に良い作品を撮っておりましたね。
[DVD(字幕)] 7点(2023-10-24 10:59:52)(良:1票)
5.  ボーダーライン(2015) 《ネタバレ》 
ケイトさん (エミリー・ブラント) としては、ちょっと切ない役どころ。なんせ、対麻薬カルテルチームの内部統制上、「FBI」の肩書きだけを必要とされて選ばれただけですからねぇ・・。それともう一つ、彼女が美人だったから、ですかね。ここは、荒くれの猛者ばかりの世界です。だから、連れていけば敵の尻尾を掴むための色仕掛け担当として役にたちそうやな、、そんな期待が上層部側 (特にマットのオッサン) にも少なからずあったと思います。実際、成り行き上とは言え、BARのくだりでは "女" であることが役に立ちましたよね? 表題は、決して国境だけではなくて、階級や男と女といった、ありとあらゆる「ボーダーライン」を指している、そう思ってます。 麻薬戦争の凄惨さは目を覆いたくなるものでしたが、またそれを増長するように音楽と映像が素晴らしい。特筆すべきはラスト近く、地下トンネルに突入する直前の、紅い夕陽の異様なまでの美しさ。今から多くの血しぶきが飛び散るであろう光景を予感させて、その戦慄に身震いしたものです。 そして、麻薬王の大邸宅に一人潜入する、アレハンドロ (ベニチオ・デル・トロ) 。この場面は、かの「スカーフェイス」のラストを目線を変えて映したような趣きがあり、アレハンドロの姿にあのターミネーター風のグラサン男がかぶって見えたのは私だけではないはずだ。 以下余談。本作は数年前の真夏に部屋で初鑑賞しておりましたが、劇中の「花火は好きか?」のあたりで、部屋の外からは多摩川花火大会の ドーーーン!! が鳴り響いておりました。(実話) ここ (日本) は平和だな、、と改めて感じた次第 (笑)
[DVD(字幕)] 8点(2023-10-06 20:08:59)
6.  トレマーズ 《ネタバレ》 
トレマーズ。 これは、怖くて、楽しくて、そしてラストはショーシャンクに匹敵する爽快感 (嘘) 、、。もしかして、もしかすると、これは映画史に残る傑作「B級映画」ではなかろうか。 まず第一に、低予算だ。なんせ、ミミズのモンスターが地中を進む映像なんか、昔のウルトラマンに負けてる。 そして、全体的にかなり "テキトー" だ。 なぜなら「トレマーズ」ってキーワードが出てこない。(確か) 生死 (にかかわる選択) を、何度もジャンケンで決めるなよ。 でも、何事も無かったように、彼女とぶっちゅして空撮で終わるとこなんか最高だ。続くエンディングの歌の、底抜けにノー天気な感じがまた良いんだ。(人たくさん死んでますけど・・) ちなみに、大荒野のド真ん中にポツネンと小さな町があって、そこら中に突然モンスターが現れるあたり、まるでドラクエみたいでワクワクした。 あと、キャスティングについて。男同士のバディものでありながら、白人同士のペアってのは近年のハリウッド映画と比べると珍しいかも。そもそも、黒人の出演者が皆無、そして殺られるのが動物とジジイと中国人という、、これはディズニー製作ではできないなあ (笑) でも、もとから大ヒットとか興行収入にはこだわっていませんね、わかっていますよ。B級映画はこうじゃなきゃ。9点。
[DVD(字幕)] 9点(2023-09-01 22:31:59)
7.  沈黙 ーサイレンスー(2016)
これは、中島みゆきさんの「背広の下のロックンロール」思い出したよ。  うまく化けてるね 見分けがつかない程に  怒り 願い たくし込んで  誰に見せる為じゃない 己れの為だ・・。
[映画館(字幕)] 7点(2023-08-31 22:48:03)
8.  ザリガニの鳴くところ 《ネタバレ》 
アメリカ南部の湿地帯という、不快であるはずのジメジメとした高温多湿の風景において、少女カイア (デイジー・エドガー=ジョーンズ) が天使のように降り立つと、不思議と天国のような美しさにも見える。 ここで、「調和」という言葉を思い出した。 舞台は1969年のノースカロライナ州。60年代の南部と言えば、まだまだ黒人の人種差別が厳しい時代であり、本作の舞台であるノースカロライナ州も例外ではない。この州に限って言えば、1960年代半ばにようやく黒人が選挙権を勝ち取ったばかりだ。本作の描写については、家族に暴力を振るい、孤独な少女を「ザリガニ女」と罵り、色恋沙汰で互いに殺し合う、それが白人たちであり、黒人は冷静でクール、そして温厚篤実に描かれていて、つまり人種差別 (の歴史) を自虐したような内容になっている。 とある殺人事件の物語、それを俯瞰的、歴史的、あるいは道義的に考察するならば、不要な者 (物) が淘汰されていき、必要な者 (物) が必要とされるだけの、あらゆる自然界の全体としては「調和」の物語と思う。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-08-12 18:10:31)
9.  ディア・エヴァン・ハンセン 《ネタバレ》 
エヴァン・ハンセンが自分宛に認めた手紙、彼のギプスに書かれた "connor" のサイン、そしてコナーの死によって、そこから思わぬドラマが生まれていく、、という、ストーリーは面白いけど・・。 困ったことに、コナーという人がどういう人間だったのか、あれだけでは全くわかりません。まず彼のことを確りと描くべきだったと思うし、彼のこと、その苦悩や人生感に共感できるからこそ、このストーリーに感動できると思うのです。 彼の両親たち。どうやら悲しんでいるようだが、なんだか白々しくて他人事のようにしか見えない。 学生たち。彼らの行為は全て「クラウドファンディング」という金集めが目的にしか見えない。 なぜなら、この人々と生前のコナーにまつわる描写を怠ったからであり、これでは関係者たちが「自己満足」に浸っているように見えても仕方がありません。 全体的に、地盤と基礎を手抜き工事して見た目だけは豪華に装った建物のように、ハリボテの薄っぺらい映画でした。 私は同監督の「ウォールフラワー」が好きで、かなり期待したのですが、本作はダメでした。思えばあれは、エマ・ワトソンとエズラ・ミラーという最強ヴィジュアルに、デヴィッド・ボウイの名曲「Heroes」の組合せがあまりにも完璧すぎた。
[インターネット(字幕)] 4点(2023-03-21 21:28:30)
10.  RUN/ラン 《ネタバレ》 
これがホントの「毒を以て毒を制す」。 ついでに、ドッグフードも食べさせてあげてね。 クロエちゃん、あんたにはその資格が大有りよ。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-03-21 21:11:33)
11.  オールド 《ネタバレ》 
幼いお姉ちゃんがあっという間にナイスバディになっちゃって、気づいたら私も鼻血ブーでした。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-06-27 22:13:29)(笑:2票)
12.  パワー・オブ・ザ・ドッグ 《ネタバレ》 
舞台は1920年代のアメリカ・モンタナ州。 大牧場で家族を形成するのは、名うてのカウボーイであり同性愛者でもある荒くれ者と、マザコンのサイコパスと、人格者の金持ちに誰もが羨む美人という理想的な夫婦、、って、それは家庭円満になるはずがありません (笑) だから、何かしら悲劇を伴う結末なのは想定していたけど、それにしても表現力の高い演技者たちによる、重厚で観応えのあるサスペンスドラマではありました。個人的に、こういう奥行きが深い役をベネディクト・カンバーバッチがやれば、もう当然のように映画のクオリティが上がっていく、それはわかっていた。だから、本作をがぜん面白くしていたのは、コディ・スミット=マクフィーの存在ではないだろうか。彼がスクリーンに登場するだけで、私は不安になり、妙な胸騒ぎがして仕方がなかった。なぜなら、まるで現代社会の若者が荒々しい「西部劇」の時代に迷い込んだようで、彼一人だけが「異質」であり、この映画の世界観にそぐわないから。 それぞれの思惑が交錯する展開の中で、家族が州知事を招いた「ピアノ」のエピソードが特に印象に残ってる。ローズがピアノを拒絶したことにより、場がしらけて空気が悪くなるなかで、フィルが現れたことにより空気が一変した。私は、彼が追い討ちにきたのではなく、むしろローズを助けに来たように見えました。観終えてみれば、フィルは横暴ではあるけど、それは人に不器用な裏返しでもあり、実は我々が思うほど悪意に満ちた男ではなかった、と思えてきます。しかし、その心のうちはとうとう最後までわからない・・。 ・・そもそもですが、この映画は主人公であるフィルの「感情」を描かない、という実験的な手法を取ってます。この荒々しい時代に、彼は何を思って生きていたのか、彼は本当に殺されたのか、、全ては謎のままであり、むしろ彼以外の人間たちの異常性・残酷さが尾を引くように際立つばかりだ。 以下、個人的な宿題としての備忘録。 アメリカの西部劇に、英国人であるベネディクト・カンバーバッチ。なぜか。 夫婦役は、実生活でも夫婦であるお二人。しかし、本当にそれだけの理由によるキャスティングだろうか? そして、「ピアノ・レッスン」の巨匠は、なぜピアノを弾くことを拒んだのか? 映画に見え隠れする、監督の "隠しメッセージ" について、探究してみたいと思う。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-03-13 17:23:06)(良:1票)
13.  コーダ あいのうた 《ネタバレ》 
冒頭、採れたての魚を売るために、漁港で父と兄に代わって交渉するルビー (エミリア・ジョーンズ) の姿。そして、汗も流せず、キレイな洋服に着替える間もなく、魚臭いまま学校へと向かう・・。彼女は優しいから顔や態度には一つも出さないけど、家族の「通訳」として多くを犠牲にしてきたであろう、若い彼女の半生を想像するだけでちょっと泣けてくる。 この映画の面白いのは、音楽の使い方。まず、学校 (合唱部) と家 (家族) を二つの音楽のスタイルに例えて、対比的に描いてる。学校がバークリー音楽大学を目指すほど芸術志向の音楽なら、彼女の家族たちは生き方そのものに「ロック」を感じさせる。 なぜって? 手話で風を切って下ネタを連発する彼らの姿、、これは少なくともオペラやクラシックじゃない (笑) この映画は「手話」を音楽に例えて、表現の一つのスタイルである、と言っているんじゃないかな。大切なのは、日本語、英語、、そして「手話」も同じで、それは "話し方" という表現であり個性だし、その人の心や本質はそれによって変わるものではない、ということ。もちろん、どういう人生を選んで、どういう歌を歌っても、ルビーはルビー、彼女が彼女であることにも変わりはない。 個性豊かな登場人物たちと多くの歌と音楽による、生き方と表現による人生のハーモニー、とも言うべき映画でしたが、むしろ見た目からは伝わらない「内面」にある本質、耳には聴こえてこない心の「声」、、そこを描いているところが素晴らしいと思えます。
[映画館(字幕)] 8点(2022-03-02 23:19:30)(良:1票)
14.  コロンバス
これが、各国で映画賞をたくさん取っていて、全世界が絶賛の映画ですか。ふうん、そうですか、、。 評論家すじは大絶賛ということは、おそらく、この映画は「技巧的」なんだろう。でも、娯楽性に富んでいるとは言い難い。実際、私には退屈でした。 著名な「建築物」の大抵は芸術至上主義で、建築物に生活感を求める庶民の感覚とはほど遠いものです。まさに、このテーマにして、この映画、という気がします。 モダニズム建築の街「コロンバス」で、彼女がどこよりも好きな場所が、どこにでもある学校の体育館 (の裏側) だった。唯一、このエピソードは好きだ。 自分が好きな映画が、良い映画、それでいいんだ。
[インターネット(字幕)] 4点(2022-02-15 22:52:07)
15.  潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ 《ネタバレ》 
なんせ、ヘミングウェイだし、文学の香りにたじろぎつつ、身構えて鑑賞を始めたが、、その心配は、「すっ裸」のフランクによって、すぐに杞憂に終わりました (笑) 潮風漂う海辺の美しい風景の中、全く違う人生を歩んできた二人の老人の心温まる交流が、とてもよかった。 フランク (リチャード・ハリス) はウォルトから礼節や身だしなみを教わり、次第に紳士らしく変貌してゆく。かたやウォルト (ロバート・デュヴァル) は、奔放なフランクの影響でタガが外れていき、ついには二人そろって「すっ裸」で遊泳してしまう姿が笑えてくる。お互いが「持ち味」を与え合い、少しずつ変わっていく二人の姿は微笑ましいし、この年齢からでも人は変われるんだ、と感じさせてくれる。 フランクの最後は切ないけど、たくさんのよい出会いのおかげで、彼は一片の悔いなく人生を終えることができた、そう思いたい。 二人乗りの自転車、海辺の公園で幼い少女たちと語らう二人の老人の姿、、それは理屈抜きに癒される光景であり、いつまでも心に残りそうだ。 そして、シャーリー・マクレーンはいつまでもキレイだ。彼女がアパートの管理人さんとは、まさに「アパートの鍵貸します」らしくていいじゃないか。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-01-16 12:37:51)
16.  テルマ&ルイーズ 《ネタバレ》 
イギリス出身のリドリー・スコット監督による、アメリカはテキサスのロードムービー、映画ファンなら絶対にチェックしておきたい一作。 もともと映像美には定評ある監督だけに、彼が撮るアメリカの広大な風景、それだけでも観てよかったとは思える、、ケド。そのストーリーはアメリカン・ニューシネマ調ときてるので、「明日に向って撃て!」ならぬ「崖に向って飛べ!」だし、「俺たちに明日はない」ならぬ「あたしたちに明日はない」のようでもありますが、相応しくは、「テルマ&ルイーズ」(VS男たち) 、というべき内容でした。なので、どうしてもあの「ラストシーン」がやりたいがために、そこに向かって、何が何でもこの "構図通り" にストーリーが運んでいきますが、脚本としてはやや破綻ぎみ。 例えば、逃亡を続けている犯人は女の二人組、とわかった時点で普通なら婦人警官を一人は配置するはずです。 それに言ってしまえば、男好きなテルマの火遊びの代償が高くついただけの軽率なお話しで、もとから人生太く短くで「死」を覚悟していたような、ボニーとクライドやブッチとサンダンスといった過去の同胞たちからは、「こっちに来るな」(一緒にしないでくれ) と突き返されそうな気がします。 →2021/12/21追記。 本作、「午前10時の映画祭」で再鑑賞したけど、近くの女性がラストが近づくにつれて、しゃくり上げるほど泣いておられました。私には理解し難い涙ですが、こういう、男と女のわかりあえなさ、これこそがこの映画の (根深い) テーマなんだろうな、、という気はします。
[DVD(字幕)] 6点(2021-12-21 23:34:17)
17.  ソーシャル・ネットワーク 《ネタバレ》 
主人公、マーク・ザッカーバーグ。かのハーバード大屈指の天才であり、やがてネットビジネスの寵児となる者。しかし、その人間性は「問題アリ」で、個人的には絶対に関わりたくないタイプ。でもこうして客観的に見ているだけなら楽しく退屈させない人間なので、映画のキャラクターとしては最高かも。 Facebook創設の歴史は確かに興味深い。しかし、この映画には実はもう一つのテーマがあります。本作は、百の屁理屈を並べる凡人たちよりも、金のなる木に群がる凡人たちよりも、(何かを初めに) 創作した者こそが最も偉大、、という、古今東西、あらゆる分野における「創作者」たちへのリスペクトである、と思っています。もちろん、Ⅾ・フィンチャー監督ご自身による、「幾多の映画評論家よりも "映画監督" こそが偉大である」というメッセージが暗に込められています。 世界中のユーザに異性と出会う機会を与え、Facebookを通じて多くのカップルも誕生したと思います。その創設者自身が目の前にいる意中の女性を落とせないとは、笑っちゃいけないけど皮肉なお話でした。しかし、ネットビジネスにおける偉大な人物、それが実は恋に彷徨う等身大の一人の若者だった、、彼に愛着がわくような締め方には "人間愛" があってよかった。 個人的には、過去と現在を延々と繰り返す手法は苦手なこと、そしてこういった映画は公開当時、つまりFacebook全盛期に観てナンボでしょう、という思いはあります。 以下余談。 出演した俳優たち、ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、そして、ルーニー・マーラですか。当時はそこまで有名ではなかった認識ですが、特に本作以降、役者として大成したように思います。今改めて、Ⅾ・フィンチャーの役者を見る「慧眼」は素晴らしいとしか言いようがありません。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-12-19 19:41:25)(良:2票)
18.  恋のためらい/フランキー&ジョニー
あのアル・パチーノがロマンチックコメディとは、パチーノ映画史の中でもたいへん「希少価値」の高い映画。そして相手役にミシェル・ファイファーとは、「スカーフェイス」の二人がこんなところで再度相まみえる (笑) という、実に粋なキャスティングだ、もちろん脚本も粋だけど。しかし、二人はどの映画でもケンカばかりしてるな、うん。 また恋愛モノとしてこだわらずとも、これまたいつもと違うアル・パチーノがわんさか堪能できて嬉しい映画。だって、アル・パチーノがダイナーのコックさんですよ? これだけで微笑ましいじゃありませんか。やっぱり、包丁片手に「フーアー!!」ってやってました、厨房で。 特にお気に入りが、友人を祝うダンスパーティーのシーン。酒飲んで、歌って踊って、グルグル回って、、こんなに楽しそうな彼、他ではほとんど見られません。そしてこれだけ大勢いるのに、彼が一番チビなんですよね・・。「輪」になって踊ってると、隠そうとしても隠せない。(ゴメンね、パチーノ) でも本人は全く気にしてない感じだし、うまく言えんがそういうところが私がアル・パチーノを好きな理由の一つなんだ。 って、内容についてのコメントがほとんどないな、、まっいいか。
[DVD(字幕)] 8点(2021-10-19 22:21:38)(良:1票)
19.  ジョー・ブラックをよろしく 《ネタバレ》 
大人のための良質なファンタジーであり、ラブロマンスだと思う。 大富豪と死神の奇妙なやり取りを通じて、いつしか立場を超越した (男と男の) 友情が芽生えていく、、といった展開はいかにもマーティン・ブレストらしいですが、本作は、「二人の関係を不審に思う関係者たちをどう納得させるのか?」という、この興味をちらつかせることによって客をうまく惹きつけているところがある。そこは見事に、「国税庁の調査員だ」という、全く予想だにしなかったジョーの一言に一瞬啞然とするとともに、うまいオチだな、と。(それにしても、この場面のアンソニー・ホプキンスの演技は絶品だ) その伏線でもある、それは死と税金のように避けられないもの、これは忘れ難い言葉でした。死と税金ともう一つ、この映画は、人は生きていく上で、「孤独」も避けられないもの、というテーマも併せ持っています。金も名誉も手に入れたビルにとって、若さと美貌を兼ね備えたジョーは、彼自身の叶わぬ願望を投影したようでもあり、同じく孤独という意味で二人は表裏一体なのかもしれません。 いつものことながら、アンソニー・ホプキンスは、大富豪や高潔な人物の役がよく似合う。本作でも、その重厚な存在感で魅せてくれます。 かたや、ブラッド・ピットはそのビジュアルで魅せてくれた。彼のキャリアでは「ファイト・クラブ」の頃が完璧な容姿であったと思うけど、本作もほとんど同時期だから、まさに悪魔的な、ちょっと形容し難い美しさがありました。 クレア・フォーラニもキレイ。彼女も完璧な美しさだと思う。でも、主演の二人に比べたらどうしても存在感で勝てない。なぜなら、彼女には強烈な「個性」がないから。 思えばこの映画の見せ方って、俳優「本人」を大事にした撮り方をされていますね。その分、クローズアップが多くなり全体的に冗長なのが難点でもあるけど。 また、本筋に関係ない部分では、ビルとジョーとドリューによるスーツの着こなしがカットの度に楽しみで、彼らのスーツとネクタイのセンス、そしてネクタイの結び方、、三者三様でそれぞれにこだわりがあり素敵でした。
[DVD(字幕)] 7点(2021-10-12 21:13:18)
20.  バトル・オブ・ザ・セクシーズ 《ネタバレ》 
予告編の、フライパンやコスプレ姿でテニスをするボビー・リッグス (S・カレル) の姿から、勝手にコメディ映画と思っていましたが、全然違いました。これは女性軽視や同性愛というデリケートなテーマを取り扱った、実に大真面目なドラマでした。 ビリー・ジーン・キング (E・ストーン) については、テニスプレーヤーとしての彼女よりは、同性愛に目覚めていく一人の女性、そこに力を入れて描いていた感じ。特に彼女がマリリンと接する場面は、実に官能的に撮られていたように思う。 また、本作はもう一人の主役と言えるだろう、ボビー・リッグスが面白い。彼はテニスプレーヤーである以前に、誰よりも目立ちたがり屋で生来のエンターテイナーであり、実に映画向けなキャラクター、と言える。そして、本心が読めないというか、、ちょっと得体の知れないところがある。何となくですが、彼はゴリゴリの差別主義者を装っているだけで、群衆やマスコミを煽って注目させ、「テニス」という競技の知名度向上のために汚れ役を買って出た、と私は思っています。 1973年、バトル・オブ・ザ・セクシーズ (性差を超えた戦い) 。 もともと、身体的・体力的に異なる男女の試合結果など競技としては然したる意味はありません。だからこれは、スポーツという「力」を借りた、人類みな平等、という宣言です。 もちろん、女性として、やがては同性愛者として発言力 (影響力) を持つ偉大なテニスプレーヤーに、大きな使命感を与えた試合としてみるなら、これは決してテニスやスポーツという枠だけにはとどまらない、歴史上でも特に重要な戦い、と言えるでしょう。
[映画館(字幕)] 7点(2021-10-07 13:17:58)
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