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プロフィール
コメント数 123
性別 男性
自己紹介 新作をどんどん観に行く、というよりも好きな作品を何度も繰り返し観るタイプです。
よろしくお願いいたします。

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1.  ゴッドファーザー 《ネタバレ》 
本作を劇場で見ると言うのも私のささやかな夢の1つだったが、午前10時の映画祭のお陰で叶えることができた。基本的に静かな映画だと思うのだが、その静けさの中で行われる駆け引きや殺戮の恐ろしさ、その緊張感がやはり素晴らしい。これは家族を守るための男の物語であると言う語り口で終始進んでいき、最後ダイアンキートンの寂しげで不安げな表情により「これは女性の物語でもあったのだな」と気づかせるラストシーンも最高だ。それにしても来年から寂しくなるなあ。
[映画館(字幕)] 10点(2019-06-10 10:27:35)
2.  アンタッチャブル 《ネタバレ》 
視聴回数で言えば、恐らく人生の中で最も観ている映画の一つ。今回午前10時の映画祭を利用して初めて映画館で鑑賞した。オープニングでエンニオ・モリコーネのスコアが流れた瞬間から理性が飛んでしまうくらいの興奮を覚え、その後も数々の名シーンに興奮させられっぱなし(当たり前だけど、やはり映画館で観ると違うなあ・・)。やはり面白い映画は何度観ても面白いという事実を再確認。今回改めて感心したのが脚本の上手さで、一つ一つのシーンがちゃんと意味があって全て次に繋がっている。伏線の貼り方もうまい(ストーンが狙撃の名手である設定もクライマックスでちゃんと活きてくる・・etc)。いやはや脚本、演出、演技、音楽、全て一級品で、本当に娯楽映画の見本のような作品。それにしても豪華すぎるキャストだ。
[映画館(字幕)] 10点(2017-05-30 19:09:41)(良:1票)
3.  ポセイドン・アドベンチャー(1972) 《ネタバレ》 
今回リバイバルで映画館にて鑑賞。パニック映画の最高峰と言うことで、勿論セットも凄いし、スペクタクルも凄いのだが、何が凄いって、やはり脚本が素晴らしい事と、役者さん達の演技が皆素晴らしい事。台詞がリアルだし、それを演じる役者達の熱演もあってさらに生々しく映る。人間が描けているのだ。ラスト、救助隊が船底をバーナーで焼き始めた際に一瞬嬉しい表情をしたのもつかの間、後ろを振り返り妻を悲しむアーネスト・ボーグナインの表情が忘れられない。映画ってこういう作品の事を言うのだと思う。人生において本当に辛い経験をした後にもう一度見るべき作品かも知れない。
[映画館(字幕)] 10点(2016-08-16 14:03:15)(良:1票)
4.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 
これぞ総合芸術としての映画ではないだろうか。映画でしかできないことをやっている。何年か前にリバイバルで映画館で観た際、最も印象に残ったのが最後のロココ調の部屋で年老いたボウマンがベッドに横たわりながらモノリスを観るシーン。そこに配置された緑色のソファに圧倒された。なぜか凄い迫力を感じてしまったのだ。このソファー、完全に計算されて配置されている事が分かる。勿論、他のシーンのセットも全てキューブリックの中で計算されている。(計算というか、キューブリックの中では直感でやっている部分が多いのだろうが。)  デビット・リンチとスタンリー・キューブリック。私の好きな2大監督だが、リンチは元々画家であり、キューブリックは元々フォトグラファーである。共に静止画の世界出身だ。それ故か、両監督とも一つ一つの画に対する姿勢に共通する物があるように感じる。動画である筈の映画だが、両監督とも、一時停止するとそのまま一つの静止画として機能してしまうほど、一つ一つのシーンの「画」が完成されているのである。  もう一度映画館で観たい。あと、凄く長い映画というイメージがあるが、上映時間思ったほど長くない。
[映画館(字幕)] 10点(2016-07-28 19:42:44)(良:1票)
5.  バック・トゥ・ザ・フューチャー 《ネタバレ》 
「グーニーズ」とともに自分の中に「アメリカに対する夢」、「映画に対する夢」を植え付けた作品。「アメリカの高校生って本当にスケボーで人のトラックの後ろに掴まりながら通学するのかな?」子供の頃本気でそう思ったものだ。ギター、スケボー、ロックンロール、コンバース、雨にぬれたアスファルト、ショッピングモール...この映画の全てに憧れていた。夢しか無い。テンションしか上がらない。何度も観たはずなのに、今回映画館で観ると全てのシーンに新たな感動が付与された。基本的にコメディなのだが、ずっと涙腺が緩んでいる感じ。ダンスパーティーでパパとママがキスするシーンがあんなに泣けるなんて。自分の中では今でもこの評価以外ありえない。
[映画館(字幕)] 10点(2016-07-27 13:25:43)
6.  ショーシャンクの空に
午前十時の映画祭を利用し、劇場にて鑑賞。  今年の始めに友人と「ショーシャンク映画館でやるらしいぞ。9月。」 「そうなのか。始まったら一緒に観に行こう。」と話していた。いつの間にかもう9月になったので、約束通りそいつと一緒に見に行った。  今回何度目の鑑賞になるのか分からないが、今までで一番心に響いた。映画館で観れたからかもしれないが、恐らく今自分がいる状況と、この映画の主題が程よく合致したのだろう。一緒に行った友人曰く、「無駄なシーンが一つもない映画。」  早めに映画館に着いたのでカウンターに一人で赴き「大人二人」と言った際、お店の方に「カップルシートお勧めですよ」と言われた。とっさの事に断る事もできず、男二人でカップルシートに座って観る事になった事が、唯一想定外であった。
[映画館(字幕)] 10点(2015-09-07 21:28:26)(笑:6票)
7.  JAWS/ジョーズ 《ネタバレ》 
これも一度劇場で観てみたかった作品だったが、今年ついに午前10時の映画祭で夢が叶った。やはり娯楽作家としてのスピルバーグの原点的な作品だと思うし、今観ても色々と画期的な映画であると思う。スピルバーグはどちらかというと演出面で作家性の強い監督ではなく、あくまで正攻法で攻める監督であり、そこが凄いと思っているが、やはりこの作品でも真正面からの恐怖演出がとても秀逸だと思う。ストーリー面では頑固でとっつきにくいクイントと打ち解けたてやっとクイントに感情移入しかけたところで死んでしまうところとかもうまいなあと思う。よく言われるサメがちゃちいという話だが、なぜか私は一度もこの映画のサメをちゃちいと思ったことがなく、逆にリアルだなあと思ってしまう。それは今回劇場で観ても変わらなかった。しかし今見るとロバートショウは話し方が少しジョニーデップに似ている(笑)この作品を現在リメイクしたらクイント役はジョニーデップがいいかもしれない。
[映画館(字幕)] 9点(2019-06-10 11:06:10)
8.  E.T. 《ネタバレ》 
素晴らしい映画だなあ。自分の映画体験の原点となっているような本作を、今回午前10時の映画祭で劇場にて久々に観た。純粋性の塊のような本作だが、それは自分が子供の頃に観たからそう思えたのであって、ずいぶんと汚れてしまった現在の私が見るとまた違った風に感じるかもしれないと思っていた。しかし観直してみて、これは自分の勘違いではなく、本当に本作自体がまっすぐな、澄んだ心で作られた映画であると確信した。とにかく出ている人達がみんな、何というか演技を感じさせないのである(特に3兄妹。これは子役だから、、という次元の話ではない気がする)。お母さんも素晴らしい。特に最後E.T.が去っていく時のとても爽やかな笑顔が印象的である。この3兄妹の純粋な姿とE.T.の愛くるしさを捉えたスピルバーグの手腕に恐れ入ってしまう。恐らく今後も本作は、自分の純粋性を測るリトマス試験紙のような役目を持つだろう。つまり本作を見て純粋に楽しめなくなってきたら、自分はその分大人になったということだと思う。そしてそれは良い、悪いともまた別の話である。
[映画館(字幕)] 9点(2019-04-25 15:45:40)(良:2票)
9.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 
いやあ、素晴らしい。映画を観てこんなに泣いたのはいつ以来だろうか?なんでこんなに泣けるかというとこれが本当の話だからだろう。細かいところまでブライアンとロジャーが監修に携わっているようなので、描かれている事の殆どが事実というかそのまんまと捉えて良いようだ。実際にその場にいた人だけが作れるリアリティというのがあって、そのリアルさはある意味オリバーストーンの「プラトーン」にも近いと思う。名曲誕生の裏話など、ファンとしては答え合わせをしているような楽しさもあり、また自身のアイデンティティとの葛藤を誰よりも持っていたフレディが、だからこそ誰よりも人に愛されることを求め、そしてそのフラストレーションを音楽にぶつける事で人々を魅了していく様がとても良く伝わってくる。音楽というのはその人そのものが出るものだと思うが、やはりフレディという人だったからこそあの名曲達が生まれたのだと改めて納得させられた。ファンには、半分に切ったような独特なマイクスタンドの誕生秘話あたりも見れて楽しい。極めつけはLIve Aidでのステージをほぼ完全に再現したクライマックスで、内情を知った上で見ると1曲ごとの重みがまた凄いし、最後のWe are the Championsでの大合唱なんて、もうどうしたって胸が熱くなる。病気を押してのステージという事では美空ひばりの不死鳥コンサートと共に永遠に歴史に刻まれる名演であろう。しかも、見ている側には決して病魔に冒されているなんてことは感じさせないパワフルなパフォーマンスである。Live Aidも、翌年の Magic tourでのウェンブリーも然り。。  早くも本年度オスカー候補の声もあるラミマレック、そしてブライアンメイ役の方も、とにかく皆本当にそっくりで「あれ?これは本人を見ているのか?」と何度も錯覚するほど。本当に本人がのり移っているかのようであった。(そっくりといえば、映画開始直後ウェンブリーのバックステージ階段で、若き日のU2と思われるメンバーとフレディがすれ違うシーンがあるのだが、その際ボノがちゃんと学ランらしき物を着ていて、そんなところの再現度の高さにびっくり。ボウイも一瞬髪型だけ登場(笑))  というわけで、Queenファンは言うに及ばず、きっとQueenの事を知らない方でも一つの音楽映画、伝記映画として十分に楽しめる作りになっていると思う。(そう信じたい。)きっとQueenのこと知らなかった方も、この映画見た後はQueenを聞きたくなるんじゃないかなあー。もう一回観に行こう。
[映画館(字幕)] 9点(2018-11-11 08:54:12)(良:4票)
10.  スタンド・バイ・ミー
こちらもすでに自分の一部となっている(と勝手に思っている)ような映画なのでとても冷静に評価できる気がしないが、あえてこの映画を一言で表すとするならばやはりevergreenということになるだろう。初見時はまさに主人公たちと同じ年代だったので、彼らと同じ目線で観ていた。今回改めて観直すと、いつの間にか自分がリチャード ドレイファスの目線に近づいていることに気づいた。何れにしても、どれだけ時が経とうと映画の中の彼らはこれからもずっとあの時のままだろう。そして、何と言ってもこれだけ内容が詰まっていながら上映時間がたったの88分というところが凄い。「たった二日間離れていただけなのに、戻ってくると街は前とは随分と違って見えたーちっぽけに感じた。」というセリフが個人的には気に入っている。今でも旅行などから自分の住む街に帰ってくると同じことを思う。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 9点(2018-05-23 10:44:35)(良:1票)
11.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 《ネタバレ》 
こんなに面白かったっけ、というのが久々に観直した感想。初見は公開時に劇場でだったが、その時は子供だったからしょうがないとして、その後も何度か観直してきたはずのに、どうやら自分はこのパート2をよく理解できていなかったらしい(笑)。製作陣も認めている通り、2はトリロジーの中で話が最も複雑だ。まず未来に行き、事件を解決して現代に戻ると、その現代は何故か恐ろしい世界に様変わりしていた。元の世界に戻すには、パラレルワールドに分岐したポイントである過去に戻ってそれを防がなくてはならない。複雑であるがとてもよくできていて、故に何回でも観れる奥深さがある。前半で手に入れたホバーボードがちゃんとクライマックスで活きてきたり、ビフがデロリアンを盗んで未来に行く時にゴミ箱にぶつかる等フラフラ運転したり・・(初めて運転するのにスムーズだったらおかしい)本当に脚本の細かい所がよくできていると関心。 個人的には本作の立役者はトーマスFウィルソンだと思う、コミカルな演技からシリアスな所まで、本当にビフ、そしてグリフになりきっていて素晴らしい。このトーマス意外にも、マイケルやクリストファーロイド、そしてリートンプソンと皆さんとにかくコミカルな演技が素晴らしい。これはロバートゼメキスの演出が素晴らしいのだろうけど、個々の役者さんたちのポテンシャルも元々高いのだろう。  オリジナルの世界を別の視点で描くという素晴らしい着想も最高だ。 オリジナルありき、そして3への橋渡し的な映画ではあるが、単体品としても十分面白い作品だと思う。しかしやはりオリジナルを見てないと本作を完全には味わいきれないというのが、なんとなくこの2の宿命めいた所で素敵だ。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 9点(2017-11-19 09:50:28)
12.  大脱走 《ネタバレ》 
時代を超えた大傑作。3時間近い上映時間も殆ど気にならず、鑑賞中ずっとワクワク、ハラハラとさせられる。まさに上質な緊張感が貫かれた作品。基本的には悲劇だと思うのだが、鑑賞後の感想は悲壮感よりも爽やかさが上回る。それは、要所要所で描かれる、様々な男たちの友情が土台となっているからだろう。役割分担をして脱走を企てている箇所は、どことなく悪ガキどもが大人達にばれないようにいたずらを画策しているようでもあり、ワクワクしてしまう。この辺り、男性の方が感情移入しやすい所以だろう。様々なキャラクターも良い。やはり中でも常に飄々としているマックイーンの格好良さ。しかし、マックイーンも、ブロンソンも、コバーンも皆若い!それだけで嬉しくなってしまう。  そして脚本の素晴らしさ。松本清張の小説のごとく、やはり人間の本質を描いたものは、何十年経ったってその魅力は変わらない。練習の時には「こんな簡単な罠に引っかかっちゃダメだぜ」と、騙す側だったマックが、本番では「good luck」と言われて、つい「thank you」と答えてしまう箇所など・・・もう旨い!としか言えない展開である。  収容所から逃げるシーンの緊迫感、そしてそこからの逃走劇。あるものは電車で、あるものはボートで、自転車で、そしてあるものはバイクで・・それぞれの道を行く。果たして彼らの運命は・・・。何度も見る事で更に面白さが増すだろう。
[DVD(字幕)] 9点(2017-10-23 09:34:58)(良:2票)
13.  ゾンビ/ディレクターズカット完全版 《ネタバレ》 
何度観ても面白い。ゾンビとの戦いの裏で、誰もが一度は夢見たことがある、「誰もいないショッピングセンター(デパート)で、好き勝手やりたい!」と言うサブテキスト(?)が執行されているのが最高。そして好きなことをやりつくした後にくる虚しさ。。映画が始まった時点でなんの説明もなく「すでにそうなっている」という、ものを言わせない展開も最高だ。※ちなみに自分が持っているDVDは「米国劇場公開版」と言う127分のバージョンなのですが、そちらのバージョンが無かったのでこちらに投稿させていただきました。
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2017-10-15 09:30:22)
14.  ブルーベルベット 《ネタバレ》 
ほぼほぼ満点に近い9点。マルホランド・ドライブがリンチ・ワールドの集大成だとするならば、こちらはリンチがその作風を確立させた初期(?)の傑作。これがあったから後の作品が出来たと思うと、感慨もひとしお。実際、後のツインピークスやワイルドアットハート、ロストハイウエイ、マルホランド~etc全てこの中にあると言えるだろう。お得意の絵画的構図の美しさも冴え渡っているが、特に本作では映画的な表現が素晴らしい。ほのかに揺れるブルーベルベットを写したオープニングや、暗闇から現れるローラ・ダーン登場シーンの幻想的な美しさ。または変装したデニス・ホッパーが階段を見上げ、目が会う瞬間の恐怖演出などなど、とにかく冴え渡っている。異常/正常、平穏/不穏、平和/暴力といった概念が表裏一体で存在している独特のリンチ節も大炸裂。サスペンスとしても一級だし、ラストの絵に描いたように不自然なハッピーエンドも大変強烈。(音楽も勿論最高。)何度も観たくなる、見事な中毒性を持った大傑作。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2017-05-01 20:50:42)
15.  スカーフェイス 《ネタバレ》 
もはや米国のギャングスタ界隈など「タフに生きることを決めた」男達にとっては聖典になっている本作。デ・パルマの演出、オリーバー・ストーンの脚本、そしてアル・パチーノの演技と、全要素の脂が乗りまくっているこの時期だから作れた奇跡のような作品。とにかく無鉄砲でself-destructive(自滅的)な人生は観ていて辛くなるものがあるが、一本筋が通っていて、曲った事はしたくない、自分に正直なこのトニー・モンタナという男は、まさに男が惚れる男なのだろう。ラストにおける主人公の死に様は、個人的に「俺たちに明日はない」や「天国の門」に並び映画史に残る壮絶なものだと思う。話は変わるが、昔TBSで放送されていた長渕剛主演の伝説のドラマ「とんぼ」は、キャラクター設定やストーリーなど殆どこのスカーフェイス(というか「暗黒街の顔役」)の丸パクリである。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 9点(2017-03-18 21:32:41)
16.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
これは素晴らしい。最近はアメリカ超近代史実の映画化が続いているイーストウッド監督だが、恐らく監督は今、フィクションよりもこういった実際に起こった事実の表裏をより観客に伝えたいという気概が強いのだろう。とかく上映時間が長くなりがちな昨今の映画に於いて、1時間40分程にまとめているのが凄いし、それほどこの映画は言いたい事がはっきりしている。人的要因を排除し、機長らを弾糾しようとするNTSBは丁度同時期(2007〜2008年)にリーマンショックを発生させた米金融界とダブるものがある。金融工学を駆使しサブプライムローンを売りまくった事が発端となったあの事件も、机上の計算だけが先走りした結果引き起こされたものだったと思うが、そういった「頭でっかち」になりがちなアメリカンエリート(頭が良すぎて、一番大切な何かを見落とす)の欠点もついているようだ。さて本作は機長らの仕事を全うしようとする姿も感動的だが、NY waterwayの人々や、普段メジャーリーグの話をしているようなレスキューのお兄さん達が、救助する時に一気にスイッチが入る瞬間など救助に関わった人々の姿も印象的に描かれる。見終わった後に心に優しい灯りがぽっとともるような本作、普段はエンドロールを最後まで観ずに退席される方も、これはエンドロールの最後まで観た方が良いだろう。(最後の最後で泣かされた。)
[映画館(字幕)] 9点(2016-09-25 12:43:09)(良:2票)
17.  アイズ ワイド シャット 《ネタバレ》 
スタンリー・キューブリック最後の傑作。終始ゆったりとしたテンポで進むのだが、冗長になる事も無く、逆にあっという間に時間が過ぎて行くという不思議な作品。実際2時間40分近くある作品とは思えない。殆ど単音で構成された主題ピアノ曲のように余計なものを排除した演出。台詞の量も多くは語らず、必要な事だけをゆっくりと話している。青、赤、緑などの幻想的なライトニングの色使いも美しい。画、音楽、台詞、役者の演技、これらの要素が丁寧に織られて一つの映画を成している。ゆったりとしたテンポも全て計算し尽くされたものであり、最後までキューブリックの演出手腕は鈍っていなかったと思い知らされる。コスチューム屋での日本人男性の騒動や、意味有りげなホテル受付男性の細かい演技など、キューブリックらしいブラック・ユーモアも健在。また、開始30分ほどで展開される夫婦喧嘩シーンでのニコール・キッドマンの演技は、「シャイニング」での狂ったジャック・ニコルソンの演技を彷彿とさせ、ニヤリとさせられる。
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2015-09-13 08:23:50)
18.  ワイルド・アット・ハート 《ネタバレ》 
好きな作品で、たまに無性に見たくなる。(自分にとっては殆どのリンチ作品がそうなのだが) ストーリー自体は非常にシンプルであるものの、リンチ作品特有の映像美・音響・登場人物のキャラの濃さ etc.が存分に味わえる作品となっている。  キャスティングが素晴らしく、セイラー役のニコラス・ケイジはまさにはまり役と言え、ちょっとこの役は彼以外には考えられないと思わせる。相棒のローラ・ダーンも素晴らしい。  しかし最も印象に残るのは、やはりボビー・ペルーを演じたウィレム・デフォーだろう。特徴的な歯(特殊メイク)を見せつけながらにやりと気味悪く笑う姿は、醜さとある種の美しさが同居している。極めつけは金庫を襲う際ストッキングを被ってからの完全に狂ったような表情。ウィレムのこの表情を見るだけでも価値のある映画だと思う。  その他にもリンチ作品特有の奇人・変人のオンパレードである。 今回久々に見直して、ルーラの回想シーンに出てくるデルおじさん(この映画のキャラの中で1,2位を争う変人)を演じていたのが、かのバック・トゥ・ザ・フューチャーでマーティの父ジョージ・マクフライ役を好演していたクリスピン・グローバーであったと初めて知りました。  自分の中のリンチ作品の印象として、「途中は滅茶苦茶な展開をしまくるのに、最後には何故か綺麗にまとまる」というものがあり、この作品は正にそれを見事にやってのけたという感じがある。終盤、シェリル・リーが演じる良い魔女が登場してからの怒濤の展開は、もはや笑うしか無いものである。しかしその笑いも決して冷めたものではなく、殆ど「微笑ましい」と形容できる類いの爽やかなものだ。  これだけセックス・バイオレンスに充ち満ちておいて、最後に微笑ましいと思わせる、この強引な手腕。正にリンチ作品でしか味わえない醍醐味である。  音楽は定番のアンジェロ・バダラメンティ。今回も要所要所で印象的なスコアが出てくるが、ヘヴィ・メタルが効果的に使われているのが今作の特徴だろうか。 それと忘れてならないのが、ニコラス・ケイジの生歌(?)が聞けるのである!しかも2曲。しかも、上手い!  それにしても特典映像に出てくるインタビューに答えるローラ・ダーンやシェリル・リーがとっても美しい。 二人とも良い年の取り方をしているなあ。(ローラ・ダーンのお母様も美しいです。)
[DVD(字幕)] 9点(2015-08-27 23:06:14)
19.  スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 《ネタバレ》 
面白かった。すごく極端な事を言うと、鑑賞中まるで黒澤映画を観ているようだなと思う箇所が何個かあった。構図なのか、なんなのか。もともとスターウォーズとは、黒澤明の映画に憧れたジョージルーカスが「宇宙を舞台にしたクロサワみたいなチャンバラ映画を撮りたい!」と一念発起して作り上げた作品である。その9部作の最終作品が、黒澤映画っぽさを感じさせると言うのは、JJ監督がそれを意識したのか全然してないのかは分からないが、何か原点回帰っぽくて良いのではないかと思った。やはり、活劇映画は、もっと言うとチャンバラ映画は、このくらい大げさで(映像的に)分かりやすくなくては!と、スクリーンに映されるどこをとっても現実感を排除した完璧な世界観を前に思ったのである。脱線するがこの広い世界でこんな映画を今作れるのはアメリカという国だけであり、もはやそれは悔しいとかそういう事とも離れていて只々驚愕するだけである。  ともかく、前にも書いたがここまである種カルト的な人気を持つシリーズは、例えどんな作品を作っても必ずどこかから文句は出るし、つまり全員を納得させる事は無理である。しかし個人的には、シリーズの最終作がこれで良かった!と思えただけで満足なのであった。シリーズ最後までお疲れ様でしたという思いを込めて1点加点させていただく。
[映画館(字幕)] 8点(2020-02-16 14:37:15)
20.  ジョーカー 《ネタバレ》 
面白かった!今明かされる現代人用のジョーカー誕生秘話・・そうかなるほど元々は芸人を目指すほど心の優しい青年だったのだな、そして母子家庭で育つもその母親は心を病み、継父には虐待されていた。それもヒーターに紐でくくりつけられるという酷い虐待だ。だから背中に大きな火傷の跡があるのだな・・・仕事はうまくいかず、仲間に裏切られ、憧れの芸人にも心を踏みにじられ・・・そりゃあ、こんな酷い目に会い続けたらジョーカーになってしかるべきだな・・・と、観続けるうちに途中から違和感を感じ始めた。待てよ・・・ちょっとこれは理にかないすぎではないか?筋が通り過ぎている。。何かおかしいぞ・・・?? ジョーカーって本当に理不尽で、神出鬼没、なんの犯罪歴もなく、指紋の記録もないような真に訳の分からない存在のはず。だから怖いし、人々を引き付けるのだと思っていた。しかしこの映画で描かれる内容は、ある意味あまりに合理的である。まるで、ジョーカーも元はと言えば人の子なんですよ。。と言っているようだ。そこで気づくのである。ダークナイトでは「俺のこの顔の傷、どうやって付いたか知りたいか?」と問いかけた後、いかにもな、それでいて全く異なる話をいくつもしていた。「俺がどうやってジョーカーになったか知りたいか?」そうこの映画で描かれた内容も、奴流のジョークの一つにすぎないのだと。フォアキンフェニックスは、これでオスカーを取ったとしても恐らく誰からも文句が出ないくらいの演技をしている。
[映画館(字幕)] 8点(2019-11-03 23:29:16)(良:1票)
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