241. 樹の海
《ネタバレ》 タイトルから、もっと文字通り「樹海」的なものを想像していましたが、樹海はあくまでそれぞれの人生・それぞれの人たちの最終到達点で、樹海自体がそれほど中心として据えられるわけではありません。ずっと森の映像ばかり見せ続けるわけにもいかないし、考えてみたら納得なんですが、もう少し樹海に焦点当てて欲しかったというのが正直な感想。 「一度樹海に入ったら二度と出られない」 「樹海の中ではコンパスが効かない」 「樹海には注射器などの違法廃棄物がたんまりある」 など、日本人なら一度は耳にした青木ヶ原樹海エピソード。そういったなんとなくどこかで聞いた樹海エピソードをたよりに見始めたわけですが、正直映像はどこにでもある森林という感じで、「青木ヶ原樹海が見たい!」という期待はそれほど満たされませんでした。 物語の中心はあくまで「そこ」に至るまでのヒューマンドラマ。四者四様のドラマはそれはそれで見応えありましたが、個人的にはそれと樹海で自殺というのがあまりつながりませんでした。別に樹海じゃなくてもいいのでは、という。自殺に至る理由も人によっては乏しいかなと。まあ死にたくなる理由なんて人それぞれだからいいんですが、「なぜ樹海で」という部分はもっと掘り下げて欲しかった。 個人的には井川遥さんのエピソードが一番好き。一番平凡な日常を送ってるように見えたからだろうか、その分過去に犯した過ちとそれがあっての現在の状況への葛藤などが見えて面白かった。何気に大杉漣さんがいい味を出してる。一瞬しか出てないのにあんなに印象に残るのがさすがだなと思いました。 [インターネット(邦画)] 5点(2021-05-02 14:27:19) |
242. 日日是好日
《ネタバレ》 取り立てて特徴の無い(と自分で思っている)女子大生が母親のふとした一言からお茶を習い始めるというお話。序盤は茶道に慣れていない若い女性がお茶に対して面白みを感じたり難しさや苛立ちを覚えたりの繰り返し。その繰り返しの中で形にはなっていない何かを感じるようになっていきます。 二十四節気を表しながら、劇中の時間も刻一刻と刻まれていくのが印象的。季節の移り変わりとともに人の時間や環境の移り変わりも同じように進んでいきます。 「立春が一年で一番寒い日なのは、昔の人がもう春はすぐそこだと厳しい冬を乗り越えようとしていたから」 という言葉も心に残る。人間の環境も、季節のように必ず春が訪れてくれればいいのですが、現実はなかなかそうはいかないよね、とも思いながら複雑な気持ちで鑑賞。さらに、 「人生で起きることはいつも突然。昔も今も。心の準備なんかできない。」 これも刺さる。分かってるつもりではいるんですが、当然のように毎日が訪れること、周囲の人がいてくれることが当たり前じゃ無いって気付くのはいつも突然。分かっているはずが、それを大事にできていない自分にも気付かされます。 今はコロナということもあり、余計に最後のメッセージが刺さりますね。お茶会で茶室に大人数で詰めて座ったり、毎年変わらない日々を過ごせることがたまらなく大切に思います。 『日日是好日』 この言葉を作った人もコロナ禍の今のような「日日」は想像してなかったでしょうね、、、 [インターネット(邦画)] 8点(2021-04-29 17:09:27) |
243. 私の男(2013)
《ネタバレ》 眼鏡をかけたヒロインが自分の知ってる女性とよく似ていて、映画の雰囲気とも相まって、美しかった。 という完全に個人的な感想から始まる本作のレビューですが、物語で起こっている内容の割に、話自体はとても淡々と進んでいきます。淳悟(=浅野忠信さん)と花(=二階堂ふみさん)が話の中心であり、他のキャストはほんとちょい役程度だったのもその印象を手伝っています。ちょっと二人に深く関わろうもんなら殺されるという。娘として引き取ったつもりが、いつしか一人の女として花を見てしまう淳悟、引き取られてその後溌剌と育っていくも淳悟に対して異様な所有感を持つ花。二人の気持ちと行動が錯綜する映画でした。 お互いへの依存性というか、おそらく依存してるとさえ思っていないくらい「一緒であること」が当たり前の二人はなんだか羨ましくもあります。男女の関係性も垣間見える二人ですが、もしも子供ができたらこの二人の関係はどうなっていくのかな。ふと、そこまで奥を見てみたいとも思いました。これ以上ズブズブで暗い話にしかならないと思いますが。 決してスッキリできる類の映画ではないですが、個人的に思うところの多かった映画でした。『私の男』というか、同時に『俺の女』であり、『互いのもの』だったんだろうなあ。 [インターネット(邦画)] 7点(2021-04-29 10:08:47) |
244. 散歩する侵略者
《ネタバレ》 少し長い『世にも奇妙な物語』でしたね。いつタモさん出てくるんだろう、ってそんな既視感と期待を覚える映画でした。 鑑賞前に「夫が別人になって、、、」というあらすじを見て、ガチのSFかそういう設定のヒューマンドラマかどっちだろうと思っていたんですが、ガチのほうだったとは予想を裏切られました。そっちかい!と心の中でツッコミ。邦画のSFって珍しいので。。。 個人的に面白かったところは、まず宇宙人in立花あきらが、立花に入る前の様子を淡々と語るところ。「体がどうなってるんだろうと思ってお腹切って内臓出してみたら死にそうになって、そしたらちょうどこの女の子が入ってきてそっちに移って助かった。」なかなかパンチのある描写でした。あとは、感染者だらけになってパニックになった病院の様子。混乱しきってカオスになっているのがなんというか映画として見応えがあった。少し現実味には欠けてる気がしますが、SFにそんなこと言っても始まらんか。 後半はだんだんストーリーが加速してはいくんですが、なんだか鑑賞者としてはだんだんぼーっとし始めてきます。概念集めとか謎のグループの追跡とか、なんか不明瞭で自分に落ち込んでいない状態なまま進んでいくストーリーがどうも自分には合わないらしい。最後少し寝落ちしてしまって、そこから再生し直しました。まあ、少し面白くなかった。『世にも奇妙な〜』としては長すぎる。自分にとってはそういう映画でした。キャストはすごい豪華なのに、、、。 [インターネット(邦画)] 4点(2021-04-28 01:24:39) |
245. 凶悪
《ネタバレ》 最近は近しい人の影響で邦画を見ることが多くなっています。その中でもジャンルはやはり自分の好みのものを選んでしまうのですが。 今回選んだのは『凶悪』。鑑賞してみるとタイトル通りの、さながら『アウトレイジ』的な場面から話がスタート。ずっとそんな感じでヤクザやチンピラの抗争的な話を見ることになるのかなと思いきや、物語は大きく、週刊誌記者の藤井(=山田孝之さん)と暴力団幹部の須藤(=ピエール瀧さん)の二つのストーリーに分かれていくことになります。藤井は取材を通して刑事さながらに事件の真相に迫っていき、その中で明らかになっていった事実をプレイバックのように須藤と木村(=リリーフランキーさん)中心に描いていく流れのストーリー。 藤井は取材の中でお金が原因で家族からも蔑ろにされる犠牲者たちの話をたくさん聞くことになります。「親からもらった遺産を食い潰してるだけの老人がいっぱいいる。そいつらを殺すだけで、金が溢れてくる。まるで油田だよ。」とはリリーフランキー扮する木村孝夫の台詞の一部。そんな事件の真相を暴き、彼らに罰を与える使命感に燃える傍らでその使命感に蔑ろにされる藤井の家族。気がつけば藤井の家族も重荷である認知症の母取り除きたい、消えてほしいと願う、須藤と木村の被害者たちのような家族になっていました。離婚届にはやはり判を押したのでしょうか。真相はわかりませんが、元の鞘に収まったんだと祈りたい。自分にとっての大事な人を再確認し見つめ直すこと、あと藤井の過度な仕事への傾倒を見て、ワークライフバランスについて考えるきっかけになりました『笑)少しカタい映画かもしれませんが、実際に起こったこととして身近に捉えることが重要と感じました。 [インターネット(邦画)] 6点(2021-04-23 06:45:08)(良:1票) |
246. 罪の余白
《ネタバレ》 いじめっ子の主犯格の子が、かなり若い小沢真珠さんに見えました。 という冗談はさておき、不快感やら嫌悪感やら、色々ざわざわした気持ちになる映画でした。 舞台はミッション系の女子校。そこで早速女子生徒三名がなにやら不穏な空気を醸し出す。なんか嫌な空気感だなと思った瞬間、そのうちの一人がベランダの手すりにのぼり、そこから足を踏み外す。そんなところから始まる『罪の余白』 いじめに至るまでの過程がよくわからない。最初は誕生日にケーキあげたり普通に仲良かったはずなのに、なぜ急にいじめる対象に変わらなければならなかったのか。でもその辺が不透明なところも、ある意味リアルなのかもしれない。実際のいじめも他人から見ればよく分からない理由で始まってることも多々あるんだろう。良いか悪いかは別にして。 安藤父(=内野聖陽さん)は娘の事故死以降抜け殻のようになりますが、日記の存在を知ってから一転、彼女の死の真相を究明すべく動き出します。動き出したはいいのですが、やっていることは基本、「娘の学校周りをうろついて関係者を問い詰める」or「関係者を捕まえたら娘について知ってることを聞く」その二つの武器のみで物語全編を闘います。一応、合間に娘の携帯のデータを復帰させたりとか、主犯の子のプライベート探ったりとかはするんですが、それをその子たちに問い詰めたりする材料としては使わないと言う、じゃあその携帯のデータ復帰のくだりはいるのかねっていう感想です。使わないならそんなシーンなくても良かったのに。 なんか、頭の良さげな冷淡な女子高生って設定は、『古畑任三郎』シリーズや『ガリレオ』などでもよく似たやつを見たことがあるので、自分の中では二番煎じ感が強くてあまり入り込めなかったです。かといってそんなに話の中のキャラに魅力を感じたわけでもなく、淡々とストーリーが流れていってしまいました。思ってたようなストーリーが思ってたように流れてしまった。もう少し、意外な展開や仕掛けが欲しかったと言うのが正直な感想です。 小沢真珠さん二世、なんていったら失礼かもしれませんが吉本実優さん、とても印象に残りました。それがこの映画での収穫かな。今後気にしていきたい女優さんです。 [インターネット(邦画)] 5点(2021-04-20 01:12:22) |
247. IAM A HERO アイアムアヒーロー
《ネタバレ》 この映画、もしくは原作の漫画が話題になっていたときは全く興味がなく、しばらくしてから漫画を読み、そこで初めてゾンビものストーリーだと知りました。数年前に漫画を、映画を本日鑑賞しました。 漫画の方もかなり面白かったですが、映画も最後まで違和感なく楽しめました。個人的にはアニメの実写化は苦手な方なのですが、これは全く抵抗なかったですね。キャストがみんなハマっていたし物語のテンポも良くて中だるみしなかったからかな。 生活感のある序盤の描写、好きです。漫画の仕事がうまくいかなかったり、彼女のてっこともマンネリ状態で…てっこを誰がやってるのかと思ったら片瀬那奈さんでした。好きな女優さんです。まさか片瀬さんがあんなことになってしまうとは。いや、漫画で知ってましたけどね。ゾキュンが現れ始めてる兆候は出てるのにそれと気付かず日常が進んでいく描写は視聴者をドキドキさせますね。てっこがゾキュン化した後に街の異変が一気に噴出するのもとても緊張感のある場面でこれもドキドキしました。 途中で出会ったひろみちゃん(=有村架純さん)は可愛いのですが、『君の膵臓〜』の浜辺美波さんよろしく、女の子があざとすぎて「いやいや、そんなやついねーだろ」感が半端ない(笑) アウトレットの男軍団はなんか演技が鼻についた感がありましたが、薮役の長澤まさみさんは抜群でした。魅力的だし役にピッタリハマっていました。良かったです。 ゾンビ映画って必ず生き残りの人たちで揉めて結局ゾンビにやられてしまうのが定番ですが、映画の面白さとは別に、なんか現実世界見てるみたいで若干ゲンナリしてしまいました。なんかもう、人が人を攻撃するようなものは映画でも現実でも見たくないな。そんなところで少し気疲れしてしまった映画でした。すみません、ただの個人的感情です。 映画自体はとてもおすすめ。ゾンビもの好きは是非ご覧ください! [インターネット(邦画)] 9点(2021-04-18 01:15:23) |
248. Diner ダイナー(2019)
《ネタバレ》 別の蜷川映画、『人間失格』が良かったので今回違う蜷川フィルムに手を出してみました。が、、、結論から言うと失敗でした。『人間失格』は実在の人物を扱って、おぼつかなくもディープなヒューマンドラマに蜷川テイストが濃厚に色をつけて強い印象を残した作品でした。しかしこの『DINER』はと言うと、色味ばかり濃くて中身が薄っぺらい作品としか感じませんでした。『キルビル』✖️『マトリックス』✖️蜷川テイスト=着色剤まみれの和菓子のよう。ぶっちゃけ全然面白くありませんでした。ワクワクもドキドキもなく、ジーンとも来ず、ただただ終わっていった。 一応原作の方も読んではあったんですが、そちらもあまり印象残っていません。『軽いなー』と思ったのはなんとなく覚えています。 唯一楽しめたのはかなこ(=玉城ティナさん)の序盤のひとり語りのシーンかな。「自分が周りを信じないと周りから自分を信じてもらえなくなり、遂には自分で自分を信じられなくなる」とかいくつか聞かせるひとり語りがあり、そこは純粋に楽しめましたが。 こんなん見ちゃうとせっかく『人間失格』で縮んだと思っていた。また蜷川離れしてしまいそうだ。蜷川さんは合わせる作品次第だな…。 [インターネット(邦画)] 4点(2021-04-17 07:22:25) |
249. 半世界
《ネタバレ》 作中、綺麗な湾内に囲まれた牡蠣の養殖場が出てきました。見たことあると思ったら、昔住んでいた町の景色でした。出てくるものや場所がところどころ自分の記憶にある場所で、話の本筋とは全然違うところで見入っていましました。 話の中身はというと、田舎のにいちゃんたちがどんな風に田舎のおっさんになっていくかという過程を描いたような作品。ある場面では父になり、ある場面では職人になり、ある場面ではガキになり、ある場面では友になる。見栄えという意味では全然栄えない映像ばかりですが、同じような立場の男性からは奇妙なノスタルジーが感じられる映画だったと思います。 子供の変な人間関係はいらなかったかな。でもあれがあったから奥さんの初乃そん(=池脇千鶴さん)とのストーリーも仕上がったのか。自分もあまり良い学生時代を送っていないので、ああいうの見るとなんか見るに耐えなくなり不快感が止まらなくなる。いじめてるやつの家に、しかも両親揃ってる時に行くってどういう感覚なんだろ。わけわからんわ。 個人的には、備長炭作りにとても魅力を感じた。面白半分で書くのではないが、もし体験できる機会があるのなら是非やらせてほしい。実際に木を伐採するのとかは体力的にもたないかもしれませんが。釜に火を入れ、木を入れ、その具合を眺めながら少しでも良い炭を作りたいという職人気質の一端を垣間見たいと強く思った。家での自分と全く切り離された、炭と共にある別世界の自分。私にはこれも一つの『半世界』と感じられました。そう言う世界が欲しくてたまらなくなりました。 [インターネット(邦画)] 6点(2021-04-16 22:01:06) |
250. 愚行録
《ネタバレ》 少し前までは英語の勉強を兼ねて洋画ばかり観ていましたが、ここのところはある人の影響で邦画を多く観るようになりました。そんな最近の映画チョイスの中で見つけた本作『愚行録』。 何やら一癖ありそうな週刊誌記者の田中(=妻夫木聡さん)が、幼児虐待の罪で勾留中の妹の面会と並行しながら、まもなく発生から一年を迎えようとしている一家殺害事件の取材を進めていくという物語。 『愚行録』との名の通り、取材の中でさまざまな人たちのさまざまな「愚行」が明らかになっていきます。基本的には男女関係のもつれなのですが、その中に大学における学生たちのヒエラルキーや、個々人の生い立ちなどの問題が描かれています。なんかまあ、いわゆる大学での「勝ち組」「負け組」的な描写が多々ありました。自分の学生時代にはそんなの一切なかったのですが、エスカレーターで上がってきたその学閥生え抜きの「内部生」とか、大学から入ってきた「外部生」とか実際そこまで差別あるんですかね??出自がなんだろうが、私は気にいる相手は気にいるし、気に入らん相手はどんなに立場や生い立ちが素晴らしくても気に入らないんですが。そんな考え方の方がレアなのかな??その「内部生」たちもただのパーリィピープルで一切感情移入出来ず、そんなふうに見ていたものであまり話に入っていけませんでした。 一つの事件としてはそれこそ週刊誌のように興味を惹きつけるものなのですが、内情は知ると案外つまらないものだったと、そんな感じの映画でした。 [インターネット(邦画)] 5点(2021-04-16 00:20:43) |
251. クリーピー 偽りの隣人
最近仕事が忙しく、二日間に分けて鑑賞する結果になりました。1日目はほんとに時間がなく30分だけ。ここまでで鑑賞を止めればよかったかなと、全て見終わった後素直にそう感じた。 冒頭のつかみは完璧でした。冒頭のサイコパスの一件から始まり、それを機に刑事から足を洗い犯罪心理学の講師として大学で働くことにした高倉(=西島さん)がふとしたことからある未解決事件に関心を持ち、それがまさかの展開になっていくというあらすじ。 キャスト評をしていくと、竹内結子さん、やはり超綺麗。魅力的。ただ普通に振る舞ってるだけなのにどうしてあそこまで目を引いてしまうのか。率直に美しいと思った。亡くなられたのが惜しまれてならない。 川口春奈さん、犯人を追うのにヒントを与えてはくれましたが途中で切れて脱落。どこかでまだ出てきて何か残すだろうと思いきやそのまま終劇。え、もう出番ないの?そこそこ重要な立ち位置のキャストだと思ってたのに。同じような理由で笹野さん。いや、あんな終わりかたないでしょうに。川口さんも笹野さんも、なんだか使い捨てられたようなキャスティングなされかたに違和感。よく言えば贅沢キャスト。悪く言えば無駄遣い。なんだかフラストレーション溜まりますね。 ストーリーも上述のように途中までは見てる側をドキドキワクワクさせてくれる展開なのですが、野上刑事(=東出さん)が単独で探り入れて殺されたあたりからは興醒めですね。なんだか『ザ!サイコパス!!』的な家の作りもやりすぎ感ありありでまた萎えたし。殺される人たちの不用心さとか、薬の効きの意味不明なヤバさとか、もっと丁寧に作り込めばいいのに、見せる要素が雑になっていたのが残念でした。 西島さんが警察で取り調べを受けた後、一瞬だけ冒頭でサイコパスを尋問した部屋に入るのですが、あのシーンもっと大事にして欲しかったな。 前半で観る側をいい感じに盛り上げて、後半は悪い意味でそれを裏切り続ける。そんな映画でした。 [インターネット(邦画)] 4点(2021-04-09 23:51:47) |
252. 人間失格 太宰治と3人の女たち
《ネタバレ》 「太宰は偉大な作家扱いされているが、実は大変なクズだった」と言うことを歴史に詳しい国語の先生が言っていました。それに影響されたわけではないですがなんとなく引かれて鑑賞してしまった。コトの良し悪しはともかく、強烈なキャラクターですね、太宰は。三次の父で甲斐甲斐しい奥さんに囲まれながらもかなり堂々と不倫して、頼まれたからと子供をこさえて、こさえてしまったら面倒になってその女と距離を置き、夜は出版社の人間と飲んで飲んで飲み歩き、そこでまた違う女を引っ掛け常時に耽り、そうこうするうちに病気に体を蝕まれ、不倫や借金や病でボロボロになった中で書き上げた『人間失格』 『人間失格』自体もきちんと読んだことがないのですが、これを観て俄然読んでみたくなりました。自分も人間失格なところたくさんあるので、参考にさせてもらおう。 元々あまり邦画を観ないタチで、蜷川映画というのも実は初めての体験。ニュースや雑誌などで切り取られて見る蜷川イメージはただただ前衛的でイロモノってイメージでしたが、きちんと映像作品として見るとやはり芸術作品だなと感じました。ハッキリした色調の世界観が記憶に刻まれる映像でした。これを機に蜷川映画をもっと見ようと思いました。 [インターネット(邦画)] 8点(2021-04-06 23:52:48)(良:1票) |
253. 家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。
《ネタバレ》 これは、、、こんな良い旦那さんじゃなければ、もっと言えば映画じゃなければ成立しにくいお話だろうなあ。物語はもうタイトルそのまま、家に帰ると妻が死んだフリ、のみならず様々な出落ちトラップを仕掛けて待ち構えています。はじめこそ本気で妻を心配していた旦那さんも、やがて妻が何かのメッセージを送ってるんではないか、オレに何か言いたいことがあってそれを遠回しに伝えたくてこんなことしてるんではないかと疑心暗鬼になりイライラが溜まっていきます。そりゃそうだ(苦笑) 結婚三年目で夫婦生活を再考するという約束をしていた夫婦、その時期から急にこんなことをやりだしたのは、期日が迫ってきて日に日に元気をなくしていく夫の姿が、ちえの母を亡くして元気を失っていた父と重なり、同じように元気付けようとしたのかもしれません。まあ逆効果だったわけですが。 自分はもっとシンプルに感情を伝えるし、伝えて欲しい人なので、「月が綺麗ですね」もそうですがそこまで婉曲に伝えられてあげく自分が気付くまでずっと放置されるのはなかなか耐えられないなあ。これがきっかけでまた離婚することになったらどうするんだろうか。自分だったら、仮に何度か過ぎた悪ふざけや過ちをしてしまったとしても、何が一番大事なのかもう一回振り返って、一番が好きな相手ならそのために行動したいと思います。相手より、自分の死んだフリや「月が綺麗ですね」を優先する気にはならない。そもそもなぜそこまでして旦那にストレートに『愛してる』と言いたくないの?込められた意味はわかりましたが、何故そこまでわかりにくい形に込めなければいけなかったのかがわかりませんでした。 でも世の中にはいろんな夫婦がいますもんね。加賀美夫妻もそうですし、同僚の佐野さん夫婦もそうでした。何か一つの形が正解というわけではなく、「こんな夫婦像もあるんだ」と参考として自分や周りを振り返るきっかけとなる映画だったのではと思います。自分にも、良いきっかけになりました。 [インターネット(邦画)] 7点(2021-01-28 00:24:16) |
254. 百円の恋
《ネタバレ》 二時間足らずの映画なのに、なんと言うか、分厚くて濃厚な時間でした。 主役の斎藤一子(=安藤さくらさん)は、「月曜から夜更かし」のフェフ姉さんをイメージしてしまった(笑) 実際のフェフ姉さんの私生活とかもちろん知りませんが、くたくたの格好でタバコ大好きで女を捨てていてでも誰かに抱かれたいって、テレビで見るフェフ姉さんのイメージ過ぎて、つい(笑) 自堕落な男女のヒューマンドラマ、場末のコンビニの労働風景、からのまさかのスポ根映画になるとは思いませんでした。こういうの見ると不覚にも自分も何かやりたくなってしまう。もう32歳もとっくに過ぎてますが、あれくらいのめり込める何かが欲しいという気持ちになります。ボクシングに取り憑かれる一子を見て、少し、うらやましいと思いました。 安藤さくらさんは怪演ですね。映画の最初と最後ではまるで別人のよう。多少はメイク効果もあるんでしょうが、もう体型や顔の形からして変わっていった。カメレオン女優?役作り大変だっただろうなぁ。ボクシングの動きもすごかった。なんかみるみるうちに動きが良くなっていくのを見るのって楽しいですよね。そんなところも楽しめた映画。 何もかもがスッキリするという映画ではないですが、とても楽しめました。鑑賞前はそれこそ「百円」とまでは言わないまでもそんなに期待していなかったんですが、普通に映画館で観てもいいなあと思える価値はあったと思います。 [インターネット(邦画)] 8点(2021-01-27 01:08:36)(良:1票) |
255. ディア・ドクター
《ネタバレ》 真っ暗闇を駆ける自転車のヘッドライトから始まる『ディア・ドクター』 暗いし白衣着てるからこの人が主要キャストなのかと思い込んでいたらただの名もなき脇役の人。事件が起きたその後でした。 まず驚いたのは医者の給料。無医村の過疎地域で好条件が出されたにしてもすごいですね。実際もあんなもんなんでしょうか??だとすれば、けっこうなり手は多そうだけどなあ、と思うのは医者の仕事やあそこまでの田舎暮らしを知らない人間としての意見ですが。でもそこまで悪くないように思える。まあそれはこの映画の見せ方のせいもあるでしょうが。 偽医者はあまり聞きませんが、無免許教師とかは実際時々ニュースでも見ますよね。あれも似たようなもんなんでしょうね。けっこう長い間その職の人として働いて、「人当たりも良くて良い先生でした」とか新聞にコメント載ってますもんね。最初にそう言う人として認識してしまったら後からそれを疑うって相当難しいと思う。最後の方で村長さんが刑事に吐いた言葉「あんたらもほんとに警察?手帳なんかあったって信用できねーよ」というセリフは、そのまま詐欺防止のキャンペーンポスターに使ってもいいセリフだと思う。実際水道局やらなんやらが家に来ても、わざわざその事務所にその人が実在してるか電話する人なんかいませんもんね。 とまあなんか詐欺の話になってしまったが、ストーリーは好きです。柔和だけど怪しい村の診療所の医者役に鶴瓶さんって、似合いすぎてる(笑)でも村の人たちとの掛け合いはとても自然で、なんというかただの平和な田舎のワンシーンを見せられているよう。警察の場面以外は、そこに「偽医者」とかそういうダークなものをほとんど感じさせずにストーリーは流れます。いっそただのジャパニーズカントリームービーでも面白かったかもしれない(笑)と思うくらい癒される自然がたくさんでした。 最後の喫煙所から消えるシーンと、病院に現れるシーンだけはいらないなぁ。そんなんは求めてなかったんだが。騙されたと知ったお婆さんの心の葛藤なんかをむしろもっと見たかったけど。 個人的には、田舎暮らし少し憧れるなぁってことと、人の嘘に気づくのって難しいなってことを思った作品でした。 [インターネット(邦画)] 8点(2021-01-24 02:35:13) |
256. 嘘を愛する女
《ネタバレ》 正直なんだかレビューがしにくい作品と感じました。なんでかなあ。 いきなり思い立ってパートナーの素性を調べるよう探偵を雇ったり、その調査に同行して東京から瀬戸内に行ったりするかなあ。そもそも警察も動いてたんだし、そちらからの報告待ちで自分は倒れたパートナーの看病するってのが自然な気もする。わざわざ喫茶店で自分の人生や今後の願望を小説風に書いたり、その書き込んだPCを意味ありげに街中のロッカーに入れておいたり、そういったやりかた自体に「作り物」感が強い気がしました。だってそんなとこにPC保管する人いないでしょ。したいわけじゃないけどつまらん突っ込みをしてしまう映画でした。途中で出てきた喫茶店の女の子(=川栄李奈さん)もいるかなあ?必要なキャスティングとは感じなかった。別にいなくても話は進んだのでは。 って書きながら思ったのはこれも原作があるのかな?それに沿って作ったのだとしたらそうなるのかな。うーん、でもこれを観て本を読みたいとはあまり感じなかったな。 話の中で一番ショッキングだったのは小出桔平(=高橋一生さん)の過去の家族との事件でした。作り物でもああいうのはきつい。しばらくメンタルやられます。あんな極端なことにはならないまでも、やはり家の中で子供と二人っきりの状態がずっと続くっていうことは不健康なことなんだなと改めて思いました。24時間、もしくは何年も誰かと一緒にいてノーストレスな人なんて皆無だろうし、ましてや会話もろくにできない子供と一日中一対一なんてかなりのハードジョブ。世の中の子育て奮闘中の方々ご苦労様です。 自分もたまの休みの時に子供とずっと関わってるかって聞かれればそういうわけでもないし、いつも自分のしたいことと子供のやりたいことの中間をとることで頭がいっぱいです。自分が読書中に子供は勉強しておくとか。なので、子供の要求にほぼほぼ答えながら家事もこなす主婦(もしくは主夫)ってすごい。リスペクトですね。 っとなんか子育ての話になってしまいましたが、でもそういったことを再確認してしまった映画でした。 この人(川原さん)は嘘を愛していたのかなあ。嘘がどうとか関係なく、結局小出さんが好きだっただけでは?好きで好きでどうしようもなくなると前後の見境がなくなる感覚は、残念ながら、よくわかるが。 なんだかなあ。冒頭に書いたように変な作りこみ要素が気になってまじめなストーリーとしてレビューしにくくなってしまった。ちょっと求めてたものとは違ったかな。身分詐称とか偽造免許証とかのくだりはマジでいらなかったと思う。いやそれも原作に従っただけなら仕方ないんですが。 視聴者としては色々消化不良の作品でしたね。 [インターネット(邦画)] 6点(2021-01-04 01:55:20) |
257. 生きてるだけで、愛。
《ネタバレ》 自分の中で、映画『劇場』とかぶりました。主人公が恐ろしく自分勝手で、そしてそのパートナーの器がとても広くて、でも徐々にパートナーも主人公の毒に蝕まれていく。そんな様子が『劇場』とかぶってしまいました。 そんなある意味自由奔放に生きているように見える寧子(=趣里さん)ですが、「あたしはあたしと別れられない。」「津奈木はいいね、あたしと別れられて。」というセリフがとても印象的です。過眠症、鬱、躁などあらゆる適応障害を持ちながら毎日を過ごす寧子。はた目から見ている分にははっきり言って異様に見えるし自分でも基本的にこんな人に近づかないと思うのですが、終盤のセリフで、「分かり合えた瞬間は一瞬だけど、そのほんの一瞬であたしは生きていける」とか、津奈木(=菅田将暉さん)が彼女を美しいと思った瞬間があってそれを理由に一緒にいたいと思ったという感覚は、共感できるしきっと自分にもそんなところがあると強く思いました。 本の原作もあるんですね。鑑賞を終えるまで気づきませんでした。そちらのほうなら津奈木の会社の様子とか、安堂さんのバックグラウンドとかもっと詳しく描写されてるんですかね。ただ、良い、というか興味深い話でしたが、そんなに何度も振り返りたいストーリーでもないので、原作が読みたくなるかどうかは不明です。 躁鬱などの適応障害に理解を深めるための映画というふうにも見えるし、単にこういうヒューマンドラマだと言えばそれっきりなのですが、少なくとも男女の在り方について考えるきっかけにすることはできました。 [インターネット(邦画)] 7点(2020-12-31 03:01:46) |
258. 二重生活(2015)
《ネタバレ》 哲学、というと小難しく聞こえますが、要は自分やほかの人の人生について「こういうもの」と定義するものなのではないでしょうか。なんとなく自分にはそういうイメージです。で、そのために無作為の100人からアンケートを取るのではなく、無作為の一人を尾行する、というストーリー。 「理由のない尾行とは、他人の場所と立場に身を置くこと。すなわち、互いの人生・情熱・意志を知ること。それは人間が人間にとってかけがえのない存在となる唯一の道ではないだろうか」と、作中で白石珠(=門脇麦さん)が定義しています。この映画だけの話ならなんとなく入ってしまう定義ですが、なんとなく自分には違和感でした。まず、「理由のない尾行」なんてそれこそ探偵として仕事でもない限り無いのではないでしょうか。始まりこそ、たまたま目についた自分のアパート前の幸せそうな家庭の旦那さんで興味を持ったかもしれませんが、そこからは他人の人生を覗き見たいという興味本位からの行動にしか見えません。事実、珠さんも尾行を「楽しかった」と認めており、その時点で「理由なき尾行」では無かったように思います。 しかし尾行はともかく、気になる人の生活やその裏を知りたいという願望は、おそらく誰にでもあることだと思います。知っていくうちにその人本人以上に、事の顛末を見届けたいという欲求も働くでしょう。考えれば考えるほどに、哲学とは人間の底にある欲求を詳らかにしていく学問なのかと自問してしまいますが。 主人公の白石珠や、社会的に成功して見えた石坂さん(=長谷川博己さん)もそうですが、周囲からは満たされているように見えて満たされていない人って結構いるんでしょうね。それはひょっとしたら贅沢とか、欲張りとか、という風に周囲からは表現されるかもしれませんが、本人たちにとっては実はけっこうな死活問題で、日々どうにかしたいと思ってる問題であったりして。でもふと振り返ってみたら今ある自分の状況が何より大切だと気付いてみたり。一つ言えることは、そうして通ってきた道の後に気づいたものは、それが社会的に良かれ悪かれ、価値のあるものなのでしょうね。 本作の大半はアパート前の裕福な一家の主、石坂さんに焦点が当てられていますが、その後に「対象者B」となった教授(=リリー・フランキーさん)にももっと時間を割いてほしかったな。 ていうか、いまだにリリー・フランキーさんと吉田鋼太郎さんの違いが判りません(笑) [インターネット(邦画)] 8点(2020-12-30 01:00:15)(良:1票) |
259. 秒速5センチメートル
《ネタバレ》 『桜花抄』 この時期特有の、好きな人に会いに行く前のワクワクと実際に会えるまでの不安が、切ないくらい見事に描写されていた。「この時期特有の」と、いかにも若い子たち特有の現象のように書いたが、たぶんどんな世代でも壊れるくらいまっすぐに恋をしている人には共通の現象なのだろう。その結果会えた彼らは幸せだと思うが、なぜその後「一緒になれない」と思うに至ったのかはよくわからない。それほど焦がれた人ならずっとつながれたのではないかという思いもある。いずれにせよ儚くも複雑な気持ちになる物語だった。 『コスモナウト』 前章『桜花抄』の遠野君が鹿児島に転校して以降のお話。彼は明里ちゃんを想いながらそこでの暮らしを送っていたが、その地で新たに遠野君のことを想う少女が現れて、、、という話。思いを寄せる彼に近づきたいが、肝心の彼は自分ではないどこか遠くの誰かを見ていて、それに気づきながらもどうしようもない気持ちに苦しむ少女の姿を描いていた。自分は男だが、想いを寄せる人に対するもどかしい、狂おしい気持ちがどうしようもないことはとても理解できた。 『秒速5センチメートル』 遠野君が鹿児島から再び東京に出てきて以降の物語。彼は社会人になり東京で働き始めるが、ふとこれまでの自分が東京という街によって違う色に染められてしまっていたことに気づき、会社を辞めてしまう。ある女性と3年間付き合っていたようだが、彼女からは「1000回のメールでようやく1センチしか近づけなかった」と書かれる。 自分は「1000回のメールで1センチ近づけるならいいじゃないか」と思ってしまった。人と人なんてそんな単純なものじゃないとは分かっているんだが、ただ積み重ねれば到達できる、そんな単純なものならどれだけいいだろうかと思ってしまった。 全編を通し、とても切なく、共感深いものでした。 [DVD(邦画)] 9点(2020-12-10 23:06:08) |
260. マチネの終わりに
《ネタバレ》 かなり前に書籍の方を読み、映像化されているのを見て鑑賞することに。小説で読んだときはタイトルさながら、アーティスティックでおしゃれな話という印象ばかりが残っていましたが、映像の方を見るとおしゃれな感じは残しつつもとても人間的で、リアルな恋愛劇だと感じました。 自分はあまり音楽には詳しくありませんが、ギターのコンサートとはこんな感じなのでしょうか。TVで聴いているとは思えない、とても落ち着く、心地よい音色でした。そんな優しいギターの音が終始バックグラウンドで流れているんですが、そこで起こっているドラマは何とも人間的で、40代同士の男女とは思えないくらい我を失いお互いを求めている姿は、上述のようにとてもリアルで良かったです。 ふとした出会いから始まる道ならぬ恋を何とか成就させようと奔走する二人と、それを見事に妨害し薪野を取り戻したマネージャー。←この一文だけ見たらどこかでよく見るドラマのようなのですが、彼らの世界観と音楽がそれを上質なものにしてくれているように感じます。ですがやはり、あそこまで求めていた二人が引き裂かれてしまうシーンは胸が張り裂けそうになりました。ラストシーンで、ようやくお互いに誤解も解けて再び会えた二人はどうなるのか、どうにか幸せになってほしいと強く思いました。 個人的にたくさん考えさせられるシーンもありました。洋子の相棒カメラマン・ジャリーラが興奮して何を言っても激昂するばかりだったのを落ち着かせたギターの音に、音楽って言語を超えるんだなと思ったり。「未来が過去を変える」この言葉も、確かに実際にそういうことが起こるよな、と考えさせられました。その他にも、 「孤独とは影響力を失うこと」 「寄り添って、分かってくれた」 など印象に残りました。 決して冷静に格好よく振舞うだけが大人の恋愛ではないと思います。『マチネの終わりに』は作風こそスタイリッシュですがそこで描かれる恋愛模様はほんとに泥臭く、だからこそ共感できました。40代近くにもなってまさか今更自分がそんなことになるなんて、と劇中の二人も思ったことでしょう。でもなってしまったことは仕方ない。冒頭で「走ったら幸せが逃げてしまうわ」と言っていた洋子がラスト、全力で走って蒔野のコンサートに向かう様は、見ていて気持ちよかったです。 [インターネット(邦画)] 9点(2020-12-10 00:37:41)(良:1票) |