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あばれて万歳さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1200
性別 男性
ホームページ ないっす!!!
年齢 60歳
自己紹介 客観的に分析したようなもっともらしいレビューって、実はちょっと地頭よければ誰でも書けちゃうわけで、結局ありきたりな物になりがちです。
別に映画評論家でもない1個人としては、個人の感性や主観、あるいは体験を元にしたその人しか書けないレビューの方がよほど価値があるように思うのです。
もちろんそれが、事実誤認やヘイトレベルの差別や偏見に寄って立つものであれば問題ですが、しかしその人しか書けないレビューというのは必ずあるわけで、そういう個人的な感覚や体験を元にした主観的なレビューは、いかにももっともらしいありがちなレビューよりよほど価値があるし読んでて面白いんじゃないかと思う今日この頃。(でも自己陶酔溢れるポエムみたいなのは…)
好きな言葉は「恋」 です。

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61.  今夜、ロマンス劇場で 《ネタバレ》 
何コレツッコミ待ち?という感じの映画。  最初に彼女が出てきたときに「あ、これ映画の中のキャラクターがそのまま出てくる設定なんだ」と思ったわけですが、すぐに違うとわかります。 自分が映画の中から出てきた事をちゃんと理解してるし、この現象自体についての知識等しっかりあるのです(人に触れられないとかね) もし映画の中の姫がそのまま出てきたのなら「ここはどこ?何が起きてるの?」となるはずなので、そうじゃない時点で映画の中のキャラクターではない。 一方で、もちろん中の人(女優)でもないわけで、じゃぁ「そもそもお前は何者なんだよ?」という事が気になってしょうがないのですが、しかしその回答はありません。 結局「映画の中でキャラクタを演じている映画の中の謎の存在」が出てきた…という事らしいんですが、え、それどういう事なの?  最初に白黒のまま動き回るシーンは本当に気持ちが悪かったんですが(この気持ち悪さは一種の不気味の谷現象なんでしょうか?)、わりとすぐ色をつけてしまうし、白黒であることを活かすようなエピソードもほとんどなし。 (赤だ青だ、と無意味な事をしゃべるくらい) だったら最初からカラーでいいんじゃね?と。白黒設定意味ないよ、と。  わざわざ白黒で出すならもっとそれを活かせよ、と、思うわけです。  映画から出てくる代償で好きな人に触れない、なんてのは、人魚姫以来伝統の代償系ですが「え、誰がその代償くれたのよ?」と。 昔の童話である人魚姫ですらそこはちゃんと術かけてくれる人が描かれていたわけですから、現代日本の映画でそこスルーはダメでしょ。  つか綾瀬はるかの服、高そうな服にポンポン着替えてるんですが、あれはどういう仕組みなの?  とまぁツッコミどころの嵐なんですが、一番いけないのは「ハッピーエンドじゃないところ」 こんな適当なシナリオなんだからご都合主義のハッピーエンドでいいじゃん。 まぁシナリオとしてこういう方向でまとめたかったんだろうけど、それはこの映画を観る人が求めるところなの? 製作者サイドの自己満感を強く感じるラストの展開でした。
[地上波(邦画)] 4点(2020-05-16 23:19:49)
62.  亡国のイージス
原作は評判にもなったし実際まぁまぁ面白いんですよ、原作は。 それが映画にした途端にここまでつまらなくなるっていうのは一種の才能なのかもしれません まぁ同種の現象は他の多くの邦画でも見かける現象ですし、アニメ漫画の実写化ではほぼ100%味わえる感覚なので、皆様よくご存じかと思います。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2020-05-11 01:53:06)
63.  家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。
この映画の原作というか元ネタは、YAHOO知恵袋に投稿された「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしているんですが」という癖のある質問が元になっています。 実はその質問があった頃、私、知恵袋のいくつかのカテゴリでカテマスしてたので、元の質問が投稿されたときの事はよく覚えています。 そういう意味で個人的にちょっと興味深いテーマではあったのですが、しかし元は知恵袋の質問にすぎないわけです。 そこにたいした内容があるわけでもありません。(あとでブログ展開してはいますが) たいした事ない謎のイチャイチャやありがちな夫婦間の悩みを2時間近く見せられても「はぁそれで?」としかならないわけです。  観た後に嫌な気分にもならないですし決して悪い映画ではないですが、しかし映画館でこれを観たら「俺、わざわざ金と時間つかって何やってるんだろう…」と後悔するんだろうなぁ…そう思わせてくれる小さな映画だと思います。
[インターネット(邦画)] 4点(2020-05-08 22:59:07)
64.  フラガール
同じ映画でもそれを観る年齢で評価が変わる映画ってもあると思います。 この映画も例えば僕が20代のときにはじめて観たのなら感動して8点とか9点とかあげたかもしれません。 しかしある程度大人になってからの視点で観ると、エピソード盛りすぎやりすぎ感強すぎ、とにかくわざとらしすぎて感動の押し付けがくどいのです。 映画で与えられる感動というのはもう少しスマートに見せてこそ…なんじゃないかなぁ…という思いが拭えません。  それでもクライマックスのフラダンスのシーンをそれなりに感動して観る事ができるのはさすが評価の高い映画なのかな、と。 だって(こういっちゃなんですが)TDLあたりのフラダンスショーとか観てても退屈じゃないですか笑 それが退屈じゃないってだけですごいのかな、とも思ったりするわけです。  あと、その時代を知ってるかどうか…も重要かもしれません。 この映画で描かれている時代、日本人にとってハワイがどれだけあこがれの地だったか。 それを肌感覚で知ってるかどうかで受ける印象は変わってくるんじゃないでしょうか。 安直に便乗して「ハワイアンセンター」という(言っちゃなんですが)ダサい施設を作ってしまう、まるで近年の中国のような、そんな時代があった事を知ってるかどうかでこの映画から受ける印象も違ってくるのかな、と思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-05-08 17:24:50)
65.  Wake Up, Girls! 七人のアイドル
最近、とある場所でWake up Girls(実在の声優アイドルグループ)のラストライブ映像を見る機会がありまして、で、そこでみた「タチアガレ」という楽曲の映像(歌う姿)に衝撃を受けたわけです。 ぶっちゃけWUGについてそんなに詳しいわけじゃない自分が、その熱の入った歌唱に感動を受けたんですよ。 こんな年になってアイドルが歌う姿で感動する事あるんだ、とびっくりしたわけです。  で、そこから改めてWUGの歌とかアニメを観ているわけですが、その原点というか最初がこの映画です。 50分程度の小品で、テレビアニメでときどきある「第一話は1時間スペシャル」程度の内容です。  昨今、ラブライブやアイマスを筆頭にアイドル系のアニメは多いわけですが、それらと比べてとにかく泥臭いのが特徴で、それがいい面もあり悪い面もあり…というところでしょうか。 華やかで極端なアニメっぽさを廃し、地に足のついたローカルアイドル物を作ろうとしたんでしょうが、それがプラスになってるかというと、うーん…という感じ。 たとえばキャラデザ、実際に演じている人に寄せたリアル系の地味キャラになってるわけですが、おかげで個々の特徴が薄すぎてキャラの区別がつかないっていう問題を生んでいます。 アニメっぽい極端なキャラデザインって、客にすぐキャラを認識させる意味で極めて意味があるんだな…という事を改めて納得させてくれました。  デビューまでの障害もちょいちょいあるわけですが、どれも定番というかお約束のような物ばかりで、まぁおかげで安心して観られるわけですが「昭和かよ!」とツッコミを入れたくなりもしますし。 さらに時間の関係もあっていろいろ掘り下げも浅い。  そもそもこの映画はこのあと制作されるテレビアニメの第1話2話に相当するエピソードを切り取って先行製作されたものでキャラやエピソードの掘り下げはそのあとのテレビアニメで行われるわけで、映画単体として成立もしていません。(一応話は盛り上がりますが)  いろいろ難しいところはありますが、内容的にはまぁまぁ面白いですし、ここから何年もたったラストライブの素晴らしい歌唱を知っているので、その成長を勝算する意味で甘めの点数にしたいと思います。ほんとは6点か5点でしょうね…
[インターネット(邦画)] 7点(2020-05-08 13:57:05)
66.  高台家の人々
雰囲気と間で読ませる感の強い原作ですから映画化は難しいだろうなぁ…と思ったら案の定かなりがっかりの出来です。  原作とはいろいろと別物なので原作好きな人が観ると「ムムム…」となるんじゃないでしょうか? 少なくとも私はそうなりました。 こうなると原作というより「原案」に近いレベルですよね。  そもそも原作の雰囲気だとヒロインは上白石萌音とか田畑智子だと思うんです。 もちろんその2人だと年齢が合いませんが、キャラとしてそんなイメージ。 まぁこの映画の内容なら綾瀬はるかでもいいのかもしれません(何しろ別キャラですから)  原作を知らない人がどう評価するかは私にはわかりませんが、原作好きが原作の雰囲気を期待して観ると「コレジャナイ!」となるのは間違いありません。
[インターネット(邦画)] 4点(2020-04-23 17:03:33)
67.  映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ 《ネタバレ》 
まんきゅう監督というと「じゅーまんじゅーまんおまんじゅー」(←弱酸性ミリオンアーサー)のような気が狂ったようなものしか作らないのかと思ってたので、こんなしっとりしたまともな物を作るんだ!とびっくりした次第です。 ちょっと世間で過大評価されすぎているきらいがあり、基本は「すみっこ可愛い!(特に雑草!)」を楽しむ映画であるという事を忘れてはいけません。 あくまでもまったく期待せずに観たときに「まさかこんなジーンとさせるとは!」となる映画であって、ハードルあげまくって観るとちょっときついのでは…  とりま、この映画を観た後に本にばりばり落書きするような子供はかなりヤバイと思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-04-14 23:23:13)
68.  Back Street Girls -ゴクドルズ-
今千秋監督入魂のアニメ版が先にあるため、この実写映画版には難しい面があったと思いますが、しかしまぁまぁがんばってると思います。 基本的に(当たり前ですが)ストーリーは同じです。 しかし残念ながら、この作品のように文字通り漫画のような設定は人が演じるよりアニメの方が相性がいいと思います。もちろんそれを逆手に取ってあえて実写で作るという手もありますが、この映画は変に生真面目で弾けてもいないため普通にアニメの下位互換に収まっています。 これで(例えば「恋は雨あがりのように」みたいに)アニメ版の出来が悪いなら実写映画の存在価値は十分にありますが、残念ながら先行するアニメ版は監督のこだわりが随所に出ていてかなり出来がいいものでした。 (本編がほとんど静止画だとかオープニングは監督が自分で踊ってるとかテレビ向きではない犬の〇〇回は監督がごり押しして入れたとか)  そうなると、この実写映画はどうしても先行するアニメ版には及ばず見劣りしてしまいます。  同じ原作を複数の映像メディアで展開する場合、どうしてもそれを比較する事になってしまうわけで、この作品に関しては「絶対にアニメは見ない」なんて人でない限りはアニメ版を観た方がはるかに有意義だという悲しい事になってしまってます。  ただそれはアニメ版と比較しての相対的な評価であって、この映画単体で言えば、そこそこ面白いものにはなってると思います…がやっぱり先にアニメ版を観ていると、どうしてもそれと比較しちゃうので…これはもうどうしようもないですね。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-04-05 14:36:47)
69.  ハサミ男
映像化不可能と言われている小説は沢山ありますが、それは本当に映像不可能だからそう言われています。 ところがそう言われている小説の中でも「イニシエーションラブ」や「ハサミ男」は映画化されています。 え、無理だよね? 原作知ってる人なら誰でもそう思いますし、このハサミ男に関しては「原作無茶苦茶面白いのに…ほんとにどうすんの?」と心配しかありませんでした。  そして残念ながらその心配は見事に的中したのです。  映像化不可能な原作を映像化するにあたって…なんと映画では話のキモを全く別のものにしてしまったのです。  …そりゃダメだろう… いや映像化不可能なんだからそうするしかなかったのかもしれないけど、だったら映画化すんなよ、と。 しかもそうやってわざわざ映画化したくせに映画自体がサスペンス劇場レベルの安っぽさで全く面白くないっていう。  原作が好きだっただけにこの映画への個人的な怒りは相当です。 なぜならこの映画を観た人はもう2度と原作を読んで楽しむことができないからです。 しかも「ハサミ男つまんない」という間違ったイメージすら植え付けかねないという。 原作レイプなんて言葉で済むレべルではありません。  映像化不可能な小説を無理やり映画化するのは本当にやめていただきたい。 どうしてもやるならイニシエーションラブのように成功させてください。  無理やり映画作ったあげくツマラナイとかもう本当に最悪ですから。
[CS・衛星(邦画)] 1点(2020-03-16 20:37:17)
70.  イニシエーション・ラブ
映像化不可能と言われている傑作小説は沢山あります。 代表的なものは日本ミステリ界に「綾辻以前綾辻以後」という言葉を作った傑作「十角館の殺人」でしょう。 これはいまだに映像化されてません。そりゃそうです。無理だもの。 他にも「ハサミ男」とかこの映画の原作の「イニシエーションラブ」とか映像化不可能と言われている小説は沢山ありますが、これらに共通するのは「文章だから可能なトリック」を用いている事です。 「文章だから可能」つまり「映像では不可能」なのです。 そりゃ映画化されるわけありません。  ところが驚いた事に「ハサミ男」と「イニシエーションラブ」は映画化されてしまいました。 「え、どうすんの?」 原作を知ってる人は映画化を知ったときに皆そう思った事でしょう。私も思いました。 結果「ハサミ男」は無茶した事で悲惨な結果となり、一方この「イニシエーションラブ」はとんでもないウルトラCを用いる事で映像化に成功したのです  さて、このイニシエーションラブですが、原作を読んだことがある人とない人ではまず映画の別の部分で驚愕するはずです笑 原作知ってる人なら「そんな強引な…失笑」です。 しかしその強引なウルトラCを用いる事であの原作を映像化したわけですから堤幸彦はほんとに天才なのかもしれません。  で、映画化されたこの作品ですが、ほんとにがんばってると思います。 80年代の雰囲気がプンプンであの原作をきちんと映像化したその努力にとにかく8点差し上げます。  が、しかし残念ながら原作の限界がこの映画にもはっきりと出ているわけで…  原作は「何も知らないで読むとびっくりする」小説で、逆に「何かある」と予想して読むと非常に完全にネタが予想できてしまう小説です。 有田がテレビで「すごいミステリ」と宣伝したおかげでそれ以降読む人は誰でも「これはなんかすごいトリックあるんだな」と身構えてして読む事になります。 そして身構えて読まれちゃうとこの原作のネタは非常にわかりやすいのです。感が良ければ本当に誰でもSideAの数ページでネタが予想できてしまう…そういう構成なのです。 実際に私も初読の時点で後半はただの整合性チェックになってましたし。  でオチを予想しながら読むとこれはもうただのパズルであって恋愛話としては「普通」なんですよね。 まぁ1つのネタにすべてをかけたストーリーなんてみんなそんなもんなんですが。  この映画版も原作小説と同じ弱点を抱えていて多分勘が良ければ初見でも序盤でネタバレします。 そしてそうなると、映画のおもしろさとしては…これどうなんでしょうね?  まぁそれでも世代的にこの映画の主人公達と2,3歳しか違わないほぼ同世代の自分としては、この時代の恋愛模様や時代背景は面白く観ることができたんですが、そうでない世代の人でしかもネタが序盤で読めちゃった人はどう感じるのか…  とりあえず素直にびっくりできた人はおめでとうございます!
[インターネット(邦画)] 8点(2020-03-16 20:22:51)
71.  翔んで埼玉
関東地方以外の人に関東の細かい地名をおぼえてもらうのに最適な映画。 たとえば熊谷は「最高気温が記録された都市」くらいしか知らないと思いますが、この映画を観る事で「ほぼ群馬」であることがわかります。 勉強になりますね笑
[地上波(邦画)] 7点(2020-02-24 19:04:28)
72.  ピラニア リターンズ
「ピラニア3D」の続編「ピラニア3DD」 DDってなんだよ…と当然思うわけですが物語序盤ですぐに種明かしがあり「デカパイ」の意味だそうで笑 実際おっぱいは潤沢に出てくるので嘘はありません。  一言で言えば「トップガン」の続編が「ホットショット」だった…あるいは「スクリーム」の続編が「最終絶叫計画」だった、みたいなもので予算も相当縮小されていて、スマッシュヒットだった前作が好きな人が観ればそりゃ評価も下がるだろうよ…とそんな感じの映画でございます。  この映画の価値は、前作の出来の良さを再確認させてくれること、ヒロインがかわいい事、それくらいじゃないでしょうか。 しかしそのヒロインの水着シーンは不足気味で、コメディシーンがそもそもあまり笑えません。  でもまぁこういう割り切ったバカホラーコメディが存在する事自体はそんなに悪い事じゃないのかな、と個人的には思います。 あ、くそ長いNGシーンはさすがに観なくていいと思います。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-02-12 13:17:11)
73.  3月のライオン 後編 《ネタバレ》 
原作既読、アニメ未見です。  さて前編同様、映画用のシナリオとしてよくまとめているとは思いますが…しかし原作好きからすると残念ながらかなりイマイチです。 その理由について考えてみたんですが…  たとえば後編冒頭の新作のお菓子を考えるシーン、 これ原作では末っ子がドヤ顔で「ガム!」と答え、それを聞いた爺さんが「天才キタコレ!」ぱぁぁぁとなって後の2人が「ええぇ」となるコメディシーンなわけです。(ちなみに何回か使われる天丼ネタです) これがこの映画版ではただ新作のお菓子を考えるだけのシーンになっています。これではこのシーン自体の存在意義が不明なんですよね。  全編にわたってそんな感じで、つまり映画化されるときに原作から大きく削られているのがコメディシーン明るいシーンなわけです。  原作ではコメディ的なシーンがかなり多く、そのシーンがある事でキャラが立ち、深刻なエピソードやじんわりするエピソードが落差で映える…そういう見事なバランスになっているわけですが、この劇場版では前後編通じてただ淡々とストーリーを進めるだけで、落差がまったくなくただ淡々陰陰とストーリーが進む事になってしまっているのです。  ベルセルクの三浦が「アニマル連載作品の中でもっとも男らしい作品」と語った原作ですし、将棋は格闘技ですから、そういう方向のまとめ方もあるとは思いますが、しかしこれでは映画を観ていて全然楽しくない…というか原作のキャラに会いたい気持ちで観るとかなり裏切られた気分になるわけで、尺の関係ががあるとはいえこういう方向にまとめてしまったのは原作好きとしてとても残念です。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-01-23 11:22:02)
74.  3月のライオン 前編 《ネタバレ》 
原作はかなり好きです。(アニメは未見)  漫画の映画化というと大事故になる事がしばしばで原作フアンの怨嗟がネット上に響き渡るのが定番だったのですが、しかし最近はぼちぼち成功している映画も増えてきました。 成功している映画は何が違うのかを考えると結局「原作への深い理解」と「その理解を踏まえての映画用のしっかりしたストーリー再構築」、それがきっちりできているかどうか…そこにつきるのではないかと思う今日この頃。 じゃこの3月のライオンはどうなのよ?ってとこですが、ストーリーをきっちり整理し焦点を絞りこんで前編では主に桐山個人の棋士としての成長に力点をおいて上手にまとめた映画になっていると思います。 たとえば冒頭部ですが、川本姉に拾われる過程なんかの時系列を原作から入れ替える事で非常にわかりやすくスムースな展開になっています。 原作は好きですが、しかし原作1話2話の雑然としてわかりづらい感じは個人的に残念に思っていたので、この映画用の再構築は非常にわかりやすく上手いな、と思ったわけです。  そして映画に余計なエピソードを削りストーリーを骨だけにした事で明らかになった点、それはこの基本的ストーリーは、たとえば将棋を他の競技に変えてもそのまんま通用するという事。 つまりは結局よくあるベタベタの定番主人公成長ストーリーなのです。 たとえば前編のクライマックスである「島田-宗谷」戦ですが、これあしたのジョーであれば「カーロスリベラ-ホセメンドーサ戦」ですし、はじめの一歩であれば「伊達-リカルド戦」に相当します。 つまりはそういう事です。 基本的なストーリー展開が本当にベタベタなんです。 原作漫画を読んでいるときは枝葉のストーリーが多くてそういう事をあまり感じないんですが、この映画版でそれがはっきり見えました。あぁそうだったのね。  そして、映画用に排除された枝葉のエピソードがない事で、残念ながら原作と比べるとイマイチ(かなり)面白くないのもまたはっきりわかりました。 とにかくキャラが薄いのです。 たとえば原作において重要な立ち位置(というかヒロインの)川本姉妹はこの映画では単なる桐山君の背景説明用のキャラになってしまってます。 川本姉がいいタイミングでいろいろ質問する事で桐山君の背景を観客に説明する…この構成は合理的だしスムースだけど彼女達はそれだけのキャラじゃないでしょう?と。 逆に二階堂はキャラ作りすぎです。 こいつだけを極めて漫画的に描くのってどうなんでしょうか? いや原作の彼はそういう扱いなんですが、しかし他のキャラが著しく地味化されてる事を考えると妙に浮いてしまっています。  まぁ川本姉妹は後編で活躍?するわけで、そこは映画としての整理なんでしょうが…結果としてキャラが薄くてイマイチ面白くないのは明確な事実。  結論として「よくがんばって話をまとめてるけどちょっと残念な映画化だなぁ」というのが個人的な感想でございました、はい。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-01-19 21:46:54)
75.  疾風ロンド 《ネタバレ》 
原作既読…ですが読んだのは3,4年前なので細かいところはちょっと怪しいです。  さて、長編小説を時間制限がある映画にする場合、エピソードの整理再編集は欠かせません。 そうしないと映画の枠に話が収まらないですし、無理やり話を詰め込むとわけのわからないダイジェストになってしまいます。 だから映画化する上で映画用にストーリーを再構築する事は非常に重要になるわけですが…そういう意味でこの映画、そのエピソードの整理再編集がとても下手だと感じました。  肝心なとこはサラっと流す癖にどうでもいいシーンは長い。 結果、妙にダラダラとしてるわりにストーリー自体は駆け足で進むというつかみどころのない散漫な物になってしまっています。  例えば、序盤、テディベアが映っただけの写真が何枚か送られてきて肝心の犯人は死亡。 これじゃ場所が全くわからないじゃん!やばいよやばいよ!って箇所は、もっとスリリングに盛り上げるべきとこだと思うんです。 本来、この段階で十分に危機的で絶望的なシチュエーションなんですから、うまくやればここで観客の気持ちを鷲掴み…のはずなんですが… しかし無駄にコミカル?な所長とのやり取りなどに時間を使い、肝心のサスペンス部分は完全にスルーしてしまっています。 そして「息子が突き止めました」の一言で解決。  いや、それおかしくない?  全体としてテレビ的な軽いコメディ感覚でまとめようとしたんでしょうけど、それがこの映画を良くしてるかというと、甚だ疑問なんですよね。 そもそもコメディっぽいシーンはだいたい面白くないというのがもうダメ。 明らかにダブルがやってるのがバレバレな上に役者のセリフが上滑りしててシラケるスキーのチェイスシーンなんかに時間つかってる場合じゃないでしょ。  総論:テレビ局が絡む邦画でよくある「テレビドラマレベルのお気軽映画」として仕上げてますが…おかげで本当にテレビで十分レベルのものになってしまいました。 映画ってやっぱ映画であるべきなんじゃないかと思うのです。
[地上波(邦画)] 4点(2020-01-07 23:14:15)
76.  椿三十郎(2007)
このリメイク版のスタッフクレジットを見ると脚本は「菊島隆三、小国英雄、黒澤明」となっています。 つまりリメイク用にシナリオを変更せずオリジナルのシナリオのままリメイクされているという事。 という事はつまり、同じシナリオを使い「黒澤明×三船敏郎」が撮ったものと「森田芳光×織田裕二」が撮ったものが比較される事になるわけです。  別に森田をくさすつもりも織田裕二をくさすつもりもないですが、しかしやはりそれは無理ゲーなのではないでしょうか。 織田裕二が演じる椿三十郎と三船敏郎が演じる椿三十郎…どちらが魅力的かというとそれはもうね…しょうがないでしょう。  で、そうなるとそもそも根本的な疑問が生じざるを得ません。 わざわざリメイクする意味ってなんなの? オリジナル観てればいいじゃん…
[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-12-20 23:15:20)
77.  ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション 《ネタバレ》 
エウレカセブンは放送当時観ていました。 序盤はわりと面白そうだったんですが、話が進むにつれて悪い意味でのセカイ系のお話が全開。さらに無駄に厨二病じみた設定と謎の宗教じみた感じに嫌気がさしたのをよく覚えています。 そのあとのAOも何も変わらず「相変わらずだなぁ」と思ったりしたわけです。  で、本映画ですが、後半まるで宮崎アニメのような展開を見せるガールミーツガールな話は悪くないですし、過去のエウレカセブンを「エウレカが作った複数の話」としてまるっと取り込んで全部アリにしたところは評価できると思います。 「アバターとして…」これは過去の話をまるっと取り込めるナイスアイディアだと思いました。というか「アバター」の話が出たときに過去の映像を使うんだな…と誰しもすぐ気付いてしまったわけですが笑  が、しかし一本の映画として観たとき、冒頭から搭乗人物に設定や状況をだらだら説明させるのはもはや素人の仕事ですし、わけのわからない厨二病宗教的な部分は相変わらず。エウレカセブンを知らないとほんとに意味不明でしょう、これ。(まぁ知らない人はそもそも観ないでしょうけど)  もっと素直なガールミーツガールなアドベンチャーにすれば面白いんだろうけどねぇ…ただただそう思わせる残念な映画だと思います、はい。
[インターネット(邦画)] 5点(2019-12-16 18:12:07)
78.  恋は雨上がりのように 《ネタバレ》 
「アニメ版はクソだったのにこの映画版はとてもよかった」(←このレビューの要約を先に書いておきます)  漫画なり小説なりを別のメディアで展開する事は、それがアニメであれ実写映画であれ相当に難しく、スタッフの力量差が如実に現れるものです。 原作への無理解が悲惨な結果を生む事も多く、伊達に原作レイプという言葉があるわけではありません。  この「恋雨」のアニメ版もそうで、原作は女性ならではの視点で描かれた繊細な傑作なわけですが、それが見るも無残なおっさん思考の駄作に成り下がっていました。 私自身、原作が大好きだっただけにアニメ版放送時、最初の3分で「これはダメだろう」と怒りに震えていたのを思い出します。 最初の3分で「クソ」をわかるレベルってのも相当なものですが、こいつのアニメ版に関しては監督の原作への無理解が画面の隅々から滲み出ていて本当に一瞬でわかったわけです。 だって原作を理解していたら、そもそもあのオープニングがありえません。センスがないにもほどがあります。そんな話じゃないんだよ、と。  と、まぁアニメ版への怒りを書きだすと5万文字でも足りないのでおいとくとして、本題である映画版の話。  先に結論を書くと1時間50分という厳しい枠の中に、原作のエッセンスきちんと放り込み手堅くまとめていて、少女とおっさんそれぞれの挫折と再生の物語としてこの実写映画は成功していると思います。  まずキャスティング、原作の「俺が高校生だったらあんな目で見られたら泣いてらぁ」という長身スレンダーのキツイヒロインを演じるのは、現時点で小松菜奈しかないわけでここは最適のキャスティング。 その2000年代のモデル系美人の傍に置くのが、1970年代感漂う清野というのもキャラの対比という意味では成功だったのかな、と。(清野の演技は昭和40年かよ!と思う事もちょいちょいありましたが) 大泉もまぁ普通にキャスティングすりゃそうなるよね、って感じなわけでおおむねキャスティングはよかったと思います。(〇〇なのね松本さんの同僚役もよかったですし)  シナリオはあの原作を1時間50分に収めるために大幅な改変が必要になるわけですが、原作のキモがしっかり押さえられていたため十分許容範囲で良くまとまっていたと思います。 (細かく観れば、たとえば、病院に連れて行ったとき足の傷を見られたくないんだと店長は誤解したけど実はネイルしてない指を見られたくないだけだった…という男性が思いつかない系女性視点小ネタはいれようがあったと思うしそれがある事でそのあとのチマメネタも生きるわけですが、でもまぁそういう事を言い出すとキリがない)   まあそんな感じで、このサイト的に点数つけるとマイナス10点(そんな点ないよ)だったアニメ版と比べるとこの映画版は非常によくできていて、別のメディアに置き換えるときにスタッフの力量というのは如実に作品に反映するんだな、と改めて思う今日この頃なのです。 よくアニメ化されたものが「原作のまんま」なんて言われる事がありますが、「原作のまんま」作られている(ように見える)というのはじつは凄い事なんですよ。
[インターネット(邦画)] 8点(2019-12-13 11:00:22)
79.  下妻物語
邦画には、世界的に高い評価を得ている映画も多数ある一方で「日本人しか面白さがわからない映画」というのが一定数存在します。 最近であれば、だって埼玉だもん…じゃなかった翔んで埼玉なんかが典型的なそれです。 で、その「日本人にしか面白さがわからない映画」の頂点は個人的には「シン・ゴジラ」だと思っていますが、ここにもう一つ同レベルの傑作があります。  それがこの「下妻物語」です。  下妻なんか知らねーよ、という人でも、結局ここに描かれているのはよくある日本の田舎の風景です。 ジャスコをアピタあるいはイズミヤに置き換える事で、多くの日本人はその感覚を理解できるのです。 (そもそも田舎を知らない純粋な東京23区民なんかはこの空気感はわからないでしょうが…)  この映画に出てくるいろんな文化や小ネタも日本人には肌感覚で理解できるもので、めちゃくちゃ笑えるわけです。 しかし一方これを外国の人が観たとして、面白いと思うでしょうか? いや表面的には面白いと思うかもしれません。 しかしこの映画の本質的な面白さは全く理解できないでしょう。 根本的な肌感覚が違いますからこれはもうしょうがないのです。  世界に通用する、世界で評価される映画も素晴らしいとは思いますが、日本人による日本人のための映画もまた素晴らしい。 そう思う今日この頃です。
[インターネット(邦画)] 9点(2019-11-19 23:09:34)(良:2票)
80.  三度目の殺人 《ネタバレ》 
てっきり犯人捜しのミステリかと思いきや、全然違うっていう。 強力なエンパシー(あるいは弱いテレパシー)能力を持つ犯人が、他人の想いを受ける器となって3度の殺人を犯す(3度目は自分の希望もかなって自分を裁くっていう)まぁそういう内容なのは観ててわかったんですが(てかその理解であってますよね?)、ぶっちゃけ、「それで??」っていう思いが抜けず。  ミステリだと思ってずっと見てたもんだから、ゴールが見えないまま映画終わってしまって、えー…って感じでございました。 てかこの映画のテーマって何なの?司法制度の問題についてなの?人が人を裁く事の是非についてなの?それすらわかりません、わかりませんよ、えぇ。
[地上波(邦画)] 6点(2019-10-31 23:08:41)
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