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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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41.  カルメン純情す 《ネタバレ》 
「カルメン故郷に帰る」の続編。田舎が舞台であった前作とは違い、カルメンと朱美の都会での生活を描いているが、カラーだった前作と違って白黒(ここがいちばん驚いた。)で、前作同様にコメディーではあるものの、前作と比べるとやや内容は暗めでしんみりとしており、続編でありながら印象はだいぶ違うものになっている。個人的にはやはり前作のほうが好きだが、前作で日本初のカラー映画を手がけた木下恵介監督だけあって本作でもカメラを傾けた斜めの画面の多用などはかなり実験的で面白いし、選挙に立候補する軍国主義の女性政治家(三好栄子)と「原爆」が口癖の家政婦(東山千栄子)のキャラクターも滑稽で強烈。また木下監督らしい政治風刺が利いているのも面白く、当時の時代性がよく出ている。しかし、木下監督はそういった当時の風潮を笑い飛ばしているように見え、時代に敏感で、その時代を冷静にみつめることのできる監督なのだとあらためて気づかされた。ひょっとしたら本作は「カルメン故郷に帰る」の続編としてよりも、それとは別の社会風刺喜劇として見たほうが面白いかもしれない。ラストがやや中途半端な印象があり、エンドマークも「第二部 完」となっていて、三作目の構想があるような終わり方をしているが、実際のところはどうだったのだろうとつい考えてしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2014-01-30 14:32:46)
42.  帰ってきた若大将 《ネタバレ》 
加山雄三のデビュー20周年を記念して作られたシリーズ18作目。このシリーズを見始めたのは植木等の無責任シリーズと同じ田波靖男がすべての回で脚本を手掛けているからという単純な理由だったが、とうとう最後の回まで来てしまい、感慨深いものがある。10年ぶりのシリーズ新作ということで、シリーズ過去作の映像が劇中に登場したり、若大将の部屋に大学時代の写真が飾ってあるのはやはりシリーズ集大成的な作品という意味合いがこめられているのだろう。ただ田能久のシーンは完全に同窓会的な雰囲気でしかなく、りき(飯田蝶子)の法事のシーン以外にもう少し見せ場が欲しかったところ。とはいえこのシーンは今回プロデューサーもつとめた加山雄三のりきへの思い入れが感じられる。(実際の加山雄三もおばあちゃん子だったらしい。)既に黒板五郎の風貌になってしまった青大将(田中邦衛)が相変わらずヒロイン(坂口良子)を口説きまくるのは見ていて痛々しいが、今回はなんと青大将自らがヒロインを若大将に譲るという結末で、最後の最後になって若大将との本当の男の友情を感じさせる終わり方をしているのが嬉しい。これでこのシリーズは本当に終了だが、シリーズの締め方としてはこれまですべての回を見ていれば、シリーズ作品ならではの味が感じられ、加山雄三や田中邦衛のこのシリーズでの長い長い共演で築いたであろう関係がそのまま出ていて、それだけであらためていちばん最後にこの映画を見て本当に良かったと思う。田中邦衛はこの後「北の国から」でも20年以上吉岡秀隆や中嶋朋子と共演していくことになるんだなと思うとつくづく息の長い俳優なんだなと思う。これで若大将シリーズはすべて見てしまったわけだが、すべて見終わった達成感とともに一抹のさびしさがある。
[DVD(邦画)] 6点(2012-03-07 18:10:27)
43.  監督・ばんざい! 《ネタバレ》 
北野武監督の「芸術家三部作」の第二作。オムニバスとして前半に出てくる作品群は実際にたけしの新作映画として企画にあがったものらしく、どうせなら一気に映像化してみようという意図があったのかもしれない。でも、「小津作品に比べて風格がない。」、「これでは目の開いた座頭市ではないか。どうせなら座頭市2をやれ。」などとナレーション(伊武雅刀)に突っ込ませるあたりはヤクザやバイオレンスを絡めずにもっといろんなジャンルの映画を撮ってみたいけど、どうもいまいち自信がなさげなたけしの心情を代弁させているようで、すごく自虐的に見える。(実際はヤクザやバイオレンスがメインでない映画も作っているのだが。)そんな中で「ALWAYS 三丁目の夕日」(劇中でははっきりとは言わないが。)にヒントを得た「コールタールの力道山」はなかなか面白く、これだったらちゃんとした一本の映画として見てみたい気がする。藤田弓子は「泥の河」や「さびしんぼう」の母親役の印象が強い人なのだが、やはりこの母親役も良かった。後半のベタなギャグの連続もそれなりに面白いが、この部分の劇中劇である「約束の日」がSFパニック映画として始まったのに脱線してそれとは無関係のようなコントまがいの映画になってしまうのはどうだろうか。それにやたらとテンションの高い井手らっきょはちょっとくどい。たけし自身は「TAKESHIS」とこの映画はもっとも気持ちが沈んだ最低の状態で作った映画と語っているのだが、「TAKESHIS」のほうが見ているこちらにもたけしの葛藤が伝わってきたのに対し、本作はあまりそういうのは無い。しかし、全体としては「TAKESHIS」よりも単純で見やすく、個人的にはそこまで退屈な感じはなかった。でも、けっして面白い映画でもないので他人には薦めないだろうし、自分ももう一回見ろと言われたらたぶん無理だろうなあ。一応6点。
[DVD(邦画)] 6点(2011-10-06 14:49:50)
44.  風の中の牝雞 《ネタバレ》 
小津安二郎監督の戦後2作目。今ではちょっと考えられないような話かもしれないが、終戦直後の時代はこういう話も普通にあったんだろうなと思いながら見ていた。田中絹代は相変わらず母親役がはまっていて、病気になった子供のために一度だけ不貞を働いてしまうという役柄だが、彼女が演じるからこそそういう設定にも説得力が感じられるのだろう。ただ、心理描写としてはうまくいっているとは言い難いものがあり、彼女の演技力に助けられた部分が大きいように思う。佐野周二演じる戦争から帰ってきた夫の気持ちは分からないわけではもちろんないが、葛藤や苦しみといったものがじゅうぶんに描き切れていないために、なんか単なるダメ男にしか見えず、ほとんど感情移入ができないままだった。最後に至っても階段から転落した妻を気にかけているように見えるが、うわべだけな印象しかないので、最後までこの夫を好意的に見ることができなかったし、一応ハッピーエンドな終わり方でもなにかしっくり来ないままだ。でもそのラストシーン自体は見事に映画的な演出がされていて印象には残るし、田中絹代が階段から落ちるシーンも何本か見たほかの戦後の小津監督の映画にはないような派手さがあり、印象に残る。ただ、全体としてはやっぱり凡作という感が強い。そうそう、老け役ではなく、若々しさを感じられる役柄の笠智衆はけっこう新鮮だった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-09-23 13:31:21)
45.  ガリレオΦ(エピソードゼロ)<TVM> 《ネタバレ》 
栗林(渡辺いっけい)を語り部に連ドラの三年前を描く「ガリレオ」の前日談。再放送で見た連ドラが面白く、続けて再放送されたこのスペシャルも見たのだが、連ドラ同様にコミカルな雰囲気も漂わせながらシリアスさもある展開で楽しめた。ただ、連ドラでは湯川(福山雅治)と内海(柴咲コウ)の主人公コンビのかけあいが好きだったのだが、今回は前日譚ということで内海がいないのがちょっと残念。代わりに長澤まさみ演じるゼミの学生が登場しているが、連ドラを見た直後なだけに少しこの部分に物足りなさを感じる。今回、回想シーンで湯川と草薙(北村一輝)の大学時代のエピソードも描かれているが、福山雅治が湯川を自然に演じているのに対し、大学時代を演じる三浦春馬はそうとう無理をして演じているのではと感じた。ドラマとしては最後の幸正(蟹江敬三)の奈美恵(香里奈)に対する思いにグッと来るものがある。
[地上波(邦画)] 6点(2011-01-25 14:11:03)
46.  カールじいさんの空飛ぶ家 《ネタバレ》 
冒頭部の主人公と奥さんとの出会いの部分、特に結婚してからの夫婦生活をセリフなしのサイレントで処理しているのがうまく、思わず引き込まれ、この部分だけで感動してしまった。妻に先立たれた老人が妻の叶えられなかった夢を叶える物語の導入部としては最高だと思う。しかし、後半は夫婦二人が出会う前から憧れていた冒険家がなぜか悪人で、主人公がそれに立ち向かうという方向に行ってしまい、主人公も一度は憧れた冒険家と殺し合いをしているというのに全く葛藤というものが描かれてないので、ほとんど感情移入できず、ただの勧善懲悪アドベンチャーと化してしまい、前半と後半で違う映画を見ているかのような印象。別に悪役はこの冒険家でなくても良かったような気がする。(普通に考えてそういう設定にしてしまうと脚本が波状してしまう。)それにそもそもこの話に悪役が登場する必然性をあまり感じない。(別に悪役がいなくても物語としては成立するのではと思う。)後半で話が変な方向にいかなければ夫婦愛を描いたもっと深い作品になっていただろうと思うと非常に残念。結局この映画は主人公の妻との出会いから死別までを描いた導入部がすべてという感想になってしまう。さっきも書いたが、ここは本当に素晴らしかった。
[DVD(吹替)] 6点(2010-05-01 16:26:56)(良:1票)
47.  からっ風野郎 《ネタバレ》 
増村保造監督が大学時代の同期生でもある作家・三島由紀夫を主演に迎えて作ったヤクザ映画。冒頭のタイトルロールの音楽からして大映っぽくなく、むしろ日活アクション映画を髣髴とさせるような出だしに少し違和感が。はっきり言って増村作品云々よりは俳優としての三島由紀夫に興味がいって見た映画だったが、主演の三島由紀夫の演技は共演者たちと比べてしまうと素人の分だけあって下手ではあるが、まあ思ったほど酷くはないと思う。(よくもないが。)話のテンポは増村監督らしくよくて分かりやすく楽しめるものの、出来としては普通のヤクザ映画の域を出ておらず、平凡な印象で、若尾文子に関しても印象は普通で、妊娠を三島由紀夫に告白するシーンや、堕胎薬を飲まされそうになるシーンで、増村監督の映画のヒロインらしい強さを見せるもののそれでも何か物足りない。ラストのエスカレーターのシーンがいちばん印象的だけど、増村映画として特に見るべき点は少なく時期的に「氾濫」同様に発展途上の作品と言ったところか。そういえば主人公のおじさん役で志村喬が出てるけど、増村映画に志村喬というのはちょっと珍しいなあ。
[DVD(邦画)] 6点(2010-01-07 14:56:23)
48.  がんばれ!ジャイアン!! 《ネタバレ》 
感動短編シリーズ第4作。ジャイアンとジャイ子の兄妹愛を描いているが、感動短編シリーズというよりはほぼジャイアンのスピンオフ作品といった感じで、彼の魅力は存分に出ていてジャイアンが好きならじゅうぶん楽しめる内容となっている。(実際、ジャイアン好きなのでそこそこ楽しめた。)しかし一方で、この話を感動短編シリーズでやるのはちょっと異色に感じるし、そういう目で見ると話的にも平凡で物足りない気がするのも事実ではある。でも、エンドロールまで見るとのび太と結婚するはずだったジャイ子は結局誰と結婚したのかが想像できるようになっていて、そこは良かった。(2023年3月19日更新)
[DVD(邦画)] 6点(2006-03-16 00:27:37)
49.  海底軍艦 《ネタバレ》 
小学生の頃、マンダ目当てに見たが、出てきてすぐに凍ってしまい、あまり活躍しなかったのが残念。ストーリーも戦争とか絡んで小学生(当時の自分が頭悪かっただけかもしれんけど。)が見るにはちょっと難しかった。でも轟天号はやっぱカッコよかった。
[ビデオ(邦画)] 6点(2005-06-09 16:45:01)
50.  怪獣大戦争
シリーズ6作目。X星人の統制官を演じた土屋嘉男が印象的だった。波川女史役の水野久美もいい。音楽も最高だった。しかし、脚本はネタ切れしたのか前作で登場した怪獣(モスラを除く。)が再登場し、ほぼ前作と同じような展開であまり面白くなかった。
[ビデオ(邦画)] 6点(2005-04-06 17:59:30)
51.  影武者
6年ほど前にこの映画を初めて見た時は勝新太郎を中村玉緒の旦那だということと、「座頭市」シリーズで有名な時代劇スターということくらいしか知らず、出演作もあまり見たことがない状態だったために主役の俳優が途中で代わったことをあまり意識せずに見れた。しかしその後、勝新の出ている映画を何本か見るうちに、幻に終わったこの映画の勝新主演版を見たくなってしまった。だから今、この映画を見ると、仲代達矢は武田信玄役はよく似合っているように思えるが、影武者役はミスキャストだと感じてしまい、「勝新であればどんな風に演じただろう」とよけいなことを考えてしまうようになってしまった。映画自体は黒澤作品ということもあって、最盛期には及ばないものの面白く見られる。それだけに主役の交代が残念。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2005-02-27 11:33:53)(良:1票)
52.  仮面ライダー対じごく大使 《ネタバレ》 
「仮面ライダー」劇場版第2作。今回は富士山を舞台にショッカーの要塞を破壊しようとする仮面ライダー1号の活躍が描かれているが、前作と比べるとゲストのライダーがいない、諸事情により本作のメインとなる新怪人であるカミキリキッドが本作よりも先にテレビでメイン怪人として登場してしまっているなど劇場版としてのイベント性に薄く、少し尺が長いいつものテレビの仮面ライダーといった感じが前作よりも強い。タイトルだけ見るとカミキリキッドとともに地獄大使もメインなように感じるのだが、地獄大使の役回りもテレビでの印象と変わらない。(でも、テレビでは死神博士が倒された時期の公開だったらしいので、これから本格的に始まるライダーと地獄大使の戦いを前面に出したかったタイトルなのは分かる。)例によって登場する再生怪人軍団だが、今回は名乗りを上げるだけでなく、ちゃんと名乗りに参加した怪人が本郷や滝と戦っているのはやはりこうでないとと思った。(名乗りシーン自体は前作の方が好きだけど。)そのシーンで再生怪人を率いるリーダー格の怪人がカミキリキッドではなく、前作劇場版でメイン怪人だったザンジオーというのが、まさに劇場版怪人に対する特別待遇のようだった。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-03-27 22:45:25)
53.  隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS 《ネタバレ》 
「椿三十郎」に続く黒澤時代劇のリメイク。同じ脚本を使ったリメイクになっていた前作と違って、こちらは「隠し砦の三悪人」の脚本を原作にした映画になっていて、もう何年もオリジナルを見返していないというのもあるが、思ったよりはそれなりに面白かった。でも、やはり何か軽いし、松潤演じるオリジナルと違う主人公である武蔵と長澤まさみ演じる雪姫とのロマンスが描かれるあたりは何か違う気がする。オリジナルは「スター・ウォーズ」に多大な影響を与えたことで知られているのだが、悪役である椎名桔平の衣装など「スター・ウォーズ」を意識した部分もあるのは好きでやっているのだろうけど、なんか無駄な部分で凝っている感じでちょっとどうなんと感じてしまった。それにオリジナルで有名な「裏切り御免」というセリフが主題歌のタイトルにまでなっているが、本編中で軽々しく何度も口にしているのは違和感がある。三船敏郎が演じていたオリジナルの主人公である六郎太も登場するが、演じるのが阿部寛というのはイメージ的にもよく合っていて、この配役は素直に良かったと思う。
[DVD(邦画)] 5点(2022-10-08 22:56:54)
54.  ガリレオXX(ダブルエックス) 内海薫最後の事件 愚弄ぶ(もてあそぶ)<TVM> 《ネタバレ》 
アメリカ研修に旅立つ少し前の内海(柴咲コウ)を単独の主役にしたオリジナル脚本による「ガリレオ」のスピンオフドラマ。脚本的にも悪くなく、そこそこ面白かったものの、「ガリレオ」の一編として見るとあまりにも刑事ドラマという感じが強くてなにか物足りなく感じる。冒頭で内海に逮捕される上念が非常に嫌悪感を抱くような人物で、どうしても「踊る大捜査線」の真下のイメージが強いだけに演じるユースケ・サンタマリアのそれとは違う演技が印象に残り、素直に上手いと感じた。殺人事件の被害者を演じているのが大路恵美というのが見ていてつい「ひとつ屋根の下」を思い出して懐かしくなってしまった。(あったら不自然なんだけど、湯川と一緒のシーンがなかったのがちょっと残念。)エピローグの最後では連ドラ2期の第1話につながるように終わるのだが、このあとのアメリカでの内海もちょっと見てみたかった気もする。でも、このアメリカ研修の設定は柴咲コウがハリウッド映画に出ることになったのとかけた設定なのだろうと思う。「最後の事件」とタイトルにあるが、今年公開の新作に内海が登場することで、今となっては意味をなさなくなっちゃってるなぁ。
[DVD(邦画)] 5点(2022-06-25 23:27:55)
55.  渇き。(2014)
中島哲也監督が「進撃の巨人」降板後に手掛けた作品。あまり評判がよくないのでどうかなと思いながら見たが、正直うーんという感じで、なんかイマイチ。中島監督のこれまでの映画では、まず物語があって、それを奇抜な映像を駆使して描いていくものが多いのだが、本作は逆で、物語は二の次で、映像だけが際立っているような印象。それもかなり胸糞悪いような描写が続くので見ていて疲れるし、ストーリーにもついていきづらく、とても面白いとは思えない映画だ。「告白」同様に登場人物誰もに感情移入できないが、本作は「告白」以上にそれに拍車がかかっていて、見ていてどうしていいか分からず戸惑ってしまった。中島監督の映画好きなんだけど、さすがに本作は「進撃の巨人」降板後に焦って急いで次の題材を探してしまったのではと思えてきて、もしそうならばもっと慎重に題材を選んだほうが良かった気がするし、ヤケクソで作ってしまったような感じもある。ラストも突然終わったような印象で、拍子抜けだった。ただ、出演者に目をやると「嫌われ松子の一生」から「告白」までのキャストが一人は出ているというキャスティングになっていて、「下妻物語」からずっと中島監督の映画を見ている身としてはけっこう嬉しく、これがいちばんの見どころだった。(中島監督の映画で出演者がいちばんの見どころとはあまり言いたくないのだが。)これに免じて点数は少し甘め。それにしても中島監督は「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」のような突き抜けたコメディーはもうやらないのだろうか?また中島監督のああいう映画を見てみたい。
[DVD(邦画)] 5点(2016-08-27 14:26:38)
56.  彼のオートバイ、彼女の島
原田貴和子のデビュー作で、妹である原田知世の映画デビュー作である「時をかける少女」と同じ大林宣彦監督が手がけている。確かに主人公の青年とヒロインが出会う冒頭のシーンから文芸作品のような雰囲気で、ナレーション(石上三登志)の語りもそれっぽく、本当に名作文学が原作の映画のような錯覚を覚える。久しぶりに見た大林監督の映画だったのだが、白黒とカラーを交錯させた映像表現は大林監督らしく実験的で、この監督の独特の世界に久しぶりに浸れた気がした。しかし、つまらなくはないが、物語としては特に惹かれるものがなく終わった感じで可もなく不可もなくというところか。主人公の青年を演じるのがこれがデビュー作の竹内力なのだが、後年のいかつい顔のVシネ俳優というイメージは微塵もなく、さわやかに好演しているのが印象的。思えば初めて見た彼の出演作はこの次の大林監督の作品である「野ゆき山ゆき海べゆき」の小学校教師役で、その時の印象もさわやか系イケメンという感じだったのだが、これがのちにああいう風になるとは本当に信じられない。
[DVD(邦画)] 5点(2016-03-05 16:38:04)
57.  顔役(1965) 《ネタバレ》 
石井輝男監督による鶴田浩二と高倉健のダブル主演のヤクザ映画で、脚本に石井監督のほか、深作欣二監督と笠原和夫という「仁義なき戦い」のコンビが参加しているという豪華さを感じさせるパッケージの映画で、これだけでなにか期待させるものがあるのだが、実は本作は当初は深作監督が笠原和夫の脚本で手がける予定だったものだが、脚本でもめて(このときもめた二人が後年、「仁義なき戦い」で一世を風靡するのだから世の中分からない。)深作監督が降板、かわって石井監督が脚本を手直ししててがけたもの。話としては笠原和夫らしい見ごたえのありそうな感じなのだが、石井監督が好き放題やってしまったという感じで、どこかカルトめいていて変な映画という印象があるし、脚本にも不備を感じる。高倉健が劇中で「網走番外地」の主題歌を歌っているのはご愛嬌かもしれないが、これだけで本当に「網走番外地」シリーズの一本を見ているような気にさせられるのはちょっと違和感があるし、クライマックス近くで健さんの恋人である孤児院の職員(三田佳子)が夜中に孤児院でピアノを弾きながらこの歌をうたっているのもシュールで、これがシリアスなクライマックスの緊張感を若干削いでいるような気がする。佐久間良子演じる鶴田浩二の妻が目が見えないという設定がまったく生かされておらず、むしろその設定は空気と化している。最初の脚本ではどうなっていたのかが気になってしまった。ほかにもいろいろツッコミどころが多く、脚本段階での混乱ぶりがうかがい知れる。でも、そういうツッコミどころの多いところも含めて見る前に思ったより楽しめたのは事実。しかし、やはりもっと普通にやってもよかったのではと思ってしまうのもまた事実ではある。高倉健や鶴田浩二、それに天知茂はいつものようにカッコ良かったし、まだお竜さんを演じる前の藤純子もかわいらしい。撃たれた後にパンを食べながら死ぬヤクザは思わず笑ってしまった。印象に残るシーンがないというわけでもなく、鶴田浩二が詰めた指を親分が「こんなものは鳥の餌にもならない」と突き返すシーンはとくに印象に残る。でもやっぱりこの映画、あまりおすすめはしないな。
[DVD(邦画)] 5点(2014-08-21 17:58:45)
58.  科学戦隊ダイナマン
和崎俊哉演じるある博士が開発したビルを一瞬で吹き飛ばすほどの威力を持った銃を狙うジャシンカ帝国とそれを阻止しようとするダイナマンの戦いを描いている。博士がなぜそのような銃を開発するに至ったかなどの背景は一切描かれていないため、大人になってから見るとかなり物足りない作品なのは確かだが、ダイナマンは小学生の頃、再放送で見ていたことをバッチリ覚えているため、懐かしさを感じながら見ることができた。ダイナマンという名称だけに派手な爆発シーンが多く、名乗りのシーンもそれぞれが名前を名乗ると背後でそのメンバーの色の爆発が起こるというもので、決め技も全員がひとつの火の玉になって怪人に体当たりする。再放送を見ていた頃はとくになにも思わなかったが、今、このダイナマンの劇場版を見てみると撮影に使われた火薬の量はすごいんだろうなということをつい考えてしまう。(実際はバンクも多そうなのだが。)小池一夫が「デンジマン」、「ゴーグルファイブ」に続いて主題歌の作詞を担当しているが、その歌詞もインパクトがあり、印象に残る。
[DVD(邦画)] 5点(2013-03-02 17:46:14)
59.  火宅の人 《ネタバレ》 
深作欣二監督が壇一雄の私小説を映画化した文芸大作。深作監督の代表作のように言われている映画の一つであるが、一方で駄作との評判もある映画で、実際どうなんだろうと思って見たのだが、とくにつまらないというわけでもなければ、だからと言って特別面白いわけでもない至って普通の凡作という感じだった。しかし、出来としてはあまりよくなく、緒形拳は三人の女の間を行ったり来たりする主人公の作家を演じているが、どうも人物設定がよく分からず、ただのダメ男にしか見えないし、壇ふみ(本作冒頭に主人公の母親役で出演。)のお父さんてこんなダメ男だったのかとなまじはっきりとしたモデルがいるために思わずそう感じてしまう。ドラマとしてもあまり深みがなく、時代背景もよく分からない。おそらく大長編である原作をまとめるのに精いっぱいであったであろうことがうかがえる。音楽もこの映画に合っているとは言い難い。深作監督らしさが出たのはやっぱり緒形拳と原田美枝子のケンカのシーン。やっぱりこの監督はこういう激しいシーンを撮ると、途端に演出がイキイキとしてくる。ラストはなんとなくハッピーエンドで終わる(原作は未読だが、たぶん原作とラストは変えてあるような気がする。)が、ここに至って深作監督はこの主人公に女癖の悪い自己を投影しているのではないかと思えてきた。(言い方は悪いが。)妻のいしだあゆみのセリフである「あなたのなさることはなんでも分かるのよ。」という言葉は実際に中原早苗が深作監督にかけている言葉のように思える。
[DVD(邦画)] 5点(2012-09-18 22:28:47)
60.  借りぐらしのアリエッティ 《ネタバレ》 
小人の目線から見た人間の世界がリアルに描写されていて、そこはけっこう良かったが、話としては小さくまとまりすぎている感じで、ドラマとしての大きな盛り上がりや深みがなく、劇場アニメというよりはテレビアニメの1エピソードのような印象が強い作品。一応、小人を捕まえることに執着する家政婦が悪役として描かれているが、そのエピソードもはっきり言ってムリヤリ話を盛り上げようとしているようにしか見えないし、終わり方もこれで終わりかよというくらい唐突で、見終わってほとんど何も心に残らない。元々ジブリ作品って昔からそんなに好きというほどでもないので、期待もあまりしないのだが、新人監督育成のための企画とはいえあまりにやっつけ仕事感がする。最近のジブリ作品を見るのはぼくとしては「ルパン三世」のテレビスペシャルと同じくらい惰性に近いものがあるのだが、こうなると作り手の側も惰性で作ってるんじゃないのという気さえする。結局、ジブリは宮崎駿監督のブランド力でもっている、今まで薄々感じていたことだが、今回は特にそういうことを考えてしまった。ジブリは元々宮崎監督と高畑勲監督が映画を作るために設立されたスタジオなので、鈴木敏夫プロデューサーは後進の育成にあまり本気でないのかもしれないが、このままだといずれジブリの将来は危ないと思う。そう考えると劇中の「君たちは滅びゆく種族なんだ。」という翔(神木隆之介)のセリフがジブリ自身の将来を暗示しているように感じられてしまう。
[地上波(邦画)] 5点(2011-12-18 03:17:15)(良:1票)
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