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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1.  インセプション 《ネタバレ》 
長編映画にもかかわらず、2時間半があっという間。これも劇中の理論同様、時間の伸縮現象のひとつです。私もまた現実と夢の狭間を行き来したと考えます。優れた映画は機材など無くとも、ヴァーチャル・リアリティが体験できるのですね。非現実世界の構築は見事ですし、多重層で繰り広げられる時間差アクションは圧巻。見どころを挙げ出したらキリがありませんが、私が最も言及したいのはエンディングです。全ての出来事が一点に集約される象徴的な場面。『早く倒れろ!』何度も心の中で叫び、エンドクレジット開始と共に唸りました。「正しい終わり方」だから深い余韻に浸れたのだと思います。アイデア、脚本、美術、アクション、配役、そして人生の意味を問いかけるメッセージ性、どれも完璧で、注文をつける箇所が見当たりません。鑑賞後は頭の中で情報を整理しながら、自身の感情を反芻し、幾度となく楽しめるお得な映画でもあります。悔やまれるのは、この傑作を茶の間のTVで観てしまったこと。迂闊でした。映画館で鑑賞していたら感動2割増しだったでしょう。教訓。ノーラン作品は万難排して劇場へ足を運ぶべし。さて、最新作『テネット』で私はこの教訓を活かせるでしょうか?
[インターネット(吹替)] 10点(2020-09-10 18:54:31)(良:2票)
2.  愛しのアイリーン 《ネタバレ》 
原作は連載当時時々拝見。吉田監督の手に合うはずだと確信しておりましたが、想像以上!吉田恵輔節炸裂の、地獄絵巻エンターテイメントを堪能させていただきました。まあ、そのやり口のエグいことエグいこと。修羅場と泥沼のドミノ倒しの中で笑わされる屈辱が堪りません。背徳感?不謹慎感?心が痛いのに気持ち良いから不思議。自分はMだったのかと困惑するばかりです。もうね、お話は基本的に滅茶苦茶なんですよ。暴走と迷走だらけ。でも、行動原理は“幸せになりたい(幸せにしたい)“。誰もが望むこと。何の問題がありましょうか。それが地獄へ続く田舎道という恐ろしさ。どうにもなら無い現実から性欲で逃避。いや、性欲こそが人生。アイリーンの場合は“お金“と言い換えてもいいでしょう。自己嫌悪と自暴自棄で、もうどうにでもなれってか?そりゃどう転んでもハッピーエンドなんて無理ですやん。そこに愛は有るの?なんて問い掛けが、これほど陳腐に感じるドラマがあったでしょうか。勝手に決めろ、自分で考えろと、突き放されているようでヒリヒリします。私が思うに、アイリーンに対して何らかの激情が岩男にあったのは間違いないでしょう。人殺しのハードルはかくも高いです。己を見失って思いの丈を“アレに彫る“とか、端から見たら完全に狂ってます。一番近い言い方が“愛“なのかなあと思います。“執着“よりも濃い感情。幸せだったかどうかは別にしても、岩男に生まれた意味はあったんだと思いたいです。嫁不足、晩婚化、国際結婚、村社会、格差、偏見、人種差別に、おばさんのくるくるパーマ。ディープな社会問題山盛りで、是非の処理能力が追い付きません。心が乱れて、最早正常な判断が無理なんであります。こんな修羅場ショーにあっても、気持ちがどん底まで落ちないのは、吉田監督には人間に対する肯定が根っこの部分にあるからだと考えます。錯覚かもしれませんが。最後に言っておきたいのが、アイリーンちゃん(ナッツ・シトイさん)が素晴らしいってコト。本年度のオレデミー主演女優賞は彼女で決定です。あと木野花さんの怪演にも特大のグランプリを進呈いたします。もちろん安田顕さんも最高でした。河井青葉さんには殊勲賞を、古賀シュウさんには敢闘賞で如何でしょうか。なお、この映画が文化庁の助成を受けていることに軽い衝撃をうけています。日常生活で気軽に『お◯んこ』って言っても大丈夫な気がしてしまうのが重大な副作用。自分が怖くって仕方がないです。年頃の娘がいるんです。この責任どう取ってくれるんですか。
[映画館(邦画)] 10点(2018-09-24 06:36:35)(良:1票)
3.  インターステラー 《ネタバレ》 
(真っ当な映画批評は他の優秀なレビュワー様にお任せして、私はいつも通り“自分語りの感想”でお許し願います。)私は親子の絆を描いた映画、それも“父と息子”を扱ったもの(例:ビッグ・フィッシュなど)に殊更弱い傾向があります。おそらく、父親に対するコンプレックスが極めて強いからでしょう。映画の中の“息子=自分自身”でした。そんな私も父親業を始めて10年が経ちます。長女もマーフと同じ10歳になりました。そんな理由から主人公への感情移入は半端ではなく、刻々と失われていく時間に胸を痛め、涙しました。息子の立場から父親の心境へ。人は変わってゆくのです。何故クーパーは宇宙へ旅立ったのでしょうか。種の存続を図るため。いえ、我が子の未来を守るため。息をしているだけで満足しないのが人間です。生きることより、活きること。彼は子供たちへ“希望”を贈るために命を賭したと考えます。もちろん、其処には自身の能力に対する“自己顕示欲”が在った事も見逃せません。彼の本質は農業家ではなくパイロットだったのですから。主人公の行動原理を“家族への愛”とするならば、マン博士のそれは“自己愛”です。同じく“愛”。ただし、ひたすら己が生に執着するマン博士と、自身を活かすことを望む主人公とでは、同じ愛でも値打ちは違うでしょう。この世で何よりも重い「子供との約束」を捨て、アメリア博士を救ったクーパーの献身は、漆黒のブラックホールの中「事象の地平線」を超え、人類を救う鍵となる「量子データ」の獲得という奇跡を生みました。彼が辿り付いた先は、時空を超える“5次元”の世界。そう、アメリア博士の言葉を借りるなら“愛”そのもの。クーパーが5次元で、最愛の娘と繋がったのは必然に他なりません。何故なら5次元に時や空間といった隔たりの概念は存在しないのです。あらゆるものを犠牲にして主人公が手に入れたのは、老いさらばえた愛娘が子孫に囲まれながら看取られる“最期の瞬間”を目にする権利。「だってパパは必ず帰るって言った」たった一言で全てが報われました。嗚呼、なんと切なくも美しい、そして幸せな光景でしょう。涙が溢れて仕方がありません。インターステラーは「星の間」。マーフという星、そしてアメリアという星。繋ぐのはクーパー。星の旅人が新世界を紡ぎます。
[CS・衛星(吹替)] 10点(2015-10-20 01:15:02)(良:2票)
4.  EXIT 《ネタバレ》 
地震、津波、ハリケーン、火災。災害系パニック映画はこれまで数多く作られてきましたが、本作の災害は「有毒ガス」でした。それも自然由来ではなく、テロリストが作った生物兵器。殺傷力が高く、即効性・持続力に優れ、皮膚に触れてもアウトな代物。都市部が広域に汚染され、人々は窮地に陥りました。充満するガスの中を潜り抜けて避難するのは基本不可能なので、ガスを避け、高い場所を目指し、救助ヘリを待つのが唯一の生き残り策となります。そこで元山岳部・ボルダリング経験者の主人公が八面六臂の活躍を見せました。 特筆したいのは「説明責任」を果たしていること。単に「山岳部」の肩書で主人公の身体能力の高さを処理するのではなく、「これくらいの事ができますよ」と事前にアナウンス。超絶アクションに最低限のリアリティを持たせています。サバイバルで必要な物資の調達過程も抜かりなく。本編では伏せられたハイライトシーンの顛末は、エンドクレジットにさりげなく差し込むオシャレな演出。唯一「ん?」と思ったのは、予備校生に救助ヘリを譲ったところ。定員オーバーだから諦めたのでしょうが、ダメ元でチャレンジすればよいのにと思ってしまいました。でもそれだと、同じ状況を繰り返す事になるのでクドイ印象を受けたはず。クライマックスに向け、よりスピーディな展開が求められる中でリアリティを捨てる判断をしたのだと思います。エンタメとして正しい選択でありました。 パニック映画の器に、サスペンス、アクション、ラブストーリー・家族愛・コメディ・パロディ(タイタニック)を盛った豪華仕様の幕の内弁当。満腹・満足・間違いなし。掛け値なしに面白く、万人におススメできる秀作でありました。
[インターネット(吹替)] 9点(2021-09-10 20:38:52)
5.  IT イット “それ”が見えたら、終わり。 《ネタバレ》 
ホラーの看板を掛けながらにして、その実売るのは青春ドラマ。恐頭青肉。普通なら誉められた商売手法ではありませんが、 極上のジュブナイル映画を見せられては文句など出るはずもありません。それにしても、邦題の悪質なこと(笑)。映画ほど予習不要な娯楽は無いですね。個人的には嬉しいサプライズでありましたが。まず素晴らしかったのが人物造形。典型的なキャラクターの例示は、あなたもこの中のひとりですよの意。みんな愛すべき“私たち”です。ミステリーとしての手際もなかなかのもの。次々と提示される“ピエロが見える理由”。複数の仮説を観客から検証してもらう仕立てです。廃墟でメガネくんの失踪チラシが出てきたときには震えました。このような絶妙なタイミングでのフェイントやフェイクが、謎解き要素を終盤まで持続させてた所以。見事な手際でした。さて、メインとも言うべきピエロはどうでしょうか。ジェイソンやレザーマスクのように表情を見せない&喋らない派が主流の殺人鬼業界にあって、彼のようなスタイルは異色です(ゆるキャラ界のふなっしー的存在でしょうか)。はっきり言って、怖くないのです。特に大人視点だと子供騙しにしかみえません。そこに意味がありました。ピエロは、子どもが大人になるために乗り越えなければならない壁。それを恐怖の対象に据えたと。このアイデアが秀逸でした。早く大人になりたいと背伸びしつつも、行動はガキそのもの。ホント思春期の子供は、自身がピエロに相違ありません。大人の階段を昇る子供が戦う相手は、勿論自分自身でしょう。それに大人になるのは、確かに怖いことですから。守られる立場から、守る立場へ。自分自身を守ることが最初の一歩。そういう意味では、子どもなのに全然守られていない(あるいは過度に守られて腐る寸前な)“毒親持ち”が複数人いたのはショックでした。恐怖に立ち向かう勇気の源を、そもそも持たせてもらってないなんて酷い話です。それでも負け犬連合には、幸運にも仲間がいました。一人で駄目なら、皆で戦えばいい。私自身そういうことが出来るタイプではなかったので、彼らが羨ましく思えました(ピエロに立ち向かう姿は、まるでノロイと戦うガンバとその仲間たち)。ベバリーが言うように、戦った記憶さえ無くしてしまうのが大人になった証拠なのでしょう。それは多分当たり前のことであり、だけど少し寂しいこと。だからこそ大人は、自身の記憶の欠片を呼び起こして胸を熱くするのだと思います。劇場には多くの若者の姿がありましたが、この映画のメインターゲットは彼らではありません。そう、この映画を観て、大いに笑って、感傷に浸って、大人になった自分自身を誉めてあげて欲しいのは、かつて子供だった皆さんです。
[映画館(字幕)] 9点(2017-11-15 00:27:03)
6.  一度も撃ってません 《ネタバレ》 
「ハードボイルド」というジャンルそのものをダシに使った大人向け激渋喜劇。ブラック&ビターな人生ドラマに心地よく酔いしれました。とくに印象的だったのは妻の言葉です。『私はきちんと生きてきた。これからもちゃんと生きていきたい。だから汚さないでよ!』これは痛い。痛過ぎます。ぐうの音も出ません。主人公は確かに一度も銃を撃っていないかもしれませんが、妻を後ろから撃ち続けていたも同然なワケで。この手の裏切りは、火遊びやギャンブルの比ではない重罪と言えましょう。何人も、自分の人生が自分だけのものだと思ったらイカンのであります。また玉淀の台詞にも痺れました。『ずっと騙し続けられればそれは詐欺とは言えない』確かにそうかも。しかしそうは問屋が卸さないのが人生であります。ゴール目前にして、市川はすっ転びました。もう昨日までの平凡で幸せな日常はありません。全く別ものの明日が始まる事でしょう。でも男は黙ってやせ我慢。それがハードボイルドの流儀ってもの。タバコをふかす市川がラストカット。かつて当たり前だった路上喫煙が許されぬ世の中になりました。ハードボイルド同様、時代に取り残された男の行く末や如何に。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-07 19:06:52)(良:1票)
7.  インクレディブル・ファミリー 《ネタバレ》 
オブラートに包みながらとはいえ、これだけ強烈なメッセージ(いかにもアメリカらしい主張)を込めてくるとは。本音を言うと、このやり口は苦手です。ファミリー向けアニメなのに鬱陶しいです。しかしながらその一方、極上のエンターテイメント作品であるのも間違いありません。ヒーローアクションとして非の打ちどころナシ!オープニング、暴走列車、ヘリコプター、クライマックスの高速船。どのバトルシークエンスも最高でした。主役の能力にチートスキルが付されていない点も好印象。むしろ、ミスターが一番地味な能力なんじゃないかなと。インクレディブルファミリーはもとより、ヒーロー皆が弱点を補いながら、又はコンビネーションを駆使しながら、困難に立ち向かうスタイルも大好きです。素直に感動しました。そして見逃せないのが楽曲の素晴らしさ。特にイラスティガールのテーマ!エンディングは必聴でしょう。ちなみに今回は、8歳二女と5歳三女と共に劇場鑑賞しました(ちなみに妻と長女は『コードブルー』鑑賞)。2時間は少し長いかなと危惧しておりましたが問題ありませんでした。子供も大満足。もちろんメタファーに気づくはずもなく。極めて大人向けであり、きっちり子供も楽しめる非常に完成度の高い作品。認めないワケにはいかないですよね。以下無駄話。『インクレディブルファミリー』って言い難くないですか?私は舌が回りません。なので一か八か、劇場窓口で「インスタントジョンソンファミリー大人1枚子供2枚」と言ってみたのですが、聞き返されることもなく無事チケットが買えました。おつかれちゃ~ん。   冗談です。
[映画館(吹替)] 8点(2018-08-25 08:59:40)(良:1票)
8.  家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。 《ネタバレ》 
刑事事件でなくとも、日常生活にミステリーは存在します。本作はある日突然始まった妻の奇行(といってもカワイイものですが)の真意を探る物語。私の推測が正しいとは思いませんが、謎解きに予備知識は不要。というわけで、鑑賞後にお読みいただければ嬉しいです。(以下ネタバレを含みます。ご注意ください…)正直言いますと、いつか榮倉ちゃんが「実は私の余命は…」と言い出すのではないかと冷や冷やしておりました。序盤はコメディタッチで油断させておいて、後半にシリアスドラマをぶち込んでくるのはこの手のストーリーの常套手段ですから。幼いころに母親を亡くしていること。「私より長生きして」に、“人生のまさか”。そしてツガイのインコ片方の死。どれも若き妻の死期を予感させるものでした。死のショックを柔らげるため、妻が仕組んだ予行演習ではないかと。ところがこの予想は大外れでありました。妻の死んだふりには、別の意味があったわけです。劇中では、夫が妻に自身の推理を披露するシーンがありますが、観客に詳細は知らされません。あくまで夫婦間の秘密ということなのでしょう。というコトで、ここからが私の推測。なぜ妻は死んだふりを始めたのでしょうか?夫同僚が口にしているように”構ってほしい”が一般的な見立てでしょう。愛情の確認。この要素も無くはないと思いますが、なぜ今なのか、そして執拗に行う理由は別にありそうです。結婚3年目の節目に、妻の胸のうちに去来した思いとは何でしょうか。ヒントは以下のとおり。「お城に行きたい」「月が綺麗ですね」「私は一度も別れたいと思ったことは無いですよ」夫同僚の妻の境遇に涙。答えはずばり”子供をつくりましょう”。死んだふり=ボケは、夫にノッてもらってはじめて成立するコント。2人の共同作業で生まれる笑いです。榮倉ちゃんは、夫に人生のパートナーとしての役割と自覚を問うたのではないでしょうか。いい加減、腹をくくれと。もう、ちゃんと夫婦なんだぞと。「アイラブユー」が「月が綺麗ですね」に訳されたように、「子づくりしようよ」=「死んだふりコント」であったと考えます。随分回りくどいアプローチだと思いますが、これを理解するのも夫に求められる資質と考えれば納得できます。そういう奥さんなんです。そして、オチがなんと秀逸なことでしょう。妻の見事なダブスタに大笑いしました。2人は本物の夫婦に近づいたに違いありません。それにしても特筆すべきは榮倉ちゃんの役作りの素晴らしさ。純粋で、幼い面もありつつ、それでいて頭がよく、教養もある。基本敬語。いやーこんな若妻、たまらんじゃないですか。もっとも榮倉ちゃんだから許せるわけで、もしこれがガンバレルーヤだったら、2回目の死んだふりでボコボコにしますけども(冗談ですよ。冗談。DV反対!)。事件らしい事件はおこらず、妻の奇行の種明かしさえもない、日常ドラマ。でも、妙に染みるのは、そこにリアルな人生を感じるから。要所でのBGM廃止の演出も冴えていたと思います。自身に置き換えてみると、私自身こんなに人生と正面から向き合っていないなあと思ったり。もっとも、ちゃんと向き合わないのも作戦のひとつであり。でも、その作戦を採用した夫同僚夫婦は破綻したんですよね。いやはや、なかなかに考えさせられるドラマです。とりあえず、注意すべきは伏線の読み間違い。何事も、思い込み厳禁であります。妻の地雷を踏まないように、慎重かつ大胆に、人生を乗り切りたいと願う結婚14年目の夫の感想でした。
[映画館(邦画)] 8点(2018-07-16 00:17:52)(良:2票)
9.  インシディアス 第2章 《ネタバレ》 
♪過去と未来とあの世とこの世、行ったり来たり~(byタイ○ボカン)な続編。いやはや、今回もしっかりオカルト、それでいてミステリー。なかなかの見応えでありました。前作の足りない部分を補うというよりは(そもそも前作単独でちゃんと成立しています)、味変というか、薬味足しというか、シリーズ作品全体としてぐっと味わいが増す満足度の高い内容でした。このシリーズ構成はお見事だと思います。バスターズコンビを(控えめながらも)コメディリリーフに仕立てた点、さらにサイコロに糸電話と、小物の使い方も実に巧みで感心しました。この2作で完璧だと思うので、あまり余計な続編は観たくないというのが偽らざる本音。でも、ひょっとしてコチラの想像を超えてくれるのではないかという期待もあります。うーん痛し痒し。現時点では『SAW』シリーズを完全に上回る完成度と考えます。
[DVD(吹替)] 8点(2017-05-30 21:15:41)(良:2票)
10.  イット・フォローズ 《ネタバレ》 
どうしたら死なずに済むか考えてみました。①飛行機の距離で2地域居住(来たら逃げるの繰り返し)。②洋上生活(「それ」は水が苦手な様子。でもマグロ漁船だと辛過ぎる…)。③『パージ』に出てきたような要塞ホームに住む(「それ」が重機の免許を持っていないことを祈ります笑)。私の貧困な発想ではこの程度が限界。まあ逃げ回ることは可能でしょうが、冒頭に出てきた少女のようにいずれ参ってしまうでしょう。誰かに「それ」を移すのは気が進みませんが、背に腹は代えられません。となれば、若くて、健康で、足が速くて、お金持ちということで…武井壮がベストかと。優しくしてくれるといいな。冗談はさておき、やはりここは根治を目指しましょう。物理攻撃で「それ」を殺せないのは検証済み。ですが壁をすり抜ける能力は無さそう。ということで、鉄の箱にでも閉じ込めてしまうのが一番安心かと(名付けてピッコロ作戦)。理解者が多くいる主人公なら実行可能な気がしますが。さて本作の主題について。“性病の暗喩”と考えたくなるお話ではありますが、終盤ベッド上の友人の語りや、手を繋ぐ2人のラストシーンを見るにつけ、もう一歩踏み込んだ性(生命)へ向けた根源的な解釈をしたくなります。つまり「それ」は“種の存続に対する強迫観念の具現化”ではないかと。今回の現象を表層的に捉えるなら、“死にたくなければ性交渉しなさい”です。それも、できるだけ若く、健康な相手が理想(「それ」を移した相手が自分より先に死んだら、元も子もないワケですから)。生きとし生けるものに架せられた宿命。「繁殖のススメ」。ですから主人公カップルに子供が生まれた瞬間に、「それ」は消え去るのではないかと予想します(あるいは年老いて生殖能力が無くなったら)。文部科学省推薦ならぬ内閣府特命担当大臣(少子化対策担当)推薦がついても不思議じゃない『婚活も妊活もお早めに』なプロパガンダ映画に違いありません(大嘘)。
[DVD(吹替)] 8点(2016-10-30 00:28:18)
11.  イントゥ・ザ・ストーム
巨費を投じたハリウッド製スペクタクル映像の醍醐味は、現在の邦画では逆立ちしても作り得ないもの。これを映画館にてお手軽に頂戴できるだけで、十分に“在り難い”と感じます。さらに本作では主観映像も効果的に使用されており、臨場感も上々。トホホな脚本でリアリティは目減りしていますが、圧倒的な映像力の前では大した問題とも思えません。ぜひ劇場の大スクリーンと大音響で『嵐の中』を疑似体験してみてください。こういう映画は劇場で観ないと損ですよ。ただし、映画館以外の観賞環境では魅力半減とも言えます。脚本の質も無視出来なくなります。満足度は画面と音量の大きさに正比例しますので、その点はご留意ください。
[映画館(字幕)] 8点(2014-09-06 17:58:21)
12.  インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 《ネタバレ》 
頭の先から尻尾まで極上のアドベンチャームービー。始終ワクワクしっ放しでした。流石スピルバーグ、やっぱりインディ・ジョーンズ。サービス精神と遊び心が満載でした。青年のバイクネタがイイ。序盤大活躍の単車をわざわざ空輸。にもかかわらずその後は一切出番なし。この「すかし」にニヤリです。迫力満点のアクションにクラクラしました。劇場の大スクリーンで観なきゃ損です。賛否あるXファイル風のオチですが、個人的にはアリだと思いました。アークにしても聖杯にしても人智の及ばぬ領域。“未知なる物に対する興味と畏敬”という点では、前3部作と変わらないと思います。またジョーンズ博士の年齢についても全く気になりませんでした。ロートル?とんでもない。現役バリバリですよ。ラストがいいじゃないですか。若者に活躍の場を譲るのではなく、「まだまだ俺の時代は終わらない」とばかりにカウボーイハットを奪い取るオヤジ。この先、続編があろうとなかろうと、インディ・ジョーンズの冒険は観客の心の中で続いていくのだと思います。
[映画館(字幕)] 8点(2008-07-30 19:24:07)
13.  イン・ハー・シューズ 《ネタバレ》 
姉は妹に恋人を寝取られて失意のどん底。妹は姉に酷い仕打ちをしたことを悔い、さらに仕事が定まらない。2人とも最悪の状態です。実害を受けている姉の方の気持ちは分かり易い。でも妹の心情も理解できる。弁護士としてキャリアを積んでいる姉。誇らしいと思う反面、羨ましくもある。姉は自分が望むものを持っています。血が繋がっているからこそ嫉妬を感じる。それは姉も同じ。妹の美貌と若さに苦いものを感じる。疎ましく思い合っています。これでは上手くいくはずがありません。そんな2人の状況を変えたもの。それは祖母であり、恋人であり、老人ホームの教授でした。彼らは彼女たちに新たな見方を与えた。「あなたは自慢したいほど美人よ」「君はとても頭がいい娘だね」たった一言で人は変わる。もちろん2人のスキルに変化はありません。でも見方を変えるだけで、こんなにも自信が持てる。活き活きしてくる。キーアイテムは靴。多くの靴に出会うこと。それは多くの人と出会うことの例え。素敵な靴ってどんな靴?良い靴を見つけるにはどうしたらいい?豊かに生きるためのコツが本作には隠されています。
[DVD(字幕)] 8点(2007-11-29 01:37:50)(良:3票)
14.  犬神家の一族(1976)
久しぶりに観直しました。全く古さを感じなかったことに驚きました。もちろん石坂浩二を初め、キャストはみんな若々しいです。時の経過は否応も無く感じてしまいます。でも作品から伝わる“鮮烈さ”は、色褪せてはいませんでした。凄いことだと思います。程よい緩み(笑い)を交えることで、作品への集中力を切らせることを防止し、同時に暗く濃く生々しい世界観を際立たせていました。演出の巧みさ、画の美しさは文句なしだと思います。キャストも非常に豪華。結末を知っていても問題なく楽しめます。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-01-08 17:06:13)
15.  イン・アメリカ 三つの小さな願いごと 《ネタバレ》 
命の危険を賭してまで子を産む選択をする母親。賢明な選択とは思えません。自分が父親でもやはり止めます。しかし、これも家族が選んだ道。正しいかどうかは誰にも分かりません。生まれる命もあれば、消えようとする命もあります。エイズに侵された黒人のマテオ。孤独に病と闘う男。彼にとってこの家族との出会いは、残された人生に潤いを与える、かけがえのないものだったはずです。赤ちゃんが助かったのは、神様のおかげかどうかは分かりません。しかし家族とマテオの出会いに意味があったこと、親の祈り、家族の祈り、命を愛する死にゆく男の祈りが、尊いものであったことは間違いありません。そして赤ちゃんは与えてくれました。涙を流すことを拒絶した父に涙を。弟の死に心を縛られた姉に、自ら心を解き放とうとする意思の力を。心の傷は消えなくても、大切な人の死を受け止める力を与えてくれました。これからも、この家族には厳しい現実が待っているでしょう。しかし、苦しい生活の中でも楽しみを見つけられるこの家族に、少しでも光の当たる人生が待っていることを願わずにはいられません。それがマンハッタンの夜空に浮かぶ月が照らすような、ほのかな光でも。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-09 17:40:43)(良:1票)
16.  イット・カムズ・アット・ナイト 《ネタバレ》 
『家族のために』は魔法の言葉。おそらく人類史上、最も汎用性が高く、最も魅力的で、最も強力な行動原理となりうる概念と言えましょう。『惚れた弱み』『お国のため』『神のお告げ』なんて目じゃない最強呪文と考えます。当然ながら、免罪符としての効果は覿面です。例えば、空き巣狙い、万引き、病院立て籠り。“家族を守るため”という枕詞がつくだけで、犯罪行為が感動ドラマに早変わりするではないですか!しかしその一方、完璧な正義や、圧倒的な肯定力は、両刃の剣でありました。使い方を間違えると、とんでもないしっぺ返しを喰らう羽目に。坂道を転がるが如く、一直線に最悪の結末へ進む物語に震えました。それは主人公が思考を停止させ、可能性や選択肢を排除していたからに他なりません。我に正義ありと確信のある時ほど、自身の姿を省みる必要があるのかもしれません。予備知識も無かったため『モンスター映画』か『ゾンビもの』と高を括っていたところ、超シリアス鬱ドラマで、大いにへこみました。鑑賞の価値のありの見応えある作品ですが、緊急事態宣言が発出しているこんなご時世にわざわざ観る映画ではなかったと後悔しております。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-04-10 19:24:18)
17.  いなくなれ、群青 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。ミステリー作品ですので閲覧ご注意下さい。)   冒頭の注意書きを自ら覆すようで恐縮ですが、ミステリー仕立てではあるものの、謎解き要素に比重は置かれていません。というより“意外な真相”なんてものを、そもそも期待してはいけないのでしょう。本作の基本様式は、子供達(あえてそう呼びます)による青春禅問答や人生談義です。メインターゲットである若者には、結構な確率で刺さるでしょうし、大人の観客は各々階段島から自分自身を連れてくるのがオススメ。頷いたり、苦笑いしたり、あるいは泣きたくなったり、遠い目をしたりしながら、優しく彼ら(かつての自分)を見守るのが宜しいでしょう(皆さん美形過ぎるので感情移入が難しそうですが笑)。そういう意味では、若者より年配者の方がより深く楽しめるかもしれません。ただし、ジュブナイルならではの“小難しさ”や“洒落臭さ”はありますので、心に余裕がないと楽しめない恐れはあります。(以下余談というか文句)エンドロール後に主要キャストによる舞台挨拶風景のオマケがあります。正直、これは要らないサービスでした。旨い寿司を頂いて満足していたところ、締めにタピオカミルクティーを出された気分です。過ぎたるは及ばざるが如し。あるいは蛇足。これは今欲しいヤツじゃない。DVD特典で充分です。ちゃんと良い映画なのですから、本編だけで勝負できますよ。
[映画館(邦画)] 7点(2019-09-14 17:11:22)
18.  イニシエーション・ラブ 《ネタバレ》 
私のセンスの無さを白状するようで恥ずかしいのですが、セールスポイントである例のカラクリや懐かし文化風俗も然ることながら、ベタなラブストーリーに釘づけでした!冴えないデブ、奇跡の交際から破局までの夢物語が、どうにも痛痒く、身悶えしながら感情移入してしまったのです。堤監督もやれば出来るじゃんと言う感じ(失礼)。どんでん返しを成立させたキャスティングもお見事ですが、やはり本作は前田敦子に尽きると思います。これが桐谷美鈴とか佐々木希とか原節子とかグレース・ケリーなんかだと、美人過ぎてリアリティゼロ(ん?)。ところが、前田の場合“こんな俺でも手が届くかもしれない”と錯覚させる、良い意味での庶民感があります(本気でホメてます)。これが元トップアイドルのポテンシャル。そんな平凡女の“したたかさ”が迷宮の入り口でありました。「タっくんが初めての人で良かった(はーと)」にいろんな意味でノックアウトされたワケです。彼女は決して性悪ではなく、普通の女性。凡百の女の処世術に、男はなす術がないと。ラストカット、繭子の微笑みに隠されていたものに、どうぞ震えてください……。“前田敦子は脇役で勝負すべし”が持論でしたが、本作では立派に華を感じました(実際周りに花が咲いていましたしね笑)。女優根性もあるようですし、主演助演問わず、ますます活躍が期待出来るのではないでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-05-25 20:27:13)(良:1票)
19.  インスタント沼
監督の劇場作品の中では最も毒気が薄く、笑いも分かりやすいと感じました。起承転結もちゃんとしている方。映画として、こなれて来たというか。ただ、小ネタの乱発ぶりはいつも通りで、良くも悪くも三木映画という感じがします。多分映画通の方からしてみれば、相変わらず「何だこりゃ」なつくりだと思うのですが、これが監督の味。自分も含めて、この味を楽しみにしているファンにとっては、十分合格の出来かなと。三木映画入門編としてもオススメ出来ます。常連のふせ、岩松、松重の3人に直接の絡みが無かった点がやや物足りないものの、前作『転々』の三浦同様、風間杜夫や松坂慶子といった大御所の転がし方は滅法上手い。三木作品の“正ヒロイン”麻生久美子嬢もノリノリで、加瀬とのマッチングも抜群でした。三木のキャラクターはみんな心根の素敵な奴らばかり。今回も気持ちよく作品世界に入り込めました。点数的には7点ですが、これは満点で7点の映画。ちょっと心を軽くしたい時に、うってつけだと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2010-12-31 17:24:39)(良:1票)
20.  1408号室 《ネタバレ》 
(新作映画につきネタバレご注意ください。以下私的解釈です。)  『泊まると死ぬ』いわくつきの部屋、1408号室の取材をしたいオカルトライターとホテル支配人のやり取り。ここが序盤の見せ場であり、また物語を理解する上でのポイントと感じました。なんとか宿泊を思い留まらせたい支配人。おぞましい死に方をした者たちのスクラップまで見せて、主人公を脅しにかかります。でも違和感がある。支配人の「これ以上犠牲者を出したくない」は、果たして本心か。オカルトでメシを食っている相手を怖がらせるのは、取材意欲に油を注ぐようなもの。それにダメと言われる事ほどしてみたいのが人間の性です。ワイロ(高級酒)の提供も見え透いている。もし本当に彼を救いたいなら、嘘をついてダミーの部屋にでも宿泊させればいい。(1408号室と同じ間取りの部屋もある。)どうも支配人は、彼を巧妙に宿泊へ誘導しているように見えます。そうだとすると辻褄が合う。主人公の元に届いた1枚のハガキ。好奇心旺盛な作家をおびき寄せる撒き餌。人間心理を理解している者の仕業です。そして手馴れている。最大の謎は何故56人も死んだのかということ。死ぬと分っている客を泊め続けてきたのは、“生け贄”が必要だったと考えれば納得。火事が原因でホテルが廃業に追い込まれたところを見ると、1408号室の存在がホテル自体を支えていたのかも。でなきゃ、どんな理由であれ次々と客が死ぬようなホテルが流行るわけがない。誘客を約束する代わりに貢物を要求する福の神、いや死神があの部屋だと思いました。遂に部屋を抹殺した主人公。そのときの支配人の達観したような表情!最期の台詞「上出来だ」がトドメです。支配人が負ってきた役目とその想いに届くと物語は深くなります。1408号室は無間地獄。人生が辛くなってチェックアウトしたくなったら、もうあの部屋に入室しているのかもしれない。
[映画館(字幕)] 7点(2008-12-02 18:57:00)(良:2票)
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