1. トップガン マーヴェリック
《ネタバレ》 大ヒットした「トップガン」はストーリーがアイドル映画のようなよくあるパターンで、インパクトは感じなかった。 今、見返してみるとかなり昔の青春映画の野暮ったさを感じたりもするが、これは映像も進化したスタイリッシュな印象を受ける。 ただ、ストーリーはお約束的なことから外れないので、途中で読めてしまう。 終盤、敵に撃墜されそうになったクライマックスシーンでも、ここで攻撃隊から外されていたハングマンが助けに来るんだろうなと思ってたら、案の定でハラハラもしない。 あまりのお約束通りだったので、感動シーンのはずがちょっと笑ってしまった。 トム・クルーズは前作から36年経ているので、一般人と比べれば遥に若く見えるとはいえ、当時からの加齢は隠せない。 ヒロイン役のジェニファー・コネリーも、『レオン』の子役のイメージがあるので、感慨深いものがある。 そのノスタルジーの部分で、前作より少し加点。 映像の迫力が一番の売りだろうから、映画館で観ないと面白さは半減しそう。 [インターネット(吹替)] 6点(2024-06-29 08:24:22) |
2. Dr.コトー診療所
《ネタバレ》 このシリーズの大ファンだが、あまりにも都合がよすぎる結末にガッカリ。 これでもかと危機的状況を積み重ねたのはいいが、あの状況で全員助かるというハッピーエンドは、リアリティがなさすぎて醒めてしまう。 これでは感動できない。 コトーの生死を曖昧にして観る人の想像に委ね、ラストが実は幻でこうあってほしいという世界線を描いたものだとしても失敗している。 そもそも想像に委ねるラストは中途半端で、あなたの都合の良いように解釈してくださいというような、ある意味制作サイドの都合の良い無責任にも感じてスッキリしない。 こんな風なストーリーならみんな感動できるんでしょ?と舐められてる気すらする。 八方美人的な演出で、『北の国から』と同じで年を経た登場人物に感慨深いものを覚える大好きなドラマだっただけに残念というしかない。 アマゾンプライムで視聴したが、当初は映画館でじっくり観ようと思っていたのに行きそこなったのだが、行かなくて本当に良かった。 [インターネット(邦画)] 4点(2024-06-24 15:11:05) |
3. 友だちのうちはどこ?
《ネタバレ》 少年が間違えて持って帰った友達のノートを返しにいくだけで映画になることがなかなかおもしろい。 イラン社会の実情が垣間見えるし、理不尽で独りよがりな大人たちの振る舞いがリアルに迫ってくる。 大きな展開はないけれど、地味にじんわりと染みてくるものはある。 [DVD(字幕)] 6点(2020-12-01 23:09:41) |
4. ドリーム
《ネタバレ》 差別に抗いながらNASAで存在感を発揮していく黒人女性たち。トイレも有色人専用しか使わせてもらえず、自分が関わった報告書にも連名を許されない。 そんな逆境の中、怒られても連名を繰り返して自分を認めさせようとするキャサリン。その逞しさには脱帽。 諦めない根気強さに加えて、実力の裏づけがあってこそ待遇が変わっていく。 実話に基づいた作品とのことだが、より感動的にするために差別的な扱いを実際よりも酷く描くなど脚色もかなりあるようだけれど。 [DVD(吹替)] 6点(2019-06-30 23:41:59) |
5. トレイン・ミッション
《ネタバレ》 いきなりクビを言い渡されて途方に暮れている元警官のマイケル。 いつもの通勤電車の中で謎の女から大金とともにプリンなる人物を探せという意味不明なミッションを与えられる、巻き込まれ型サスペンス。 プリンは陰謀の目撃者だったために巨大な力を持つ組織から抹殺対象となっていたわけだが、わざわざマイケルを利用するというのがわからない。 ターゲットの降りる駅がわかっているのだから、その駅で襲撃すればいいわけだし、列車を転覆させたりあれだけ大きな騒動にするくらいなら、最初からターゲットの乗った車両ごと爆破すればそれで済んだ話。 多くの乗客から一人を特定するという設定を使うために、無理やりストーリーをこじつけて作った感が強くて全然乗っていけない。 [DVD(吹替)] 3点(2019-06-28 22:36:47) |
6. トゥルー・ロマンス
《ネタバレ》 ずいぶん前に知人が絶賛して勧めてきた映画。 見たときの感想はこの人とは趣味が合わないなと。 内容はあまり覚えておらず「俺たちに明日はない」のようなカップルの逃避行くらいの記憶しかない。 ところがものすごく久しぶりに見てみたら意外と面白かった。 元警察官の父とマフィアとのやりとりは緊迫感があって目が離せない。 拷問中なのにシチリア人ボスに向かって黒人のムーア人がシチリア人女性を犯しまくって混血の子を産んだんだと嘲笑する。 爆笑するボスのはらわたが煮えくり返っているのが伝わってくる。 昔は気づかなかったが役者も揃っていて、ゲイリー・オールドマン、デニス・ホッパー、クリストファー・ウォーケン、サミュエル・L・ジャクソン、クリス・ペン、ブラピ、サニー千葉までいたのにはビックリ。 それぞれの個性の光るキャラで良い味を出していた。 おまけだけれど、木琴のようなテーマ音楽も好きだったラジオ番組のオープニング曲だったのに気づいてニンマリ。 ただ、この犯罪者カップルのハッピーエンドはまったくスッキリしない。 何人も死んだ中には殺されて当然の人間もいたが、死ななくてもいい巻き添えのような不幸もあった。 日本でも酷い犯罪で他人を何人も不幸にしながら自分はのうのうと生きている奴らがいるが、そういう姿とかぶる。 こうした人間は幸せになってはいけない。ボニーとクライドのように、破滅型の人間は破滅で終わらないと。 ラストでブチ壊しにされた気分。 現実社会ではちゃんとした贖罪もなく幸せな家庭を築く犯罪者に、やりきれない鬱憤を感じることのほうが多い。 映画くらいそうした鬱憤を晴らしてほしかった。 脚本を担当したタランティーノは、二人仲良く撃ち殺されて終わるラストを書いたとか。 ところが、トニー・スコット監督の判断でラストを変えて、タランティーノは激怒したらしい。 そりゃあ怒るでしょ。タランティーノに同情する。 せめて、クラレンスは死んだけどアラバマは彼の子供を産んで幸せに暮らしましたって程度なら良かったけど。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-06-05 10:19:14)(良:1票) |
7. トラッシュ! この街が輝く日まで
《ネタバレ》 腐敗しきった権力者や警察に反逆する、少年三人の少年漫画のような冒険活劇。 暗号の解読も少年探偵団的で、巨悪vs少年たちの構図。 ただ、少年たちもお金のために必死で戦っていたはずなのに、最後は正しいことだからそうしたとなっているのは、キレイごとになりすぎた感が。 お金をゴミの山でばら撒くシーンにも違和感。 少年たちを都合よく祭り上げたような印象もあって、ちょっと子供向け的に感じる部分も。 ブラジルのスラム街の子供たちの生活がリアルに迫ってくる。 以前、ブラジルのストリートチルドレンが商店主に雇われた警察官らに殺されるような事件もあったが、そうした実情の片鱗を感じることができる。 「シティ・オブ・ゴット」でも感じたけど、平和ボケの日本からするとブラジルの治安の悪いところは次元の違う別世界。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-01 01:02:45)(良:1票) |
8. トゥルー・グリット
《ネタバレ》 少女にあまり魅力を感じない。小生意気で気が強くて反抗的でもほっとけない魅力や可愛げがあって応援したくなるような少女ならいいのだが、小生意気でしっかりしすぎて可愛げもない。なので、復讐を果たせてよかったとは思うけど、ハラハラドキドキがない。 コーエン兄弟の西部劇にしてはそれほどアクも強くない。映像は綺麗だった。 [DVD(吹替)] 4点(2017-12-26 22:40:11) |
9. トライアングル(2009)
《ネタバレ》 世にも奇妙な物語風バッドエンドの無限地獄ループ。緻密に構成されたストーリーで、いろんな場面で意味がこめられている。 ただ、船上で皆殺すと元に戻るという論理がピンと来ない。それと、登場人物にあまり魅力的を感じられないのが残念。 事故現場に登場したタクシー運転手がこの世のものでない存在。ジェスは息子に対する自分の行動を罰するために、自ら気が済むまで無限地獄に身を置いているのか。初めて事態に遭遇する自分、一度体験した自分、二度体験した自分・・・と何種類もの自分同士が絡んでいくので、タイムパラドックスにはまりこんで頭が混乱する。 この無限ループの始まりがどこかと考えていくと交通事故になるのだけれど、それはジェスが一番最初の自分を殺して息子を連れ出したからそうなったので、一番最初のジェフは息子を車で連れて逃げることもなかったはず。なのでこの交通事故は起こりえない。パラドックスに行き当たってしまい、わかったようなわからないような煙に巻かれた気分。パラドックスの論理パズルのよう。 [DVD(吹替)] 5点(2017-10-26 19:08:47)(良:1票) |
10. 道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48
《ネタバレ》 AKB全盛期には1ミリも興味がなく、どちらかといえばその音楽とパフォーマンスを鼻で笑っていた口だが、その後バラエティ番組から面白くて可愛げのあるNMBにだけ好感と関心を持つように。 このドキュメンタリー映画はどこか高校野球の舞台裏に通じるような。テレビでもダンスや吹奏楽など女子部を舞台にしたドキュメンタリーがあるが、それに似たひたむきさと桜の花のような刹那的なものが伝わってくる。 同じCDを何十枚何百枚も買わせるようなAKBの集金システム自体は眉をしかめるものがあるが、メンバーだけを見れば純粋に頑張っている姿を応援したくなる。集金システムはこの応援したくなる心理を巧みに利用しているのだが。それに嵌っているファンも、そんなことは重々わかっていながら推しメンを喜ばせたい気持ちが勝つのだろう。まあそういった大人の事情の裏側までは映画では見せないけれど。 NMBをまったく知らなかった監督を起用しているので、それほど深く切り込んではおらず全体的に浅くてわかりやすい作り。一番フォーカスされていたのはフロントメンバーではなく、長い下積み状態に耐えて初選抜となった沖田彩華。喜びで涙を流す姿は、初めて補欠からレギュラーになれた三年生のイメージが被る。それに対して、結婚宣言で一躍話題になった須藤凜々花のナレーションには、NMBとは本質的に異質なあざとさを感じる。チームで青春する高校野球に個人主義でしたたかな大人のプロが一人混ざっているようで・・・。 [映画館(邦画)] 7点(2017-09-30 22:19:18) |
11. トラフィック(2000)
《ネタバレ》 麻薬撲滅担当になった判事と麻薬に溺れて落ちていく娘。 相棒がサラザール将軍の闇の麻薬取引をサポートしていた麻薬捜査官。 麻薬関連の容疑で逮捕された夫を守るために不利な証人を殺害しようとする妻。 3つの話が並行して進んでいく。 麻薬で堕ちていく普通の女子高生がとてもリアル。一番エゴイスティックで怖いのが、夫を守るために簡単に悪に手を染めたキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。 『ボーダーライン』とはまた違ったタイプの映画だが、麻薬汚染の実態を垣間見る思い。 [DVD(字幕)] 7点(2017-09-02 10:25:49) |
12. トキワ荘の青春
伝説のトキワ荘での漫画家たちの若き頃を垣間見ることができる。 出てくる漫画家の漫画で育った世代なら特別の感慨があるかもしれないが、ストーリーとしては特に盛り上がるようなものはない。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2017-08-31 23:01:42) |
13. TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ
クドカンらしさのあるポップな映画。でも、クドカン作品は映画より舞台のほうが合っている。 地獄でのギャグチックなやり取りに少々胸焼けしてくる。 [DVD(邦画)] 4点(2017-08-30 00:24:11) |
14. トレーニング デイ
《ネタバレ》 主人公が組んだ麻薬捜査官がとんでもない悪党。デンゼル・ワシントンは悪そうに見えて実は相棒のイーサン・ホークを助ける良い奴って役なのかと思いきや、骨の髄まで腐ったクレイジーなゲス野郎だったってのが意表をつかれた。ラストはクズにふさわしい末路でジ・エンド。 イーサンがギャングたちとポーカーしながら消されそうになるシーンは迫力があった。レイプされそうなところを助けた少女がたまたまギャングのいとこだったことが判明しての危機脱出。出来すぎた偶然だけどね。すべては因果応報ってやつか。 デンゼル・ワシントンは悪役をやることも増えたようだが「クリムゾン・タイド」での理知的で紳士な姿からは想像もつかないような振り幅で同一人物とは思えない。 [DVD(字幕)] 6点(2017-08-28 20:24:24) |
15. 砦なき者<TVM>
人を扇動するのが得意なサイコで魅力的なシリアスキラー。 それに命を賭して対峙するキャスターの覚悟が伝わってくる。 鈴木京香の魅力も出ているし、妻夫木も適役か。 [DVD(邦画)] 6点(2017-02-26 08:59:41) |
16. ドライヴ(2011)
主人公のドライバーにそれほど感情移入できなかった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-08-01 19:17:59) |
17. 特捜部Q 檻の中の女
《ネタバレ》 加圧装置の中で監禁して真綿を締めるような責め苦に、犯人の憎悪の深さがうかがえる。少女のせいで家族が死傷して挙句に養父に性的虐待されるはめになったと思えば恨んで復讐したくもなるか。 主人公が笑わないキャラというのもあって終始シリアス。少し地味だけれど、相棒のアラブ人とのコンビがいい。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-03 21:29:18) |
18. 同窓生
BIGBANGのT.O.Pが北の工作員で主演。韓国得意の工作員ものだけれどその中ではありきたりで、ハッとするようなものは何もない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-11-02 22:59:34) |
19. 友へ チング
《ネタバレ》 パッチギやビーバップのようなヤンキー全盛時代の匂いがする。韓国映画だけど、どっぷり昭和な雰囲気。 幼なじみの四人組が大人になって、あの頃と変わったもの、変わらないものが浮き彫りになる。そういう物語は好きなのだが、少年時代を演じる役者と成年時代の役者が、似ても似つかないので両者がつながらなくて混乱する。録画を巻き戻して名前を確認しながらやっと把握したが、そうでないと韓国俳優に馴染みがそれほどないこともあって判別しずらい。韓国映画では『インファナル・アフェア』の時も同じことを感じたが、その辺りは軽視しているのか。例えばハリウッドの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』は、少年時代と成年時代で誰と誰が同じ役なのかが名前を確認しなくてもすぐに把握できた。 そうした足りない点は幾つもあるが、ヤクザになったジュンソクとドンスの葛藤と哀しい顛末には見所があった。ジュンソクが一番気にかけていたのは自分とは真反対の位置にいる優等生のサンテクだったようで、いつも一緒にいたドンスとしては面白くない面もあったにちがいない。万年二番手だったドンスの屈折した心が痛い。 スキダカラァのCMネタのイメージしかなかったチャン・ドンゴンを、この映画で今更ながら認識できた。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-08-31 01:31:57) |
20. 時をかける少女(1983)
《ネタバレ》 昔のアイドル映画では、びっくりするような学芸会レベルの棒読み演技でも堂々と主演を張れていたようで。今のアイドルでこれほど酷いのはなかなかおらず、いろいろ言われているAKBの演技がずっと上手く見えるほど。あえて同等を探すなら、AV嬢がデビュー作で見せる三文芝居レベル。 ヒロインだけではなく深町君役や子役も同じくらい酷いのだが、今の若手俳優や子役がずいぶんレベルアップしているのがわかる。実は大林監督からは棒読みでとの指示があったとの話もあるが、それが本当なら熱狂的な支持者を持つ巨匠大林監督の感性を絶望的に理解できない。 公開当時としては斬新だったかもしれない映像処理も、今となっては余計に古臭さを感じる。不自然な流れのストーリーにも惹かれなかったが、気恥ずかしくなるようなセリフの数々、わざとたどたどしくしたという大林監督の小ざかしい演出、突然歌いだしたエンディングなど、どれもが肌に合わない。 良かったのは、うんざりするほど下手な原田知世がふとした瞬間に見せる可憐さに気づいたことだけ。今まで特にかわいいと思ったことがないので、あれ?こんな顔もするんだなと。映画の内容自体は二の次で、原田知世のすれていない初々しい魅力を描くのが最優先されているみたい。アイドル映画だからそれでいいのかもしれないけれど。角川映画+大林監督への苦手意識が更に増す結果に。 以前、一番好きな映画は何かという話題でこの映画を挙げた人がいたが、そういえばその人とはドラマ、映画、マンガの話をしてもまったく趣味が合わなかったことをふと思い出した。 [地上波(邦画)] 2点(2015-07-25 23:08:20) |