1. パッセンジャーズ
色々な映画のツギハギのような印象はあるものの、すっかり騙されてしまった。ミステリ小説を読んでいるようなわくわく感があった。こういう作品は冗長になりがちだが、すっきりと短くまとめているところも好印象。ちょっぴり切なさを感じる要素もあり、つぎはぎ映画ながらも見たあと温かい気持ちになれた。 [映画館(字幕)] 6点(2009-04-06 07:02:35) |
2. ハウルの動く城
《ネタバレ》 映像美は申し分ない。期待以上の出来である。声優陣も少女時代の倍賞千恵子以外は適役だった。久石譲の音楽も相変わらず期待を裏切らない。技術面だけでいえば10点満点である。だが問題はストーリーにある。全てが結果の羅列でしかなく、そこに至るまでの理由が存在していない。まず連帯感が生まれた理由が不明。ソフィーは魔女によって呪いをかけられ老女にされてしまう。それなのに彼女は魔力を失った魔女を迎え入れる。戸惑いも憎しみも憐れみも描かれずに、いつのまにか仲良くなっていたという結果しか表現されていないのである。少年マルクルとソフィーも同様。マルクルはソフィーを慕うようになるが、なぜそうなったのか、理由が見当たらない。最大の謎はソフィーとハウルの恋愛模様である。ソフィーはなぜハウルを愛したのか?その過程が書かれていないのに、突然彼女はハウルを愛していると叫ぶ。最後、仲睦まじい彼らの姿をみた女王がどういうわけか、仕方がないから戦争をやめましょうなどとのたまう。なんという強引な展開であろうか。推測するに、この映画は原作をかなり端折っているのではないだろうか。個性的なキャラクターは魅力的だが、ストーリーは全く楽しめなかった。声優陣の貢献と技術の高さに2点献上するがこれが限界。宮崎アニメというだけで興行成績はトップを維持すると思われるが、それはただのネームバリューであって作品の質を証明するものではない。宮崎アニメでここまで失望したのは初めてだ。次回作は是非とも名誉挽回に挑んでもらいたい、と願わずにはいられない。 2点(2004-11-21 19:52:39) |
3. バーティカル・リミット
映像は予告編で観せられた部分以外、目立って特筆する部分も無い。演出もありがちで、どこかで観たような展開が続く。主人公たちの愚かな行動もハラハラするどころか呆れるだけ。雪山の中で発見した凍死体は綺麗だったが、映像として印象に残っているのはそれだけ。パニック映画は迫力や映像にこだわるのは最低限だと思うのだが、本作は失敗の部類に入るのでは?なぜ当時話題になったのか、それは宣伝方法が良かっただけに過ぎないと痛いほど感じた作品。残念ながら鑑賞後には、劇場で観た自分が愚かだったと思わずにはいられなかった。 2点(2004-06-13 20:15:19) |
4. バッドボーイズ(1995)
内容的にはパッとしないので、主演の二人に思い入れが無ければ退屈に感じられる作品。(私はウィルスミスのファンだったので、当時劇場に二度とも足を運んでしまったのだが)サントラが話題になったので、私のように音楽先行で興味を持った者が多かったのは事実であろう。ストーリー展開も先が読めてしまうが、ポリスヒーロー物として気軽に楽しむのであれば問題ないと思う。過剰な期待は危険だが。 4点(2004-06-13 19:55:37) |
5. 半落ち
多くの方が語っている通り、寺尾アキラと樹木希林の演技が素晴らしい。静かに表情で魅せる演技、迫真にせまる演技、二人の演技力がこの作品の質を底上げしたことは紛れもない事実である。確かにそうそうたる豪華なキャスト陣ではあるが、それだけではここまで素晴らしい内容にはならなかっただろう。社会問題を背景にかまえ、ミステリー性は薄れているもののヒューマンドラマとしてはかなりレベルが高いと感じた。派手な演出に頼らず、脚本と演技力だけで魅せた良作である。幅広い層に観て頂きたい作品だが、とりわけ年を重ねた者ほど感情移入しやすいストーリーであると思われる。 9点(2004-05-10 06:39:52) |
6. ハルク
なるべく早送りしないで観ようとつとめているのだが、この作品は何度も早送りしたくなり、それをこらえるのが大変だった。 いかにもCGなハルクには目を瞑るとしても、この展開の退屈さは一体なんだろう?ラストはありがちながらも嫌いな終わり方ではない。しかしこの煮え切らなさは一体なんだろう? コミックのようにコマ割りされた画面が新鮮だったのと、音楽がそこそこ良いと思えたのが救い。(バリエーションが少なすぎるのは否めないが。何度も色々な場面でテーマソングを使いすぎている) 2点(2004-04-02 17:42:25)(良:2票) |
7. ハンニバル(2001)
胸が悪くなるような映像はグロテスクを通り越して恥美。しかし「羊たちの沈黙」のような心理的な怖さは今回感じられず、レクター博士は狂気が失われて今回はただの悪趣味な変人。そこが楽しいといえば楽しいのだが。希望をもたせたラストに救われたようなものである。エログロを徹底して描くという姿勢には感心するが、映画の面白さとはまた別の問題。 4点(2004-02-02 21:41:25) |
8. パール・ハーバー
後味が悪く疲れる映画。日本の描き方が変だからという理由ではない。アメリカが作る映画なんだからアメリカ万歳になるのも別に構わない。しかし無駄に長いのである。攻撃シーンは確かに迫力があったが、どろどろした三角関係に無理やり戦争をくっつけただけの中身のない薄い物語にはがっかりさせられた。何がいいたいのか最後まで観ても結局理解不可能。 2点(2004-01-27 14:01:09) |
9. バックドラフト
よくあるパニック映画なのだが、兄弟愛というテーマが映画の質を底上げしたように思う。前妻とのゴタゴタは余計。しかしながら消防士を凛々しく描いた点と音楽が素晴らしい。火の迫力も満点。 9点(2004-01-27 03:50:38) |
10. パーフェクト ストーム
《ネタバレ》 自然パニック系お得意の緊迫さもあり、切なさもあり。個人的には実話というエピソードも手伝って面白く観れた。ハリウッド映画お約束の主人公だけ生還というオチではないところが新鮮。ラスト、大海の中で一人漂うジョージクルーニーの姿が切ない。簡単に言ってしまえば自業自得なのだが、そこに人間の愚かさが描かれているようで興味深い作品である。 8点(2004-01-27 02:21:43) |
11. バトル・ロワイアル 特別編
通常バージョンと両方観たが、こちらはバスケの試合シーン等を挿入し、情緒的にまとまっている感がある。もちろん原作小説は素晴らしいのだが、映像化することによって良くも悪くも生々しくなっている。BRの世界は空想の中に投影した現実社会だ。その危うい崖っぷちの世界の中でもしBR法が出来たら城岩中学の生徒のように我々は友人に刀を向け、銃を発射するだろう。誰だって自分が一番かわいい。しかし同時に「この人だけは守りたい」と思うかもしれない。その葛藤がとても人間くさくて共感を覚える。この映画は中学生同士が殺しあうという一見非現実な設定でありながら、人間のエゴイズム、弱さや脆さと同時に懸命に生き抜くことの必要性を強く訴えているのである。日々の生活に疲れた時にこの映画を観れば、おのずと答えが見つかるのかもしれない。 9点(2004-01-27 00:04:41) |
12. バトル・ロワイアルⅡ 【鎮魂歌】レクイエム
BR1が好きだったので期待しすぎてしまったのだろうか。今作は前作の良さをすべて払拭してしまっている。勿体ない。BR1が何故あれほど支持されたのかわかっていないのでは?という疑問がわいた。BRの魅力は現実社会のデフォルメであり架空世界の中に現代を投影している、そこにあったのではないのか。具体的に言うなれば、制服姿の中学生が友達同士で殺しあう、それが全てだったのだ。今作はただの戦争映画になってしまっている。BRらしい台詞も所々見受けられるのだが、個々の葛藤や内面が見えてこないので胸に響いてこない。キャストが熱演すればするほど虚しく感じられてならない。根本的に設定や構成から練り直したほうがよい。 5点(2004-01-23 17:39:27) |