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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  マレフィセント2 《ネタバレ》 
 あらら。今回マレ様、完全にミシェル姐さんに喰われちゃってるじゃない。娘婿の母親の言動に振り回されて途方に暮れるママ、って状態でなんだか妙に小市民的よ? ひたすら受け身で、映画の途中からは完全にミシェル姐さんに物語を動かしてゆく役割を奪われてしまうという有り様。わりと最初の方で痛いメに遭って以降、クライマックスまでほぼ動かないのはさすがに主役としてダメなんじゃないかしら?  ミシェル姐さんの忠実な部下的存在の悪役姐さんなんか、命令に従ってただ悪いコトをするだけの人で、もう少し魅力的に描けたんじゃないかしらねぇ。   とは言え相変わらずマレ様とディアヴァルのコンビは楽しいし、オーロラ姫は絶えずキラキラと輝いていてキレイだし。クライマックスはもう少し『フラッシュゴードン』テイストを味わわせて貰いたかったケド(鳥人間総突撃シーンはやたら盛り上がりに欠けるわ)。   でもね、ここに今って時代をきっちり反映させているのが最近のディズニーらしくてね。モロにガス室な描写はナチス的だけれども、そこに描かれる民族主義、差別、分断、対立の世界は退行しつつあるこの世界を象徴していて重たい危機感が漂っているのね。  ヴィランズが主役のダークファンタジーという特性を活かしたテーマだと言えるわね。   それにしても3人の妖精の行く末はアレで正解だったのかしらねぇ。なんだかちょっとショックだわ。
[映画館(字幕)] 6点(2019-10-25 21:21:00)(良:1票)
2.  町田くんの世界 《ネタバレ》 
 前田あっちゃんのキャラが最高ね。彼女が全編に渡って映画を引っ張ってくれたならば、どんなにか楽しい映画になっていたことか・・・   映画は、前半はとても楽しめたわ。町田くんと接した人びとに訪れる変化の物語は、なんだか心がほわほわして。  だけど、後半になって町田くん自身の物語に移行すると、歯切れの悪い、テンポの悪い状態になってしまって、映画に対する興味も半減してしまった感があって。町田くんってキャラ自体は必ずしもキモチのイイ存在じゃないもの。あくまで彼の行為によって影響を受ける人の姿、っていうのが気持ちいいワケで。  元々、それぞれのキャラの描写が弱い感じだったので、クライマックスのノリは盛り上がるよりもご都合主義的な、それってわざとらしくてちょっと恥ずかしいわ、ってカンジになっちゃって。あの記者というかライター、彼なんかはあそこまで必死になれるほど町田くんとのエピソード重ねてないし。   それに、安易にスマホを悪いモノとして記号的に描くのもどうなのよ?って。今時スマホを悪意の象徴として描くとか、無理あるのよ。今の時代にそこを避けたり排除したりしてそれで通用しないでしょ? そこら辺はちょっともう古い感覚になっちゃってるわよね。古びたシネフィル的思考よ。  モデル青年がプレゼントを棄てる件は最近実際に炎上した動画にピッタリ符合してて、時代を映してる感があったけれど。   オーディションで選ばれたメインの2人はとても良かったわ。脇をベテランな人びとに固めて貰って、初々しい爽やかさを放って。   あと、クライマックスでいきなり「え?」って展開になるんだけど、アタシはその展開そのものよりも、かなり微妙なデジタル合成っぷりにハラハラしちゃって。ぎこちない画が延々と続くので、ミョーな不安感に包まれるハメになっちゃって。観客が合成のクオリティの心配しちゃう、っていうのは邦画独特の残念な特徴よね。洋画だとそういうコトってあんまりないもの。   映画そのものは期待したほどじゃなくて、結論としてはあっちゃん最高!!というところが最大のポイントね。
[映画館(邦画)] 6点(2019-06-11 19:57:37)
3.  マンマ・ミーア!/ヒア・ウィー・ゴー 《ネタバレ》 
 前作の良くも悪くもユルいノリ、今回もアレを予想してたら冒頭からショッキングな展開で、そのショックが最後までずーっと続いて切ない、切ないわぁ。   その切ない物語のためか、前作と違ってキッチリ作られてる印象。過去と現在とを頻繁に行ったり来たりするけど混乱する事のない構成や、ポイントポイントに印象的な映像を挟み込むキレイなカメラ。  笑いも散りばめられてはいるけど、でもかなりマジメに母から娘へと継がれてゆく物語が紡がれてゆくのね。まあ、3人のうちの誰が父親か判らない、ってところを映像化するにあたっては、それなりに無理のある展開であった気もしないではないけれど。   リリー・ジェームズとアマンダ・サイフリッド、それぞれの魅力がキラキラしていて、でも一方でベテラン俳優達の重ねた年齢が表れていて、映画のテーマにシンクロする感じで時の重さをずっしりと感じてしまって、あー、シンドいシンドい、って。  シェールはちと余分だったかな。初登場でクライマックスをさらってゆくだけの意味は感じられなくて。   前作がABBAの歌にのせてリゾート気分をエンジョイする映画ならば、今回はABBAの歌にのせて時の流れと人の生を顧みるシリアスな映画だったわ。
[映画館(字幕)] 7点(2018-09-05 21:44:33)(良:1票)
4.  万引き家族 《ネタバレ》 
 ツイッターあたりでは見てもいない映画を中傷するおバカな人々を炙り出してみせる状態になってますが、この映画について言及する事は、そのまま今の日本を映す事になるような感じで、仕掛けてきてるねぇ、って。   弱者を切り捨てたがりな、強い者の側についている(つもりの)人でいっぱいのこの国で、ここに描かれる都合の悪い幸せは、目を逸らしたり、壊したり、断絶したりしたいモノなのかも。  好ましいとは言い難い関係で疑似家族を構成している人々それぞれの、ちょっとした儚い幸せ、それすらも許されないものなのか、人である最低限すら否定されなければならないものなのか、どうなの?と。  〇か×かでしか判断できない(自分の支持者でなければそれは敵だと思ってるような首相が存在している)この国。美しさとか心の豊かさとか、そういうのって一体どこにあるって言うんでしょ?  ね、この映画を語ればこの国の中の、どういう国民なのかが露わになっちゃう。   さて、とは言え、私はこれまでの是枝監督作品同様、そーんなには巧い映画だとは思いませんでした。  冒頭の、説明的な展開をかなり省いていきなり少女連れてきちゃうあたりの潔さは良かったのですが、答えの無いオチの無い映画なのに、はい、幸せ描写はここまで、次のシーンから波乱の展開が始まります、みたいな定型フォーマットっぷりを見せられてしまうと、なんだかなぁ、って思ったり。  総じて構成や編集に首を傾げ気味。設定上の隠し事を小出しに見せてゆく構成ゆえ自然さを欠くようにも思えました。   それを補って余りあるのは役者、特に女優の演技、まずはさすがの安藤サクラ。その生々しい肉体の存在感ときたら。演技とか役作りとか飛び越えて迫ってきます。  加えて、安定の樹木希林と若手実力派な松岡茉優、そして子役の佐々木みゆという世代を隔てた女優がそれぞれに存在感を示して、1つの「家族」の姿を見せつけてくれます。   現実は映画よりも更に厳しい、それをニュースで思い知らされて、それでも目を逸らし、切り捨て、排除し、「美しい日本を取り戻す」とか言っちゃう? 「じゃあお前はどうなんだ」? どうなんでしょう?
[映画館(邦画)] 7点(2018-06-11 21:23:47)(良:1票)
5.  マンチェスター・バイ・ザ・シー 《ネタバレ》 
 映画が始まった時点で主人公は既に終わってるんですよね。もうロクでもない状態でしかなくて。この映画が描くのは、主人公が何故終わってしまったのか、であって、これは救済の物語でも再生の物語でもありません。   短い映像とバラバラな時間軸がモザイク状に散りばめてあって、徐々に主人公の世界が明確になってゆく、そのドラマは辛く、切なく、そして、でも、決して彼が癒されたり救済されたりが許されたりする訳でもない事もまたハッキリとしてゆきます。失われた者に対するその責任はあまりに重く、生易しい赦しなど存在しようがないのですから。  彼は兄の遺志によって甥との関係を通して人間性を取り戻しそうにも見えますし、元妻の言葉によって救済されたようにも見えます。ですが映画の最後に至っても結局は映画の冒頭と同じように酒場で他人に殴りかかるような生き方しかできない、彼がもう終わっている事がハッキリしただけのこと。何処にも彼の居場所なんて、ありはしません。彼の辛い思い出の地であるマンチェスターは、そしてその地の人は、その気候と同様に彼に冷たい存在でしかありません。   エンドロールの美しい風景の、だけど主人公を拒む限りない淋しさが染みる映画でした。
[映画館(字幕)] 8点(2017-06-27 19:55:15)
6.  マリアンヌ 《ネタバレ》 
 とても上手い映画、なのだけれどもイコール面白い映画とはいかないのがなんとも。   カメラがお上手です。シネスコの横長フレームでの構図をキッチリとお手本のように作り、フレームを左右に分断する事で対比し、時としてダイナミックな画を1カットで見せ(空から飛来し、着陸した飛行機のコクピットにブラッド・ピットの顔を見せるとか、通過してゆく装甲車に榴弾を投げ、炸裂し、兵士が零れ落ちる様を見せるとか)。冒頭の砂漠のシーンなどはCGらしさがモロに出てしまっていて、かなり残念な事になっておりましたが、それはごく一部の事。   ブラッド・ピットとマリオン・コティヤールの表情も印象的。スパイとして作られた表情と人としてのホンネの表情とを行き来する、その揺らぎの中に垣間見える感情の動きが謎とサスペンスを作り出して。   あと、ゼメキス作品お馴染みのアラン・シルヴェストリの音楽が今回は、そんなには「らしくない」点も良くて。毎度の音が鳴ると、それだけで現実に引き戻されてしまうわけで、日頃シルヴェストリにはそれがわりと顕著に見られる傾向があるので。   で、問題なのは物語。読めるんですよね。意外性のようなものはなくて、当たり前のように流れてゆくものを当たり前のように受け入れてゆく状態。見ていて沢山の既成作へのリンクがのんびりと頭の中に展開してゆく始末。映画では物語の創造っていうのも大切な要素な訳ですから、そこに更なるクリエイティビティが欲しかったのですが。   クラシカルな作りの中に異質なモノ(異物、かな)があるのもちょっと気になって(ブラピのおケツも異物ですな)、オーソドックスならばもっと徹底的にやってくれちゃえば、それはそれで楽しみ方があるのだけれど、と思ったのでした。
[映画館(字幕)] 7点(2017-02-14 21:55:32)
7.  マグニフィセント・セブン 《ネタバレ》 
 西部劇のお約束で固めたような、「面白いトコだけ集めました」みたいな作品で、この作品独自の個性には欠ける気もしましたが、それでも存分に楽しめました。寄せ集め軍団の人種バリエーションが豊富過ぎな部分も含めて、考証的にどうなのよ?みたいなハナシではあるのですが、細かいコトにツッコミ入れるのは野暮って感じの、思いきりエンターテイメント方向に振った西部劇。その豊富な人種バリエーションのお陰で個々のキャラが立っていたのも事実ですしね。ビョン様カッコいいわぁ。   音楽はずっと『荒野の7人』のテーマ曲の冒頭リズムを様々な形で刻みつつ、最後の最後に盛大にあのメロディに結実して「来た~!!」ってカンジで。   ただ、最後になってデンゼル・ワシントンが人を集めた理由が実は私怨によるものでした、っていうのはどうなのよ?と。それ、もう最初の方に語ってくれていれば良かったのですが。それでもついてゆきまっせ、っていうのならばともかく、そこを明かされないまま仲間となり、そして犠牲になっていったメンバーの事を思うと、ねぇ。その上、敵ボスとのケリの付け方までお約束になってましたが、それは今時さすがに気を抜き過ぎててマヌケだ、みたいな。  肝心のクライマックスで「むむ・・・」ってなってしまったので、そこで減点状態になってしまいました。   でもシネスコ画面に荒野がバーンって広がってる気持ち良さ、早撃ちとか曲乗りとか酒場での撃ち合いとか、「ハリウッド娯楽大作と言えばアメコミ映画」な時代に痛快娯楽西部劇が見られるのって、それだけでも嬉しいです。
[映画館(字幕)] 7点(2017-02-13 21:26:54)
8.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 
 個人的には「ツイッターのTLに溢れてる“映画史に残る大傑作”って程の映画じゃあねえよなあ」とは思いましたが、でも面白かったです。   映画のルール的にはどうなんだろ?って思う部分もありました。イマジナリーラインをガン無視していて、それはそれでスタイルとしてアリなんですけど、その無視し過ぎっぷりが爆走のベクトルを曖昧にしちゃってるんですね。みんなして迷走状態なの。どっち目指してるのか、逃げてるのか立ち向かってるのか、映像的に決まった方向性が無いので、もう乾いた大地をひたすらグルグルしてるだけです、って感じになって。  だからノンストップ猪突猛進映画を期待していたら、意外と足が鈍ってるところがあるぞ、みたいな。そこで今ひとつノリきれなかったかなぁ。   映画自体は西部劇の超最新作、あるいはヒャッハーの世界のチルチルとミチルみたいな、古典的な要素が礎にあって、それが独自性の強い世界観で語られるのが良かったと思います。暴力的ですが、抑制が効いていて激しい生理的嫌悪感を与えるような映像はありません。むしろそこには特有の美しさがあって。   ヒャッハーの祖がデジタルの時代の毒々しい色彩を用いてヒャッハーの美学、ヒャッハーの美を徹底的に描出してみせる、その映像と音響の陶酔感は他では得難いもの。大スクリーンに大音響という環境にこそ相応しい、イベントムービーでした。
[映画館(字幕)] 7点(2015-06-30 21:06:02)
9.  マジック・イン・ムーンライト 《ネタバレ》 
 毎度の懐古主義的ウディ・アレン作品ですが、あの時代の南仏なんて、それは確かに魅力的なわけで。あの風景、あの陽光の中に置かれて輝くエマ・ストーンの美しさ、もうそれだけで勝ったも同然、みたいな作品で。   だけど今回はさすがにちょっとひっかかってしまいました。  当然のように今回もまた主人公はウディ・アレンを色濃く反映した存在です。厭世的で毒舌で皮肉屋でエセインテリ(ここでは上流階級)嫌い。手品師と映画監督というのも同じような存在。いかにして人を上手く騙すか。だけど、ウディとは似ても似つかないコリン・ファースを以ってしても「そんな男に最終的に惚れるか?」と。  身勝手で嫌なヤツなワケですよ。友達なんていなくて、一切人を立てる事をせず、攻撃的な言葉で周囲の人間を不愉快にさせて得意気になる性格の悪さ。でも金持ちのボンボンなんかよりこっちの方がよっぽど魅力的だろ?とばかりにぐいぐいと押し付けてくる状態で、最後はハッピーエンド。  コレ、結局はウディが若返って見た目だけカッコ良くなって演じるラブストーリーなワケですよね。   「エマ・ストーン、スゲーいいよね! 彼女をモノにしちゃうボクを実現しちゃうもんね!」  そんなホンネがダダ漏れな映画。いつまで経ってもウディは若くてキレイなお嬢さんが大好きなのね、って半ば呆れ気味で映画を見終えたのでした。
[映画館(字幕)] 7点(2015-04-27 21:44:05)
10.  幕が上がる 《ネタバレ》 
※おっさん、もう誰がももクロやらAKBやらHKTやら判らんって状態ですが、お嬢様方、大変良かったと思います。真っ直ぐな青春映画をキラキラと輝かせて。  「演技の中で演技をする演技」という難題を見事にこなしていて。   問題はやっぱり本広演出ですねぇ。  まずカメラワーク。ドリーで横移動、回り込みを繰り返しますが、その効果がちゃんと出てないです。そのゆっくりとしたカメラの移動に込められた意味、みんなの中の時が流れてゆく感覚を表現しているのかな?とは思うのですが、移動の意味を次のフィックスで打消しちゃうような、移動と静止との関連性が希薄。   そしてなんと言っても内輪ネタ。本広作品なのだから、内輪ネタは必須とばかりに無理矢理入れ込んで、それが明らかに雑音になっています。っていうか、どこかでカエル急便や『スタートレック』のコスプレ男が出てくるんじゃないかと最後までドキドキしてました。監督、観客のそういう不安をわざわざこの映画に持ち込ませたかったの?   あと、ヒロインのモノローグは彼女の視点を表現するためにあって良いものだと思いましたが、先生が演技をするシーンは映像で十分に語れた筈です。あそこは彼女のモノローグがジャマをしてしまっていた、演技って何よ?っていう※   と、以上がレビュー用にメモってた文章。ツイッター見るとラジオで宇多丸さん、大体そんなような事をお話しされたみたいですね。んー。後出しになっちゃうし。   足りてない部分を書いておきますと、黒木華さんが見事でした。弱々しい印象のあるこの人の「強い役」というのがなかなか。   横移動はHFRで撮って映写すれば良かったかもしれませんね。フレーム数が多くなれば被写体が安定して煩わしさは軽減するでしょ? 繋ぎの悪さはいかんともしがたいですが。   監督は、ただ素材を活かすための演出に徹するべきだと思いました。二人だけの駅のシーンでの幻想的な雰囲気なんか良かったのですが、犬のオシッコみたいに作品内に自分のマーキングをせねば気が済まないっていうのは、もうやめた方がいいんじゃないかと。   そんな感じです。
[映画館(邦画)] 7点(2015-03-08 00:35:01)
11.  マエストロ! 《ネタバレ》 
 脚本にはアラが目立ちます。特にクライマックスの2日目の公演については脚本上、上手に処理しきれていない部分だらけ。ポスターに2回公演と明記されながら2日目のチケットが販売されなかった事の不自然さは、携帯からネットでの口コミが見られる世界として描いてしまった以上、一発で判ると思うのですが。  その2日目の公演にしても天道のエゴばかりが先走った上での到達点のように思え、結局彼は自分のためだけの音に執着し続けただけのキャラのように感じました。   ですが、音楽に真摯に向き合う姿勢はきっちりと伝わってきました。人が奏でる「音の見せ方」がとても上手いと思います。その音がどういう背景から紡ぎ出されてゆくのか、楽器が人と音との間に存在していかに芸術に昇華されてゆくのか。  音をただサウンドトラックに記録されスピーカーから再生されるものとしてだけでなく(音響設備がそれなりに良いハコで見たので、そのプロの音のみでも十分に圧倒されるのですが)、ビジュアルとしてスクリーンに描く事について、この映画は真面目に取り組んでいました。   「音楽って素晴らしいものなんだよ」という単純な話、でもそれが人の心から生み出されてくるものであるという当たり前でありながらそこに思い至る事がなかなか無い事を改めて認識させてくれる映画でした。そして、その音を生み出す「人の心」に説得力が感じられたのは、やっぱり役者さん達の好演によるものだったと思います。もちろんその音は彼らが実際に演奏した音ではありませんが、心地良く騙してくれました。
[映画館(邦画)] 7点(2015-02-04 22:55:09)(良:1票)
12.  舞妓はレディ 《ネタバレ》 
 年に1~2回、京都旅行にでかけて、老後は京都に住みたい(宝くじでも当たればね・・・)と思っている私にとって(両親とも代々目黒なバリバリの東京モンですけどね)、京都は憧れの世界。  その京都の伝統、文化、そこに生きる人を伝えている部分はとても良かったと思います。絵葉書的な定番の風景も出てきますが、舞妓の世界から見た京都の生活というのがとても興味深くて。   一方、今年は『アナと雪の女王』19回見たりとか宝塚ハマって8回見たりとか(今年あとプラス3回予定)、ミュージカルづいておりますが、この映画、ミュージカルってモノとしてはダメダメな感じなんですよね。  歌や踊りにちゃんと命が通ってないの。なんていうか、とってもハンパなモノを見せられてるなぁ、って感じで。普通に演技している部分はいいのに、なんでミュージカルシーンになると途端に画がダラけてるようなふざけてるような、いい加減なモノになっちゃうんでしょ?  歌で心に響いたのって大原櫻子(このコは『カノジョは嘘を愛しすぎてる』でも聴かせてくれましたねぇ)のところだけ。主役のコも上手いけれども踊りや表情は全然な感じ。ベテラン俳優の皆様に至っては、見ていてキビシイとしか。   『Shall we ダンス?』(宝塚版も見させて頂きました)のダンス教室メンバーが揃って出演していて、ラストにはあの二人が復活したりもしていますが、そういう内輪ウケ的ノリが必ずしも良い方向に機能していたとは言い難い感じで。特に監督の奥さんのミュージカル部分、あそこは丸々要らなかったんじゃないかなぁ。その分、尺を削って欲しかった感じが。   京の伝統の大切さについて言及している映画が、ミュージカル映画とか歌謡映画とかの伝統を軽視しているように見えてしまうのは問題だなぁ。
[映画館(邦画)] 6点(2014-09-14 20:22:11)
13.  マレフィセント 《ネタバレ》 
 予告では『眠れる森の美女』の映像を使って売り込んでましたが、むしろあの映画の事は一切忘れた方がいいような内容で。まるで別物になっております。  っていうか、今年大ヒットした、一大ブームを巻き起こしたディズニーのアレと物語ほぼ一緒。あー、実写組とアニメ組とで内容カブっちゃったねー、みたいな。   マレフィセントの人間臭さ(妖精ですが)に焦点を当てた映画、ゆえに彼女の魅力はよく出ていると思います。そして、その分、物語は起伏に乏しく、カサがあまり無い感じで。中盤はひたすらオーロラ姫を陰から見守るマレフィセントのいじらしさ(ツンデレっぷり)が描かれるので「あら、マレ様ったら素直じゃないんだからぁ」ってトコロを楽しめる人ならば吉、でもそればっかりで物語はさして転がらないので物足りない人もいるんじゃないでしょうかねぇ。   最終的に最近のディズニー作品『魔法にかけられて』『プリンセスと魔法のキス』そして前記の例のアレと同じく定番の展開をワザと外す事で女性の自立を謳い上げているあたり、逆にちょっとパターン化されている感じもあります。   でも、ディズニーのこういう幻想的な感じ、伝統に裏打ちされた美しさ、そこに抗い難い魅力があるのは確かで、そこにアンジーが見事にハマっていて私にとってはもうそれだけでご馳走のような映画。『アリス・イン・ワンダーランド』や『オズ はじまりの戦い』よりも毒気が薄い分、嫌な臭味も感じませんし。   問題は、これまでなんとなく自社の過去作を揶揄してきた最近のディズニー、今回は具体的な作品をモロに否定に近い形で描いた事。天国のウォルトに怒られちゃわないかな?
[映画館(字幕)] 7点(2014-07-12 14:52:55)(良:1票)
14.  魔女の宅急便(2014) 《ネタバレ》 
 飛行シーンのデジタル合成映像が軒並みダメで、今時こんなモンしか作れないのか?ってくらいに酷いのですが、それ以外のビジュアルは良好です。特にロケーションを活かした美術デザインがとても雰囲気良くて。ああ、こういう和と洋とがキレイに混じった世界っていいなぁ、って。   問題は物語の方。そんなステキな世界でかなりギスギスとした、暗い話が多くを占めていて。ドラマを「作る」ために嫌な性格の人間を散りばめてあるんですね。  嫌がらせにキキを利用する女の子や、キキに延々と怒鳴り散らす動物園の職員、荷物を届ける先の人間等、ひたすらキキにとって負の作用をもたらす存在として設定してあって。トンボですら、延々とキキに冷たい状態ですし。   で、その連中が改心する、態度を改める、優しくなる、そういう「大きな振れ幅」を与える事で「ドラマを作る」「感動させる」って、それ、簡単なんですよ。安易なの。その振れ幅が大きい連中ばかりでストーリーライン埋めてるの。  一人の女の子の成長物語であるならば、もう少し繊細に、丁寧にエピソードを重ねるべきなんじゃないかな、って思うんですよね。  あと、ジジの扱いが後半雑になったまま、っていうのが個人的にイヤ。   せっかく美術設定も役者もいいのに、なんか素材を大切にしていない脚本だと思いました。   あと、タイトルバックの画がアニメ版とほぼ一緒(飛んでる方向が逆ですが)、エンディングの構成もアニメ版に準拠と、なんかココ!ってところでアニメ版に寄っちゃってるのが疑問でした。私だったら意地でも全く別のモノにしちゃうのに。
[映画館(邦画)] 5点(2014-03-09 15:07:01)(良:1票)
15.  マイティ・ソー/ダーク・ワールド 《ネタバレ》 
 アレコレと予告編的映画が公開された上でやっと『アベンジャーズ』が登場したわけですが、今度は『アベンジャーズ2』のための予告編的映画が出てきた状態で。それでも楽しみどころの1つや2つあるでしょう、って。  んー、今回も見どころはダーシーくらいでしたかねぇ。キャラ的に面白いの、彼女だけ。つーか、前作よりは見せ場が多かったので良かったかな。ダーシー限定で。   なんで「たまたま」あんな大変な事になるのがソーのお知り合いのナタリー・ポートマンなの? こういう映画ではそういうのってツッコんじゃダメなの? コレにしろ『マン・オブ・スティール』にしろ『スパイダーマン』にしろ、物語を運ぶのが元からのお知り合いばかりだったりするのですが、それってアメコミもののお約束だったりするのでしょうか?   クライマックスで違う世界が開いてあちこち行ったり来たり、ハンマー迷いまくりっていうのは面白かったですが、物語自体はアメコミものの定型フォーマットを踏んでゆくばかり。エンディング後にオマケ付き、なんていうのまで含めてマンネリ感がハンパないです。   もうすぐもう一本の予告編的映画『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』が登場しますが、アチラにはスカヨハのブラック・ウィドウが登場するので、少なくともそこはお楽しみどころですね。うん。
[映画館(字幕)] 5点(2014-03-04 21:34:19)(良:1票)
16.  マチェーテ・キルズ 《ネタバレ》 
 オープニングに付いてる予告編で結果的に本編のネタバレしちゃってるという。物語的にあんまり関連性が無いモノだと思ってたら、本編がどんどん予告編の内容に近づいていって、ちょっと肩すかし。今回はちゃんと完結しませんよ、って予め宣言されちゃってる状態ですからねぇ。   『マチェーテ』、今回は中途半端なシロモノになってしまった感じで。   元々は場末の映画館にかかっている映画『グラインドハウス』ネタの一編だった訳ですが、今回はフィルム傷は予告編部分とタイトル部分のみで本編はペカーッとキレイという統一感の無さ。   冒頭からしばらく続く「物語」はそれなりに「作られてる」状態で、なのでそこに小ネタを色々と挟んでみても、それがネタとして機能しきれておらず、むしろマジでB級な下手クソな演出に見えてしまうという。   一方、後半になるとひたすらネタ映画になっていって『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』の安直なパロディをやり始めたあたりでただのお遊びにつきあってるような状態になってしまって。  単純に「くだらねー」って楽しめればいいのですが、そのくだらなさの先が感じられないんですよね。映画独自の面白さが希薄。ネタの多くも前作のパロディという形になってしまっていますし。   そんな中ではやっぱりロドリゲスだけあってお姉さん達が魅力的なのですが、でもそこも物語が弾けていないためにちゃんと活躍できていなくて今一つなんですよねぇ。   物語に振り回されるキャラとキャラに振り回される物語、これが二元的に存在して(そう、あの多重人格キャラのように)相互に映画の足を引っ張っている感じがしました。
[映画館(字幕)] 5点(2014-03-04 21:03:37)(良:1票)
17.  魔女っこ姉妹のヨヨとネネ 《ネタバレ》 
 脚本がダメです。  『ヨヨとネネ』って言いながらネネが殆ど活躍しないですし(ビジュアル的にむしろネネの方に動いて欲しかったのよね・・・)、ヨヨの寸法がいきなり伸びる理由が判りませんし、人物が整理されていなくてクライマックスに回りくどい展開をさせるためだけに設定されたキャラ達という感じで。このファンタジーにわざわざあんなゴチャゴチャとややこしいクライマックスが必要でしたか?   そして最大の難点、「え? なんでいきなり細田キャラなの?」。お父さんは『サマーウォーズ』とか『おおかみこども』とかの登場人物ですよね? 脚本的に細田作品(や宮崎作品)からの影響がデカいのもアレなのですが、デザインごと細田作品な状態はそれでいいのか?と(物語的には超微妙作『豆富小僧』にもよく似ておりましたが)。   にしても、シネマスコープの画面に展開するファンタジーアニメの世界は素晴らしくて。  色彩豊かな魔法の世界、生命を与えられて動きまわるキャラクター達。できれば現実社会とのリンク作ではなくて魔法世界を中心にした物語にして欲しかった気もします。   ヨヨの成長の物語は多分に『魔女の宅急便』を思わせはしますが、生死と人の心とを学んでゆく過程を素直に受け入れられました。   また、音楽が大変に素晴らしくてメチャカッコいいメインタイトル曲で泣けるという「音楽で泣けた珍しい映画」だったりするのですが、何故かサントラが今のところ発売されていないのが謎だったりします。   ダメなところが多い作品ではあります。でも、ダメって棄ててしまうには忍びない、あまりに愛おしい要素がタップリな世界、なので偏愛的評価を。
[映画館(邦画)] 7点(2014-01-06 20:16:01)
18.  マン・オブ・スティール 《ネタバレ》 
 ヤクザ連中がいきなりなだれ込んできて勝手に抗争をおっ始めて流れ弾があちこち当たりまくりで人死にまくりの物壊しまくり、その上で片方が「私は味方です」って言ってきたところでそんなん納得できますか?っての。そんな映画。   今回のスーパーマンは「地球のため人類のため」って看板だけはぶら下げてますが、実際にやらかした事と言えば生まれた星のいざこざに地球を巻き込んだだけ。見境なく大暴れして、あれでどんだけ人死に出したのやら。スーパーマンってのは人を救ってナンボじゃないんかいな、と。   で、暴れてぶっ飛んで落ちた先にいちいち知り合いがいるの。落ちたその場でドラマ始まるの。もう宇宙空間までぶっ飛んでいっても落ちるとピンポイントで知り合いの前に落下。よくもこんなアホな脚本が書けるもので。   後半になると物語が飛び飛びになってしまって、オッサンなんで気軽に宇宙船に辿り着いてるねん、そしてそのキーアイテムお気軽に使えてるねんとか、お前いきなりなにを見境なく勝手に特攻決め込んでるねんとか、唐突で繋がりの無い雑な運びで見ていてアホらしくなってしまい。   地球あぶない、地球ピンチ!みたいな大ゴトスペクタクル状態ではありますが、それがスーパーマンとゾット将軍一味の中だけで繰り広げられているものだから、なんだかなぁ。   カメラがバカみたいにブンブン振り回し系なので3Dには不向き。つーかそんな映像を3Dにしちゃダメ。頭痛くなるわ。   にしても、出てくる役者さん達の多くがお馴染みの人々で、そしてみんな随分老け込んだねぇ、って思わせちゃう状態で(ケヴィンとかダイアンとかエイミーとかローレンスとか)、リブートだっていうのにフレッシュさ皆無!みたいな映画でした。スーパーマンもなんかオッサンでしたしね。   どうせならもっともっと違ったスーパーマンで良かったのに。リチャード・ドナー版の方が色々盛り込まれてて楽しめたなぁ。
[映画館(字幕)] 4点(2013-09-26 20:55:47)(笑:1票) (良:1票)
19.  真夏の方程式 《ネタバレ》 
 それまで反復されてきたセリフが最後に映画を支配するメッセージとして結実した瞬間に「ああ、なるほど!」と納得しました。  開発の問題も、それぞれが抱え込んだ問題も、そしてこの物語が受け手に向って投げかけたものも、全てはそこに集約されてゆくのだと。  であるならば、当然、そこに明快な判りやすいオチなどが存在する訳もなく。   犯罪とそれにまつわる人々のあり様は基本的に前作『容疑者Xの献身』と似たような話に思えます。ですが、今作では海洋資源開発の是非が早々に語られる事で、パーソナルではない、もう少し広い何かを語ろうとしているのが垣間見えます。そして、それは湯川の言うように決して0か100かではない、選択の問題。  数値化できない人の心に対する湯川なりの解答。   美しく捉えられた海の映像に対比されるように描かれる閉ざされたそれぞれの心。  杏の日焼けした健康美と内に秘めた秘密。  幾つにも渡って描かれる対比構造が、この映画のキーとなり、そのメッセージを織り成してゆきます。  登場した人々に対して道を示した湯川は伝道者のような存在であったのかもしれません。   『ガリレオ』自体には興味が無い状態ゆえ、前作では『ガリレオ』的部分が余計に思えたのですが、今回はそれを全く感じさせず、一本の独立した映画として冒頭から終わりまで一切ダレる事なく楽しませて貰えました。  杏と比較してしまうと可哀想なくらいに魅力を消されまくっているつまんない吉高由里子はどうかと思いはしましたが。
[映画館(邦画)] 9点(2013-07-01 23:50:50)
20.  マダガスカル3 《ネタバレ》 
「アニメとは運動する絵である」。そんな当たり前の事が、このところのアニメからすっぽりと抜け落ちていたような気がします。絵が世界を説明し物語を運ぶための手段としてばかり機能していて、ピクサーやアート系作家の作品ですら物語の前で絵は道具としての役割以上のものを担っていないような、それだけアニメの表現法に停滞感が漂っているような。そんな中で目からウロコ、まさかの『マダガスカル3』。「運動する絵」の生み出す純粋な楽しさ美しさに溢れ、ドタバタカートゥーンから3DCGアートまでを駆け抜けてみせます。基本中の基本な追いかけっこの楽しさ、反復される飛翔と落下、推進力と重力の生み出す気持ち良さ、そしてサーカスシーンでのCGが生み出す動く絵の美。一本のアニメ映画にアニメが本来持つ魅力が網羅されているような状態。更には3Dが効果的である以上に3Dの視覚効果をアートとして成立させる見事なテクニック。ドリームワークスアニメーションの3Dは常に他より先を行っているのですが、遂にここまで来たか、という感じ。ファミリー向け娯楽アニメがアートでアート作品を圧倒し、先進性でアニメ先進国のアニメを圧倒してゆく、ハリウッドだの巨大資本だのと文句をタレる前にとにかくこの圧倒感を味わって頂きたいです。
[映画館(吹替)] 9点(2012-08-09 15:58:07)(良:2票)
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