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1.  毎日かあさん 《ネタバレ》 
ダイニングとリビングの二間、玄関の内と外、小泉今日子の仕事部屋のデスクと奥のドア、透明なテラスの上と下、子供たちが乗るメリーゴーラウンドと手前のベンチ等々。  二つの空間を1フレーム内に取り入れた縦の構図によって奥行きのある立体的な空間を達成している。  その奥と手前それぞれに的確に配置された小泉今日子・永瀬正敏・小西舞優・矢部光祐の4人はロングショットと長回しによって群像としての家族を全身で生きている。  手を繋ぐ、じゃれ合う、抓る、叩く、抱く、と映画的な接触のコミュニケーションも愛情表現として大変豊かだ。  公園でのままごと、ひな祭りの写真撮影など、4人が固定フレームの中で絡む芝居はまさに演技を超えた仲睦まじい家族そのもののドキュメンタリ―の感すらある。  単純な切り返しの会話がなく、複数の人物を極力1つのショットに収め、パンフォーカスによって深い被写界の中で彼らを絡ませることで、個々人の身体はフレームに寸断されることなく、その関係性がより強固に炙り出されるという具合だ。  父のいる海へ行こうと、小さな水色のビニールプールで光る川を下る兄妹の姿の美しさといったらない。  車中での離婚届けへの捺印を挟んで、それまでツーショットで映っていた小泉と永瀬が個々の単独ショットに切り替わるなどといった演出も細やかである。  あるいは、店名の一部である「子」の字の映る飲み屋街のガラス戸。そこに映った永瀬の顔にフラッシュバックの返り血が浴びせられるインパクト。 フェリーニのような人工の川面。 親子が釣りに興じるシーンの少々賑やかな『父ありき』。 藍色の海の豊かな色彩とアニメーション。  工夫を凝らした奔放な発想が随所に挿入され、まったく飽きさせない。  そして、エンディングの「家族の肖像」がまたダメ押し的に素晴らしい。  問われるべきは、原作に忠実か、モデルと相似しているかといった事ではなく、 小林聖太郎独自の映画となっているかどうかだ。 
[DVD(邦画)] 9点(2012-05-27 22:47:19)
2.  マッチ売りの少女(1928)
アンデルセン童話を原作とする詩的な題材と、ルノワール流リアリズムの融合。  そのフィルモグラフィーの中でも最も詩情豊かなフィルムかと思う。  夜の街のミニチュア、多重露出、逆回転、スローモーションと、ふんだんなトリック撮影が作り出す目眩めく夢幻的イメージが、手工業的テクニックの温かみと相俟って味わい深い。 とりわけ、雲海を駆ける馬同士のチェイスの荒々しい迫力は圧倒的で素晴らしい。  白黒のコントラストの強いVTR版ではパンクロフィルムの効果をあまり確認出来ないが、雪の白の鮮やかさやカトリーヌ・エスランのクロースアップの魅力を十分伝えていると共に、逆に童話の挿絵のような効果を醸していてこれもまた情緒がある。  夜明けのエンディングは、遺作『小劇場』の一挿話とも響き合って感慨深い。 
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2012-01-04 21:05:43)
3.  まごころ(1939)
題材とも合致した、鈴木博の本領といえる軟らかな画調が滋味深い。  少女たちが泣きじゃくる校庭のベンチの上で揺れる木立、小川のせせらぎと川面の光の揺れ、風に揺れる畑のとうもろこしや小川に沿った並木道の道端に咲く野花など等。 郷愁に満ちた生活空間の風情はロケ地選びや画面構成の力量だけでなく、ソフトなタッチを活かした珠玉の撮影あってこそのものである。  二人の少女の画面映えも素晴らしい。(団扇から顔半分覗かせる加藤照子のショットが絶品。)  映画研究塾の成瀬論を応用するならば、「背負い歩き」、「振り返り」、「顔のふれあい」、「びっこ引き」といった豊かな具象的イメージがまず監督にあり、それらを導き出すものとして水浴中の怪我のエピソードが逆算的に設定されたのはまず間違いない。 その上で、親同士の再会という説話的流れも並行して違和感なく発展させてしまうのだから見事だ。  小川、児童、おんぶ、縦構図の一本道と、同時期の清水宏の画面と何気なしに響きあう点も感慨深い。
[映画館(邦画)] 9点(2009-07-20 19:00:02)
4.  街の野獣(1950)
実景による街の俯瞰ショットは、人間の矮小さをも際立たす。冒頭で闇の街中を逃げ回るリチャード・ウィドマークの人影もその卑小さを強く印象付け、続くジーン・ティアニーのアパート階段上から彼を捉えるカメラアングルもまた、その勾配がもたらす遠近法によってその孤立を駄目押しするかのようだ。一方の屋内空間では、極端なパースを活かした構図や仰角画面によって顔面はいびつにデフォルメされ、空間の狭さが強調される。これら「見晴らしの悪い夜の屋外実景」と「窮屈な屋内セット」の二段活用は、何処へも「逃げ出せない」という主題と、物語の結末の暗示ともなる。終盤の逃走場面に登場する工事現場内の狭いらせん階段の歪曲と闇がもたらす切迫感、レスリング場面の張り詰めた重量感と迫真性も非情に見事である。
[DVD(字幕)] 9点(2009-05-09 22:11:47)
5.  マリアンヌ 《ネタバレ》 
古典的ドラマの味わいと共に、それを語る古典的な映画表現の技が楽しめる。  二重スパイものと来れば、虚像と実像を仄めかす鏡の道具立ては外せない。 疑心暗鬼となる二人それぞれのスペースを縦に分断する後景の窓枠やドアの仕切りも必須だろう。 車の窓も、透過しているように見えながら外界と内側を遮断する壁である。 そして記念写真。  それらを幾度となく変奏させつつドラマを語る空間演出は、さすがゼメキスである。 居住空間内の構造を活かして様々な死角を造り、人物をフレーム内外で出入りさせる手捌きも見事なら、 カードを鮮やかに切る手からカメラを上げてブラッド・ピット本人の顔に繋げる、戦闘機の着陸からコクピットの彼へとワンカットで繋ぐ など、如何にも本人の実演である風にさりげなくアピールするカメラワークも巧みだ。  落ち着いたサスペンスとロマンスが主調かと思いきや、 監獄から車で逃走するB・ピットが、カーヴの遠心力を利用してで飛びのきつつ、手榴弾で装甲車を撃破するショットなどの しなやかなアクション感覚なども軽やかに織り交ぜて唸らせる。  映画ラストの回想シーン、B・ピットとマリオン・コティヤール二人の「最後の日曜日」のシーンだが、垂直のラインで分断されていた二人は、歩く愛娘を間に介して水平のラインによってしっかり繋ぎ合わされる。感動的だ。
[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2017-02-12 20:29:35)
6.  牧野物語 養蚕篇 -映画のための映画- 《ネタバレ》 
映画の中で木村サトさんから養蚕を学ぶ小川プロのスタッフ、白石洋子氏が次第に手馴れていき、カメラの前で解説する言葉も より流暢に、頼もしくなっていくのが感動的だ。 当初は標準語交じりで固い感じだった木村さんの話し言葉も次第にお国言葉が出て打ち解けてくる。  長年の試行錯誤から導かれただろう養蚕の知恵や経験則が詳細に綴られるのにも、ぐんぐんと成長する蚕の生命力にも圧倒されるが、 真摯に作業に取り組むスタッフと、農家の方との協働と交流から深まっていく関係性が画面から滲み出て来るのに打たれる。  陽の当たる庭先で木村さん母娘と白石氏が並んで語る、その前を白い蝶がすっと横切る幸福感。
[DVD(邦画)] 8点(2017-01-20 19:06:40)
7.  真夏の方程式 《ネタバレ》 
原作では海辺が舞台となる謎解きシーンは、映画では取調べ室に置き換えられる。  本来なら、その後に続く杏と風吹ジュンの面会シーンのようなセットとしたほうが いかにも現実的で「ツッコまれ」ないだろうが、映画はあの部屋を要請する。  劇中で幾度も変奏されてきた反射装置の極め付けと云うべきミラーガラスが そこにあるからに他ならない。  この1枚の仕切りを介した視線の劇が、 『パリ、テキサス』とはまた別種の形容し難い情感を生む。  母娘の正対する面会シーンもまた、仕切りを介して現在と過去を交錯させる。  息せき切って走る、フラッシュバックの中の娘。 揺れる水面上で、マジックミラーの背後で、喘ぐように嗚咽する現在の娘。 女優の呼吸が、ヒロインのキャラクターに文字通り生を吹き込んでいる。  そして疑似父子としての福山雅治と山崎光が 幾度もロケット実験を繰り返すシーンの清々しさは、その放物線の美しさと共に 『父ありき』の川釣りのシーンにこじつけたくもなる。  二人が横並びで座る駅舎のベンチシーン。 福山の誠実な語りの響きがいい。 
[映画館(邦画)] 8点(2013-07-02 23:17:58)
8.  マンハッタンの二人の男 《ネタバレ》 
ネオンが輝く夜の街路を緩やかな縦移動で捉える冒頭からして、ニューヨークの街そのものが映画の主役といって良い。  地下鉄内のメルヴィル自身を映し出すゲリラ的な撮影スタイルに、摩天楼の背景とアパートベランダの男たちとを同格で捉える構図に、つまりは人間と街の空気をまるごと捉えようとする画面自体に、アメリカ狂らしい「街」への偏愛が滲んでいる。  メルヴィル自身が監督・脚本・主演のみならず、撮影までこなしているのもその証左だ。  深夜のマンハッタンを中心にラストの明け方の街路に到るまで、屋外シーンは生々しい感覚と魅力に満ち、混沌としている。  一方で、病院内で面会を強行するシーン、女優のアパートで真相を知るシーンといったセット撮影での静かな緊張感も陰影の深い撮影によって印象強い。  さらには聞き込み先の録音スタジオ、ダイナー、バーの各所で効果的に採り入れられるジャズ演奏も、相乗的にノワールムードを盛り上げている。 
[ビデオ(字幕)] 8点(2011-07-17 19:03:56)
9.  幻の女(1944)
ロバート・シオドマクなら断然『らせん階段』か『殺人者』だが、これも相当いい。 原作は、『裏窓』、『黒衣の花嫁』のコーネル・ウールリッチ。  ボスの無実を晴らすため、彼を慕う秘書(エラ・レインズ)が夜の街を奔走する。 彼女が意を決し、酒場に張り込むあたりからの緊迫感がただならない。 閉店後の店主を尾行するシーンでの、光と影のコントラストは実に見事。 雨上がりで濡れた街路の硬質な艶が映える。 書割りの夜景と駅ホームのセットの絶妙な融合によって、画面には夢幻的なムードも漂う。 その駅ホームには、尾行してきた秘書と店主二人きり。ゆっくりと彼女の背後にまわる店主。 二人の間に流れる静かなサスペンスが素晴らしい。 通過する列車を、二人を照らす光の流れのみで表現する、そのドイツ的明暗法の鮮烈な印象。 裁判シーンもまた、速記録と傍聴席側の人物のリアクションのみを映し出し、証人や弁護士や裁判員の一切を大胆に省略してみせる。  列車が映らなくとも、裁判所セットが無くとも、低予算という消極的イメージをまるで感じさせない。最小限のセットと光と影のみを逆に強みとして豊かなイメージを創出してしまう手際は鮮やかの一語。  スポットライトに浮かび上がる犯人の白い両手の禍々しさ。彼の部屋に置かれた手や顔のオブジェの奇怪さ。登場人物たちの神経症的な様。ジャズ演奏の生々しさと、ノワール的モチーフも豊かだ。   『深夜の告白』とはまた一味違う、ラストのディクタフォン(口述録音機)の活用法も粋でいい。 
[DVD(字幕)] 8点(2011-02-08 22:34:20)
10.  魔術師(1926) 《ネタバレ》 
アリス・テリー(レックス・イングラム監督の妻)を苛む幻覚シーンは、ベンヤミン・クリステンセンの『魔女』(1921)の怪奇幻想イメージとも通じ合う鮮烈さ。フットライトの効果で不気味に浮かび上がるマッド・ドクター役:パウル・ヴェゲナーの形相がまた恐怖度満点である。  冒頭に登場する巨大な牧師の彫像のデザインと質感からして禍々しい。 さらに雨と稲光と炎、薬品から立ち上る過剰な蒸気、モンテカルロの村や崖上の「魔術師の塔」の佇まいと、怪奇ムードを煽るアイテムが目白押しだ。 『フランケンシュタイン』への影響も十分に納得性がある。  クライマックスは手術台の上で拘束されるアリス・テリーに迫る危機と、救助に向かうイワン・ペドロヴィッチらのクロスカッティング。 塔までの道中が少々もたついて、グリフィスの速度感と切迫感にはやはり及ばないが、格闘アクションはスピード感があり素晴らしい。 壁に突き刺さるメス。溶鉱炉の炎。燃え落ちる塔のロングショットが印象的だ。 
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-16 22:50:41)
11.  マンチェスター・バイ・ザ・シー 《ネタバレ》 
終盤で語り合うケイシー・アフレックとミシェル・ウィリアムズのツーショット。和解のムードだが、 二人の背景にあるのは、両者を縦に隔てる壁と空のラインであり、安易なハッピー/バッドエンド作劇を良しとはしない。  ボールをやり取りしながら坂道を歩く義理の父子の、引きのショット。あるいは釣り糸を垂れる二つの寡黙な背中のほどよい距離感が絶妙だ。 胸に沁みるラストになっている。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2017-05-15 23:59:35)
12.  マネーモンスター 《ネタバレ》 
100分足らずのスピーディな展開の中、いわゆるストックホルム症候群的な主人公の感情の変化が明確に表現されていて キャラクターへの好感を無理なく抱かせる。 臨機応変に男たちに指示を伝えるジュリア・ロバーツ、上司に敢然と反旗を翻すカトリーナ・バルフら、スマートで颯爽とした女性像も印象的である。  複数のカメラ映像の中から適切なショットを即座に選び取り、俳優やカメラマンに指示を与え、効果的な引用映像を適宜インサート編集しつつ現場を仕切り、 尚且つ外部との情報収集も同時進行で行っていくJ・ロバーツの聡明なさまは監督本人を思わせる。 そこでさりげなく挟まれるのがハワード・ホークスだったりするセンスも堪らない。  スタジオを脱出したジョージ・クルーニーがエレベーター内でJ・ロバーツが聞いているのを知ってか知らずか 彼女に対する真情を吐露する。それをモニターで見る彼女は緊張の中、一瞬表情を緩ませる。そんな瞬間の積み重ねがラストの ツーショットに向けじわじわと効いていく。  対象を追い続けたカメラマンは、事件の顛末にそっとカメラを反らし、それを我々の側に向けて置く。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2016-06-12 20:56:50)
13.  マネー・ショート 華麗なる大逆転 《ネタバレ》 
いかにも、グリーングラス御用達のバリー・アクロイドらしいラフな手持ちカメラが実録風を演出する。 クリスチャン・ベールの表情にズームしつつピントを合わせてみせる手つきなどが相変わらずワザトラシイ。 当時の風俗のスチルが目まぐるしくコラージュされ、饒舌なビジネス台詞の応酬に嫌でも集中させられる。  システムのいかがわしさに次第に焦燥を表していくクリスチャン・ベールの神経症気味の芝居も相変わらず達者なら、 頑固一徹を体現するスティーブ・カレルの気難しい表情も次第にヒューモアを醸していく。  当初はクセのある身振りを見せる主人公らの姿が逆に真っ当さに転換し、業界全体のアブノーマルを炙り出していく。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2016-03-13 08:28:36)
14.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 
なぜ『2』かといえば、それが最も『駅馬車』的、即ち最も西部劇的だからだろうか。 近未来ものでありながら、狼煙としての発煙弾、砂嵐や土埃、 塩湖や奇岩や峡谷のスペクタクル、投擲と銃砲による襲撃などなど、 原初的でアナログな西部劇の風情が新鮮な魅力となっている。  (ついでにブルーの『アメリカの夜』(day for night)の魅力も加えておこう。)  原初的というなら、一台のビークルの構造をとことん使いこなし車上を動き回るアクションや、 メカニックを自壊させていくアナーキーぶりは『キートンの大列車追跡』や『マルクスの二挺拳銃』に遡ってもいい。 竿の反動を使った良きアナクロアクションなどは特に楽しい。  序盤の残念なコマ落としアクションではこの先どうなるかと不安になったが。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2015-06-24 23:58:09)
15.  マグニフィセント・セブン 《ネタバレ》 
女性の活躍度を上げて、多様な人種に配慮して、アクションと爆発はよりスぺクタキュラーにと、『スターウォーズ』シリーズをはじめとして リメイク・リブート・スピンオフ絡みの大作のアップデートはほぼこのパターンだ。 逆にこれが制約になってきてしまうのも映画にとってどうなのか。  本作ではさらにいわゆるLGBT、PTSDとてんこ盛りである。  それによってイーサン・ホークを一旦退場させてみたりという解りやすい段取りもただまどろっこしく、待ちかねた戦列復帰のカタルシスも低調である。 クライマックスの大乱戦も物量志向となったはいいが、観る側にとっても敵味方が判別しづらいショットが多い。  黒澤版のように折角地図を用いているのだから、これをもっと活用すればかなり良くなっただろうに。  だが、曲芸乗りのように馬を駆って発砲するD・ワシントンなど、馬の疾走のショットはいずれも素晴らしい。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-02-15 23:54:14)
16.  舞妓物語(1954) 《ネタバレ》 
若尾文子は前年の溝口健二『祇園囃子』に引き続いての舞妓役だけあって、初々しいながらも貫禄も十分。 踊りも堂に入っている。 入江たか子の母親の前では子供っぽく、恋敵となる阿井三千子と対峙するシーンでは凛とした表情で、 またコスチュームも、根上淳とのデートシーンでの明朗な学生服姿と、座敷を務める着物姿とで多彩に魅せる。  様々なしがらみによって悲劇的な趣を強めていくドラマと共に、祇園の世界は暗い画調だが、 根上と連れ合って歩く高台や河原など、随所に挟まれる京都の開放的なロケーションに救われる。 特に、舞妓仲間が声援を送るラストの河原と橋がいい。
[DVD(邦画)] 6点(2016-11-27 23:17:52)
17.  マイ・インターン 《ネタバレ》 
アン・ハサウェイがオフィス内を自転車で颯爽と駆け抜けるという折角の設定な訳だが、それがエクササイズの為でもあるという説明には余念がない割に 肝心な画面的な面白さになっていかないのがもどかしい。ただ単に独特なキャラクターであるとの意味付け以上のものが見いだせない。  中盤のメール誤送信騒ぎのエピソードも、ドラマ上の重要性は薄い訳だから何らかのアクション的盛り上がりを狙ってのものと思うが、 それならそれでもっとコミカルなドタバタを躍動的に見せて欲しい。  というわけで、もっとアクティブな演出をみせてくれれば嬉しいが、かわりにカッティングの小気味良さは其処此処で光っている。 物流倉庫でラッピングを指導するヒロインと、それを見守る紳士との切り返しショットのさりげない印象付け。 教会でのサイレント的なユーモアもいい。  衣装の映画だけにアン・ハサウェイもロバート・デ・ニーロもその着こなしが素晴らしく、ファッションが俳優の魅力をさらに引き立てている。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2015-10-15 23:37:14)
18.  幕が上がる
琥珀色の落ち着いたライトの下、ヒロインら2人が駅のベンチに座って語り合う。 『踊る大捜査線』シリーズでもそうだが、本広監督はこうした 「二者が長椅子に座って語る」シーンに冴えを見せる。 2人の向き、距離、所作、目線を丁寧に指導しているはずだ。 直前の観劇シーンでダイナミックな俳優の芝居とアップテンポの編集を見せた後に は抜かりなく「緩」のシーンを入れて波をつくる辺り、計算通りだろう。 本作では2人に寄り添うカメラポジションだが、いいシーンに仕上がっている。  前半のカメラ移動の煩わしさもこの辺りではもう気にならない。  エンディングは『時をかける少女』のインパクトには及ばなかったか。 
[映画館(邦画)] 6点(2015-03-16 14:47:13)
19.  まほろ駅前狂騒曲 《ネタバレ》 
坂で始まり桜坂で終わる、「はる」の映画である。  新井浩文らを始め、主人公コンビのドラマに深く関わるわけではないが 老若男女を幅広くそして浅く配置して、街の劇を構築している。  娘が最終的に瑛太を「お父さん」と呼ぶに至る別れのシーンがひとつの クライマックスと云ってよいだろうが、感動が今ひとつ弱いのは何故だろうか。  便利屋の仕事を協働する、ベッドで添い寝する、抱きかかえる、という 交流描写もあるにはあるが、それらのシーンをラストで観客に想起させるべき (例えば『ALWAYS 続・三丁目の夕日』での「ハンドクリーム」に類するような) 視覚的アクセントが欠けているのではないか。  
[映画館(邦画)] 6点(2014-10-19 20:57:21)
20.  舞妓はレディ
観光名所の絵葉書ショットも題材も、海外マーケット狙いの思惑が見え透いて辛い。 そうなると、赤いワンポイント小道具や、上白石萌音と富司純子が正座しての 正対切り返しや、そこでの富司の台詞中に挟まれる6つの空ショットといった 周防監督の小津趣味も、海外への目配せと勘ぐってもしまう。 常連組の馴れ合いじみた箇所も余計に感じるし、ミュージカル部分も各役者に無理に 割り当てていないか。この作品なら二時間を切るのが妥当と思う。  オープンセットではないだろうが、長谷川博己と上白石が連れ立って歩く橋の横手の柳 が風にそよいでいたり、水遣りのあとか、雨のあとか、石畳が湿って 光を反射していたりといった細やかな仕事は基本に忠実である。  草刈民代が上白石に化粧を施し、竹中直人が初お披露目に同伴するシーンの 厳かな美しさも良いが、何より富司純子のショットには常に敬意が払われている のも美点だ。        
[映画館(邦画)] 6点(2014-09-15 20:01:28)
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