1. 千と千尋の神隠し
皆さんの評価が結構厳しいのが意外。私はこの映画、とても好きです。現代の日本社会を痛烈に皮肉ってると思う。冒頭の千尋の無気力な表情から、嫌だとか帰りたいとか言えない環境に放り込まれ働くことによって活き活きとしてくる千。物やお金でしかコミュケーションをとることができなかったカオナシが、銭婆のところで「仕事」を与えられ嬉しそうにうなずく。「今時の若者は」じゃないですけど(というか私も若者の類だけど)、やりたいことが見つからなかったりキツイからと仕事をすぐ辞めてしまったり(自分もなんですが)、そういうのを遠まわしに説教臭くならずにうまく表現していると思う。ぱっと見よりも内容は深いと思います。ところで、ナウシカの時も思ったんだが、電車のシーンは『銀河鉄道の夜』にそっくりだな。何度観ても、階段ダダダダで笑っちゃうし、おにぎりで泣いちゃいます。 [映画館(字幕)] 9点(2005-04-04 17:42:58) |
2. シカゴ(2002)
これは劇場で観たかった! とても惹きこまれました。私には「ムーラン・ルージュ」よりこっちの方がしっくり来た。軽快な曲とテンポのいい展開・ブラックな内容。大好きです。中でもお気に入りはママの歌。あの迫力ったらもうw 唯一リチャード・ギアがなぁ…イマイチ。ブスカワなレニーも大好きだし、ルーシーまで出てたとはとても嬉しい一品です。 9点(2004-04-13 12:32:28) |
3. ソウ3
《ネタバレ》 痛い。とにかく痛い。上映中微動だにせず緊張しっぱなしだった映画は初めてです。シリーズファンとしては1,2の裏話が見れたのは嬉しい。人形を熱心に作ってるジグソウさんなんか実に地道でちょっとかわいいじゃないか。初見の客への説明なんかいらないのだ。これはコアなファンのためのシリーズなのだから前作復習はそもそも大前提なのだ。今回良かったのは、登場人物が1並に限定されていたこと。ラストの4人以外はもはや駒でしかない。2はCUBE的に増員しすぎて(CUBEはCUBEで好きです)、今思うと散漫な印象。マシュー刑事へのゲームが主体なのに駒要員が多すぎたな。アマンダの裏ゲーム同時進行というオチはオチとしては若干弱い気が。脳外科手術は劇場で観たときはびびったが、DVDで観たら意外と普通に観れた。だって手術ですから。命かかってるリン女医に感情移入して観るととてもスリリングでグロさはさほど感じません。しかしこのシリーズはここで完結すべきでしょうなぁ。 [映画館(字幕)] 8点(2007-05-14 12:42:56) |
4. カレの嘘と彼女のヒミツ
《ネタバレ》 私のお気に入り映画『ワーキングガール』が要所要所出てくるところもポイント高かったが、予想していたドタバタラブコメを良い意味ではるかに裏切られた。はじめは、やたらテンポが早く(ま、いいことなんだけど)、ドタバタシーンであまり笑えず、「おや失敗?」と思ったが、【アキト】さんの言うとおり心に残る台詞がいっぱいあった。ラストもどうせ陳腐なハッピーエンドに行き着くんだろうと思ってたら別の意味でのハッピーエンドで実に現代っぽく、よくぞ裏切ってくれた。ありがとう。展開も、まさかああいう形で全員を会させるとは観ているこっちも予期せず。うーん、巧い。ホリー・ハンターの役どころは本来ならばこんにゃろワレ!となるところだが、なぜか全然憎めない。なぜだろう? 邦題は覚えにくいけど、カタカナ読みそのまんまとかセンスのない邦題が溢れている昨今、よく考えたね。『黒い電子手帳』じゃ火サスかよ!って話だし。決して派手な作品ではないけど、良作。 [DVD(字幕)] 8点(2007-01-22 20:51:28) |
5. ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]
『これはアクションではなく、ヒューマンドラマだ』と、とある映画分析家が言っていた。『ある者は元に戻りたいと願い、ある者は力を見せびらかしたがる。またある者は悪事に利用しようと・・・』。ヒーローものは、絶対的正義のヒーローvs悪なる悪との闘いってのがお決まりのパターンだけど、ヒューマンドラマとして観れば、なるほど、単なる内輪もめと言われようがそれこそがヒューマンドラマ。一番心に残ったのは盲目の女性が言った一言。「人と違うことは悪いことじゃない」。 [DVD(字幕)] 8点(2006-07-12 12:14:14) |
6. スター・ウォーズ/クローン大戦 <TVM>
序盤「アニメなSW」に若干の違和感を覚えましたが、見ているうちにだんだん慣れてきて、スピード感満ち溢れる話はなかなかに面白かった。話の背景がしっかりしているので、違いはアニメか実写かというだけで、充分にSWサーガに組み入れられる作品だと思います。ジェダイ騎士団の強いこと強いこと。メイス・ウィンドゥにいたっては強すぎてちょっと笑ってしまいました。まるで100人スミスと戦うキアヌ・リーヴスのよう。ルミナーラとバリスがちゃんと出ているのが嬉しかった。しかしこのジェダイたちがⅢでは。。。あぁ、もったいない。個人的には、スカートひらめかせながら戦うあのシスもどき敵が好きです。SWファンなら一見の価値アリですね。ところで声優さんは役者さんたち本人なのでしょうか? パドメ以外はほぼ全員声が似てた気がするんですが。 [DVD(字幕)] 8点(2005-08-11 13:51:07) |
7. ソウ
《ネタバレ》 2回観ました。初回:めちゃめちゃ怖かった! もともと怖いもの好きの私ですが、久々目を覆いながら観てしまったw 2回目:「完全解読」サイト(ゆらめきクルージングさん参照)を熟読の上再見。ほほーぅ。一粒で二度おいしい感じでした。 『CUBE』meets『セブン』がキャッチコピーだそうですが、観る前は『CUBE』要素が強いと踏んでたんだよね。ところが『セブン』要素の方が強かった。。。観てていろいろ痛かった。アマンダの早回しの時の音楽がかっこよくて好き。あとラストもいいね。重い扉を閉めながら「ゲームオーバー!」ガシャーーン! かっこいー。ところで犯人のジョンは素顔でも十分怖いんですけど(汗) [DVD(字幕)] 8点(2005-06-07 16:52:45) |
8. エターナル・サンシャイン
《ネタバレ》 仕事が終わって駆けつけたので冒頭5分ほど見逃したせいもあり、『メメント』的せいもあり、「もう一度頭から観たい」というのが今の心境。もっと単純なラブストーリーを予想してたので、良い意味で裏切られた。映像表現が面白く、ちょっとホラーチックなシーンもあったので意外だった。ジム・キャリーの貧相な演技も素晴らしかったが、この映画で特筆すべきなのはキルスティン・ダンストだと思う。彼女の役がこの映画の主題をまとめてくれている。記憶消去作業中なぜあんなにもお気楽なのか(マリファナ抜きにしても)、なぜあんなにも「忘却」を称賛するのか、最初はムカつきこそ覚えたが、自分が当事者になって初めて判った時の表情が切なすぎた。その後、カルテとテープを返却するのはいささか単純な気もしたが。ところで映画を観終わって辺りを見回すと、レディースデーということもあり、30代・独身と思しき女性が結構一人で観にきてた。私は20代・独身女性だけど、一人で観にいってたし、なんかな~。。。複雑な心境で映画館をあとにしました。 [映画館(字幕)] 8点(2005-04-11 12:06:59) |
9. ホワット・ライズ・ビニース
《ネタバレ》 アラ、皆さん厳しいご意見が多いですね。私はこの映画結構ツボです。公開当初劇場でも観ましたが、ビデオで観直したらやっぱり面白かった。思ったよりもホラー色が強くて好き。私はホラーは邦画の方が絶対に怖いと思ってますが(洋画だとたいてい宗教が絡んでくるのでいまいち伝わってこない)、これは素直に怖がれたなぁ。手法が古かったり、脚本がセオリー通りだったりするとこが逆に良いんじゃないでしょうか。ラスト水中でマディソンの腐乱死体がきれいな顔に戻るところは、清清しささえ覚えます。教授への復讐だけじゃなくて、やっぱり本気で好きだったんじゃないかなぁ。。。なんて、おとめちっく過ぎますか? 8点(2005-02-24 12:25:14) |
10. ラブ・アクチュアリー
《ネタバレ》 いやー泣いた泣いた。こんなに泣いてるのは最近愛に飢えてる私だけだろうなと 思ってたら、ここ読んでみんな号泣のようなのでちょっと安心w 悲恋好きな私としては、 親友の奥さんを愛してしまう男の話と、2年越しの片思いの女のコの話が切なすぎて たまらんかった。私が彼女の立場だったらやっぱり手放しで好きな男のとこには行けないわな。 でも男側のシラける気持ちもわかるし、当の彼女本人がそんなこと一番察してるだろうし。 切なすぎる。紙芝居形式で告白する男性は、去り際の「enough...」って台詞が また泣かせてくれた。なぜそこまで自分を抑える!? いやいやわかる、わかるよぉ(涙) 登場人物多いわりには混乱しなかったし、一人一人が少しずつ繋がってるところが良かった。 ミアが「ナタリーは隣だよ」って言った時に、「あぁ、うちの近所の人も、私の友達も、 親も、その辺ですれ違った全然知らない人も、みんなそれぞれ人生があってみんなそれぞれ 恋愛してきたんだろうなぁ」とふとリアルに感じてしまったからフシギ。 8点(2004-10-21 16:58:19)(良:2票) |
11. メメント
《ネタバレ》 おぉ! 久々にツボな映画だった! 時系列が逆進行なのは前以て知ってたんだけど、それを聞いてなかったらチンプンカンプンだった可能性大。知ってたおかげで意外とすんなり観れた。しかしお単細胞な私のこと、ラストは全く想像もつかず。見事にしてやられました。カラーとモノクロの使い分けもいい。モノクロが、撮ったポラロイドとともにカラーへと融合するシーンはもうゾクゾクもん。主人公が記憶を辿っていく過程を観ている側も一緒に追えるというこの構成はスゴイ。 8点(2004-10-04 15:42:19) |
12. 死ぬまでにしたい10のこと
まず、自分が余命わずかだったとしたら絶対に黙っていることなんてできない。23歳の彼女は私より年下なのにすごいと思った。特に母としての彼女が見せる鋭いまでの力強い眼には泣かされた。ラストの流れもいい。極力自然に自然にフェイドアウトしていこうとする様に号泣。映画が終わった後もなおじわじわと涙がこみあげてくる映画は初めてだった。賛否両論ある浮気に関しては、私は理解できる気がする。優しい旦那への愛情と違うタイプの男性への恋は、どちらも純粋な感情として両立できるものだと思う。人にもよるけど女とはそういうものだ。 8点(2004-04-30 10:24:21)(良:1票) |
13. ファインディング・ニモ
娯楽映画好き・トムとジェリー的ノリ大好きな私としては純粋に楽しめた作品でした。 ただ、もっと感動的なストーリーかと思って行ったら、モンスターズ・インクはやはり超えられなかった。残念。 明日からカモメを見る目が変わりそうです。 8点(2003-12-31 13:42:35) |
14. 嫌われ松子の一生
《ネタバレ》 松子は道徳的な人間でもなかったし頭が良いわけでもなかったけど、松子がよく口にする「なんで!?」には妙に共感してしまい、ボロボロ泣いてしまった。こんなにも波瀾万丈な人生に共感できるはずないのだが、なんだろう、この心にズシンと来る感じは。 再び人生をやり直そうとした矢先に中学生に殴り殺される後味の悪いラストは嫌いじゃない。てっきり知り合いのだれかに殺されたんだろうと読んでいた私はまだまだ甘かった。下手すりゃ弟(香川)じゃないかと思ってたあたり、間違いなく片平なぎさのせいだ。これが陳腐な人間関係のもつれで殺されたのならこの奇抜な映画は締まらないことこの上なかっただろう。ちょっと教師時代が心に甦って注意しちゃっただけの全然関係ない中学生たちに殺される。やる瀬ないが、ふさわしくも思える。だって松子は神なんだから。 [DVD(邦画)] 7点(2008-09-11 12:40:27) |
15. アヒルと鴨のコインロッカー
《ネタバレ》 はじめ、あの演技派と名高い瑛太がなぜこんなにも断定的な棒読みでしゃべるんだろうと違和感を覚えたが、なるほど棒読みも演技派たる所以だったか。 琴美は元モー娘の飯田圭織に似ていてなんか好きになれなかったなぁ。でも椎名役の濱田くんとエセドルジの田村くんはいい味出してた。 地元が舞台で、通っていたキャンパスが出て、ブックスなにわとか、おぉマニアック、と仙台人には嬉しかった。仙台とその近郊は実際あんなに訛っていないんだが、ちょっと東北を押し出し過ぎたかな。 映画を観てからここのレビューを読んでもっと細かいところが知りたくなり、原作を買ってきた。原作で衝撃を受け内容を知った上で映画を観るのと、映画を観てから原作を読むのとどっちが幸せだろう。できることなら一旦記憶をなくして原作でもドキドキしてみたかった。 [DVD(邦画)] 7点(2008-09-11 12:29:16)(良:1票) |
16. 海猿 ウミザル
《ネタバレ》 先々週海保学校生と知り合ったという不純な動機で、ふだん邦画は観ないくせに借りてきました。意外にもかなり泣かされてしまった。王道中の王道とは皆さんのおっしゃる如く。ただ、王道にしても工藤の死は唐突すぎ。「いやいや、おいおい」と言ってる間に天に召されてました。ちょっとありゃないなー。訓練の様子とかはテンポ良くてかっこよかったです。あとは、初めて伊藤英明をかっこいいと思ったことと、藤竜也にしびれましたね。この映画の泣きどころは、工藤の死でもなく、仙崎と三島の生還でもなく、源教官が右手をさすりながらずっと心の奥底で過去と闘っているところにあります。男くさい映画もたまにはいいなぁ。 [DVD(字幕)] 7点(2006-11-07 18:04:28) |
17. イン・ハー・シューズ
《ネタバレ》 予想以上に号泣してしまった。私はひとりっこなので、これを観て「こんな姉妹いいなぁ」と心底思いました。どんなにひどいことをしてもされても許し合える関係。それってやはり家族だけに許されたものだと思います。兄弟はいないので喧嘩する相手といえば私の場合両親ですが、ものすごい罵倒をぶつけても、本気でむかついて「死ね!」と思っても、それはその時限りのもので、根底に流れる愛情というのはお互いに変わることはない。それをこの映画は実にうまく表現していると思いました。そして誰しも密かに抱え悩みつづけているそれぞれのコンプレックス。特にマギーの学習障害は、話の真ん中パッタリと出てこなくなったので、「そういやあれはどーなった?」と思っていましたが、後半あんな風に持ってくるとは。号泣でした。これは姉妹の映画だけど、大事な人との絆や自身のコンプレックスを描いているという点で、姉妹がいない人でも充分共感できる作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2006-08-14 13:24:30)(良:2票) |
18. 穴(2001)
《ネタバレ》 平均点低っっ。自分は結構楽しめました。まぁ、つっこみどころ満載なのは皆さんの仰るとおり。もうちょっとその辺をうまく処理してたら結構深みが増したと思うけど。この映画は、ホラーでもミステリーでもなく、思春期の女の子の不安定さを増幅させて見せることで、そのイッちゃってるぶりを堪能するドラマかと思います。後味は最高に悪い。というより怖い。が、ゾーラ・バーチのブスカワクレイジーな演技は最高に良い。予告編の出来は、観客に過度な期待を抱かせすぎたため落胆も大きくしてしまったという意味で大失敗でしょう。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-07-31 12:37:58) |
19. クローサー(2004)
《ネタバレ》 あまりにも淡々と進んでいくので、こりゃ絶対途中で寝るなと思ったらむしろグイグイ引きこまれてしまった。ナタリーは髪型のせいか設定のせいか、レオンの頃を思い出させる。ジュリアはびっくりするほど綺麗だった。特に登場シーン。しかしこの映画、なんでみんなベラベラとしゃべるかなぁ。真実ってそんなに大事か? むしろ恋愛においては知らなくていいことの方が多い。知りたいけど知ってしまったら後悔することを知りながらやっぱり知るまで聞いてしまう。その結果がほれみろ、崩壊。ばかだなぁ。 [DVD(字幕)] 7点(2006-03-28 12:44:54) |
20. 下妻物語
深田恭子の「女優」という肩書きに常々疑問と不快感を覚えていましたが、これを観たら「あぁ、この人女優かも」と思ってしまいました(深田恭子ファンごめんね)。それぐらい良かった。啖呵切るシーンでは、後半、うーんあと一歩!というところでしたが、最初の「いてこますぞコラァ!!」(だったかな?)は結構凄みがあったので◎ やはりヤンキーの血は争えなかったということでしょうかw 土屋アンナも良かった。失恋して泣くシーンで、その泣きっぷりと音楽だけの演出にやられて一緒に泣いてしまったよ。小学生のような初恋&失恋にいい歳して泣くなんて自分何やってんだ(爆) あと、BABYの広告の土屋アンナロリータっぷりはめちゃかわいかった。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-30 12:36:35) |