1. 許されざる者(1992)
展開全体は、西部劇の王道なんですが、各キャラの立場や感情を、単純な善悪でない、一見すると矛盾するような複雑な描き方をしているところが出色だと思いました。特にハックマンの保安官が魅力的。自分の町を守るという正義漢の面、暴力的な面、一人ぐらしの自分の家を建てちゃうような静かな面が、ころころと入れ替わって、人間ドラマを盛り上げてくれます。打ち合いのシーンも、単に悪人がバッタバッタと倒されるようなシーンにせず、殺す側殺される側の感情がグイグイ伝わってくるような上手な間があって、すごい緊張感の連続でした。 [映画館(字幕)] 10点(2007-01-05 18:48:35) |
2. デーヴ
《ネタバレ》 補佐官が仕返しに不正暴露したときの「ボク、やったの?」とか、車の中で奥さんの脚を見たので偽者と気付いたと言われたのに「シャワーの時だと思った」とか、ちょっとしたセリフが上手い味を出してて楽しい。偽大統領としての仕事が偏りすぎな感じがちょっと残念ですが。でも、ラストのシークレットサービスのお兄さん、うれしい登場でしたね!!あのラストシーンだけでも+3点。 [地上波(吹替)] 8点(2011-11-23 17:29:11) |
3. フォレスト・ガンプ/一期一会
《ネタバレ》 多くの方がコメントなさっているように、1回目は、肩に力が入ったまま観たせいか、なんだかよくわからない映画だなあという感想だったのですが、2回目に観たときは、頭をからっぽにして観られたので、この映画の独特の優しい雰囲気にどっぷり漬かることができて、とても感動しました。個々のエピソードや、少し不自然な人物設定の意味を深く考えようとせずに、「人生、色々あるのね」という感じで、構えずに観ることをお奨めします。ゲイリー・シニーズが港にいきなり現れたのを見たハンクスがほんとにうれしそうに船から飛び込むシーンが大好きです。 [映画館(字幕)] 8点(2007-02-06 07:20:46) |
4. マディソン郡の橋
《ネタバレ》 イーストウッドが玄関から出て行く時に、閉まる扉が大きな音をたてるのを予想して、ストリープがすごく嫌な顔をするんだけど、次の瞬間に、静かに扉が閉まるシーンが大好きです。原作にはなかったシーンだと思うんですが。 [DVD(字幕)] 8点(2007-01-05 19:01:03) |
5. ザ・シークレット・サービス
マルコビッチの悪役が良い!淡々とターゲットに迫っていく感じが「ジャッカルの日」に通じていて、緊張感たっぷり。これで、イーストウッドのほうのどうでもいいサブストーリーが無ければ、完璧だったのだが。 [映画館(字幕)] 8点(2006-12-31 19:17:50) |
6. L.A.コンフィデンシャル
《ネタバレ》 3人の刑事の行動がどう絡んでいくのか、よく考えられたシナリオだったと思います。意外な「オチ」も、迫力の「ドンパチ」もほとんど無いので、そのパターンでの新味を期待して観てしまうとガッカリすると思いますが、ゆっくり考える暇を与えないほど混沌とした展開がおもしろい。遊園地のように単純にのめりこめる映画もいいですが、こういうゴチャゴチャした映画もまた楽しいものです。エドがリンとああいうことになってしまう心理が理解できなかったのが、ちょっと残念ですが。スペイシーが最後に意味深な薄笑いを浮かべるところと、エドとリンの写真を見せられたバドが殴りこんできた後、真実に気付かされるシーンが好きです。特に後者は、単なる乱暴者じゃないバドの一面がよく出ているのがうまいと思いました。 [DVD(字幕)] 7点(2009-03-22 16:24:22)(良:1票) |
7. トータル・リコール(1990)
後で友人に言われたこと。シャロン・ストーンのほうが魅力的なので、あのまま暮らしてたほうが良かったんじゃないのかなー、と微妙に心残りに思わせるところが、うまい演出なのだそうな。なるほどね。 [映画館(字幕)] 7点(2008-06-21 00:10:37)(良:1票) |
8. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
《ネタバレ》 ヒット作の続編としてはうまいまとめ方をしましたね。ドクの恋愛話はやはり無理があったと思いますが、荒唐無稽なストーリーの中に、ほんの少しシリアスな味を混ぜているところが、このシリーズの魅力でしょう。ラストのタイムトラベル直前のスピード感が復活したのも、うれしかったです。最後にドクが「アインシュタインを迎えに来た」と言うところと、二人がちゃんと一緒に写ってる写真を持ってきてくれるところが、さりげないですが、長い冒険物語の最後のページを閉じるような、優しい演出で、ちょっと感動しました。 [映画館(字幕)] 7点(2007-09-07 11:25:30) |
9. 逃亡者(1993)
《ネタバレ》 特に破綻なく、合格点のつけられるサスペンスものとして、良く作ってあると思います。しかし、それだけなら、すぐ忘れてしまいそうな作品なんですが、あの最後のジョーンズの笑顔&セリフに、ノックアウトさせられました。2時間、ブスっとして、何を考えてるのか分からない人物に仕立てておいて、最後にそれかい!!個人的には、映画史上最高の笑顔でした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-06-30 16:20:48) |
10. 紅の豚
《ネタバレ》 悪役が出てこないので、全体にまったりしていて、少々緊張感が足りない分、評価は減点、ラストの決闘がどうでもいいボクシングもどきになってしまったのにずっこけて、さらに減点。でも、映画的には、工場からの脱出シーンや、ジーナが少女時代の記憶をよみがえらせるシーン(セリフがないのがいい!)など、よく練られた演出がたくさんあって、楽しめました。この作品を境に、宮崎アニメは、子供だましの「異形アニメ」になってしまったことを考えると、歴史的には貴重かも。 [映画館(邦画)] 7点(2007-05-26 20:41:35)(良:1票) |
11. エアフォース・ワン
《ネタバレ》 全体にはありきたりなお話だし、ハリソンの演技も力が入りすぎててしらけるが、結構おもしろかった。ピンチをしのぐ個々のエピソードが、わざとらしくなくて、かつ、しつこくなくて良かったのかも。(ミサイルをわざと打つところ、FAXを打つところ、つなぎっぱなしの携帯電話を使うところ) [地上波(吹替)] 7点(2006-12-31 19:13:24) |
12. インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
これは原作が良かったんだろうか?なかなか他にはない想像できない展開に、わくわくしながら最後まで見て、ラストも「そうこなくっちゃ!」というオチで満足。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-31 19:01:09) |
13. 秘密(1999)
《ネタバレ》 原作とかけ離れたエピソードをウケねらいででっちあげてしまうこともなく、とても自然に映画化されていたと思います。原作ものの難しさを感じさせない出来で、スタッフに拍手です。エンディングの謎解き(?)は、原作のほうが深みがあって好きですが、映像では表現するのは難しかったのかもしれませんね。 [地上波(邦画)] 6点(2009-02-28 20:03:13) |
14. ドク・ハリウッド
《ネタバレ》 ストーリーがあまりにもありがちなので、公開時にも見逃していましたが、細かい演出&シナリオが上手いので、類似作品とは一線を画していると思いました。くどいセリフ回しや、余計なサブキャラのエピソードを出さないように、ぐっとこらえた作り方をしているのが良く分かりました。西海岸に出てから、ベランダで田舎町の天気予報を聞くシーンが印象的です。ブリジット・フォンダの役が意味不明だったのが、マイナスですが。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-09-07 11:40:13) |
15. シックス・センス
脇役(?)の登場シーンや、母親の複雑な心理描写など、良く出来てる映画だと思いました。ただ、結局少年がどうやってこの状況を解決していったのかが、尻切れになってしまってるのが残念です。「オチ」の先にもう一展開あったら、前半と後半のバランスが取れたかも、と思いました。 [DVD(字幕)] 6点(2007-07-08 01:28:16) |
16. マトリックス
ストーリー全体の発想自体は古くからよくあるお話だと思いますが、映像表現とうまく組み合わせてあってなかなか楽しめました。謎をあまり膨らませすぎず、「ちょっと不思議なお話」ぐらいで力が抜けている感じも良かったです。何度か出てくる対決シーンが、練習したとおりに動いてるようにしか見えなかったので、アクション映画としては、ほめられませんが。 [DVD(字幕)] 6点(2007-02-03 22:11:32) |
17. リバー・ランズ・スルー・イット
ブラッド・ピットは見た当時無名だったかなあ。レッドフォードに似てると聞いてて見たけど、ひっくり返るぐらい似てた(笑)。全体にほわーっとした雰囲気の映画で、見終わって、とても幸せな気分になれた。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-12-31 18:53:13) |
18. 12モンキーズ
ギリアム節がよく出ていて、ファンとしては、それだけで満足でした。ラストはちょっとすっきりしないオチでしたが、現代&未来とも、独特の雰囲気をうまく演出できていたと思います。中途半端に明るいところがないのが良い。 [映画館(吹替)] 6点(2006-12-31 18:43:47) |
19. シンドラーのリスト
スピルバーグらしい演出テクニックの雨あられと、スピルバーグらしい薄っぺらい人間描写のおかげで、感動したようなしないような、妙な気分のまま映画は終わってしまいました。歴史的な悲劇としては、充分すぎるぐらい伝わってくるのですが、一方で、悪役であるアーモンや、ヒーローであるシンドラーの人間性はほとんど感じ取れず、何だか、ニュース映画を観ているような気がしました。そのせいで、ラストの別れのシーンで、シンドラーが何を言っても、一人舞台の上でセリフを読んでるみたいにしか見えませんでした。苦手なんだろうから、徹底的に人間ドラマっぽいところを排除すれば良かろうに。 [映画館(字幕)] 5点(2008-02-23 23:45:14) |
20. 耳をすませば(1995)
まぁ、すべてが優等生っぽい展開なのは、ご愛嬌。「お話」と思って観たので、それほど違和感もなく、幸せな気分になれました。街の雰囲気や生活感を丁寧に描いているのが、好印象です。特に、街の起伏を感じさせるのがうまいなあと思いました。ラスト、自転車で連れ出すシーンは、最悪ですね。なぜそのセリフ・行動が必要なのか、全く理解できませんでした。(中学生ぐらいで、ホントにこういうことをするだろうことは理解できるけど、この映画については余分なシーン) [映画館(邦画)] 5点(2008-02-16 16:07:31) |