181. バケモノの子
《ネタバレ》 前回「熊鉄の生き様が見えない、九太に依存してしまっている」と書いたが、二度目の視聴で多少変わったので修正する。熊鉄はただ勝ちたいだけのガサツな男だったが、九太の声援のお陰で目標を達成、最後に残った望みは命を賭してでも息子を助けてやりたいという父親としての願いであった。つまり熊鉄はただの野獣から父親に変わったのだ。だからタイトルはバケモノの「子」なのだろう。師匠と弟子という関係から始まり、なかなか上手くいかずにいがみ合うばかりだったが、実は互いが刺激し合って成長していた。生物の垣根を越えた親子愛の物語であった訳だ。なかなかにして美しいと思う。そこは評価ポイントとして、他に幾つか不可解な要素に気付いてしまった。まず、なぜ渋谷で人間の心の闇が発現したのか。市街地で突然超能力戦争がおっぱじまって、まるで幻魔大戦だ。異世界だと人間が特殊能力を発現してしまうという理屈なら分かるが、バケモノの世界に行く前から九太には闇が発現していた訳で、なんだろう九太ってのは超能力者か何か?まあバケモノに見出される時点で何かしら特殊な才能はあったのかも知れないが、その辺が説明されていないので不可解なままだ。それと、大変な事が起きているのに一緒にいると言って聞かないヒロイン楓ちゃんであるが、戦いの役に立ったとは思えない。役に立ちたいなら陰で見守るべき。それこそが健気な女の美しさを発揮する最大のチャンスだろう。どうも脇役を魅力的に描くのが今一つ上手くいっていない気がする。百秋坊と多々良は途中からお涙頂戴の解説役になっていき、富樫虎丸のようだ。ラストも少々不満が残る。熊鉄と力を合わせて勝利したまではいい。熊鉄と長く過ごしたお陰で九太はこんなに成長しました、の方が良かったんじゃないかな。熊鉄の剣が宿ったお陰で心が強くなってどうやら人間界で生きてゆけそうですという事になっちゃったみたいで、それが無ければ九太の心は弱いままだったのだろうかと思うと少し残念な気もする。ただまあ、これからも熊鉄と一緒だねってハッピーエンドとしておきましょうか。いつも九太の肩にいたマスコットキャラにも和ませていただきました。前回より少々加点。 [映画館(邦画)] 6点(2015-10-07 13:08:41) |
182. ビッグ・バグズ・パニック
《ネタバレ》 結構真面目なホラー映画だった。虫はさほど怖くないが、今まで普通に会話していた人物が怪物になって襲ってくるというゾンビ的な怖さを堪能出来る。突然脇腹から長い足が生えてきて、かなりのインパクト。目が見えないというのも個性的で、白目がまた怖い。この虫人間との戦いを軸に展開すればもっと凄い映画になったかも知れない。最後お父さんとの戦いを期待してたんだけどなぁ。バリバリの低予算でセットの安っぽさもコント並だが、虫の安っぽさに目が慣れているのであまり気にならない。 [地上波(吹替)] 6点(2015-09-01 08:15:58)(良:1票) |
183. あの頃ペニー・レインと
《ネタバレ》 記者としてバンドのツアーに同行する事になった少年の視点から描かれた、バンド内のすったもんだ映画。ファンの目が届かない部分を覗き見している様でなかなか楽しい。少年視点ならではの刺激的なシーンもある。ヒロインであるペニーレインはメンバーではない、他人でもない、ある意味特殊な立ち位置にいる訳だが、お姫様然とした存在から一転蚊帳の外に押しやられる前と後のコントラストが激しく、なかなかにして痛い。どう救われるのか期待していたら、どうやら主人公の少年が彼女に救われた様だ。なるほど少年を主人公に添えた意味が分かった。過保護な母の存在も、成長期の少年ならではの環境に身を置いている体の演出。大人になる前に色んな段階を踏む事になる訳だ。これ大人視点の映画だったらただの酸いも甘いも路線だよね。納得出来るいい映画でした。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-07-20 23:09:41) |
184. クール・ランニング
とても楽しい気分にさせてくれる良質なコメディ。後味も大変宜しい。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-06-30 22:43:50) |
185. とらわれて夏
《ネタバレ》 何このムード盛り上げちゃってるみたいな邦題。序盤はサスペンス、中盤はヒューマンドラマ、終盤またサスペンスになるんだけど、ちょっと親子共断れなさすぎない?変な人をあっさり家に入れる、近所の子供を預かっちゃう、警官も入れちゃう、母はまだしも息子もうちょっとしっかりしろ。この優柔不断さのせいでサスペンスになっちゃってんだけど、概ねヒューマンドラマとしては良い話。あのまま上手くいってたら駄目な人生になってただろうし、時間は掛かったけど終わり良ければなラストにしっかり繋がった。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-06-27 13:57:10) |
186. LIFE!(2013)
《ネタバレ》 結構わくわくしました。最近のこの手のダメな人頑張る系コメディは何も解決しない残念なラストが多いが、これは一応のハッピーエンドで後味も良く。昔の映画のリメイクだったんですね。温故知新。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-06-26 14:16:06) |
187. ウォールフラワー
こんなにベタな青春映画も久々に見た。痒かったが結構顔が綻んだ。パトリックという良き友人に会えて良かった。サムとはどうなるか分からないが、違う相手が見付かっても良き友人でいられるんじゃないかなと想像出来る。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-06-24 10:11:22) |
188. ホワイトハウス・ダウン
《ネタバレ》 敵も味方もみんな弱いし何か間が抜けてるんだよなぁ。主人公も最後までビシッと決めてくれないし。最終的に大統領の側近として採用されるんだろうというオチは見えてるし、そうなると大統領自身も絶対生還するんだろうと分かってるんだけど、それにしてもピンチの連続過ぎて「こいつの活躍をまた見たい!」と思わせる魅力的な登場人物が全く存在しないのは残念。ひたすらトラブルメーカーだった娘が邪魔だし逃げろと言っても逃げないしでイラつきMAXだったが最後にいい所を見せてくれたので加点。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-06-18 18:06:45) |
189. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 ん~…普通。無重力の宇宙空間で大変な事になりましたねという緊迫感は十二分に伝わってくるが、博士のおどおど感がリアル過ぎてまるで実話を元にした映画なのかってくらい味気ない。博士という特性を活かしてこう、どこかでビシッ!と痛快に決めて下さいよ。本当にただ単に生還するのが精一杯で、頼りになるジョージクルーニーも早々にリタイヤしちゃうし、凄いねーでも楽しくはないねって感じの映画です。延々と無重力空間を描くというなかなか見た事のない切り口の映画だったのでチョイ甘加点。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-06-12 19:06:15)(良:1票) |
190. ブローン・アウェイ/復讐の序曲
イカれた悪役のトミーリージョーンズに不思議な意外性。むしろ悪役のイメージがあるフォレストウィッテカーがいい味出してた。爆弾処理モノとしては安定したハラハラ感。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-06-07 20:34:57) |
191. 2ガンズ
《ネタバレ》 予備知識無し、デンゼルワシントンなので身構えて見たが、結構重要な人が死んだり裏切られたりとハードな展開からのみんな集まって爆発と共に一斉にドンパチ始めちゃってと、ああこれコメディなんだと最後にやっと気付いた。本編1時間40分くらいのサックリ見れるお手軽作品。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-04-26 00:21:46)(良:1票) |
192. ジャッジ・ドレッド(2012)
何の前知識もなく見たが、うん、案の定コミックが原作だった。理屈のないハチャメチャなSFガンアクション、嫌いじゃない。しかしコミック原作にありがちな、ひたすらドライな殺戮が続いて終わりというのもいささか辟易としてきた頃なので、終盤カサンドラが潤してくれた事に感謝。ドレッド達の仮面がダサくて親しみやすかったのも好評価。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-04-10 12:22:04) |
193. 理由(1995)
予備知識無しで見て良かった。まあ犯人が誰かはある程度予測出来ちゃうんだけど、でもやっぱりショーンコネリーの活躍を期待せずにいられない。ゴールドフィンガーを見た直後だったので尚更コネリーの上手くいかない感に同情してしまった。 [地上波(吹替)] 6点(2015-03-28 11:12:17) |
194. スターリングラード(2001)
狙撃手同士の戦い。着目点が良い。凄い緊迫感。疲れ気味のレイチェル・ワイズがいい感じ。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-03-06 11:32:18) |
195. センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島
子供向けアドベンチャー。良く出来てます。ドウェイン・ジョンソン目当てだったけどヴァネッサ・ハジェンズばっかり見てました。 [地上波(吹替)] 6点(2015-03-05 11:40:55) |
196. THE GREY 凍える太陽
《ネタバレ》 敵は寒さと狼。しかしそれ以外の要因で人が死んでいくのが残念。木から落ちて足挫いて歩くのを諦めたとか、何というかこう、色々と残念。なかなか緊迫感があって狼も怖かったのでチョイ甘加点。 [地上波(吹替)] 6点(2015-01-28 06:28:16) |
197. アウトランダー
《ネタバレ》 バイキングとSFのコラボレーションにあんまり意味を感じなかったというか…主人公が高度な文明を持つ世界からやってきたという設定が大して生かされていません。なんかあの時代に普通に溶け込んじゃって、やってる事も普通だし。俺はお前達とは違うんだぜぇこんなすげえやり方で化け物退治しちゃうんだぜって所を見せてくれれば痛快だったんだろうけど、何もありません。あえなく村人はどんどん殺されていきます。そして普通~に戦い続け、お約束の如く同志達は次々と死んでいき、普通~に勝って生き残った主人公がヒーローになります。何なんだよそれもったいないな。そもそも前いた所でも古代でも、主人公が原因で大量殺戮が起きてしまったのにまるで責任を追求されません。もっと大きな重責を担って欲しかった。クリーチャー物としては良く出来ていたしヒロインも美人だったので甘めに加点。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-01-09 15:15:01) |
198. 卒業(1967)
ああ、コメディなんだ。もうちょっと真面目な青春映画かと思ってたけど結構笑えました。ただ何と言うか、時代だったのかなぁ。タクシードライバーなんかもそうなんだけど、この辺の名作と呼ばれる作品にありがちなのは、主人公が何をしたいんだかよく分からない。行き当たりばったりでとかく共感しづらい。無謀な若者っていうの?有名な花嫁強奪シーンからの曇りがちな表情、なるほど余韻に浸れます。もちろんここは狙ってそうしたみたいで、制作者のこだわりを感じました。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-01-09 15:05:12) |
199. 死霊館
ホラー映画としては珍しい興収3億ドル突破の大ヒット作。どんなもんかと鑑賞してみれば、どちらかと言うと怖いというよりビックリさせる系。恐怖と驚きは違うもんだと豪語したい自分にとって、これはやや邪道。起きる現象もかなりベタだし、新鮮味は全く無い。それと近年のこうしたアメリカにおけるお祓いモノに突っ込みたいのは、幽霊なのか悪魔なのかはっきりせいと。敵に回すとよりヤバいのは悪魔なんだろうが、自分的には相手が幽霊でないとあまり怖さを感じないのだ。まあ辛口批評になってしまったが、久々にゾッとさせてくれた映画なのでちょっと甘めに加点。 [DVD(吹替)] 6点(2014-08-07 22:00:48)(良:1票) |
200. 光る眼
《ネタバレ》 怖い。子供強い。感情を持たない、生まれながらにして優秀な民族が人間社会を支配するという概念に痛烈な社会風刺が見え隠れ。最後の対決で、頑張れスーパーマン!と応援したくなった。後味も悪くない。支配階級の者も心があれば同じ立場で共存出来るのではという希望を持たせたラストはなかなか秀逸。デイビッドが友情パワーに目覚めてリーダーの子と超能力バトルでもおっぱじめたりすればさらに盛り上がったかも知れないが、カーペンターにそんなSF的なヒーロー像は似合わないですかね。とにもかくにもクリストファー・リーヴの勇姿が見られる事に価値がある映画。 [地上波(吹替)] 6点(2014-07-06 23:33:48)(良:1票) |