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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 574
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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281.  フレンチアルプスで起きたこと 《ネタバレ》 
男であること、そして父親であること。その責任の重さは (雪のように) 積もり積もって、築いてきた信頼はたった一瞬で (雪崩のように) 崩れていく・・。つらいもんだね (泣) あの一瞬で多くを考えられるはずもなく、お父さんの行動って反射的ですよね。何となくですが、三人も一目散に逃げるだろう、って瞬時に考えたと思います。でも人によっては見捨てて逃げたと見えるだろうし、全ての親たちが同じ行動をとるとは思えませんよね。要するにこの映画って論点や着地点がぼんやりとしていて、何が言いたいのか捉えどころのない感じがします。男と女の行動特性の違いであったり、他のカップルを通じて結婚観・恋愛観などを問いかけたり、人それぞれってことでいいんでしょうか。しかし、お父さん。散財して雪崩にあって夫婦喧嘩して精神疲労して、ようやく帰路につくバスの運転手はまともじゃないなんて、とても楽しいバカンスでしたね!
[DVD(字幕)] 6点(2018-09-21 15:40:04)
282.  バトル・オブ・ザ・セクシーズ 《ネタバレ》 
予告編の、フライパンやコスプレ姿でテニスをするボビー・リッグス (S・カレル) の姿から、勝手にコメディ映画と思っていましたが、全然違いました。これは女性軽視や同性愛というデリケートなテーマを取り扱った、実に大真面目なドラマでした。 ビリー・ジーン・キング (E・ストーン) については、テニスプレーヤーとしての彼女よりは、同性愛に目覚めていく一人の女性、そこに力を入れて描いていた感じ。特に彼女がマリリンと接する場面は、実に官能的に撮られていたように思う。 また、本作はもう一人の主役と言えるだろう、ボビー・リッグスが面白い。彼はテニスプレーヤーである以前に、誰よりも目立ちたがり屋で生来のエンターテイナーであり、実に映画向けなキャラクター、と言える。そして、本心が読めないというか、、ちょっと得体の知れないところがある。何となくですが、彼はゴリゴリの差別主義者を装っているだけで、群衆やマスコミを煽って注目させ、「テニス」という競技の知名度向上のために汚れ役を買って出た、と私は思っています。 1973年、バトル・オブ・ザ・セクシーズ (性差を超えた戦い) 。 もともと、身体的・体力的に異なる男女の試合結果など競技としては然したる意味はありません。だからこれは、スポーツという「力」を借りた、人類みな平等、という宣言です。 もちろん、女性として、やがては同性愛者として発言力 (影響力) を持つ偉大なテニスプレーヤーに、大きな使命感を与えた試合としてみるなら、これは決してテニスやスポーツという枠だけにはとどまらない、歴史上でも特に重要な戦い、と言えるでしょう。
[映画館(字幕)] 7点(2018-07-22 00:01:22)
283.  ヤング・アダルト・ニューヨーク 《ネタバレ》 
軽いコメディ映画だろう、と思っていたらそうではなかった (笑) 序盤は新旧二組のカップルを軸に展開して、いかにもウディアレン監督が撮りそうなお話。しかし、、まさかね、こんな中年残酷物語だったとは・・(泣) 本作はA・ドライバーが癖のある面白い役どころで、いいヤツと思いきや、しだいに本性 (ダークサイド) を現していきます。はたして彼は敵なのか? 味方なのか? 彼が持つ二面性はそのまま、SW新シリーズのカイロ・レンへと続いていくのであった・・(それは嘘です) 確か、そのジェイミーにハメられたジョシュが彼のやらせを暴くために、同級生の証言を撮影して回る場面がありましたね? 撮影して、その後どうなったんだろう? この思わせぶりな面白い展開が、その後ストーリーに絡んでこないとはちょっと残念な気がしました。私にとって本作最大のトピックは、80年代~90年代に大活躍した (超) 名脇役のC・グローディン。久しぶりの映画出演ですよね。まだまだ健在なお姿は嬉しかったなあ。
[DVD(字幕)] 6点(2018-03-21 22:27:00)
284.  Re:LIFE リライフ 《ネタバレ》 
映画脚本家であったかつての栄光を忘れられず人生を迷走中・・といった中年男の物語。良くも悪くも、「H・グラント」というブランドイメージ通りの映画です。一度でいいから殺人犯、ヘンタイ、サイコパス、等々を演じる彼を見てみたいものですが、、まあ本人がやらんでしょう。また「セッション」鑑賞済であれば、J・K・シモンズはキャラのギャップに笑えます。そして、本作は中年男の再生といった主題のテーマより、映画脚本家志望の学生たち、つまり "映画オタク" たちの掛け合いを楽しむべき映画。こだわりの強い映画好き同士が交流して他人の好みを否定する、というのは私も心当たりがある光景で、実にニヤニヤしながら観ておりました。特に面白いのは、「101匹わんちゃんもレザボア・ドッグスもどっちも好きじゃだめ?」という女の子の台詞。1回目の鑑賞では、正反対のジャンルがとっさに出たな、、という感想。そして2回目の鑑賞で気づいた。どっちも犬じゃん!って (笑) しれっとうまいこと言いやがるぜ、この娘ったら! でもそんな彼女たちのおかげで、長年スルーしていたダーティ・ダンシングを観るよい機会になりました。・・こんなにいい映画だったとは (泣) 教室内や雨が降っている場面が多いので、最後の場面、忘れたころに顔を出した晴れ間の何と眩しいこと。もう若くはないが、人生まだまだこれから、、ですかね。前向きな気持ちになれる、とてもよい映画でした。
[DVD(字幕)] 7点(2018-03-19 22:48:44)(良:1票)
285.  カスパー・ハウザーの謎 《ネタバレ》 
怪奇趣味的な見せ方は「エレファントマン」あたりを彷彿させるし、"何か" が出そうなおどろおどろしい雰囲気は好奇心をそそる。でも彼の紹介にあたり、19世紀最大のミステリーといった記載を見たことがあるが、それは少々大げさな文句のように思えた。確かにその生い立ちや境遇は謎めいているが、本作を観るかぎりでは、カスパー・ハウザーという人物自身は決して好奇の目にさらされるような変人ではなかった。 幽閉されていた半生と見世物にされた残りの半生。 誰の目にもふれない人生と見世物のような人生だけなんて、彼の生涯はあまりにも悲しい・・。 行方不明者や身元不明者なんて世界中で数え切れない。だからヴェルナー・ヘルツォークが本当に描きたかったのは、「カスパー・ハウザー」その人ではなく、人間たちが彼に行った "行為" だろう。 彼の生い立ち、彼のこころ、なぜ殺されたのか、、全ては謎のままであり、むしろ人間の異常性・残酷さが尾を引くように際立つばかりだ。
[DVD(字幕)] 6点(2018-03-14 22:55:48)
286.  シェイプ・オブ・ウォーター 《ネタバレ》 
ファンタジーであり極めてシンプルなラブストーリーであると思う。そして映画愛と呼ぶべきオブラートにくるんではいますが、根本的にはホラーと思いました。もちろん、聾者の女性とゲイと黒人とロシア人と(半魚人のような)異形の者が力を合わせて、一匹の怪物と戦う物語です。最後、二人が海中に漂うラストシーンはあまりにも美しくて、涙が出ました。 愛し合う二人しか存在しない世界。そこは、差別、偏見、俗物といった概念が存在すらしない、遠い遠いアダムとイヴの楽園を思い出す。だから見方によっては、腐敗したこの世界(地上)にサヨウナラ、といった物語でしたね。こういった普遍的な娯楽映画がアカデミー賞作品賞とは素直に喜ばしいこと。でも、昔みたいなクラシックな(男と女の)恋愛ドラマ、アカデミー賞でまた見たいです。
[映画館(字幕)] 7点(2018-03-11 23:23:36)
287.  エル・スール 《ネタバレ》 
白と黒を基調とした人物の服装と風景によるコントラストが織りなす映像美は、光と影の芸術と言ってもいいだろう。天使のように無垢な少女エストレーリャが、アグスティンに寄り添い牧歌的な草原に佇む風景。彼女が純白のベールに身を包んだ聖体拝受の場面。彼女が窓越しに映るとき、窓の枠は絵画の額縁になり、彼女は窓に描かれた美しいモデルのように。息を吞むほどの美しい場面の数々に、きれいな映画に出会えた幸福感に包まれる。音楽が少なく物静かに話が進む中、「エン・エル・ムンド」が二回にわたって奏でる、音楽のコントラストも印象的だ。幸せの絶頂でも永遠の別れを予感させるそのときも、何一つ変わらず流れるその曲に、過ぎた時間と離れていく心の変化ばかりが虚しく際立つばかりだ。最後のレストランの場面、まるで会話が途切れるのを嫌うように語り続けるアグスティン。かつて幼い娘にとって謎であった父という存在。今はもう、父にとって娘という存在が"謎"なのかもしれない。アグスティンの熱っぽい視線に戸惑い、逃げるように店を出たエストレーリャの姿。気のせいだろうか、二人が見つめ合ったこの一瞬、私には二人が父と娘というよりは "男と女" に見えた。黙って逝った父の遺品に導かれるように、旅立ちを決意する少女。そして過去と決別するように、"南"へ。娘から、一人の女へ。在りし日の父への想いを胸に秘めて、彼女は大人への一歩を踏み出す。やがていつしか、父と娘の閉塞的な暮らしのなかにあった美しい風景は、その成長とともに記憶の中で色褪せていくのだろう。
[DVD(字幕)] 8点(2018-03-09 23:37:45)
288.  15時17分、パリ行き 《ネタバレ》 
この映画で一番の偉業は掲題の出来事ではなく、役者経験なしの男たちがこの年齢にしてC・イーストウッド監督の映画で (主演!) デビューを成し遂げたこと。異論は認める。そしてイーストウッドは、役者の技量なんて監督の手腕でどうにでもなる、と言っている。これも、異論は認める。
[映画館(字幕)] 7点(2018-03-05 18:45:27)
289.  ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ 《ネタバレ》 
とにかく、驚くほどユーモラスで軽快なタッチです。実はかなりシリアスなテーマなんですけどね。重たいテーマもきっと料理の仕方なんでしょう、あの9・11を笑いのネタにする気概に拍手。ラブストーリーとしては王道で目新しさはありませんが、大金かけて大コケの映画が多い中で、改めてこういう映画っていいなぁとしみじみ思いました。たぶん、人種違えど愛し合った"本人同士"が結ばれるのはそう難しくないと思います。むしろ難関はその先にあるもの、つまり本作のテーマは、相手の家族や二人の関係に偏見の目を向ける人たちといかに良好なコミュニケーション (人間関係) を築けるか、にあると思いました。だからこそ、クメイルとエミリーの両親たちとの関係に時間を割いているのもご理解いただけると思います。物語の展開としては、どんでん返しに値する驚きはありませんが、最後に映画に仕掛けられた "秘密" (サプライズ) に驚くお話しですかね。 (予備知識なく鑑賞してよかったです) 欲を言えば、せっかくパキスタン人が主人公なので、彼らの国の文化 (料理など) をもっと観たかったかな。個人的にはエミリーの両親、すべりまくりのお父さん (笑) とキュートなホリーハンターお母さん、この二人がかなりツボでした。好きだったなぁ。
[映画館(字幕)] 6点(2018-03-05 15:35:49)(良:1票)
290.  ひそひそ星
不謹慎な言い方かもしれませんが、宇宙船の船内は前にTVのニュースで見た東日本大震災の仮設住宅を思い出しました。殺風景な住まい、孤独な日々、気の遠くなるような時間。そういう時こそ、宇宙を旅しているくらいの想像力をもって生きてください、といった監督なりのメッセージなのかもしれない。あの時にあなたが失った大切なもの、いつかあなたのもとに届きますように。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2018-02-20 23:02:09)
291.  フィツカラルド 《ネタバレ》 
映画史においても悪名高い二人(笑)、ヴェルナー・ヘルツォークとクラウス・キンスキーのコンビによる、渾身の冒険ロマン。南米はペルーのジャングルや湿地帯などどこ吹く風で、白いスーツで精力的な主人公フィツカラルドの姿が印象的。船による山越えばかりがクローズアップされているが、ジャングルの奥地を開拓する秘境探検モノとしても充分楽しめる。もし山を渡る蒸気船の空撮写真が存在したとして、どうせ合成写真だろう?と誰もが目を疑うだろう。それほど、現実離れした圧巻の光景と思う。秘境の奥地にオペラハウス建設という、途方もない夢を成し遂げたフィツカラルドの情熱。そしてこんな馬鹿げた映画を考えて、本当に実写で撮ってしまったヴェルナー・ヘルツォーク監督の情熱。真の圧巻は、蒸気船が山を越えた事実よりも、あきれるほどに壮大な彼らの野心であり情熱なのだろう。
[DVD(字幕)] 7点(2018-02-20 22:00:28)
292.  スローなブギにしてくれ
車とバイクをモチーフにした物語でもあるので、「スローなブギにしてくれ」を "俺の恋の暴走にブレーキをかけてくれ" と脳内変換して楽しみたい(笑) ハードボイルド気取りの二人の男たちをもて遊ぶように、しなやかで自由気ままな浅野温子の姿はまるで猫のよう。彼女はまさに適役だったように思う。個人的にはもう一曲、中島みゆきさんの「なつかない猫」を思い出した。
[DVD(邦画)] 6点(2018-02-15 21:37:07)
293.  リトル・フォレスト 冬・春 《ネタバレ》 
夏・秋編がさっぱりでしたが、まとめてレンタルしたので一応鑑賞しました。やはり厳しいなあ(笑) とにかく、料理から心境まで全ていち子本人のナレーションで説明するテレビドラマ演出がいけない。彼女が何を思い考えているのか、頼むから少しは考えさせてくれ。特に残念なのが、東北の冬の厳しさがほとんど伝わらなかったこと。形式的に雪や雪原は映りますが、それはただ美しいだけで生活に紐づく厳しさを感じさせるものではなく、東北の冬の表面的な(観光案内的な)姿を見せられた感じ。最後、神楽舞を踊る場面はよかった。いち子が吹っ切れたような本当にいい表情をしている。しかし5年後とはいえ、突然の踊りにはやや唐突感も。彼女が神楽舞に関心がある描写を一度でもはさんでおけば、この場面がさらに活きたのに、とちょっともったいない気がした。
[DVD(邦画)] 4点(2018-02-13 22:50:42)
294.  リトル・フォレスト 夏・秋 《ネタバレ》 
これは厳しいなあ(笑) 橋本愛のプロモーションビデオじゃあるまいし、彼女のクローズアップがやたらと多すぎ。内容はまるでグルメ番組のように、とにかく料理、料理、料理で、ストーリーはおまけ程度でしかない。その料理もナレーションで全て説明してくれて、見せ方に映画らしい工夫がない。東北の四季折々の風景や食は改めて素晴らしいと思う。でもそれはあくまで風景や食の"素材"そのものがいいからで、決して映画の内容がよいのではないと思う。
[DVD(邦画)] 3点(2018-02-13 22:46:15)
295.  スリー・ビルボード 《ネタバレ》 
一つのレイプ殺人をトリガーにして、とどまることを知らない不幸の連鎖。全く先が読めないという展開も含めて、コーエン兄弟の映画を彷彿させます。そして、「ファーゴ」以来、久しぶりに存在感のある (ありすぎる笑) フランシス・マクドーマンドでした。 本作の「ビルボード」は、コミュニケーション不全の社会のメタファーと思います。一方通行で煽るのではなく、初めからミルドレッドと署長が対話をしていれば、ディクソンとレッドが対話をしていれば、レイプ殺人一つだけで不幸は済んだ話。そもそも、母と娘が口論ではなく対話をしていれば、娘が暗い夜道を一人歩いて街に向かう愚行も回避できたかもしれない。怒りや憎しみは何も生まない、というよりは "対話" (コミュニケーション) 不足が生んだ悲劇のお話と思う。 また本作の広告用ビルボードの使い方は、匿名で個人に向けてメッセージを発信する、といった共通点から、ネットの投稿や掲示板を思い出します。時に相手 (個人) を一方的に誹謗中傷しているのに、書いた本人に罪の意識がない、という点もよく似ています。本作のテーマは決してネット社会の風刺ではありませんが、裏テーマとして含みがあるように少なからず感じました。 観応えはありますが、救いがない、着地点がもやっとしている、ミルドレッドやディクソンの行為に全く共感できない、以上からこの点数です。
[映画館(字幕)] 6点(2018-02-05 17:06:56)(良:2票)
296.  ほとりの朔子 《ネタバレ》 
2週間をおばさんの家で過ごした、朔子のひと夏の物語。これは表向きは陽気な話を装っているが、見た目ほど愉快な映画ではないと思う。一線を越えそうで越えない、男と女。青春と性の境界線。原発の立ち入り禁止区域の境界線。映画からは、理性と狂気の狭間でかろうじて踏みとどまっているような、ピリピリとした(異様な)空気を随所に感じる。夏らしい色鮮やかな彼女の姿は、ひと夏の間、水辺のほとりでオスを誘引して光る、メス蛍の求愛行動を思い出す。蛍の寿命は短くて、生きても2週間とか。一度越えたら二度と戻れない、生と死の境界線。そして2週間の短い夏が終わり、朔子は帰って逝きました、とさ。
[DVD(邦画)] 7点(2017-12-28 23:28:51)
297.  オリエント急行殺人事件(2017) 《ネタバレ》 
A・クリスティの原作は既読、過去の映画版は未鑑賞です。今回、結末を知りながら鑑賞したのは、多くの方たちと同様、稀にみる豪華出演者たちに惹かれたからです。その映画はまるで、豪華キャストによるお芝居(舞台劇)をスクリーンで観ているようでした。でも"列車内"からロケーションがほとんど動かない上に、乗客たちは素性を知られないよう"芝居"をしているので、設定上そうなって当然か(笑) とりわけ印象的だったクライマックスの場面、これは原作にはなかったように記憶しています。暗いトンネルの中から、光射す方を望む12人。見据えるその先に立つポワロは、罪人たちを暗い淵から更生に導く救世主のようにも見えます。これはまさに映画ならではの演出だったように思う。でもさ、せっかくその映画じゃない?暗い顔した人物たちばかりじゃなくて、オリエント急行の車窓から覗く美しい風景、豪華料理のフルコース、もっと観たかったなあ。(登場人物が多すぎるから仕方ないんでしょうけど)
[映画館(字幕)] 6点(2017-12-23 00:02:38)
298.  ノスタルジア 《ネタバレ》 
いつか夢に見た遠い日の懐かしい風景の断片を映像化すると、このようになると思う。そういった意味では、本作の表現はフェリーニの「8 1/2」に近いと感じた。もちろん両者は人種も生い立ちも趣向も異なるので、一見すると2作は全くのジャンル違いに見えるが、アプローチはよく似ていると思う。見る夢とそれを映像化する感性は人それぞれだから、どちらも第三者にとって難解な作品になって当然だろう。両者の共通的な特徴として、視聴者の理解・娯楽的嗜好を満たすよりは、どうやら監督自身がその映像表現に陶酔することを最優先しているということ。タルコフスキーは時に人間不信と感じるほどに登場人物の感情が見えにくく、もしかしたら映画の撮影においては、人間すら風景の一部として捉えているのかもしれない。(全体像として母への愛は"抽象的に"伝わってくるが) 確かに、詩的でありどこか郷愁を誘う映像美にはただただ圧倒される。しかし、場面場面の暗示的な問いかけに監督の意図する答えを見つけることができなかった私には、この評価が精一杯だ。個人の映像表現としてなら迷うことなく満点だが、これは映画なのだから。
[DVD(字幕)] 6点(2017-12-08 23:17:35)
299.  女神の見えざる手 《ネタバレ》 
これはとても観応えのある脚本でした。登場人物たちの洪水のようなセリフの応酬に圧倒されて、あっという間の2時間が過ぎてゆきました。エリザベス・スローンという女は強烈だった。彼女は頭脳を武器に国の巨悪と戦う、まさにワンダー " キャリア " ウーマン。その人間性や手段はともかくとして、私は彼女を羨望の眼差しで観ていたことを白状しよう。1つだけ気になった点があります。それは彼女の過去や生い立ちが一切語られていないこと。だからその信念の源は不透明だが、実はエズメのように銃にまつわる壮絶な過去を背負っていたのではないか、と思うことにします。映画としては、やはり原題通り天才ロビイストである彼女を堪能するべきで、必ずしも銃社会の問題に固執した物語ではないと思いました。 (クライマックスでは銃うんぬんはどうでもよくなってるし) そして、観終えてみれば納得の邦題も秀逸だったように思う。それは人間たちをチェスの駒のように自在に操った彼女の見えざる手であり、彼女が張り巡らせた壮大な罠でもある。でも実は彼女自身を導いて突き動かし続けた力こそ、" 女神の見えざる手 " かもしれません。
[映画館(字幕)] 8点(2017-12-07 22:12:17)(良:1票)
300.  KUBO/クボ 二本の弦の秘密
雰囲気はまさに「まんが日本昔ばなし」なんです。あの世界観を、ハリウッドの新進気鋭のストップモーションアニメ監督が現代風に演出していて、なんかこう、観ているあいだ不思議な感覚でしたね。クボ・サル・クワガタが三人パーティを組んで、村を草原を山をてくてく歩き、やがて舟で大海原へ。僕は勝手にドラクエⅡを思い出したりもしたのですが (笑) 闇の姉妹の造形は不気味な美しさにぞくぞくしますが、骸骨の場面だけはどうしてもティム・バートン風になります。と、ここまで書いてみて、つまり雰囲気は極上ですが、新鮮な " 個性 " は乏しいのかなと。道具のディテールには相当拘っていて、折り紙のザラザラした感じ、クワガタが纏う甲冑の質感、クボの刀や兜の光沢は惚れ惚れするほど。また、外国の監督にありがちなピント外れな日本の描写もほとんどありません。監督 (制作スタッフ) のみなさまは、日本古来の風景はもとより、習慣や文化まで深く探求されているようで、これは嬉しい限りでした。なお私は字幕で観たのですが、この世界観なら英語よりも日本語吹替の方がいいかもしれません。 (日本の風景にサムライたち、これが英語というのがちょっと違和感でした)
[映画館(字幕)] 7点(2017-11-27 17:35:56)
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