661. 北京的西瓜
《ネタバレ》 途中まで、大林監督の作品じゃなくてもいいような感じだった。 普通の映画も撮れるんだなどと思っていたが、 後半、八百屋夫婦が北京に訪れる時に、一気に大林流実験映画風が炸裂する。 現実(天安門事件)のため、映画が撮れなくなるのだ。 そこで東京のスタジオで撮影した北京でのみんなとの再会場面。 ここでのもたいまさこのスピーチが実にいい。 抜粋 「人は幸せに見えたり、お金持ちに見えたり、それでも 人間の一人一人の中には変わらないものがあるような気がします。 それが人と人をつなぐもののような気がします。」 エンドロールでの中国人たちの演奏が胸に来ます。 [ビデオ(邦画)] 7点(2019-06-22 15:55:18)(良:1票) |
662. 源氏九郎颯爽記 秘剣揚羽の蝶
《ネタバレ》 こんなシリーズ、あったんですね。 なんと魅力的な悪党か! 小汚い連中を束ねる小悪党かと思いきや、実は秘剣を隠し持つ最強の剣客。 どっちの表情もカッコいい! カッコいいワルを足したような存在。 それを中村錦之助が颯爽と演じる。 どこか宮崎アニメのルパン三世カリオストロを思い出したなぁ。 宮崎監督、自分は映画の奴隷とかアニメはコピーだとか言ってるけど、 この頃の時代劇の面白さを取り入れたのは間違いないんじゃないかなぁ。 伊藤大輔監督なので観ました。 面白かった。安くて美味い料理が次から次へと出てきた感じ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2019-06-19 00:55:49) |
663. 春琴物語
《ネタバレ》 伊藤大輔にはまってしまった。 で、彼の本流の時代劇を見ずに、 谷崎文学の春琴抄を彼の映画で初体験。 もう、あの場面では「やめれ~~~~~」と 一人モニターの前で体をよじって悶絶してた。 (春琴抄を知る人にはこの悶絶わかるのではないか) 身も心も疲れ切ってしまった。 春琴抄はいろんな監督が映画化してるよね。 他の監督のも観てみたくなった。 (というより谷崎文学の映画に興味がわいてきた) 追伸 京マチ子さんが亡くなられてしまった。 お美しい方だったんですね。 [ビデオ(邦画)] 7点(2019-06-17 22:18:06) |
664. 若おかみは小学生!
《ネタバレ》 えらく話が凝縮してるから、飽きることなく観れた。 宮崎アニメのようなこだわりで、 緻密に創られた子供向けアニメ。 日本の情緒たっぷりに描かれてて、好感触。 面白かったです。 [DVD(邦画)] 7点(2019-06-16 20:00:51) |
665. 大鹿村騒動記
《ネタバレ》 成程ね~ 阪本監督も、何か仕掛けてくる監督だもんね~ 原田芳雄に歌舞伎やらせてみたいと思ったのかしらん。 粋な映画ですね~ 長さ的にも丁度いいし、中身も楽しい。 石橋蓮司にも歌舞伎やらせたのは、大正解~~~~ [DVD(邦画)] 7点(2019-06-13 01:37:17) |
666. わるいやつら
《ネタバレ》 清張映画。 医者が毒物を使って、患者を殺しても、 死亡診断書をその医者が書けば、完全犯罪だという点がミソの 男女の痴情の絡みを描いた話。 にしても自分を殺そうとした男をかばう婦長さんの気持ちはどの辺なのだろう? そこをもっと掘り下げて描いた映画も観てみたい。 [ビデオ(邦画)] 7点(2019-06-07 11:02:43) |
667. 駆込み女と駆出し男
《ネタバレ》 原田監督は、黒澤さんの首を狙っとう。 娯楽映画にして、このクオリティ。 訳あり女の裏には、一筋縄じゃない男ばかり。 時代劇版縁切り寺に来る女には、死に顔見せたくないために来た女だっている。 泣ける~もう! 大泉洋が女性に囲まれても、見事に魅力を発揮! 戯作者志望の医者見習いが最後に選んだ道とは! もう観終わって、すぐDVD買っちゃったよ♪ だって映像がきれいだし、見応えあるも~ん(笑) [DVD(邦画)] 10点(2019-06-01 23:10:21) |
668. われ幻の魚を見たり
《ネタバレ》 カツ子~ォォォォ! ラストの十和田湖に絶叫する声は、カバチップたちには聞こえたのでしょうか・・ カバチップの帰省と息子の死が同時と言うのは、ちょっと残酷。 悲しんでいいのか、喜んでいいのか、何とも言えない夫婦の表情が何とも言えなすぎる。 伊藤大輔の映画は「王将」もそうだが、夢を追う旦那の妻が苦労し過ぎだろうよ!!! [ビデオ(邦画)] 6点(2019-05-29 01:43:47)(良:1票) |
669. 寝ても覚めても
《ネタバレ》 ほんわかした、大人しい女性。男としては守ってあげたいタイプ。でも結果として嫌な女になる。 昔からよくあるパターン。 結局、自分をしっかり持てないのに、自分の気持ちを大事にするタイプの女の子は、 都会に出してはいけません。 この映画、この女の子の親が出てこないんだよね。 悪い男じゃなくて良かったよ。東出君(丸子君の方)、エライ! [DVD(邦画)] 7点(2019-05-26 20:43:41) |
670. しあわせの雨傘
《ネタバレ》 いや、面白かった。 オゾンならではの切れ味ある場面もあり、ブルジョアコメディとして上質。 オゾンがこのような映画を?と驚かれる方もあるかもしれないが、 いやいや「8人の女たち」というミュージカルも撮っている監督なのだ。 僕が興味深かったのは、「シェルブールの雨傘」で清純な娘を演じた ドヌーブがそのあと「昼顔」という淫売な女性を演じてしまった映画史的事件。 実はオゾンの女性不信もここから始まったのではないか?だからこその、この映画ではないか? とニヤリとしてしまった。(違うかもしれんけどね(笑)) この映画でもそこがきちんと演出されてる・・と思う。 薄靄の光の中でまばゆいばかりのきれいな女性が車を降りてきて、 次の場面ははげしいHなシーンである。 こんなえげつない演出は、やはりオゾンならでは? 最後の夫のセリフが泣ける。 妻(ドヌーブ)は飾り壺ではあるが、中身が空じゃない、と言わせるのだから。 [DVD(字幕)] 7点(2019-05-25 18:04:56) |
671. ぼくを葬る(おくる)
《ネタバレ》 フランソワオゾンは、自分をさらけだす性を同性の男性にしたひとたちだ。 この世の2つしかない性別の1つで完結している。 だから生命の光が輝きにくいのだろう。 かくして、この映画のゲイの青年も余命少しの設定である。 彼は子どもが嫌いだった。 ところが不妊のカップルからセックスをして欲しいと頼まれる。 その営みのあと、彼は母乳を飲む赤ちゃんに慈愛の目を向ける。 そして彼が自分を葬る場所に選んだのは、健康的な海水浴場。 彼は世界と一つになり、往く。 フランソワオゾンのセンスには下をまく。 見事なラストだ。 [DVD(字幕)] 7点(2019-05-25 14:55:16) |
672. ファウスト(2011)
《ネタバレ》 自分も、原作は手塚治虫の漫画「ファウスト」「ネオファウスト」しか読んでない(笑) しかし、どうも第1部をソクーロフ監督の新解釈により、2時間近く描いてるようですね。 悪魔との契約のおかげ(?)で、ファウストはマルガレーテをものにする。 しかし彼は兵士になり、戦地へと赴き、最後は悪魔を叩きのめすと、荒野を延々と さまようような感じで終わる。 何といっても圧巻は、ファウストへのマルガレーテの一分ほどの表情の場面(長回し!)である。 軽蔑、赦し、友愛。それが無言の表情で語られる。 そこまでが退屈と言えば、退屈だし、それがソクーロフ節なんでしょうね。 [DVD(字幕)] 7点(2019-05-24 04:00:37) |
673. 2重螺旋の恋人
《ネタバレ》 非常に興味深い。 セックスバイブルみたいな映画。 フランソワオゾンがエロティックな映画監督でありながら、 女性に支持されるのもよく分かる。 [DVD(字幕)] 8点(2019-05-18 22:59:02) |
674. 検察側の罪人
《ネタバレ》 観応えあって、面白かった。 原田監督の洗練された社会派ドラマ。 「バウンス」や「金融腐蝕」で期待された監督だけど、ここんとこ大人しかった!? でも久々の原田監督らしさというか・・ やはり社会派をこの人くらいスタイリッシュに 面白く描ける人は中々いない。 期待してますよ~。 それにしてもキムタクは犯人役の方がいい味出すと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2019-05-18 20:34:40) |
675. この空の花 長岡花火物語
《ネタバレ》 大林監督の戦争三部作は、映画好きなら必見です! 「長岡花火物語」「野のなななのか」「花筐」 たしかにストーリーが分かりづらく、観たときはそうでもないかもしれません。 でも心に残る映画です。 何年でも心のどこかに残る映画こそ、いい映画ではないでしょうか? この映画も好きな場面がいっぱいあったなぁ。 幽霊のような一輪車人間。空襲のシーンで奏でられるサックス。先生好きですといった女性徒とのハイタッチ。 花火のシーンにかぶさるエンドロール。 いやぁ、こりゃDVD欲しくなったぁ! 大林監督の戦争三部作は全部DVDが欲しい! [DVD(邦画)] 10点(2019-05-18 15:27:01) |
676. 王将一代
《ネタバレ》 板妻の「王将」の続編である。 伊藤大輔監督は、この後にも三国連太郎でまた「王将」を撮っているようだが、 坂田三吉への惚れ込みようはスゴイ。 さて、本編、東京一極集中に対するアンチテーゼになってる。 関西名人一派が東京に流れていき、後半、坂田三吉と東京名人の入江と勝負して、 コテンパテンに負けてしまう。 ところが失意の坂田は、そこで自分ならではの一手があると気づく。 これこそ近代将棋に対する、坂田将棋の光を見出す。 そして東京に流れた一番弟子が自分を相手に坂田将棋を磨いてくださいと言う。 もうクライマックス最高潮である。 ところが、その後、一番弟子や坂田の愛弟子が交通事故にあう。 これでジ・エンドである。 伊藤大輔の時代の流れには勝てぬという絶望感だろうか・・ それにしても「王将」シリーズは、日本のロッキーである。 いや、ロッキーより深くて面白い! [ビデオ(邦画)] 8点(2019-05-13 13:28:28) |
677. 1987、ある闘いの真実
《ネタバレ》 30年前、隣の国はこんな国政のもとにあったなんて・・ どうりで、韓流ブームで一気に見応えある文化が流れてきたんだね。 マグマのように溜まってたんだ・・ 社会派ドラマとして骨太ですが、実話と知ると、考えさせられます。 [DVD(字幕)] 7点(2019-05-11 22:44:19) |
678. 花筐/HANAGATAMI
《ネタバレ》 大林監督の戦争三部作の最後の作品。 「野のなななのか」よりも赤裸裸である。 自分の中に封印した「青春の悶え」みたいなものを、映像として表現されると、 何か口惜しい。 しかし、戦争とはこんな無垢の魂をいきなり晒すようなものであるのだ。 戦争の悲惨さを描くことなく、反戦映画になってる。 素晴らしい。 DVDが欲しい。 [DVD(邦画)] 10点(2019-05-11 15:37:00) |
679. チ・ン・ピ・ラ(1984)
《ネタバレ》 チンピラを題材にした、チンピラのような映画。 要するに中身がないってことだが、統一という点で語るならば、 結構な芸の技である。 この映画を語るには2つのポイントがある。 前の年、「竜二」という傑作を撮った川島監督が同じような映画を撮れなかったという点。 もう一つは、日本映画が面白くないと評判だったこの頃、どんでん返しというテクニックででも 面白く観せようとした映画界の苦しみがあった点。 この2点から、このような奇妙な後味の娯楽作品が出来てしまったのだ。 この後、アイドルものを撮ったりして、川島監督の煩悶が続くことになる。 かなり苦しまれたのではないだろうかと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2019-05-08 00:35:55) |
680. みかへりの塔
《ネタバレ》 清水宏は子どもを描くのがうまいなぁ。 自然体ではないけど、子どもらしさってさもあありなんって感じ。 漫画サザエさんの子ども描写とよく似ている。 案外、長谷川町子さんは清水宏からヒントもらってたのでは? 映画は問題児たちが水路工事と言う事業をなしとげてしまうという話。 ラストは涙なくしてはいられない。 素晴らしい作品だと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2019-05-07 08:34:06) |