61. シックス・センス
一度目はオチに気付かず「そうきたか」という驚きがあり、二度目はオチを知っているから数々の計算された伏線に頷きながら楽しめる。謎が気になってひきつけられることは間違いないし、サイコホラー的なゾクゾク感もある。そういったミステリーホラーでありながら感動の要素も忘れておらず、様々な層に受け入れられる作品である。 8点(2004-02-24 23:16:05) |
62. 天使の牙 B.T.A.
ハードボイルド+サイファイという印象で、テンポがよく飽きずに観られる。現実離れした内容だけに(脳移植とか)テンポが悪ければどうしようもない駄作になっていただろうが、突っ込ませる隙を与えずに次々と予想を裏切る展開を用意させている点が良かった。佐田真由美の演技には期待していなかったがガッカリさせられることもなく、ここまで演じられれば上等であろう。アクションを期待せずに観ればなかなか楽しめる。映像も思ったほど酷くなく、セットは丁寧に作られていると感じた。どちらかというと男性よりも女性のほうが感情移入しながら観られるのではないだろうか。さりげなく役者陣が豪華である点も面白い。 7点(2004-02-24 22:54:52) |
63. PiCNiC(1994)
映像美の中に痛いほど詰め込まれた儚さ。美意識と毒々しさをバランスよくお洒落に演出する岩井監督の才能には感心するばかりだ。配役も素晴らしく音楽も良い。好き嫌いが分かれる映画だとは思うが、非常に岩井氏らしい世界観が溢れている。世間から隔離された主人公たちのピュアさにどこまで入り込めるかが、今作を楽しむためのポイントであるように思う。 6点(2004-02-24 22:36:31) |
64. 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)<TVM>
これほどまでに小学生の視点で世界観が描かれていることに素直に驚く。そして時代の空気を切り取るのが非常に上手い。「スタンド・バイミー」に近い秀逸なノスタルジームービーと言えるだろう。誰もが自分の小学生時代を思い起こすに違いない。時間的にも一時間未満と手ごろなので、もう一本借りたいけど長いのはちょっと・・・という時にもお薦めである。岩井氏の感性が合う人にはたまらない作品。 8点(2004-02-17 23:27:55)(良:1票) |
65. 仄暗い水の底から
《ネタバレ》 ホラーとしてはまったく怖くなく、美津子は貯水槽に転落したんだろうなというのも途中でわかってしまう。しかし子役の演技は胸を打つものがあるし、離婚を絡めた家族ドラマも現実味を帯びており、鈴木ホラーらしい物悲しさが漂っている点がビックリ&ドッキリさせるだけの映画とは違う味わいを醸し出している。ホラーではなくホラー風味の母子モノとして観ればそこそこ楽しめるであろう。だが10年後の設定は少々無理がある。 5点(2004-02-17 23:18:22) |
66. 黄泉がえり
《ネタバレ》 矛盾している点が多少あるのが残念だが、内容のテーマとしては嫌いではない。竹内結子がなかなか好演している。RUIのエピソードがもう少しあれば、最後の歌のシーンも効果的だったと思うのだが。RUIの彼氏のキーボード奏者もおそらく消えてしまったのだろうから、そのあたりも描いてほしかった。首をかしげたくなる点は多々あるが、強引にも綺麗にまとまっているので観賞後の後味は悪くない。 7点(2004-02-17 23:05:11) |
67. ターミネーター
名作T2の原点をつくったという意味では10点満点。映像が古く感じるのは二十年も前の作品だから致し方ない。しかしひたすらターミネーターが冷酷で迫力がある。近未来系アクションという意味でスターウォーズとはまた違う路線を築き上げたといってもいい。マイナス1点にしたのはT2(ちなみに10点評価をつけている)のほうが個人的に好みであることと低予算が故に半端に安っぽい箇所が気になってしまう為。 9点(2004-02-10 22:40:28) |
68. 千と千尋の神隠し
確かに色使いを増やしたと宣伝していただけあって、はっきりと観てわかるほどカラフルになった印象は受けた。しかし内容が隠喩的であるというか回りくどい。一度観ただけではいまいち良さがわからず、もう一度観ても理解はできるものの感動はない。映画はメッセージが伝われば良いというものではなく、観ていて素直にどきどきしたり感動したりできなければ面白いと言えないと私は思うのだが。他の方も書いておられるが、不思議の国のアリスを和風ファンタジーに作り直したような印象。宮崎アニメというネームブランドにつられてメディアが高評価しているのではないかと疑ったほどだ。興行収入が良い=誰もが面白いと思う、という概念は捨てなければならない。 4点(2004-02-10 22:27:08) |
69. 風の谷のナウシカ
不朽の名作。しかし子供には少々わかりづらいかもしれない。実際、私がこれを初めて観たときは小学生であり内容を理解しきれていなかった。大人になってから何度か観たが、それでようやくナウシカの深さを知ったわけだ。自然vs文明という永遠のテーマを掲げ宮崎監督を世に知らしめた偉業的作品。二十年の月日が経ってもいまだに胸に響く。 9点(2004-02-10 22:17:12) |
70. スワロウテイル
わかりやすいLoveLetterも良いが私はどちらかというとスワロウテイル派。今作は殺伐とした退廃的な雰囲気の中で懸命に生き抜く不屈のタフネスが描かれている。言葉、人種、国籍について考えさせられる。CHARA、三上、伊藤歩、渡部が役にマッチしており素晴らしく好演している。何度観ても深い感動がある。題材が題材なだけに評価がわかれるのもわかる気がするが、エンターテイメント、アーチスティックという両面を満足させてくれる良作であると私は思う。 10点(2004-02-10 22:01:50) |
71. Dolls ドールズ(2002)
映像が素晴らしく綺麗。ここで多くの方が語っているように四季の移りかわりが叙情的だ。だがしかし内容が私にはピンと来なかった。究極の愛を撮りたいのはわかるのだが、山場が少なく悪くいえば退屈。個人的にはしっかりと軸のある話が好きなので。個々の趣味によって評価のわかれる作品であると思う。 4点(2004-02-10 21:40:02) |
72. たそがれ清兵衛
予定調和的にすすんでいくので話の先が読めてしまうが、真田の刀さばきはさすがだ。宮沢りえも美しく二人の子役も可愛らしい。決闘シーンもなかなかの迫力。しかしやはり肝心のストーリーに深みがない。岸恵子のナレーションがほのぼのしていてうまく全体をまとめているのだが、大きな感動があるわけでもなく、内容的にはそこそこ。ただ真田氏の才能や魅力があふれているこの作品は、少なからずも彼に注目しているのなら観ておくべき映画だろう。 6点(2004-02-05 18:35:44) |
73. 13階段
サスペンスものとして気楽に観ようと思ったのだが、余りにもシリアスな題材、人間ドラマの深さに思わず引き込まれてしまった。確かにサスペンスだけを捉えるのなら腑に落ちない点はあるし、ラストも都合が良すぎるように思える。だがしかし今作は痛切に人間の生き方を訴えてくる。泣かせる演出もいつもなら興ざめしてしまうのだが、テーマがテーマなだけに今回ばかりはすんなり入り込むことができた。単なる死刑廃止論を唱えているように見えるその裏側に、人の生き様を問う熱い何かがある。恨みは輪廻するものであり、犯人が死んでも消えるものではないのだろう。苦しみや悔いを抱えながら生きていく事こそが、本当の報いと償いなのではないだろうか?久々に原作を読んでみたくなった映画である。別の角度からみると大御所役者陣の安定した演技に加え、反町の新たな演技の開拓、宮迫の意外な演技力、脚本家・宮藤官九郎の役者としての一面が見られる点が興味深い。 9点(2004-02-05 02:32:55) |
74. ハンニバル(2001)
胸が悪くなるような映像はグロテスクを通り越して恥美。しかし「羊たちの沈黙」のような心理的な怖さは今回感じられず、レクター博士は狂気が失われて今回はただの悪趣味な変人。そこが楽しいといえば楽しいのだが。希望をもたせたラストに救われたようなものである。エログロを徹底して描くという姿勢には感心するが、映画の面白さとはまた別の問題。 4点(2004-02-02 21:41:25) |
75. トゥルー・ロマンス
豪華な出演陣、脚本はタランティーノ、音楽に定評のあるハンスジマー。これらを抜きにしても楽しめる痛快なアクションは何度観ても楽しめる。盛り上がっていくワクワク感、それをきちんと消化してくれるラスト。観た後にとても満足できる映画だ。 9点(2004-02-02 21:33:21) |
76. マイノリティ・リポート
《ネタバレ》 未来を予測するという舞台設定、構成もよく練られているし、展開もテンポよく観れる。しかし人間離れした預言者が普通の女の子になってしまったあたりからやや失速。未来を変えることができるのかどうかという、その真相が明かされる問題の大事件が起きた後が少々長すぎて飽きる。近未来ヒーローモノが好きであれば楽しめるだろうが、そうでない私のような者にとっては観賞後の満足感があまり残らない作品である。 6点(2004-02-02 21:06:52) |
77. チャイルド・プレイ(1988)
シリーズの中ではやはりこれが一番だろう。ホラーとしては観てはいけない。これはサスペンス仕立てのコメディなのだ。チャッキーというキャラクターをこの世に生み出しただけでも充分評価に値する作品である。生意気そうな顔をして人を殺す人形、という設定自体がファンタジック。チャッキーの動きがチープであるほど愛らしく思えてしまうほど、内容云々よりキャラが勝った映画。 8点(2004-02-02 20:54:36) |
78. 裏窓(1954)
初めてヒッチコックを知った映画だったので設定がとても斬新だった。撮り方もうまく、こちらも主人公と一緒に覗いている気分になる。しかしオチを期待しすぎていたためか、「これで終わり?」といった物足りなさが残るのが残念。 4点(2004-02-02 20:28:14) |
79. ゆりかごを揺らす手
おおまかに見るとサスペンスなのだが、じわじわ迫り来る恐怖はサイコホラーに近いものがある。男性よりも女性のほうがより共感し、恐怖感を味わえるだろう。女の執念深さ、妬み深さがリアルに描かれている。 6点(2004-02-02 20:21:19) |
80. エイリアン2
エイリアンシリーズはそれぞれが個性を放っているが、個人的には2が一番面白い。ふんだんにエイリアンが登場しても映像がちゃちくないのはさすがこだわりのキャメロン監督。エンターテイメントをよく理解している。シガニーウィーバーがとてもかっこよく撮れているし、彼女の演じる戦う女戦士はターミネーター2のリンダハミルトンを彷彿させる。 8点(2004-02-02 20:07:50) |