841. ボーン・アイデンティティー
《ネタバレ》 最初から謎が多すぎて、なかなかストーリー展開がつかめなかった感じですが、ラストの公聴会のシーンなど、典型的なトカゲの尻尾切りを演出してましたね。主人公の女性がもう少し魅力的だったら、ジミーちゃんがエンディングで会いに行くのも納得するけど、ちょっと不足だったなあ。全体に画面が暗くてアクションの様子が見にくかったのも残念です。 6点(2003-08-15 00:20:48) |
842. K-19
《ネタバレ》 予告を観たときは面白そうな設定かなと思ったのですが、残念ながら期待したほどではなく、潜水艦ものとしては「U-571」と同様にハズレの部類でした。まず、核爆発や放射能汚染の危機がテーマなら、別に潜水艦にこだわる必要もなかっただろうと感じます。それから、ミサイル発射実験までの過程が間延びしてしまいました。欠陥部品の使用や人事面の問題などいろいろと伏線はあるけれど、無事に帰還できたことですべてうやむやになってしまったようです。あと、僚艦に助けられてから後の描写は特に必要を感じませんでした。逆に間延びした印象を強くしてしまいます。唯一救いがあるとしたら、文字通り命を懸けて原子炉の修理をした乗組員の迫真の演技でしょうか。たった10分の被爆で(あのずさんなレインコート!もありますが)あんなにひどい状態になってしまうんですね。”もんじゅ”の事故もあんなだったのかなと想像してしまいました。青い光の中で必死に戦う人間の姿は、とても見ていて心が痛くなりました。 6点(2003-08-15 00:16:12) |
843. マンハッタン無宿
ダーティーハリーの原型ですねえ。今でもあんなにあくどいタクシーの運転手はいるのだろうか?テンガロンハットで登場したときは、ちょっとジョー・キッドを連想するのは私だけでしょうか? あの、ちょっと周りを見回す仕草はそれっぽいと思うんだけどなぁ。 7点(2003-08-13 19:58:52) |
844. ザ・リング
98%を2倍速で観てしまいました。ぜんぜん怖くなかったなあ。これだったら、「エイリアン」のお腹突き破るシーンの方がよほど怖かったです。馬がフェリーから脱走することもあり得ないし、ましてダイブするなんてね。結論:ナオミ・ワッツは松島菜々子よりもずっと美人だ♪ 6点(2003-08-08 22:13:44) |
845. 砂の器
どうしてこういう名作は、最近の日本映画には無いんでしょうね。芥川の音楽が傑作なんだろうなあ。方言の謎の解読過程といい、丹波のおじさんが核心に近づく演出といい、松本清張原作を、見事に橋本脚本が再現していると思います。ラストのオーケストラシーンと重ねての加藤嘉親子の道行きのシーンは何度観ても感動します。 8点(2003-08-07 08:54:07) |
846. タクシードライバー(1976)
《ネタバレ》 まず最初に、ジャック・トラビスのモヒカンはカツラです(笑)。不眠症のベトナム帰還兵が政治家暗殺に失敗し、ヤクザの手から少女を救ってヒーローになるという単純なストーリーですが、オープニングの倦怠感あふれるデニーロのナレーションといい、疲れた日常と、その後の、少女救出の時の”彼”の一瞬の輝きを際立たせる演出ですね。そしてまた倦怠の日常に帰っていくトラビス。やるせなさを感じさせるエンディングだと思います。 8点(2003-08-07 08:47:50) |
847. 戦場にかける橋
《ネタバレ》 クワイ川マーチという音楽だけが一人歩きしてしまって、軽快なイメージを与えていますが、実際には戦争の悲劇を描いています。実際のイギリス人捕虜の扱いは悲惨だったらしく、「日本の食事が合わない」、「コレラ、赤痢の蔓延」、「強制労働による体力消耗」などで、あのような爆破工作をするだけの余力も残っていなかったらしいですね。また、収容所もジャングルの真ん中ですから、脱走するにも行き場所がなかったというのも事実らしいです。 <2004年2月17日冒頭の1行削除> 7点(2003-08-07 08:41:37) |
848. 十二人の怒れる男(1957)
リー・J・コッブがとてもいい味を出していますね。ヘンリー・フォンダの誠実な主張も見ものですが、ああいう強行主張派がいないと、この手の「オール・オア・ナッシング」ものは成立しません。雨の効果も見逃せません。 8点(2003-08-07 08:36:00) |
849. チャップリンの独裁者
権力者と市井の人間が入れ替わるシチュエーションコメディはよくあります。ただ、この作品は、その作られた時期を考えると、とても特別な意味を持っていると思います。皆さん書いていますが、やはり圧巻はラストの演説シーンでしょう。何度観ても、あの場面には感動します。戦争好きの世界中の指導者にかみしめて欲しいものです。 9点(2003-08-07 08:30:13) |
850. イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
猫パンチ野郎のミッキー・ロークが大嫌いです。演技ではなく、人格のにじみ出たイヤらしさが嫌いです。わがままな男が嫌いです。この映画はジョン・ローンの映画です。格好良かったなあ。 6点(2003-08-07 08:22:04) |
851. 生きる
手放しで名作とは言えない気もします。ただ味わい深い作品であることは確かでしょう。志村喬演じる主人公と小田切みきとの、やや不倫っぽい関係も面白かったけど、やはりストーリーの展開として、いい人に祭り上げられる悲劇がラストにじんわりと効いてきますね。有名なブランコのシーンを、葬式の場面で想起します。ただ、肩すかしを食った気分になるのも事実です。 7点(2003-08-07 08:18:47) |
852. イウォーク・アドベンチャー<TVM>
ええ?けっこう可愛いよ(笑)。仕草とか気に入ってます。そこそこ楽しめたけどなぁ。私も充分ひねた大人だけど(笑)。 7点(2003-08-07 08:11:27) |
853. 1492/コロンブス
デカ鼻おじさんが、コロンブスをやったわけですが、わがままで人間味あふれる役でしたね。あれはひとえにあの奥さんが立派だからできたことだと実感してます。男のわがままを許してくれる女性の鑑のような人物を描いています。「コロンブスの妻」とでもした方がよかったかも(笑)。シガニー・ウィーバーの女王は貫禄ありましたね。衣装や美術がきらびやかで鮮やかでした。 7点(2003-08-07 08:08:58) |
854. ジョンQ-最後の決断-
《ネタバレ》 ストックホルム症候群ですね。ラストの裁判シーンで、監禁容疑について有罪の評決が出たときの彼らの表情がそれを物語っています。冒頭の白い高級車の女性が事故を起こすシーンが、後半にどう結びつくのか予想できませんでしたが、バックミラーに掛かった十字架や、ジョン夫妻が敬虔なキリスト教徒であることが、すべてを丸く収める結果につながったのでしょうか。医療制度の問題や、不況、雇用調整、保険問題、マスコミの裏表などいろいろな問題が提起されましたが、解決できてはいないことばかりですねえ。アン・ヘッシュの院長は若すぎる気もするけど、綺麗でしたねえ。ロバート・デュバル、老けたけど好い演技してました。ジェームズ・ウッズとレイ・リオッタの演技を、もう少し魅せて欲しかった気がします。 7点(2003-08-06 21:01:58) |
855. 赤ひげ
山本周五郎の原作をわりと忠実に再現した作品だと思います。ドラマなどで何度かリメークされてますが、私にはやはりこの作品の三船赤髭は印象的です。無骨さとぶっきらぼうなところが実に好い感じです。江戸の庶民の様々なドラマも織り込まれ、加山雄三の若い医師の成長ストーリーとしても面白いですね。 8点(2003-08-05 18:01:57) |
856. アウトロー(1976)
アメリカ建国200周年を記念した映画ですよね。公開当時の「一人の軍隊」というキャッチフレーズは印象的です。それから、あのテーマ曲も耳から離れません。主人公の農夫が殺された家族の敵討ちをするというところからして、結論はもうわかりきっているので、あとはそこまでをどう見せるかと言うことだと思います。あの頃のクリント・イーストウッドは好かったですね。原点に帰って欲しいなあ。 7点(2003-08-05 17:57:21) |
857. 愛は霧のかなたに
自然の中に入って動物保護をしようとする女性のイメージというのはどうしてもこの映画のような描き方になってしまうのでしょうね。実話をもとにしているというのは、ある人にとっては結果を知っているだけに、どういう描写を重点にするかというのは作品の評価に大きく影響しますね。「交流」、「愛情」、「密猟」、「悲劇」というのは、やはりポイントになるのでしょうか。佳作だと思います。 7点(2003-08-05 17:52:37) |
858. 八甲田山
《ネタバレ》 夏に映画館に観に行って、寒い思いをした記憶があります。新田次郎の原作をわりと忠実に再現した映画だと思います。極限状態での人間の葛藤がよく描かれているとは思いますが、それぞれの部隊の位置関係を把握していないと、ストーリーが混乱するかもしれませんね。実話として、せっかく生き残った隊員も日露戦争の激戦地に送り込まれて、無理矢理戦死させられたという悲劇もありますね。実際に人工雪崩を起こして遭難場面を撮影して、その時には学者の見学もあったという逸話があります。それだけ雪の描写には特殊効果やCGには無い迫力があると思います。映画を観た人には、原作を読むことをおすすめします。 8点(2003-08-05 09:05:33) |
859. TRICK トリック 劇場版
テレビ版の最初から観てます。仲間由紀恵のファンです。でも映画は最初からビデオで観る予定でした。正解でした。テレビ版の3に期待したいと思います。ダメ刑事のコンビの活躍が少なすぎたのもマイナスポイント大きいかも。ズラ根多も引きずったしねえ。スッキリ見せろよ!(笑) 6点(2003-08-05 08:58:58) |
860. ジャスティス(2002・ブルース・ウィリス主演)
《ネタバレ》 皆さん厳しいですねえ。私はけっこう楽しめましたよ。細かい設定を見て思わずニヤリとすることも何度かありました。たとえば、最初に1944年12月16日のベルギーという日付を見せ、それにより主人公のハート中尉が実戦経験のない新米であり、ドイツ軍のアルデンヌ反攻作戦により捕虜になる前提を見せます。その過程で出てくるドイツ軍特殊部隊の交通整理場面とか、ハート中尉の逃げた先で出てくる氷人形とか、実話に基づいた描写も見受けられ、作り手の凝った意図を感じました。収容所でブルース・ウィリス扮する大佐に尋問を受けたときの会話から、ちょうど1945年の新年が近いことを示すなど、プロットの細かい置き方にニヤリとします。ドイツ軍収容所長がイェール大学の法学部出身であることとか、その息子も軍人でノヴゴロドで戦死したとかいう設定も興味深いです。黒人パイロットのP51部隊があったのは知りませんでしたが、その将校が収容されたことから人種差別問題や、密かに進む脱走の準備なども絡めて、ストーリーは核心に入ります。法廷劇の部分が、最後でどうなるのかというハラハラドキドキを私は感じたのですが、みなさんはそうでもなかったようですね。自分が犠牲になることを終盤に3人(ハート中尉、黒人少尉、ウィリス)がそれぞれに主張し、けっきょく美味しいところはウィリスが持って行ってしまった感じですね(笑)。細かい突っ込みを入れればラストにもあります。たとえば、軍事工場を爆破されてしまった収容所長が、首謀者のウィリスを処刑してしまったことだけですべてすんだのだろうか?という疑問が残ります。ふつうに考えれば、「大脱走」の所長のように、ゲシュタポや親衛隊がやってきて連行され、東部戦線送りか銃殺ということになるでしょう。あの収容所長が飄々としていい味を出していただけに、その末路などにモヤモヤとしたものを感じます。法廷劇もやや中途半端に終わってしまったようですしね。たとえば、検事が最終弁論で急に「訴追したくなかった」というようなことを言うのも変です。まあ、いろいろ不満はありますが、全体としてはよくまとまっていると思います。 7点(2003-07-28 07:52:17) |