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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1645
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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121.  女子高生に殺されたい 《ネタバレ》 
能動的な「殺したい」はまだともかく、やはり受動的に「殺されたい」てのは多分おそらく「愛されたい」すらより極めて高度に困難ですよね(その行為がまるで「一般的」なモノでない以上は)。しかも、今作の「オートアサシノフィリア」とかゆう御仁てのは、それこそ「誰」に殺されたいだとか殺す「方法」だとかにも選り好みがあって、かつその殺人行為自体も「完全犯罪」でなければならんのじゃ!てな具合に注文がエラく多いので、尚更こりゃ~無理っぽいな…とも(最初は)思ってたのですよ。ところが、多少は無茶や無理筋(+ファンタジックや偶然の要素)も含まれるものの、こーいうごく突拍子も無いエキセントリックな企てとしては思いのほか「筋道」はチャンとしてるのでして、結果まずまず上手くいきそうな感じに(かつ実際にもごく着実に)下拵えを済ませてゆくのですよね。一見はふざけたタイトルからシュールコメディかなんかだと思って観に行ったのですが、中々どーして精密に組み立てられたまま上質なサスペンスでした。映画としての展開運びも、前半がその「標的が誰なのか」と「どうやって殺させるのか」というトリック部分のタネ明かし、そして後半が本番当日の顛末、とゆーことでどちらもかなり面白くワクワクと観てゆくコトが出来ました。率直に、意外なホドに面白かったです(+大衆的でありながら実に奇抜なアイデアの有る非常にユニークな作品だ、ともやはり思いますし)。   ※以下、シンプルに思いっ切りネタバレしてますのでご注意ください。   なので映画全体としては全然フツーに楽しかったよ…というコトなのですが、一点だけ、コレだけ綿密に事を運んでいながら、肝心なメインのミッションはまたエラ~くアッサリと失敗したな…とゆーのが正直なトコロでもあるのですよね。クライマックスの展開自体は特に河合優実ちゃんの頑張りが素晴らしくて(てか優実ちゃんはルックス・演技もろもろ今作では非常に好かったと思いますね)そこからの全体的な締め方を含めても決して嫌いな方ではないのですが、重ねて肝心の部分がちょっと呆気無い…という感じでもあって。  とは言え、観終わっての感じも前述どおり確実に好かった方の作品だったとは思ってます。実はコレ、映画版の方が原作よりも少しボリューミーでキャラも追加されてるらしいのですが、それら追加キャラの効果もキチっと出せてるし無駄やダブつきも無かったですし、そして個々の演技も総じてどれも悪くなかったと思いますし(お蔭でカワイイ女の子が沢山出て来るのでその意味でも楽しいですし、言うまでも無く主演・田中圭の「密やかな変態性」という部分のクオリティもそこそこ悪くなかったと思いますし)。たぶん、原作も読むと思います(実は、既に買っちゃいました)。
[映画館(邦画)] 7点(2022-04-19 21:29:54)(良:1票)
122.  英雄の証明(2021) 《ネタバレ》 
監督作は『別離』と『誰もがそれを知っている』の二作しか観ていないと思いますが、ごくごく陰鬱でシリアスなお話をカタルシスも無いまま最後まで運び切る…という従前からの作風として今作もまたその通りだと言えますし、それがまた中東社会の中に描かれるという一種のエキゾチックさ(+でありながらのお話としての普遍性)といったトコロもまた仍て件の如し、という感じでもあります。この監督大好きなのよ!という人ならば、も~必見だよ!という感じでもありますかね。  やはり、特に宣伝文句にもある様に今般のSNS化社会の在り方を問う…といった部分が(全世界普遍的な社会的テーマなコトもあって)かなり面白く観れましたですね。メディアやSNSで「バズった」結果、チヤホヤと持て囃されたり小金稼ぎになったり…とゆーのは昨今、テクノロジー or プラットフォームのお蔭もあって本当にごく簡単なコトになった…てのはソラそーだ!と思うのですが、誤解を恐れずに敢えて言えば、多くのソレは只の「人間性の切り売り」になってもーてねーか?と思うコトがあるのですよ。言い換えると、ソレってスキル・芸や実績・経験値といった確たる裏付けの無いナニかを商品化しているという意味ではある種の「虚業」だとすら思いますし、特に表現者と言われる範疇の方々にとってはソレは非常に「危うい」コトだ、とも思うのですね。そして、どちらかとゆーと私にとっては、それこそSNS化でそーいう「商品化」の方が容易にもなった一方で、その商品が「偽物か否かの判別」とゆーのもある種、我々一般市民にとっては容易になったのではないか…とも思われるのです。なので、それこそ私自身は今作においても決して主人公側に強く感情移入して観ていたワケでもなくて(そもそも、彼が踏み倒してた1.5億トマンてイラン界隈では相当な大金だとも思いますし)ワリと結構冷めた眼で観ていた…と言っても好いのですよね(結論的には、私には今のSNS社会はその悪しき面と同じくらいに、良き面の方だって当然にまた見えている…様な気もしている、と)。  重ねての個人的結論、もし人間性を売って食ってきたいなら、とりあえずまずは「ホンモノ」を売りなさいね、というコトですかね。今どき、ソコの誤魔化しはも~ほぼ効かないぜ…というコトかな、と。
[映画館(字幕)] 7点(2022-04-19 01:25:13)
123.  ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 《ネタバレ》 
なんつーか、少しだけ『ナバロンの要塞』ぽい話だな~と思いつつ観ていましたが、かの名作とは違って今作の作戦チームとゆーのは完全に「寄せ集め」で、否、作戦遂行に必要なスキルの分析→ソレに対応する適材の配置、という工程をすっ飛ばして正に今居る「有り合わせ」のメンバーで構成した…という感じなのですよね。私が身を置く業界では、コレはまさしく失敗プロジェクトの典型的事例に他なりませんですよ。ソコにはも~少なからず胃が痛くなるモノを覚えましたね(まあ、だからこそ「スーサイド」スクワッドなのでしょーケドも)。  しかし、その雑さはそのまま投入した主力部隊の力量に対する自信の表れなのでしょう。結局のトコロ、とにかくポルカドットマン&ラットキャッチャーはちょっと強すぎますて(『ダイの大冒険』のメドローア持ち&ジョジョ4部のハーヴェスト、てな感じでドッチも作中ほぼ最強ですし)。ココに基礎能力が高くて技が多彩でかつ手綱をガチっと握れているブラッドスポート、あとは物理的なタイマンならまず負けそうにないナナウエでも添えておくのなら、まあ確かに大抵のコトはどーにでもなりそうですよね。ただしその意味では(映画として)まずハーレイ・クインは(結果的には要所要所で美味しく目立っては居るものの)当初は捨て駒の囮部隊に配置されていたコトからも分かる様に今作では決して「主役級」でもなかったと思います。もう一つ、一番のコンセプトである「悪いヒーロー」映画という観点からも、今作の連中とゆーのは悪人とゆーよりは単におバカ(ないしは多少、生い立ちや性格や精神面に「問題」を抱えている)という方に近くて、結局はより悪辣な奴らに利用されてるだけ…という風にも見えたのですね。個人的にはソコに少しの違和感も在りました(=普通のヒーロー映画と大差無くないか?と)。  とは言え、そーいうキャラ設定もまたラストの爽やかな展開には上手く繋がってゆくモノに思えましたし、お話には大して内容が無いながらもアクションやお得意のグロシーンは質・量ともに十二分で、重ねてソレでいて終い方もごく爽やかなのは娯楽作としては大成功だったのではないかと思います。監督としては鑑賞者の好みが割れる方の人かと思いますが、今作は私も(今までの作品以上に)大いに楽しめました。一つだけ、コレを2時間に押さえ込めてたらもう1点高くしたな…とは思いますが、とりあえず良作だと言って全然好いでしょう。単なる暇潰しにはも~最高かと。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-04-07 16:34:16)(良:1票)
124.  世の中にたえて桜のなかりせば 《ネタバレ》 
確かに、桜を眺めると年月の移り変わりを実感するとゆーか、人生における時の流れを再認識しますよね。それはソレが、春という「はじまり」の訪れを告げるモノであるが故か、或いはその儚さ故か、いずれにせよコレも確かに、来年もまた変わらずにこの桜を見れるだろうか…と自らの人生を振り返るきっかけになる、とゆーのはまま有るコトか、とも。  テーマは「終活」。とゆーか今作は、必ずしも人生の晩期に差し掛かった人のみならず、人がふとその人生の「振り返り」をしてみる、という幾つかのエピソードで構成された作品であります。映画自体やシナリオの質感・或いはそのコンパクトさも含めて、どちらかとゆーと(映画より)TVドラマに近い様なごく親しみ易い・分かり易いという作品だったかとも思いますが、それはおそらく本作がメインターゲットとするだろうかなり熟年の視聴者を意識するのならばまま適切なコトだとも思えるし、一方でシンプルな内容・演出はそーではない比較的若い視聴者にとっても、きっと物事の本質的な部分のクオリティとして伝わるだろうモノであったかとも思うのですね。率直に、真摯でとても好い・善い映画だと感じました。  主演の岩本蓮加ちゃんは非常に整ったルックスの美人さんですし、演技自体は発展途上という感じでしたがとても堂々としていて今後が大いに期待されます(ただ、同じ乃木坂の白石麻衣さんに結構瓜二つレベルでソックリだとも思いましたケド)。宝田明さんは、もはや「素」といった感じでこの映画に自分の思いを込められていた…かの様に私には見えました。でも今作でも背筋もシャン!とされていて全くご壮健に見えていたので、重ね重ね残念です。映画を追っかけていると色々と人の噂も耳に入るものですが、どこに行っても好い評判しか聞かない人でした(正に紳士だと)。そう考えると、この映画は宝田氏の人生や人間性のひとつの結実だったのではないか、とは確実に思われるトコロであるのですね。
[映画館(邦画)] 7点(2022-04-03 13:44:08)
125.  猫は逃げた 《ネタバレ》 
今作でも、繊細なキャラ設定+展開運びのもたらす妙味は際立ってました。共同脚本とのコトですが、特に肝心な箇所のアイデアについてドッチがドコなのかは少し気になってるトコロですね。「物分りの好い大人な(大人ぶった)女」という本妻と、「自分を慕ってくれる少し年下な(年下感を出してくる)女」という職場の後輩、てのは中々に好対照ではありますし、正に一長一短在るものでしょうがソコは少し青く見える隣の芝…なのかもなあ、と。また、この2人の間でフラつき続ける肝心の男の方てのも、主体性とかプライドとかそれこそ「愛」とかゆーのが在るのか無いのか諸々ハッキリしなくて実に頼りない…てのがまま絶妙だったと思います。シンプルな様で、流石…と言いたくなるごくクオリティの高い仕事だと思いましたね。  個々のシーン(台詞)でも、も~唸らされたモノが幾つか。気持ちが「冷めた」その瞬間に口に含んだコーヒーの方が「温かった」とか、オーラスの痴話喧嘩バトルロイヤルでの「泥棒猫の猫泥棒」とか。もう一つ、中盤の食卓でのシーン、奥さんの方が少しだけ口を滑らせて、旦那も敏く感じ取って、次の瞬間から会話の間合いが(本当にホンの少しだけ)乱れてゆく様子の絶妙さ、とか。監督お得意の恋愛会話劇(+コレも多分にコメディ入り)ではありますが、中でもかなり高度なモノが色々と今作でも見て取れた…かなあ、と。十二分に良作すね。
[映画館(邦画)] 7点(2022-03-24 22:05:22)
126.  余命10年 《ネタバレ》 
非常に典型的な病気もの映画なのは確かにそうで、中でも系統としては高度に『ある愛の詩』的なヤツ…と言いますか。今作における人間性の描き出しとゆーのは、男性には成長、女性にはそれを包み込む母性的なモノを求めてゆく…という作品である様に(私には)見えましたです。ただ、今作の小松菜奈は冒頭から自分の運命をある程度受け容れた状態にあって、その意味では(設定年齢以上に)より大人であるとゆーか、そういった母性的な愛情を命ある限り周囲の人々に振りまいてゆこうという崇高な人にも見えたのですね。そしてそれは恋人となる坂口健太郎との関係性においても尚更にその様に見えるとゆーか、彼が(正直思いがけないホドに)人として未成熟なコトも相まって、コレはもうこのジャンルの映画としては少し風変わりな質感だな、とすら感じられたのですね。ズバリ、コレって「恋愛」なのかな?(少なくとも「恋」ではないのではないのかな?)とすら感じた…とでも言いましょーか。  ただ、そーいった「人の出来た」小松菜奈が時折溢してゆく悲しみや悔しさといったモノは、それこそ(我々男性にとっては特に)愛おしい「泣きドコロ」だったと思いますし、全体としても菜奈さんは物凄く気合・魂の入った演技をされてた様に思います。また、前述どおりやや情けない健太郎くんの成長ぶりも、コレも(特に女性にとっては)堪らない見ドコロにはなるべくモノだろうと思いました。もう一つ、織り込まれる四季の映像とゆーのが、どれも実に凝っていて非常に美しかったですね。結論、やはりシンプルでオーソドックスな作品ではありますが、完成度とゆーのは決して低くないと思いました。興味のある方は是非。
[映画館(邦画)] 7点(2022-03-14 21:15:24)
127.  愛なのに 《ネタバレ》 
今泉×城定という異色?のタッグ企画。当然の如くに恋愛映画だが、前半はほぼ完全に今泉テイストとゆーか、まま繊細な恋愛感情の「もつれ」的なモノを主として2組分並べて描いてゆく…ので(セックスシーンを城定監督らしくしっかりつくってはあるものの)ワリとマジメでちょい文学的てな感じの今風の恋愛映画かな~と思って観てたんだけど全く然に非ず。中盤以降、2つの片っぽのさとうほなみ・中島歩のお話はシンプルにヒジョ~に下世話でかつアホみたいな大オチを迎えてってしまうのですね。その意味では、この構成自体が実に壮大なフリオチだったとも言えるし、そのコメディの大仕掛け自体はまた実に見事にキマってたとも言えるし、そして何より実に完璧極まる映画的コンセプトの具現化だったとも言って好いでしょう(=コレ以上の無い今泉×城定の50/50だったかと)。  ただし一方で、瀬戸康史と河合優実ちゃんの話の方は正に対照的に非常に清々しく終わってゆく、その余韻はまた特大に爽やかだし、そして重ねて監督一流のセックスシーンの出来も確かに素晴らしく艶めかしかったです。この部分に関しては、女優さんが2人なかなか頑張ってたな~と思いましたね(特にさとうほなみさんは気合が入ってたよーに見えてとても好印象でしたです)。結論、色々とごく多様な好さがあって、かなりオススメできる作品でした。本企画のもう一作品の方にも期待です。
[映画館(邦画)] 7点(2022-03-09 13:07:43)
128.  アンチャーテッド 《ネタバレ》 
ゲーム原作とのコトですがソッチはやったこと無いです。映画としては、あまりお話に中身があるタイプのアクションでもなくて基本的にはアクションシーンをただ眺めてゆくというシンプルな娯楽作ですかね。んでアクションの中身としては、序盤~中盤は謎解き系でややチマチマした感じですが、終盤はそこそこ派手(とゆーか如何にもゲーム的な…という感じのチョイ荒唐無稽な質感)でユニークさ・面白みはある程度備わっているかと。全体としてその分量も悪くはないので、まずまず手堅い方の作品かと思いました。  他に好かったと思われる点は、まずはシンプルに役者のクオリティ。トムホ君は相変わらず爽やかでしたし、何よりやっぱアクションに「精一杯頑張ってる」感が出てくるのが好いですね(ごく素直に応援してゆけるとゆーか)。彼もまたナチュラルにコミカルな雰囲気を纏っている俳優さんかなあ~とも感じるのですが、相方のマーク・ウォールバーグも今作では常にどこか素っ惚けているとゆーか、彼ら2人のおかげで作品全体がごく微笑ましい(可笑しみの在る)悪くない雰囲気に仕上がっていたとも思われます。悪役では、まずアントニオ・バンデラスは個人的には今作でも好みの雰囲気だったのですが(ネタバレすると)チョイ無駄遣いでソコは少しだけ無念です。でも一方で、ラスボスのタティ・ガブリエルさんは(初見でしたが)ごくユニークなルックス+存在感も中々で率直に素晴らしかったと思いますね(今後に期待ですかね)。
[映画館(字幕)] 7点(2022-02-26 21:12:15)
129.  浅田家! 《ネタバレ》 
いや~やっぱ震災の映画はダメだぁね…あと10年はしないと無理な気がする…  正直、根本的な部分の話の内容にはそれほどハマった訳ではないのです。必要以上に随分とノンビリとはしているものの、これもひとりの人間の成長物語ではある…とは思うのですケド、個人的にやはり私、こーいうごくボンヤリした人よりはバカでもナンでもいーのでただ熱い(熱苦しい)・熱血漢な人の方が単純に好みなのですよね(彼は彼で熱いハートを持っている、とは思うのですが)。なのでグッと来たのはどーしたって震災絡みのエピソードばっかではありましたすね。  まあでも、二宮クンはこの主人公には確かにかなりハマってたと思いますし、諸々が実話なコトを含めても観た価値はあった=元気を貰えたとも確実に感じるトコロではあります。全然フツーにオススメ出来る・オススメしたい部類の映画でもありますですね。機会があれば是非。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2022-02-21 21:11:28)
130.  ドライブ・マイ・カー 《ネタバレ》 
まず、かなり長尺な映画だが、一方で(根本的な)話の内容はそんなに大層なモンだったかな?と思ってしまう…てのがごく正直なトコロ。もちろん、主要キャストの演技&文学的な脚本とかの端的な質の高さは在る、でも、その西島秀俊と妻の霧島れいか、そしてこの2人の関係に纏わりついてくる岡田将生にしたってソコまで複雑というワケでもないごく分かり易いキャラにも思えるし、結局は西島秀俊が霧島れいかに終始振り回されっ放し(→そして何だかんだ最後には吹っ切れてゆく)というごくシンプルなお話だ、とも思う。ただ構成自体は、丁寧にタップリと夫妻の関係性を語り込む序盤+ある一つの「演劇」をつくり込んでゆく中盤+西島秀俊のお話の本チャンたる終盤、と3時間をある程度密度を高く維持するだけの要素の物量は備わっていたとも思うし、個人的にはその中盤なんかも後述どおり実はかなり面白く・興味深く観れたのは確かなのですよね(でもだからとゆーか、全然違う映画な筈なのに観終わった感じは監督の『親密さ』を観た時のソレにかなり似通ってた…と思ったりもしますケドね)。もうひとつ確かなのは、本作で一番「ユニーク」なのは間違い無く三浦透子のキャラ(と実際のその演技)だというコトですね。お話的にも特に終盤は非常に重要な役割を果たしていますし、全編通して(実は)彼女のアレコレにより注目して観てゆくべき映画だ、という様な気がしますですね。  中盤の演劇の話が面白かったという部分については、私が個人的に特に興味深かったのは、演出家の西島秀俊と俳優・スタッフとのやり取りとゆーのは、イベントそのものとゆーよりはそのイベントをつくり出す「チーム」をつくってゆく過程の方により近いモノに見えた、という点ですかね。演劇なんか取り分けそーなのかと思いますが、結局ソコが一番本質的な「クリエイト」なのではないかな、と言いますか(モノよりヒト、的な)。その意味では今回の演劇の建付け(メンバーの多国籍さ・ダイバーシティと、だからそれこそ表面的な「言葉」に頼らないという様な手法)も相まって、なんとゆーかむしろその過程からは博愛主義とか或いはコスモポリタニズムにも通じる様な価値観を感じ取れるとゆーか、その意味でもどこか爽やかなモノを感じました。ソコら辺を加味してもう一点足そうかとも思ったのですが、迷いに迷ってこの評点(据え置き)とします。
[映画館(邦画)] 7点(2022-01-08 19:20:16)
131.  AWAKE(2020) 《ネタバレ》 
映画としては単純にそこそこ以上に面白い+細かいトコロまで比較的好く出来てる方の作品だ、と思いました。ただその総合的なクオリティはそもそも、まずスタイリッシュな画づくりの質がそこそこだったり、そして吉沢亮の演技もまずまずだったり、という要素も多分に在るにせよ、根本的には今作の元ネタが実話、かつソレが正に「小説よりも奇なり」という極めて良質な題材だった、というコトに依るトコロが大きいとも思われます。実際の映画としても、登場人物のキャラクターから事件の顛末のワリと細かい部分までが結構キッチリ事実に則した半ノンフィクションと言って好い様な質感ですし、その意味では「素材そのものの味を楽しもう」という系統の映画だと言えるかも知れません(おそらく本件については各所でドキュメンタリ的な纏め方は既に為されているのかとも思うのですが、やっぱ好いネタだし劇映画にもしとこーぜ!的なノリなのかな…とも)。  その観点からすると(まずもって多少は脚色が加わっているというコトもあるにせよ)、やはり映画に纏める上で若干は分かり易さを高めるべく簡略化(ないしは取捨選択)している箇所がある…という面については賛否両論があるのかも知れないと思いますね。吉沢亮(=AWAKE製作者)側で言うと、実際の対局後には彼からは非常に物議を醸す様な発言があったのも有名なトコロかと思いますし、対する若葉竜也(=棋士)側についてだって、そもそもの実際の電王戦のフォーマット・(将棋界に於ける)位置づけなんかの説明が省略されているが故に彼がこの対局に望む上での諸々の状況・思惑だとか、或いは彼が実際にはどのような準備をして如何なる戦略のもとにあの手を指すコトを決断したのか…という部分もやはり単純化されていた(=少なくとも詳細には説明されなかった)という、少しバカリの口惜しさは感じられましたかね(まあ、ドキュメンタリではなく劇映画としてはコレも十二分に適切な纏め方だとは思うのですケド)。  とは言え(そうは言っても)本作は、肝心なこの事件の本質の部分についてはワリと嘘偽り無く(かつ比較的分かり易く)的確に描き出せていた様には思われるのです。そしてそれ故、この事件が将棋の歴史の上でもかなり大きな意味を持つモノであったということも今作によって再び顕かにされたと言えるかとも思えますし、そーいう事件の顛末を映画という手に取り易いメディアとして後世に残したという意味でも今作にはある種の付加価値があったと思うのですね。色々な意味で決して悪くない、好い方の仕事だったのではないかと思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-12-30 16:22:17)
132.  レイジング・ファイア 《ネタバレ》 
お話の方は比較的シンプルなクライム(ポリス)サスペンス、かつワリとシリアス・ハード系のごくマジメなヤツですね。その内容自体はまま在り来り・よくある感じではあるのですが、まずまずシリアスに手堅く進められてゆくのは香港産のこの手のにしては結構好く出来ている方かと思いました(とは言え中盤、首に爆弾ぶら下げた副総監登場⁉の辺りはちょっと運び方が雑かなあ…とも思えましたケドね)。  ですが今作、より評価すべきは間違い無くアクションの方です。コッチの方も、ドニー・イェンを擁していながらも(古き良きカンフーとゆーよりは)かなりリアル路線な肉弾格闘+銃器アクションでした、が、銃撃の方もマシンガン撃ちまくりのボリューミーで好かったですし、何より肉弾格闘の方がエラく泥臭いとゆーか非常にリアル度の高いパワー系取っ組み合いで率直に見応えが中々凄かったですね。ソコはドニー・イェンの(特に『イップ・マン』での)スマートでスタイリッシュなカンフーとは趣を異にするトコロで少しお得感とゆーのもあったかと。やや早回しに頼りすぎ(で少しだけCGぽいちゅーか違和感も無くはない)かとも思いましたが、だからとゆーか全体的にキレは相当に良好で、そしてオーラスのタイマンについても中身がナイフ術やらハンマー・鉄パイプでのフルパワー殴り合いやら、バリエーション的な面もキレ・パワフルさの面も総じて非常に満足度が高かったですね。結論、アクションの出来からすれば確実に良作という範疇かと思います(素直に1点加点しておきます)。
[映画館(字幕)] 7点(2021-12-30 16:11:20)
133.  ラストナイト・イン・ソーホー 《ネタバレ》 
ふと、エドガー・ライトってホラーなんか撮ってたケ?と思ったのですが、そもそも『ショーン・オブ・ザ・デッド』か………いや、そーいうコトでもないよーな気もするのですケド……  ただ、本作は少なくとも最初の1時間はあまりホラーちゅう感じでもなくて、むしろお話もコンセプトも実に丹念に精密につくり込まれたもっと圧倒的に本格的な作品に見えてるのですね。もしソコに恐怖や憎悪といった醜悪なホラー的概念が既に存在してたとするならば、ソレとてソレは単なる「悪」とかでは全くなくて、スウィンギング・ロンドンという煌びやかな表の貌を備えての「裏側」だ、という意味でも軽く2倍はつくり込まれています(=フツーのホラーに比べたら)。まずはその美しき・善き側面のクオリティからして、オシャレにファンタジックだったり(部分的にはもうしっかり)ミュージカルだったり、率直に実に見事でした。今作、映像のクオリティは全編通しても頗る高かったと言って好いでしょう。  ところが本作、真ん中をチョイ過ぎた辺りからは一転してドエラくパワフルなホラー展開が際限無く加速し続けていく暴走特急と化してしまうのですね。この部分の力強さ・ハイスピードな展開も、確かにまず(コレは)ホラーとして一級品だと思いましたし、重ねて映像表現の出来も引き続き素晴らしかったと思います。しかし前半と後半は雰囲気がややアンマッチかな…とも感じたのですし、そして率直に後半はお話として(特に意外性を最重視したラスト付近の諸々は)ちょい雑すぎ or 完成度の面でやや口惜しい…という様にも感じました。何よりやはり結局こーいうオチ(=犯人があの人)なんだったらば、そもそものエロイーズとサンディの繋がり・シンクロとゆーのは一体ナンだったんやねんな…となっちゃいませんかコレ?意外(で驚愕)なオチではありましたが、でも根本的には実はこれオチてないんじゃ…?とか私なんかは思っちゃったりもするのですよね…  今作もまたエドガー・ライト宜しく、その部分は少し「軽い」、そしてこの彼一流のノリとゆーのは結論、私個人としては亦かなり「苦手」なヤツではあるのですよ(=エドガー・ライト自体がそもそもやっぱ苦手…という意味で)。ただ重ね重ね、本作の映像面のクオリティは総じて相当に秀逸な部類だったとは思ってますし、特に中盤のホラーシーンのスリリングさなんかはコレだけで1900円の元は取れた…と確実に感動してしまったという個人的事情もあって、評点としては僭越ながら一点加えさせて頂こうかと思います。良作でした。
[映画館(字幕)] 7点(2021-12-10 22:27:48)
134.  アイの歌声を聴かせて 《ネタバレ》 
何とも正攻法とゆーかド直球とゆーか「俺はこーいうのが好きなんだ!(文句あっか!)」と監督が言ってるよーにすら感じたのだ、とでも言いましょうか。お話の内容・映像表現・そしてテーマ的な部分もどれも非常にシンプルで明快、かつ重ねて(無駄に捻ったり裏をかいたりせずに)楷書で書いた様な真っ直ぐさ・分かり易さで、コレはもうキョウビ逆にちょっと新鮮にすら感じられましたです。一方で、奥行き・深みや多面的な部分(或いはSFとしてのリアリティなど)があったかとゆーと、率直にそーいうワケでもないかな…とも思いますがその分、実にただ清々しい映画として楽しむことが出来ました。こーいうある種「真っ向勝負」なヤツは中々どーしてド真ん中に好みですね。結論的には(アニメの「本分」たらんとゆーか)やや若年層向けかな、とも思いますが、大人の方にも結構オススメではあります(童心に帰って楽しむ、というコトのひとつのチャンスかと)。この映画の雰囲気そのまんま、といった感じの土屋太鳳の真っ直ぐな歌声も素晴らしかったと思います。   ※とは言えひとつ思ったのが、個人的な話ですケド今作とあの『竜とそばかすの姫』が私のなかで結果的に同じ評点になってしまった、とゆーのには、少しだけ「なんだかなあ~」とも思ったりするのですよね。「魂は細部に宿る」はコレもひとつの真理だと思っては居るのであって、だからごく細かいトコロまで考えに考え抜いてこだわって工夫して(場合によっては意表を突くように仕掛けたりして)つくる、とゆーのは一義的には絶対に正しいのだろうとも思うのですケド、ただソレで考え過ぎるのもまた確かに考えモノ…なのかも知れないな~とか思ったり。
[映画館(邦画)] 7点(2021-11-20 17:24:17)
135.  キャッシュトラック 《ネタバレ》 
序盤はいつものステイサム無双!に見えなくもねーのですケド、作品自体は全体的にはもう少しシリアス・シビアとゆーか、特に中盤が結構深刻で陰惨でかなり重めなのですよね(テンポ的にもお話的にも)。ただただ痛快・爽快に娯楽120%!という感じでもない作品だとまずは思いました(ソコは多少好みがあるトコロかと→特にステイサムものとしては)。  しかし、終盤のアクションはシンプルにメッチャ面白かったす。結局はほぼ全員悪人!というお話なのですが、悪人であると同時に全員かなりの手練れ!でもあって、ラストのアクションはなんかかなり高度だと感じましたね。現金輸送の会社が舞台ですが、実際のその業種の方面にチャンと取材でもしてるのか設備や運用にもリアリティが有る様に感じましたし、元軍人の襲撃犯と訓練を積んだ警備会社メンバの戦闘は(特にステイサム一人で何とかなるワケでもない、という意味で)前述どおり相当に高度で諸々見応えが凄かったですね(どちらの陣営も誰しも一筋縄では殺られない様なしぶとさを備えてるとゆーか)。また、襲撃犯は完全防弾装備・警備会社スタッフも防弾チョッキ着用、で銃撃に対する防御力が皆かなり高いのもちょっとユニークだったと思います(ショットガンをブチかましてもまだ止まらないという)。一点指摘するなら、結局オーラスはやっぱステイサム最強!的に締めるのだったら、ソレはラストのアクションシークエンスの中でやり切るべき(いったん流れを切るのはチョイとだけ興ざめ)かとは思いましたかね。ただ、重ねてこのラストのアクションの出来に免じて、少し甘めですがこの評点としておきます。
[映画館(字幕)] 7点(2021-11-01 21:33:08)
136.  水を抱く女 《ネタバレ》 
主人公の女性の名前そのまんまに、ヨーロッパに於ける普遍的な神話的概念「水の精(ウンディーネ)」をモチーフにした現代ファンタジー、という感じの作品。オペラだったら例えばドヴォルザークの『ルサルカ』なんて作品も存在するが、ウンディーネは総じて悲恋の物語の主人公となる、その部分を投影した現代版で、ただしウンディーネの伝承の細かい設定までを忠実に反映・再現しているモノでもないし、そもそも映画としてその真相が隅々まで明示されて終わる、という訳でもない。端的に言えばごく不可思議なおはなし(部分的には少しだけ不可解)として観るべき様なモノだ、と言ってまた好いであろうと思う。  その意味では、多分に雰囲気映画の類いとも言って好いかも知れない。そしてその雰囲気の面については、出来はまたかなり上質というレベルだったかと思います。まずはまたバッハの音楽が抜群にハマってましたね(協奏曲ニ短調)。なんとゆーか、水って実は哀しいモノなのかなあ、と感じさせられたとでもゆーか。水が奥底に秘める静けさ・暗さ・冷たさそのものこそ、ウンディーネの悲劇的な運命のある種の根源・理由なのではないか、と(その部分のイメージとゆーのは比較的温暖なアジア=東洋とそーではない西洋との文化的差異、とでも言って好いものなのかも…とも)。  前述どおりやや曖昧な雰囲気映画とは言え、ラスト付近はごく手堅いまずまずの分かり易さで、また小物も使ってお洒落に演出されるので結構気持ち好く観終われたと思います。また、ギリ90分という尺も(この内容でこれ以上の長さは確実に冗長になる、という意味で)非常に適切だったかと。偶には気楽に小品でも観るか~て観たのがこれホドのクオリティだと、なんとゆーかお得感がハンパ無いですね!実はかなりオススメです。
[DVD(字幕)] 7点(2021-11-01 21:31:29)
137.  Daughters 《ネタバレ》 
今作のふたりは27,8くらいで、まァ~20代なら…と思わんでもないケドも、私なんかやっぱ20後半~30半ばくらいのイイ大人が嬉々としてルームシェアなんかしてるのを見てると(最近芸人さんでそーいうの多い)かなり強烈な違和感(とゆーか不安)を覚えたりもするのですよね。どーしたってある程度の期間(2年とか4年とか)は一緒に住む前提があるハズで、その期間キミの人生には「展開」は無い予定なの?という意味でです(私も人のコトは言えたもんではねーのですケドさ)。今作だって結局「ホレ見たことか!」なおはなしになってゆくワケで、でしかもソコにシガラミが在って相手の男には打ち明けられない(=打ち明けないことを選択する)とゆーのを含め、本質的にはまず決して今まで観たコトが無いって話ではないし、言っちゃあそれこそだいぶ無責任な話(=特に生まれてくる子どもに対して)にも思われる、個人的にはやはりその辺には第一にかなり強い違和感が在ったと言って好いのですよね。  ただ、今作を観てまず思うのは、そーいうワリとよくあるお話を描いてゆきつつも、肝心の主人公の女性ふたりのキャラ・或いはその振舞いには、非常に現代的とゆーか「新しさ」とでも言うモノがあったか、というコトなのですね。先ほど無責任とかゆーてはみたものの、それは男女のやんごとなき事情…と捉えれば、それ以外の部分での阿部純子のキャラクターとゆーのはごく常識的・理知的でかつ進歩的な女性であるのですし(年相応以上にも見える)、三吉彩花なんて尚更そーだとも思えますし。そして彼女らは職場でもバリバリ活躍してキャリアを重ね、だから自分の人生を自分の力でチャンと切り開いてゆけるという人間に確実に見えるのですよ。そーいう彼女らがこーいう判断をして少し変わった「家族」の形を紡いでゆく…という部分には、今までのこの手の話ともやや異なる新鮮さを感じた、というコトですね(重ねて、保守的な私なんかは彼女らのその決断の「中身」自体には、やはりどーしても違和感が残ると言って過言ではないのですケドも)。  テーマ的な部分について言うなら、ズバリ「子どもを育てるコト」の新しいカタチ・新様態を描く、というコトかと思います(社会・コミュニティ全体で子どもを育てよう、とか、少なくとも「親」だけが育児に責任を持つべき、とゆーのとは異なる価値観)。今の社会状況を思えばソコには個人的には非常に共感できましたし、そしてその方面からの社会的な意義もまた十二分に備える映画だ、とも率直に思うのですね(その部分は大手を振ってごくポジティブに捉えたい=捉えるべきだ、とも思います)。一方で、ひとつだけテーマ的な部分・映画としての建付けに不満があるとしたら、今作は徹底的に「女性の映画」になっている様に見える、つまりその「新様態」における男性の位置づけ(或いは解釈)とゆーのはほぼ描き込めていない、という点ですかね(まあ鶴見辰吾のお父ちゃんだけは出てきましたケド)。十分に奥行きの在る映画だと重々感じてもいるものの、いま一歩ソコに切り込めていれば(→更に深いトコロまで行けたカモ…)とだけは思いましたかね。  他、映像自体もかなりハイセンス&音楽も同様にセンス好かった、とも感じました。個々のシーンでゆーと、主人公ふたりがそれぞれひとりで旅行をする2つのシーンが好みでしたね。一見は何の変哲も無いただ緩やかな時間にも見えるのですが、ソコに旅のもたらす癒しがチャンと在ったとゆーか、ふたりの感情・思考がリフレッシュ・アップデートされる様子が的確に伝わってきてこちらもかなり心地好くなれたとゆーか。なんつーか、より望ましい「旅行の効能」が描かれていた、とゆーコトでしょーかね。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-11-01 21:27:05)
138.  燃えよ剣(2020) 《ネタバレ》 
映画観た後に原作小説も買っちゃいましたが、コレもそれなりにボリューミーなので、やはり映画は相当に駆け足+取捨選択を隅々まで工夫した、というコトに感じられます。その意味では駆け足は確かに駆け足でしたかね~結構満遍なく個々のシーンが急ぎ気味、という感じで、余韻を感じてマッタリできる様なシーンはほぼ皆無だったのではないでしょーか。オーラスとかは、流石に少しは間を取れば好いのに…なんて思ったりもしましたね(あんなに超速でエンドロール流し始めるとは思いませんでしたよ)。  ただ、まずはそれ故に展開運びの密度はかなり高くて、長尺ですがほぼダレずにワクワク観切ることが出来たのも確かです。そしてもう一つ、予算は相当に潤沢なよーで、個々のシーンの諸々のクオリティは総じて十分以上に高くつくり込めていたと思います。ロケーションは京都に拘ったのかと思いましたが、中々和の趣の在るセンスの好い場所を使えていて率直に素晴らしかったですね。アクション(殺陣)もまずまずでしたかね。  岡田准一と柴咲コウも好かったと思います。その他キャストも豪華なので、まあお値段以下というコトもないかと。
[映画館(邦画)] 7点(2021-10-16 17:31:25)
139.  思い、思われ、ふり、ふられ(実写映画版) 《ネタバレ》 
高校生男女4人の四角関係…という時点で、私なんかはそれこそ例えば『ママレード・ボーイ』をスグに思い出してしまいましたし、なんだかんだその4人が2ペアになって目出度し目出度し…という点でもごく「在り来り」なお話だとは思います。ただ、本作はシンプルなラブコメとゆーよりはもう少ししっとり目の心理的恋愛ドラマで、かつ4人が4人ともに描くべきキャラクターをそこそこしっかり備えているというまあまあ高度な群像劇でもあって、そしてこの実写化は(2時間という尺の制限がある中で)かなり正攻法で彼らの群像劇をキチンと描き抜こうとした(多分、原作ファンにとっては嬉しいであろう)作品に見えました。私が本レビューで一番言いたいのは、要はこのお話、映画よりは確実にドラマ向きだ、というコトなのですが(=映画でしか撮れないよーなシーンもほぼ無いのですし)そーであっても本作、結論的には相当に好く仕上がった方の映画化だと思います。オマケで一点アップしておきます。  ま~とは言えねェ~~~前述どおりゴールは最初から見えてる(=実はどーでもいい)お話なんだから、見るべきは「過程」でしょ?という意味において、ちょーっとそのアーでもねぇコーでもねぇというスッタモンダがボリューム不足ですよねぇ。。北村匠海くんと福本莉子ちゃんなんて中盤でゴールしちゃったら、そのあとはキャッキャウフフのキャの字もねェ!とゆーね。前半は(どっちかと言えば)莉子ちゃんの話でコッチはそこそこ巧いコト丸く納まった気もしますケド、後半の浜辺美波ちゃんの話はまた…彼女はもう少しキャラ、とゆーかその感情の流れに複雑さ・深みがあると感じたのですが、そこら辺が非常に軽くしか描かれないのはハッキリと消化不良でしたかねェ。。  あとは、キャスティングなのですが…確かに浜辺美波ちゃんや北村匠海くんは既に中々の芸達者で(特に匠海くん)、その落ち着いた演技は心理ドラマとしての今作のクオリティには大いに貢献していたと思いますよ。でも、やっぱ彼らはちょっと高校生(少なくとも高校一年生)には絶対見えないとゆーコトなのですよね(=その意味では、2人とも落ち着きすぎなのですよ)。そもそも、この年代のコを主人公として描く映画に、そんなに単純な・一般的な演技力とゆーのはそこまで必要なのですかね?こーいうお話の方がごくシンプルな作品ならむしろ、拙さが形づくる飾らない素の感情の奔流・爆発なんてモノの方を見てみたい、と個人的には思ったりもします。  美波ちゃんについてはもう一点、ちょっと彼女は綺麗「すぎる」というレベルに達しつつあって、市井の一般女性・一般高校生を演るのは少しキビシくなってきている様にも思いました(玉城ティナってホドでは、まだないのかも知れないですケドも)。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2021-09-24 23:02:17)
140.  サマーフィルムにのって 《ネタバレ》 
これ見よがしに「その辺にフツーに居そうな子」を集めたな、とゆーか、登場人物には総じて非常に身近なリアリティを第一には感じました(でも主演のコは元アイドルなのですね…)。ただ、本作は青春映画とは言っても全体的にはだいぶんコメディ寄りで、ソコを何とかするためとゆーかキャラクターの中身自体はかなり漫画チックとでも言うか、ごくコミカルに振ったキャラが大半を占めています(その意味では、中身はそんなにリアルでもないカモ、とも)。当然、少し重くなるシーンや色恋沙汰も含まれてはゆきますが、まずはどこまでも明るく楽しく(笑い通しで)観てゆけるという作品ではありますですね。  しかし、主演の伊藤万理華ちゃん演じる映画好き女子に関しては、ここには更に一段高度なリアリティというか、実に普遍的で切実な青春の物語を見て取れました。その意味では、彼女が志すのが映画監督という、それこそ確固たる「自我」の無ければ務まらない(ハズの)仕事だった、とゆーのは重要なポイント・アイデアだと思われます。この物語はシンプルな、人間が自分が何者であるかを見出す、という青春のお話だと思います。その観点からすると前述どおり、主人公に(少し人とは違っていながらも)実に明確な方向性・目的意識といった確かなアイデンティティがあるという点でのキャラ設定、そしてそれを具現化する彼女の演技も含めてかなり優れた表現だったと思いますし、テーマ性と物語(主人公のお話と主人公の「撮っている」お話、という二重構造の)を見事に整合させたラストの展開も中々好く出来ていたと思いました(ほんの少しだけは暑っ苦しい気もしますケドも)。うーん、これも爽やかで心地好いですね!良作です。
[映画館(邦画)] 7点(2021-08-30 22:34:39)(良:1票)
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