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タコ太(ぺいぺい)さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1414
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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141.  15時17分、パリ行き 《ネタバレ》 
予備知識なしで観たために、冒頭から延々と3人の若者たちの過去や日常が語られて行く流れに多少なりとも戸惑いました。これって本当にサスペンス?この展開って必要?などと。  しかしながら観終わってみれば、この実在のヒーローが実は「普通の人」どころか「ちょっと困った人」だということにテーマがあるのだと感じました。  夢があれば努力を惜しんではいけない。積み上げたものは必ず生かされる。日頃の鍛錬や心構えがここぞという時の行動を決める。そんな、少々歯が浮いてしまう様な教訓的なものが込められていて、テロ事件は例示に過ぎないのだと思いました。  ただし、予備知識なしで観て良かったとも思います。初めからヒューマンドラマを期待して観ていたら、また別の違和感なりを感じてしまったかも知れません。  終盤になって「まさか本人出演?!」という多くの皆様同様の衝撃を受けました。テレビでありがちな「本人出演再現ビデオ」とは全く異なる作品。テレビの方は殆どが事件そのものを深く掘り下げるのに、本作はあくまでもヒーローの人となりにフォーカスして人の生き方を説いています。(蛇足ながらテレビの再現ビデオも否定はしませんことを申し添えます)  ご本人たちの自然な演技は監督の力量あるが故でしょうね。優れた指導者は一人ひとりの持てる資質を最大限に生かせるもの。恐れ入りました。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-03-07 10:32:41)
142.  七つの会議 《ネタバレ》 
原作未読。地上波放送を録画していたことを思い出して遅ればせながら鑑賞しました。  池井戸作品らしい企業の内幕を曝け出した作品ですね。キャスティングが豪華過ぎと言うか、勿論それ故の安定感ある作品となっていて、緊張感を維持して一気見出来ました。  こうやって描かれると、どこの企業にもこんな社風があって、殆どブラック寄りのグレーな管理職が締め付けていて、一皮めくれば汚点だらけみたいに感じてしまいますね。確かに新聞紙上を賑わす数々の事件と限りなく似通っているように思えます。というよりも、そういった事件が元にあるからこその原作なのでしょうけれど。  実際にはそんな企業は一握りに過ぎないと信じてはいますが、現実問題として犯罪には結びつかないまでも、作中に登場するような会議の場は…ありますよね。フィクションとノンフィクションの境界が見えづらくなるような物語。コミカルな場面もあるから良いようなものの、全編シリアスだったら息が詰まることでしょう。  それから、決して否定はしませんが、失礼ながら全編を通して芝居がかった台詞回しが少々気になってしまいました。敢えて演出的にその表現を選んだのかもしれませんし、明瞭な台詞は物語を際立たせる効果もあるとは思うのですが、個人的には気になったところです。
[地上波(邦画)] 7点(2023-02-10 18:29:30)
143.  ゾンビーワールドへようこそ 《ネタバレ》 
ひさびさにゾンビ系のコメディを鑑賞。正直なところ、観る前の予想に反して大いに楽しめましたし、さり気ない小ネタも含めてツボにハマって大笑いしてしまいました。  冒頭シーンはどう考えても某有名作品の研究所を思わせる白基調の色彩、それにBGMのリズムやアレンジも大いにパロディ。いきなり掴みはOKの雰囲気にこれはやってくれそうな予感。  案の定、次から次へとノンストップで繰り出されるネタの数々は、予測可能なものが多めにも関わらずドハマりするばかりでした。しかも、青春友情モノ的要素をしっかりと盛り込んでいるところが良いですね。意外と言っては失礼かも知れませんが、思わぬ佳作に出逢えました。  ただし、タイトルや宣伝文句で予告されている程には3人がボーイスカウトで培って来た技術が生かされる場面は少なめで、その部分では少々消化不良かも。監獄脱出シーン以外の絶体絶命の場面でも、適度にマニアックなボーイスカウトネタを持って来て欲しかったです。  それから、冒頭の清掃員、スカウトの隊長、そしてカーターみたいなキャラは、この手のアメリカンコメディには付きものだし、なくてはならない登場人物と分かってはいても、個人的には少々ウザいと思ってしまいます。早々に死亡フラグが掲げられて退場する2人はともかくとして、カーターには困りました。ただし、爆乳ゾンビの胸を触らずにいられない場面あたりからは憎めない感が出て来て、最終的には感情移入しちゃいましたが。あれ?じゃあ3人ともOKということか…。  何はともあれ、この作品はどちらかと言うとゾンビ映画好きが集まって、あーでもないこーでもないと仲間とワイワイ騒ぎながら観るのに向いてる作品かな。つまりは観る人が観ると大ウケするけれど、人によってはダメ出しの嵐という観る人を大いに選ぶ作品ですね。そんな私は大いにハマったので7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-02-06 11:42:57)(良:2票)
144.  マッド・ハウス(2020) 《ネタバレ》 
弱さを見抜いて誘い込み、外界と隔絶した上で監禁し、恐怖と苦痛を与えて洗脳することでコミュニティを拡充していく。何と怖ろしい集団なのか。  ラストシーン、ある集合住宅だけを舞台にした事件かと思いきや、脱出するもその街の全てがその勢力下にあった。もしかしたら、もっと広いエリアが既にその集団の手に落ちてしまっているのかも。教祖的人物のインタビューのように、いずれ世界規模で広がっていくのか?  近年の宗教がらみの事件、はたまた狡猾で巧妙な犯罪事例など、さまざまな反社会的な出来事とオーバーラップしていることで、決して絵空事とは思えない恐さに7点献上します。  ちなみに、邦題はストレート過ぎるかも。原題の方が不気味さが醸し出されていて良いですね。かと言って「1LDK」とか訳してしまうのはどうかなと思いますが。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-02-03 16:56:19)
145.  フローズン・グラウンド 《ネタバレ》 
実話を元にした作品ということですが、実話を参照して部分的に事実を盛り込んで作り上げたフィクションということだと思います。その観点からすると、犯人や被害者の実名を使用したことや、エンドロールに被害者の画像や状況を挿し込んだことには少なからず疑問を感じてしまいます。フィクションなのかノンフィクションなのかが曖昧にされているような…。  そのあたりのモヤモヤ感を別にすれば(いや、そこは重要なんですが)、終始緊張感が途切れることなく続く捜査劇は、エンターテインメントとしての魅力十分だと思います。決して退屈する余裕などないと。  そう、エンターテインメント作品と割り切れば、ヒロインのバカげた行動や警察の脇の甘さ、主人公の家庭生活や妻との関係等々「おいおいそりゃあないだろ!」とか「それってなんで?結局どうなったの?」的な演出も、進行上必要不可欠に思えて来ます。実話ベースだからって正確過ぎたり緻密過ぎたら興覚めですからね。納得です。  そして何より、ニコラス・ケイジとジョン・キューザックのハマりにハマった役どころは見もの。特にニコラスさんはやっぱりシリアスな、こっち系の人ですね!
[インターネット(字幕)] 7点(2023-01-11 23:09:55)
146.  チェンジリング・シークレット 《ネタバレ》 
結末まで観てしまえば、どことなく既視感を伴うシンプルなサスペンスですが、約90分の尺の中で丁寧かつスピーディに纏められていて、飽きることなく楽しめました。  冒頭の怪しげなビーチの女性の登場で、最初からマットは誘拐されたんじゃないかと想像は出来ますが、誘拐犯にとってマット本人はあくまでも隠し玉というのは予想せずに観ていたので、終盤は更なるどんでん返しがあるのかとハラハラとさせられました。  そういう意味ではやはりシンプルな展開と言うべきで、意外とすんなりと解決してしまう結末については、少しばかり残念だったかなと思います。もうひとひねりあると「驚愕のラスト」だったと思います。  それにしても何という犯人の動機。作品の中では当時の様子を窺い知ることは出来ませんが、かなり捻じれた性質の執念深いマウントおばさん、恐るべしです。  ちなみに邦題は、「チェンジリング」が前なのか後なのか英語的に微妙な感じですし、何より「チェンジリング」は別の作品にもある通り「子の取り違え」といった意味合いになるのでイマイチ内容に合わないかなと。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-12-21 14:22:47)
147.  エヴォリューション 《ネタバレ》 
物語としてはシンプルな構成。少年と成人女性だけが暮らす寂れた島。全く生活感のない部屋、そして町並み。そこで行われる秘密の医療行為。そして儀式。恐らく女性たちは人間ではなく、自分たちは繁殖行為が出来ない。その為に少年たちを使う。  SFホラーとも受け取れそうなストーリーではありますが、生命の在り方に視点を向けた概念的な作品なのだと思いました。  何より特徴的なのは映像。海と病院を生命誕生の象徴的存在として据え、海については長めのカットでねっとりとした質感で描き、病院についてはやや低い視線から無機質ではあるものの何か温度を感じさせる描き方。そしていずれも只管薄暗いトーン。  まさに悪夢を映像化したようでいて、思いのほか恐ろしさやおどろおどろしさは感じません。  監督が表現しようとしている深みまでは理解出来そうもありませんでしたが、この世界観にはどこか共感するものがあります。  ラストシーン。沖に漂う小舟から見える都会の夜景。朧気に記憶する実母の面影。街中を走る自動車や遊園地の観覧車の記憶。ニコラはあの街に住んでいたのでしょうか?さらわれて来た?思い出してしまった彼に感情移入してしまったステラは彼を故郷に戻した?  余り具体的に想像しないことが、この作品の鑑賞においては必要なのかも知れませんね。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-12-19 01:07:17)(良:1票)
148.  リザとキツネと恋する死者たち 《ネタバレ》 
何とも不思議な世界。東欧の雰囲気一色の画面なのに、時折り出演者がたどたどしくはあるものの日本語で話す。死んでいく者たちが縦書き毛筆体で「死者」と紹介されるあたりも微妙にお洒落。  そして何より、ほぼ主役の幽霊・トミー谷(デヴィッド・サクライ)のナイスなキャラ。矢鱈と耳に残って消えないメロディと日本語歌詞、そして見ていると一緒に体が動いてしまう緩いダンス。ハンガリーと日本のハーフということですが、如何にも怪しげな日本人としてハマってますね。  ヒロインのリザ(モーニカ・バルシャイ)は純真なのか天然なのか、地味なアラサーを演じつつ時として妙に可愛く見えたりもする不思議キャラ。このキャスティングも気に入りました。  他の出演者も、如何にもヨーロッパのコメディ風な俳優さんが並び、独特なとぼけた味わいを醸し出していますね。  モチーフとなっているはずの「九尾の狐伝説」は殆ど関係ないような物語ですけれど、監督の日本贔屓に概ね100分乗せられてしまいました。佳作と呼ぶにはイマイチかもしれませんが、妙に気に入り7点献上します。  ちなみに、細かい話かも知れないけれど、ラストシーンでヒロインたちが乗るビートル。那須を走っている(レッカーされてるけど)ことになっているのだから、せめてナンバーは日本のものにして欲しかった。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-12-10 00:38:04)
149.  スティーヴン・キング 骨の袋(TVM) 《ネタバレ》 
S・キングの映像化作品は今まで全て原作読了後に鑑賞していたので、原作のイメージが強すぎて正直なところ毎回少なからず違和感を感じつつの鑑賞でしたが、今回はベストセラー作品にも関わらず原作未読。なので先入観に囚われることなく鑑賞出来ました。  前後編に分かれているので結構な尺ですが、思わず没頭し一気に鑑賞。生前の妻を悩ませていた悪夢、妻を亡くした主人公を悩ませるようになった悪夢、別荘での怪異(の一部)は、全て非業の死を遂げたサラ・ティドウェルの呪いによるものだったのですね。  そりゃ、あんな理不尽な目に遭えば強烈な呪いを残して当然。ただ、何の罪もない子どもや孫たちが苦しめられ死に追いやられるというのは、それ自体どう考えても理不尽。呪いの本質と言うのはそういうものなのでしょうか?  散策路の脇に立つ女体の如き樹木。根元に埋められたサラ母娘の亡骸。全ての始まりはそこにあったのですね。  映像も美しく登場人物の存在感にも重厚なものを感じました。S・キング作品の映像化されたものの中では、今までで一番満足。  (追記)↑最後の一行、キング原作の傑作は「シャイニング」「スタンド・バイ・ミー」「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」等々いっぱいありますから、「今までで一番満足」は言い過ぎでした。「大満足」に変更します。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2022-11-22 00:47:44)
150.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 
高評価された作品だけあって見るべきものは確かにあると思います。ただ、あくまでも個人的な嗜好の問題として、嫌いです。観終わった後、ただ疲労感、いや徒労感だけが残ってしまいました。  その理由を考えてみると、ひとつには単純に尺なのかもしれません。長い。この物語にこの尺は長い。  もう一つは韓流のブラックユーモア。否、ブラックでもないですね。普通のユーモア。韓流のラブコメとかは好きなのに、この重苦しい作品の中に織り込まれたユーモアはダメでした。  そして一番の受け入れ難い部分は、貧しい階層、それも一家族にのみ肩入れし過ぎて(作品的には当たり前ですけど)富める階層から実質的には目を背けていること。見方を変えれば自虐に過ぎるとも言えるかも知れません。  そう、作品全体が歪んでいるから疲れてしまうのです。  当初6点献上しましたが、やはり受け入れ難く4点献上に留めます。  (追記) モノクロ版で再度鑑賞しました。個人的には、独特の色彩が失われたことで尖った感じが弱まり、作品のテーマが見えやすくなっているように思えました。↑に書いたレビューも、我ながら少々ピントがずれているように思えてしまいます。 以前観た時は貧富の差がもたらした悲劇のように受け止めていたのですが、人間が内側に秘めているもの、それは善意であったり悪意であったり、時として狂気であったり、それを描いた作品というように改めて感じた次第です。コメディ的演出なしにそれをストレートに描き切られてしまっていたら、おそらく受け止めきれないだろうなと。そんなこともあって、前言一部撤回して7点献上に修正します。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-11-12 17:56:20)
151.  サンズ・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
まるでアウトドアやサバイバルが似合わない一人の女性とスーツ姿の男ゾンビのロードムービー。これは新しいですね。  頭空っぽ、やることなすこと見事なヘタレっぷり。そんなヒロインだから始めの30分ぐらいはイラつくことイラつくこと、まるっきり感情移入なんか出来ません。倒すチャンスは何度もあったのに、ゾンビを従え只管歩くモリー。  でも、時が経つにつれモリーの感情に変化が。砂漠の中、ゾンビと二人きりで歩く途方もない道のり。愛息チェイスとの想い出に浸りつつ、答えがないと解っていつつもゾンビのスモールに語りかけずにいられない。この辺りの彼女の感情の移ろいがしっかりと描かれてます。下品で如何にもお馬鹿なキャラでスタートしたモリーが、物語が進むにつれ時として美しく、時として可愛らしく見えて来ます。  命の恩人でもあるスモールとの悲しい別れを経てやっと辿り着いた空港なのに、結局はチェイスへの思いから独り残るという道を選んだ彼女。愛息の救出に向かうためクルマのキーを捜すべくゾンビが潜む部屋に入って行く時の力強さ。そして。チェイスを守り抜くという強い意志を抱きゾンビに立ち向かうラストシーンでは、逞しい闘う母親の姿へと変わっていきます。  ブリタニー・アレンさん、いいですね。ゾンビ・ホラーにヒューマンドラマを上手く組み込んだ佳作に7点献上します。  邦題の意味がイマイチ解らないのが残念です。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-11-04 00:31:10)
152.  モンスター・パーティ 《ネタバレ》 
サラっとB級ホラーかなと思いつつ観始めたら、衝撃の展開で引き込まれました。  死亡フラグが予想しにくい。ヒロイン?の彼氏はいきなり惨殺、ヒロイン?と思ってた3人組の中で一番常識派と思われた彼女も結局絶命。生き残るのはまさかの3人。いや、豪邸の奥様は生き残るかと思いましたけど娘までとは。  キャスパーの立ち位置が微妙でしたけど、彼は寧ろパーティに参加したメンバーと同じ側の人間だったのですね。日本刀を手にした彼は見事に殺人依存症的な存在感を見せつけます。彼がこの物語の本当の主人公。カジノに踏み込み父親を救出する姿は痛快です。  そもそもはTVシリーズ「メンタリスト」のロビン・タニーがお目当てで観た本作。グロイのはあまり好みませんが予想に反して楽しめました。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-09-27 18:47:06)
153.  ハウンター 《ネタバレ》 
タイムループものは過去数多く製作されていますが、死後に繰り返すという内容はあまり記憶にありません。ヒロインが自らの死に気付くまでは夢オチとか妄想オチかと思ってました。死して後にその場から離れられない、ということは所謂地縛霊。地縛霊目線の作品はひさびさのような気がします。  そしてこの一家は、一般的にはホラー作品における恐怖の対象となるべき所謂幽霊。ところがここでは、少なくともリサは今まさに生命の危機にある生きた人間を救う存在。既視感が無いこともありませんが、単に伝えようとするだけではなく対象とシンクロして救おうとするあたりは目新しく感じました。  ただ、展開上あまり詳細を描く必要が無いのかも知れませんが、エドガーの存在が今一つ解りにくいですね。生きていた時はサイコキラー。死して後は自らが殺した相手の霊を封じ込めている悪霊的存在。途中までは例によって洋画特有の悪魔系の作品かと思っていました。  エドガーはどうやら悪魔ではないらしいけれど、悪魔並みに強い魔力をもって被害者の霊を屋敷に封じ込めている。いったいどんな存在なのかは謎のままでした。意外とあっさりやっつけられちゃいましたし。  比較的解りやすいストーリーでスピーディーな展開、ホラーあるある的なヒロインの無謀な行動等々、しっかりとツボを押さえた適度な尺の佳作かと思います。  それにしても、我が国にはあんな屋敷は少なくて良かった。自分の住まいに謎の地下室とか通気口とかあったらイヤです。おちおち寝てもいられない。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-09-27 15:07:19)
154.  ジェーン・ドウの解剖 《ネタバレ》 
他にも書いてる方が何人もいらっしゃいますが、解剖を通じて死体の謎の真相を解明していくミステリーかと思いきや、思いっきり悪魔系オカルトホラーだったのですね。そういう意味では期待外れでした。  魔女狩りが行われていた時代に魔女として裁かれ、容赦なく繰り返される激しい暴力に耐えかねて悪魔に救いを求めた少女。その死体は一見して永遠の美を約束されているかのような状態にはありながら、その実、悪魔に捧げられ永遠に利用され続けてしまう悲劇。そして関わる者に与えられるのは非業の死という悲劇の連鎖。簡単に纏めるとそんな感じでしょうか。  悪魔系の物語は何でもありになってしまうので好みではありません。日本文化にどっぷり浸かって生きてきた自分としては、どうにも受け入れ難いものがあります。この作品でも、悪魔は嵐を演出するわラジオ放送を流すわとやりたい放題ですね。  ただし、解剖のプロセスで明らかになって行くのが、医学的だったり病理学的だったりの事実ではなく、超自然的なオカルト的状況。人間の手では出来る訳のない技。初めは目前の事実を否定すべく努力していた親子も、ついにはそれを受け入れて対応せざるを得なくなる展開。これは新鮮でした。第二弾や第三弾は難しいでしょうけれど、本作におけるそのアイディアは大成功だったと思います。  出来ることなら解剖シーンをもう少し現実的にして欲しかった(ゴーグルやマスクなしで執刀する訳ないでしょ)のと、検視官や葬儀店を生業とする人たちなんだから遺体に敬意を表するような振る舞いが欲しかった(扱いがぞんざい過ぎる)。司法解剖という極めてデリケートなテーマですから。  それにしても「ローラ・パーマー」と「世界で一番美しい死体」を競いそうな真の主役のジェーン・ドゥ。解剖シーンの特殊映像もハイレベルでした。  という訳で、納得出来ないなりにも高評価せざるを得ない作品でした。監督の次回作に期待します。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-08-23 10:58:13)
155.  太陽の舌、波打つ熱芯 《ネタバレ》 
登場人物はエミリアとラミロの若い夫婦、それに隣人のアンヘルさんという3人だけ。舞台となっているのはマンション(?)の一室と屋上及びそこに繋がる階段だけ。  まるで舞台劇のようなコンパクトな空間と数少ない登場人物で物語は進みます。  意味深とも受け取れる邦題と冒頭のセックスに関わる二人の会話、惜しげもなく映し出される二人の裸身からすると、地球最期の日に我を忘れ只管に性に溺れる男女の話に思えてしまいますが、テーマそのものはもっと深遠なものとなっています。  地球最期の日、逃れられない死を自ら迎え入れるべきか、死が訪れるからこそ新たな生命を求めるべきか、哲学的とも言えるような重いテーマですね。  明日には、いや今日にも死んでしまうであろう男女が、最後に交わすセックスで求めるべきものは何なのか?多少チープな作りの作品ではありますが、大真面目なテーマに向き合って製作された良作と思います。  邦題の後半は不要なのでは?
[インターネット(字幕)] 7点(2022-07-17 13:52:35)
156.  残酷で異常 《ネタバレ》 
アマプラで見つけて予備知識ないままに鑑賞。あらすじ紹介でイメージした内容とはだいぶ違いました。  失礼ながら、邦題(原題直訳)から見てトンデモ映画を期待して観始めたのですが、これまた失礼ながら主な出演者さんたちが概ね見覚えのない役者さんたちばかりなので、作品世界に入って行くまでに少々退屈してしまいました。  ところが話が進んでいくにつれ、なんとも好みの設定と展開、思いもしなかった秀作との出逢いでした。ストレートな邦題(原題)にもある意味納得です。  追っかけ皆さんのレビューを読ませていただくと、あの建物は地獄であり、地獄で追体験をさせられることで永遠に苦しみ続けることになる、という解釈は理解出来ますが、自分なりには観終えた時点でタイムパラドックスをテーマにしたミステリー作品なのかなと思いました。  ただ、タイムパラドックスばかりに拘ってしまうと、ループしていること自体の理由や、自分の死をもってしてループを止めることについて今一つ重みが感じられないかも。  そう考えると、少なからず宗教的な意味合いを含めつつ、地獄で心から反省し懺悔し、身をもってその心を表せば愛する者は救われるといったことなのかな、と思えてきます。  なので、カテゴリ的には「SF」を追加かな?と思っていましたが自粛します。  ひとつだけ気になるのはラストシーン。主人公が例の部屋で平然と過ごしているように見えるのは、どんなに自らの行いを悔い改めようとも、自ら命を絶ったことは決して拭い去ることの出来ない罪であり、彼がそれを認め受け入れているからなのでしょうか?  それとも、自らの死をもってループを止めることで愛する妻の命を救ったことに満足し、そもそもの反省の意識は忘却の彼方へと飛んで行ってしまい、結局コイツはダメ!とばかりに地獄送りになったのでしょうか?  いずれにしても、妻の命は救えても自らの罪は決して消し去ることは出来ないということなのでしょうね。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-06-18 14:32:39)(良:1票)
157.  キル・ザ・ギャング 36回の爆破でも死ななかった男 《ネタバレ》 
オーソドックスなギャングものとして楽しめました。実話がベースになっているだけに、話がどう展開していくか常に緊張感に包まれながらの鑑賞でした。  ラストシーン、それまでの彼であれば爆死から逃れたことでしょう。しかし、既に死んでしまった旧友からの手紙は彼から生きることへの執着を奪ったのか、それとも昔を思い出し友たちのもとに旅立ちたかったのか。人生の最後に見せた哀しみと孤独への恐れといったところでしょうか。  思えば70年代のアメリカは、まだまだこういう状況だったのですね。でかいアメ車を乗りこなし、必要とあれば白昼堂々と撃ち合う。たった半世紀、されど半世紀、50年の月日はアメリカは勿論のこと世界中を大きく変化させました。ただ、外見的には随分と進歩・発展していますが、内面的にはどうなのでしょう?昨今のニュースを見ている限りでは、大国の中心を成す人物の内面は、まるで進化していないかのように思われます。  こういう血で血を洗う争いは、映像の世界で終わって欲しいものですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-04-15 00:08:15)
158.  スノー・ロワイヤル 《ネタバレ》 
まずは元ネタと思っていたらAmazonPrime期限切れ。なので、BSで録画しておいたリメイク版(吹替え)を先に鑑賞しました。  すっかり復讐親父のイメージが付きつつあるリーアムさんですが、ここでも復讐親父ぶりは健在ですね。彼の暗い過去の部分はあまり触れられていないのですが、若い頃はかなり無茶をしていたのでしょう。兄貴(兄貴分?)との会話シーンからは、過去の姿とか何故堅気になったのかとかは読み取れませんが、過去があってこそのスムーズな復讐ぶりなのだなと勝手に理解。いくら愛息の仇とは言え、そうじゃなきゃ、いきなり殺しまくったり死体処理しまくったり出来ないですよね。娯楽映画だからって。  そして、いろんなところで書かれているように、ブラックコメディ部分ではタランティーノ風味が感じられますね。ただし北欧風と言うか上品な感じ。結構好みです、そのあたりのウィット。  主人公の意に介さず勝手に犯罪組織の抗争になって命拾いしたり復讐の手間が省けたりと、かなり予定調和に満ち溢れた作品ですが、リーアムさんが殆ど危機に陥らず、肉体的には殆ど無傷(変態健康志向パパの軟弱パンチ一発だけ)だったり、少々変化球気味の無敵親父作品には、観終わってみれば意外と満足してしまいました。  リーアム・ニーソンさんの復讐劇が観たい!という方にはお勧めしてもいいかな、という佳作に、大好きローラさんの出演を加味しての7点献上です。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2022-04-04 13:05:33)
159.  三人の夫 《ネタバレ》 
冒頭のタイトルバックから性的な表現ばかりで、予備知識なしに観てしまうとポルノ以外の何ものでもないような描写が続く作品。 けれども話が進んでいくと、底なしの悲しみの中に生きる貧困層の逞しさと、「性」への執着は「生」への執着に他ならないというやるせない現実、そして次から次へとスクリーンから投げつけられて来る映像の数々に胸を締め付けられる思いになりました。 淫猥な映像も時としてハッとさせられる程の美しさを放ち、それがせめてもの救いかなと。恐らくは知的障がいを持つヒロインと彼女と共存する三人の男、そして赤ちゃんの姿は、所謂底辺に限らず社会全体が内包する様々な問題を提示していて、観終わった後しばし胸苦しさと居心地の悪さに苛まれました。 フルーツ・チャン監督が自ら「娼婦3部作」と呼ぶ作品のうち、先行した「ドリアン ドリアン」「ハリウッド・ホンコン」は未見ですが、観るためには心してかからないといけないですね。
[DVD(字幕)] 7点(2022-03-23 02:06:34)
160.  ザ・ウォード/監禁病棟 《ネタバレ》 
昔読んだダニエル・キース氏の書籍を思い出しました。その書籍とは、解離性同一性障害、所謂多重人格についてのものでした。何故多重人格の症状は出現するのか?また、どのように治療していくのか? 本作では、敢えて交代人格のひとりであるクリステンを一人称に据え、彼女や他の交代人格たちが最も恐れる元々の人格・アリスをモンスターとして描くことで、交代人格がひとりずつ消されていくことへの恐怖を表現しています。その辺りの主客転倒ぶりが面白いですね。交代人格にとって邪魔なのは元々の人格のアリス。交代人格たちは協力し合ってアリスという邪魔な人格を消してしまうのだが、アリスは主たる人格として更なる力を得て、交代人格たちを排除していく。テーマは使い古されているようでいて同時に新鮮でもあり、要所要所を真面目にきっちりと作り込んであるので、矛盾点を矛盾点ともしない流石の作り込みです。無駄な修飾を取り払ったシンプルな表現に好感度大でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-03-20 00:17:03)(良:1票)
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