141. ショートバス
なんだか暖かい気持ちになります。みんな似たような悩みを持っているはず。 [DVD(字幕)] 6点(2010-08-19 00:34:14) |
142. マン・オン・ワイヤー
《ネタバレ》 良い点は、とりあえずすげーってなる点と、彼らの執念が伝わってくる点。そしてその空前絶後の離れ業の後の何とも言えない虚無感です。特にフィリップの友人の涙や「友情が終わった」という台詞、元恋人の愛がそこで終わったという発言は、なんだか寂しさを感じました。悪い点は、フィリップのただの自慢にしか聞こえない点。再現映像が多すぎて、実際の映像がほとんど無く、ドキュメンタリーというよりはテレビ番組っぽいという点。前者は、フィリップの自己顕示欲があからさまに示されるので若干の不快感を催すほどです。フィリップのオーバーリアクションと誇張した表現は信用性に欠け、綱渡り後に「有名になった」ことで有頂天になったとの発言はそれに拍車をかけます。しかしそれと対照的に、彼の友人達は至って冷静に語ります。特にジャン・ルイは偉業の瞬間を語りながら涙し、本作品のクライマックスと言えます。しかしあれほどcrazyな人間でなければ到底あんなことはできないでしょう。目を輝かせながら語るフィリップは子供のようです。綱渡りシーンは確かに美しいが、もっと観せなければこの映画の価値は半減します。この映画が一体何を見せたかったのかが分かりませんでした。それは少なくともフィリップの自慢話ではないはずです。アカデミー賞受賞も、(明示は全くしていませんが )9.11を否応なく想像させる「うまい」題材だったからなのではないか、と邪推してしまうのは私だけでしょうか。 [DVD(字幕)] 4点(2010-08-07 00:54:01) |
143. イングロリアス・バスターズ
《ネタバレ》 オープニングの緊張感は最高。あの勿体ぶった長ゼリフなんかもタランティーノっぽくてすごく良かったです。でもみおわってみると、意外と無難にまとめたな、という印象。大風呂敷を広げて、バスターズの活躍やもう一つのストーリーとの壮大な絡みを期待したのですが、こぢんまりとしてしまいました。でもそういう意味でなかなか観やすい映画になっていると思います。ただもっとやり過ぎ感があったほうがタランティーノらしくて好き。残酷なまでの痛快さは伝わりました。ただ多くのレビュアーが指摘するように、バスターズの印象が相当薄いことと、二つのエピソードの絡みがいまいちなことがマイナス要素。ただ全体のバランスの良さはかなりいいと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-06 21:57:34) |
144. スラムドッグ$ミリオネア
《ネタバレ》 これはちょっと評価が難しい。非常によくまとまっているし、ご都合主義もなにも、it is writtenなのだからそういうこと。それよりも、ラティカの描写や司会者の描写がもう少し有っても良かった気がする。拷問しといてあっさり話を信じるし、全体的に説得力に欠ける。「偶然」を描いた作品なので、どうせなら徹底して偶然の要素を入れて欲しかった。それにしても問題の答えを知る過程を回想することで彼の人生を描いていく手法は素晴らしい。でも2時間はすぐ過ぎた気がするけれど、どこにその時間が費やされたかピンとこない。そういう意味で不思議な映画でした。とはいえ、インドの街並みを実際に歩き、人と触れあった体験を持つ自分にとっては、その雰囲気が伝わってきてとても楽しめました。 [DVD(字幕)] 6点(2010-08-01 02:07:56) |
145. ミスト
最後まで普通に観れたので、パニックものとしては及第点だと思います。ドラマとしては説得力が無い。それに尽きます。教祖の描き方は秀逸。一つの宗教の誕生を見るかのようです。とってつけたようなラストでさえ無ければ、ああいう終わり方はとても好みなのですが。 [DVD(字幕)] 6点(2010-07-25 22:16:06) |
146. 歩いても 歩いても
大傑作。あえて時代性を感じさせないような設定に、丁寧に作り込まれた脚本。そこには登場人物の自由さと、昨日もここで暮らしていて、明日も同じように過ごすのだなぁと思わせる本物さ。キャスティングの妙なのでしょうか、普段あまり評価していなかったような俳優さんもとてもピッタリに見えます。鳥肌が立つシーンもあり、ほんわかするシーンもあり、邦画の最高峰です。現代の東京物語。 [DVD(字幕)] 10点(2010-07-14 01:22:16) |
147. 17歳の肖像
《ネタバレ》 原題はEducationです。社会勉強が一番ってことかな。ストーリーとしてはたいしたことはなく、妻子持ちの年上男性にもてあそばれて捨てられるというだけ。特に波乱もないし、特筆するようなところも無いと思います。教育、にそこまで重みのあるテーマ性を感じたわけでもないし、平凡な作品。 [映画館(字幕)] 4点(2010-06-28 23:51:16) |
148. マンマ・ミーア!
設定はなるほど、と思わせますがストーリーと歌はいまいち。腑に落ちない部分が多く、カタルシスは皆無。へぇーって感じ。暇つぶし映画。でも暇つぶしにしては良質、という程度。 [DVD(字幕)] 4点(2010-06-27 01:21:38) |
149. 変態村
《ネタバレ》 ラスト、なぜ一瞬にして冬の風景になったのかが全く分かりません。素直に考えれば時の移行かな? 全体的に「へぇ~」で終わってしまいました。なんだか普通のホラーでした。ワンダフル・ラブのほうが微笑ましくていいですね。 [DVD(字幕)] 4点(2010-06-05 22:20:01) |
150. GO(2001・行定勲監督作品)
行定のある意味ベタな演出というか撮り方と、クドカンのリズムは有るけどクセのある脚本がうまく調和して、すごくいい作品になったと思います。俳優陣が素晴らしい。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-08 18:20:44) |
151. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
テーマ性が面白い。勧善懲悪でもないのね。それだけにケンとかの方の背景を丁寧に描いてほしかったかな。全体として飽きることもなく面白かったです。アニメで飽きさせたら終わりだけど。 [DVD(字幕)] 6点(2010-02-22 18:07:18) |
152. マンダレイ
間延びしている観は否めず。しかしなぜパパが到着前に行ってしまったのだろう。時計の時間を決めるとこが伏線かと思ったが、5分前ならまだ大丈夫なはず…。 他にもバートも良くわからん伏線だったし、消化不良です。しかし凄いのはこのストーリーの切り口。上手い。一つのパラダイムから抜け出すことは難しく、突然の変化には誰もついていけない。大切なことはパラダイムの本質の理解なのです。 [DVD(字幕)] 6点(2010-02-22 18:03:56) |
153. グッドナイト&グッドラック
マッカーシズムの大体を把握してないと少しきついかもしれないですね。抑えられた脚本というか、無理に見せ場をつくろうとしていないところがこぢんまりとして好感を持てます。いやー、かっこよかったなぁ。モノクロが渋い。省略シーンや暗転が多く、90分にまとめるための苦労が感じられたような…。あっさりしすぎたきらいもあるかもしれません。 [DVD(字幕)] 7点(2010-02-17 21:32:56) |
154. ブラック・ダリア
《ネタバレ》 ここで言われているほどストーリーや人物関係がわかりにくいとは思いませんでした。ちゃんと観て、素直に追っていけばそれ程でもないです。自分がこういうミステリやサスペンスが好きだからなのかもしれないけど。 まぁパッとしないってのは確かに分かりますね。サスペンスは最後に分かりやすさをどうしても求めてしまうので、なんで最後にマデリンを殺さなければならなかったのか、とかジョージイ結局どうなったの、とか何だかんだケイとくっつけるの?とか色々腑に落ちないところがマイナスなのかな。映像はすごく綺麗です。 [DVD(字幕)] 6点(2010-02-16 11:18:06) |
155. インビクタス/負けざる者たち
《ネタバレ》 スローモーションだの幻影だのベタベタであざとい演出ばかりだったにも関わらず泣きそうになります。イーストウッドの手のひらで踊らされているよう。結果ももう分かり切ってるのに、そこへ到達するまでの展開がやはり上手いんだろうなぁ。ここまで露骨な演出をするとは思わなかったのでかなり意外でしたが、それが効果的。 完璧なエンターテイメントに仕上がっています。とはいえ、イーストウッドお得意の大俯瞰も随所に有って、らしさも伺えます。すげーやつです、イーストウッド。 [映画館(字幕)] 7点(2010-02-15 21:15:14)(良:1票) |
156. サムサッカー
誰しも当てはまるストーリーですね。思春期ものは好きです。実は彼だけの問題じゃなくて、家族全体の問題もあるし、それらが影響し合っている部分もある。途中に明らかに小津の影響を感じる、誰もいない部屋のショットを挟んでいたりして、にやりとしました。役者が良かったです。最後のニュースのシーンで、口がモゴモゴしたと思ったらthumbsuckにつなげていて、すごく印象的。うまい。 [DVD(字幕)] 6点(2010-01-03 23:42:38) |
157. トウキョウソナタ
元からギャグ映画なのだと思うと妙に納得がいく。とはいえ決して笑わせようとしているわけではない…のかな。とはいえ強盗が出てきて以降、ぶっ飛びすぎた観はしますね。 ソナタ、という意味をあれこれ詮索してしまう。 [DVD(吹替)] 6点(2009-10-16 23:00:40) |
158. パラノイドパーク
映像の美しさは言うまでもなく、時間軸を操ってストーリーを収束させていく手法は相変わらず見事です。しかしこの映画の主眼はそこではなく、主人公の空虚さです。「エレファント」でも同じことを感じましたが、たいてい死んだ魚のような目をしています。そこに降りかかる重大な事件、というのが共通する構造だと思います。そこをよく考えると、ガス・ヴァン・サントが意図したことが分かる…ような分からないような(笑) とりあえず「このような事件は起こっているであろうし、また常に起こりうるだろう」と感じさせる何かがあります。起伏の無さはいつものことなので、考えないことにします。けっこう好きだなぁ。 [DVD(字幕)] 6点(2009-10-11 11:08:32) |
159. 空気人形
《ネタバレ》 前半の意外なほどベタな展開から、後半の展開は驚き。きっと前半が予告編の全て。後半からがこの映画の真骨頂。 空気を抜いて、また入れて、というシーンにものすごく官能を感じました。 特に関わり合いの無い人物たちが出てくるのだけれど、きっと彼らは何か満たされないものを持っていて、それを代用している象徴が空気人形なのです。 空気人形が息絶えた時、その人たちは本当の自分を直視できたのかもしれません。 それにしても空気人形が腹を裂いて空気を口から入れるシーンや、ポリ袋に死体を入れるシーンなんかはぞっとするほど良かった。哀しいほどの愛情。 ちょっと雑な観は否めないけど、ペ・ドゥナがそれを補ったかな。 詩がかなり重要なファクターのようです。 [DVD(字幕)] 7点(2009-10-01 08:11:22)(良:1票) |
160. デス・プルーフ in グラインドハウス
あー面白かった! あんだけ怖かったのに「助けて!勘弁して!」と泣き叫び、しかもボッコボコにされるカートラッセルに爆笑。カーチェイスも他のと違ってなんだか面白い。タランティーノの才能としか言いようがない。 中身がないのがタランティーノです。 [DVD(字幕)] 8点(2009-09-23 09:40:23) |